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ミニカーのギミック |
映画やドラマに登場する車のミニカーを紹介してきましたが、実在する車のミニカーを紹介します。1960年にコーギーが初めてボンネットが開閉できるミニカー(型番218 アストン マーチンDB4)を発売し、その翌年にはソリドからドアが開閉できるミニカー(型番121 ランチア フラミニア)が発売されました。その後もミニカーメーカ各社は様々なアイデアを考え出しギミックとしてミニカーに取り入れていきました。その頃のミニカーは子供用の玩具だったのでギミックの目新しさやおもしろさがミニカーの売り上げに大きく影響していましたので当時のミニカーは本当に色々なギミックがついていました。その中でもコーギーのギミックは単なる車体各部の開閉にとどまらないユニークで凝ったものとなっていてその頃の子供や大人のコレクターも楽しませてくれたものでした。
今回紹介するのはコーギーの「メルセデス ベンツ 600 プルマン」(型番247 生産期間1964~1969年)で実車は1963年に発表されたベンツの最高級車で全長が6mを超える当時最大の乗用車です。ミニカーとしてはこの当時の標準的なできですが、このミニカーには今までどのミニカーにも採用されなかった独自のギミックが付いています。それはワイパーが作動する!!ということです。ワイパーが動くとはいっても実際にウインドスクリーンの上をワイパーアームが動くというわけではありません。子供が扱うものですから簡単に壊れるようなものではまずいのでワイパーアームを描いた円盤がウインドスクリーン(雨滴がモルードされています)の内側で回転するといった構造になっています。
この円盤はリアタイヤからギヤで駆動されるカムで回されるようになっていて、そのギヤの伝達をON/OFFするスイッチもついています。この巧妙なしかけが透明なギヤカバーを介して見ることが出来るようになっているのもコーギーらしいところです。ワイパー以外にも後部のウインドーが上下できるギミックもおまけとしてついています。この変わったギミックをギヤ部分の動作なども含めて以下の動画でみてください。 |
注意!!音楽が流れますので音を控えめにしておいてください!! |
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箱 付属品 説明書など |
このミニカーは1972年にデパートのおもちゃ売り場の片隅に売れ残っていたのを見つけ950円で購入しています。このミニカーのギミックはアイデアとしては極めて独創的だったのですが、残念ながら動く部分が小さいので今ひとつ見栄えがしませんでした。実際子供にはさほど面白いと思われなかったらしくこのミニカーはあまり売れなかったようです。その為このギミックもその後別のミニカーに展開されることはなくお蔵入りしてしまいました。(売れなかったとはいっても20万台以上も売れているのはさすがですが)
上の画像で感の良い方は気が付いたかもしれませんが、このミニカーは1/43サイズではありません。コーギーのミニカーは基本的には1/43サイズなのですが、米国車などの大柄な車の場合はコーギーサイズという特例がありましてだいたい1/50サイズに縮めていました。大柄な車のサイズを小さくするのはトミカも同じですが、おもちゃとしてはあまり大きさにバラツキがあるのは好ましくないのと大きなミニカーはコストがかかり売価が高くなるのを避けているのが理由であると思います。 |
ミニカーの箱 実際にはどれぐらいサイズが小さいのか同じベンツの1/43サイズのミニカー(ディンキー型番128 1964年発売)と比較したのが左の画像です。 大きさの違いは一目瞭然でやはりこのように並べるとコーギーのベンツは貧弱に見えてしまいます。ちなみに全長はディンキーが145mm コーギーは120mmとなります。
ミニカーの縮尺が変わるのはコレクターにとってはあまり好ましくないことは前のロータス エスプリ ボンドカーの際に書きましたが、コーギーのこのサイズについてはかろうじて許せる範囲にとどまっているのがコーギーのうまいところです。ただ子供の頃はこのことを知らなかったので米国車のミニカーもヨーロッパのミニカーと同じサイズだったのでてっきり同じ大きさであると長い間思いこんでいましたのでこの点ではやや罪作りな気がします。なお大柄な車が全て1/50サイズになっているわけではなくその辺はアバウトです。 |
ミニカーの箱は懐かしいコーギーの黄色の紙箱です。赤でワイパーギミックがついていることを表示してある部分に「By Repeated Requests」と書かれているのは一種の宣伝文句なのでしょう。箱の中にはイラストだけで簡潔に表現されたギミックの説明書が同封されています。 |
車のイラストが書かれた箱 説明書(裏はコーギーモデルクラブの入会案内になっています) |