ミニチュアカー ミュージアム

GIMMICK ミニカーのギミック

ロータス エラン クーペ (LOTUS ELAN COUPE)

ミニカーのギミック

 乗用車が続きましたので軽快なスポーツカーを紹介することにします。スポーツカーメーカとして有名なロータス社の1960年代の名車「ロータス エラン」です。エランはロータス社初の市販車エリートの後継車として1962年に登場しました。ミニカー(型番319 生産期間1967~1968年)はそのタイプS2をモデル化したものですが、このミニカーには子供向けとは思えないマニアックなギミックが付いています。それはエランのボディ構造の特徴であるバックボーン フレームを忠実に再現してその脱着が出来るようになっているのです。

 

 現在の車はほとんどがモノコック構造といいましてボディ全体が一つの箱として構成されていますが、フレーム構造とはエンジンなど走行するのに必要な部品をフレーム(台車)に取り付けボディはその上に被せてあるといった構造となっています。エランの場合は前後が開いたX字型の鋼鉄製フレーム(バックボーン フレーム)にエンジンなどが取り付けてあり、FRP製のボディが上に被せてある構造となっています。少し専門的な解説になってしまいましたが、このような自動車マニアでないとあまり興味を持たない部分を敢えてギミックにしてしまったのですからこれは大人のマニアを対象にしていると思われます。したがって取り外せるフレームもかなり本格的なものとなっています。フレームに載っているエンジンのカムカバーには「LOTUS」と表示されていますし、フレームに開けられた重量軽減用の孔からはドライブシャフトがみえるなど実車を忠実に再現してあります。

 

 エランのミニカーとしてみた場合はタイヤが大きめで少し腰高な感じがしますが、それ以外はエランのデザインがうまく再現されていて良くできたミニカーだと思います。以下の動画でフレームのマニアックな出来具合などを見て下さい。

注意!!音楽が流れますので音を控えめにしておいてください!!
 
 
 

同じギミックのミニカー 箱 説明書

 このミニカーは1969年に650円で購入しています。そのころはエランのボディ構造のことなど知りませんでしたので、このマニアックなギミックの本質が分かるはずもなく購入した当時のメモをみてもこのギミックについては何もふれていないのであまり面白いとは思わなかったようです。このミニカーはハードトップになっていますがオープンタイプ(型番318 生産期間1965~1966年)が先に発売されています。この型番318の型を変更してフレームを取り外すギミックを追加したものがギフトセットGS37に使われていて、これにハードトップを付けて単品販売したものが今回の型番319になります。どちらも生産期間が短いのでやはり大人のコレクターを対象にしていたものなのでしょう。

de tomaso mangouste
デ トマソ マングスタ(シャーシを外した状態)
 このシャーシが取り外せるギミックは少し後に発売された「デ トマソ マングスタ」(型番271 生産期間1969年単年)にも採用されています。コーギーはこのギミックを採用する車を探していたのだと思いますが、ジュジアーロがデザインした斬新なデザインで評判となったこの車はまさにうってつけだったと思います。ただやはりマニアックすぎてあまり売れなかったらしくたった一年間しか生産されていません。

 

 ソリドが同じデ トマソ マングスタをモデル化していますが、リアのエンジンフードがガルウイング式に開閉するギミックを採用しその開閉精度の高さでソリドの傑作ミニカーとして評価されているのとは対照的な結果になっています。


 
 箱に入っている説明書にはシャーシ(CHASSIS)脱着の説明が書かれてありますが、箱には何故かこの売り物のギミックが表示されていません。また今回箱を見ていて初めて気が付いたのですが、シートが前方にチルトするギミックが付いていました。ハードトップが外れないのでシート部分に手が入らないしよく見えないので今まで気がつきませんでした。
elan box
シャーシ脱着ギミックについては特に書いてありません
elan paper
取扱い説明書と付属品のゼッケンシール
 
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