ミニチュアカー ミュージアム

GIMMICK ミニカーのギミック

クーパー マセラティ F1 (COOPER MASERATI F1)

ミニカーのギミック

 今回はスポーツカーの頂点であるフォミュラーマシン(F1)を紹介します。もちろん昔のコーギーのミニカーですので、現在のF1 マシンの原点となったような車です。今はもう消えてしまったクーパーというメーカーですが、現在でもミニの高性能版「ミニ クーパー」にその名前を残している60年代の有名なF1 コンストラクターでした。1946年にクーパー親子はバックヤードビルダーとしてF3マシンの製作を始めます。クーパー車の特長はエンジンをミドシップ配置したことでこのF3 マシンは大成功します。その後F2を制覇してF1に進出し1958年のF1で初優勝しその後59、60年の2年間連続でコンストラクターズ カップを獲得しその当時は最強のマシンでした。しかし1961年になるとロータスなどのライバル車がミドシップ配置を採用したことでクーパーの優位性はなくなりその後はあまり活躍できずに1969年にレース活動を休止しています。

 

 ミニカーはクーパーのレース活動最後のころのモデルでマセラティエンジンを積んだ「クーパー マセラティ F1」(型番159 生産期間1969~1972年)です。このミニカーのギミックは前輪の舵取りが出来ることですが、単に前輪が操舵できるだけならこれ以前にもいろいろとありましたがこのギミックはそれをさらにおもしろく見せるようになっています。前輪の向きに応じてドライバーの体が傾くようになっています。今のF1マシンではドライバーは運転席にしっかりと固定されていますので体が傾くようなことはありませんが、昔のF1マシンの写真を見ると遠心力に対抗するためにしっかりと体を傾けていますので現実味のあるおもしろいアクションです。

 

 F1のミニカーとして評価するとサスペンションやエンジンが当時としては良く再現されていてその点でも出来の良いミニカーといえます。特に前輪のサスペンション アームは子供が乱暴に扱っても簡単には壊れないよう金属部品でしっかりと作ってあり見応えがあります。またこの頃からF1マシンに採用され始めた初期のリアウィングがついていて取付け角度が変えられるようにもなっています。ドライバーが体を傾けるユーモラスな動きなどを以下の動画で見てください。

注意!!音楽が流れますので音を控えめにしておいてください!!
 
 
 

当時のF1のミニカー、箱

 このミニカーは1969年に600円で購入しています。当時はF1マシンのことはほとんど知らなかったので「クーパー マセラティ」はクーパー+マセラティとは知らず少し長い名前の車だと思っていました。今回クーパーのことを調べていて分かったのですが、コーギーがこのミニカーを生産していた時期(1969~72年)にはクーパーはレース活動から撤退しています。実はこのミニカーには先に生産されていた「クーパー マセラティ F1」(型番156 生産期間1967~1969年)がありましてこちらはクーパーが1966年にメキシコ GPでジョン サーティスで優勝したことを受けて企画されたものと思います。

 

 このミニカーはクーパーが消滅した1969年に生産中止となりこの型にギミックを追加して発売されたのが今回紹介しているものとなります。前にも書きましたがコーギーはイギリスのスポーツカーメーカーをサポートするような車種選択をしていますが、このミニカーも消滅したクーパーの名声を惜しんで企画されたのではないかとコーギー好きの私は考えてしまいました。(それとも単にこのギミックをつけたかっただけなのでしょうか?)

 

 この新旧のモデルがありますので、同時期のフェラーリのF1も含めて画像を紹介しておきます。右からフェラーリ 156(型番154 生産期間1963~1972年)、旧クーパー、新クーパーとなります。いずれも型番が100番台でこの時期のコーギーの100番台はすべてレーシングカーとなっています。

 

 新クーパーは旧クーパーにはついていなかったフロントスポイラーとリアウィングが追加されていてゼッケンが安価な紙シールに変更されています。またドライバーのフィギュアも見た目は似ていますが、新の方は前輪と連動するハンドルと一体化されたフィギュアとなっています。(顔が服と同じ青色なのがちょっと怖いです)

 

 旧のクーパーは単体で購入した物ではなく、以下の画像のVWサービスカーとのセット(型番GS6 生産期間1967~1969年)で購入したものです。「RACING CLUB」のシールをつけたVWのサービスカーは蓋が開けられる工具箱やスペアタイヤを荷台に積んでいてリアのウインチが作動するなどおもしろい仕掛けがついています。巨大なトレーラを使って移動する現在のワークスのレーシングチームと違い、この当時はこんなこじんまりとしたレーシングチームもあったのではないでしょうか。当時のコーギーにはいかにも本当にありそうな情景をちょっとした小物とミニカーで再現したこのようなギフトセットがたくさんありました。

f1 car set
 当時のF1 ミニカー
マウスカーソルを載せると後方からの画像にかわります

giftset6
ギフトセット GS6 VWサービスカーとクーパーのセット

 
copper box1
 箱は昔のコーギー定番の黄色い箱ですが、ロゴが新しいタイプになっています。箱には毎度おなじみのコーギーモデルクラブの入会案内の紙がはいっていて、そこにギミックの簡単な説明図が載せられています。(箱の画像にマウスカーソルを載せるとギミック説明図の画像にかわります)
 
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