Sorry Japanese Only
メルセデス ベンツ 450SLC (C107) ドイツ 1973年
前述したようにメルセデス ベンツ 350SLCにはメルセデス ベンツ Sクラス クーペ(W111)の後継車としての役割が与えられました。したがってSLシリーズ初代の300SLのSLにはSport Leicht(軽量のスポーツカー)の意味があったのですが、豪華なパーソナルカーとなったSLCではSuper Luxury Coupe(豪華なクーペ仕様車)を意味することになりました。
1973年にV型8気筒4.5Lエンジン搭載の450SL/SLCが追加され、1977年にV型8気筒5L(240HP)エンジンを搭載した450SLC 5.0が追加されました。1980年のマイナーチェンジでは、V型8気筒エンジンがSクラス(W126)と同じ新開発の軽量アルミ製に変更され、380SL/SLCと500SL/SLCが登場しました。1981年にSクラスのクーペ(C126)が設定されたことで、SLCは役割を終え1981年に生産中止となりました。SLCの生産中止後もSLクラス(C107系)は1989年まで生産され、18年間で約24万台が生産されました。(そのほとんどはアメリカ市場で販売されました)
ミニカーは1996年頃に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプス製のメルセデス ベンツは総じて出来が良いのですが、この450SLCはヘッドライトが小さめでフロントのイメージにやや違和感があります。また全体的に平べったい感じがするので、ミニチャンプスのメルセデス ベンツとしては今一つの出来ばえのように思います。なお室内のインパネなどの細部はミニチャンプスらしいリアルな仕上げとなっています。当時物ミニカーとしてはポリスティルの1/25で450SLCとラリー仕様のSLC、マッチボックスのKシリーズの350SLなどがありました。国産のサクラでも450SLCをモデル化していました。最近の物では、NEO(レジン製)の450SLC AMGレース仕様があります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1165
メルセデス ベンツ 450SEL 6.9 (W116) ドイツ 1975年
メルセデス ベンツ 450SEL(W116)は前述した450SEのロングホイールベース版で1973年に登場しました。450SELはV型8気筒4.5L(225HP)エンジンを搭載していましたが、1975年に登場した450SEL 6.9は先代の300SEL 6.3(W109)の後継車で、6.9Lに拡大した600(W100)用のV型8気筒エンジンを搭載した超弩級のハイパワーセダンでした。この6.9Lエンジンは戦後のメルセデス ベンツでは最大の排気量のエンジンでした。車重増加で0-100km/h加速は7.5秒と少し遅くなりましたが、最高速は225km/hと先代と変わりませんでした。シトロエン特許のハイドロニューマティック方式のサスペンションを採用していました。
通常の450SELとの外観上の違いは、リアの6.9のロゴと太いタイヤだけでした。価格はGMの最高級車キャディラック フリートウッド リムジーンの2.5倍もする高価な車でしたが、1981年までに約7400台が生産されました。(ほとんどがアメリカ市場向けでした) W116は1979年にW126にモデルチェンジしましたが、450SEL 6.9を後継する車は設定されませんでした。
ミニカーは2001年に発売されたミニチャンプス製です。ヘッドライトのワイパーが再現されたフロントグリル、ウッドのインパネが再現された室内の造形などがリアルで、ミニチャンプスらしいかなり良い出来ばえです。ミニチャンプスは450SEL 6.9の色違いを十種類ほどと450SELのドイツ首相公用車仕様もモデル化しています。なお別にエンジンが付いているわけではないので、外観は450SELとほとんど同じなのですが、6.9のミニカーはこれとノレブの1/18しかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。画像ではわかりにくいですが、リアには「450SEL 6.9」のロゴが表示されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1151
メルセデス ベンツ 280E (W123) ドイツ 1977年
メルセデス ベンツ W123シリーズはW114の後継車として1976年に登場しました。上級車Sクラス(W116)と同じような幅広フロントグリル/横長角形ヘッドライトを採用して上級車イメージをかぶらせた巧みなデザインでした。当初のエンジンは4気筒2L/2.3L、6気筒2.5L/2.8L、4気筒2L/2.4Lディーゼルなどでした。当初のセダンに次いで、クーペ、ホイールベースを630㎜伸ばしたリムジーン(タクシー用途)、メルセデス ベンツとしては初めてのワゴン Tモデルが追加されました。
クーペは全長/ホイールベースが85㎜短い2ドアピラーレスハードトップで、セダンとほぼ同じ性能でした。ワゴンは(Touring and Transportの意でTモデルとも呼ぶ)は、後席が分割して畳める形式で、3列目に2人掛け後向き折畳みシートが付いた7人乗り仕様もありました。荷重に応じて車高を維持するために、リアサスペンションにはシトロエン特許のハイドロニューマチック式が採用されました。Tモデルも性能はセダンとほぼ同じでした。 ちなみに1970年代以降のメルセデス ベンツの型式表記では最初のWがセダン、Cがクーペ、Sがステーションワゴン、Aがカブリオレ、Rがロードスター、Lが商用車を意味します。(Vはリムジーンですが、これはあまり使われなかったようです)
1979年と1982年にマイナーチェンジされ、1982年以降はライトカバー内のヘッドライトが丸型から角型に変わりました。ベンツの中型車として世界的に大ヒットし、1985年までに約270万台が生産されました。W123は当初コンパクトクラスと呼ばれていましたが、1982年に小型の190(W201)が登場してからはミディアムクラスと呼ばれることになりました。 1985年に初代EクラスのW124にモデルチェンジしました。
ミニカーは1977年に発売されたフランスのソリド製の当時物です。ソリドらしいシャープな仕上がりで実車の雰囲気が良く再現されていて、当時のソリドの傑作のひとつでした。前ドア開閉ギミックとフロントのナンバープレート部を押すことでボンネットが開くギミックが付いています。フランス仕様なので黄色のヘッドライトになっています。W123のミニカーは非常にたくさんあります。当時物ミニカーはノレブ(JET CAR)、ポリトーイ、シュコー(1/66)、コンラートD(1/35)などがありました。当時物以外ではミニチャンプスのセダン/クーペ/ワゴン、ノレブの救急車仕様、ブッシュの1/87、ブレキナの1/87などがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。なおボンネットはどこかが引っかかっているようでこれ以上開きませんので、エンジンルーム内はほとんど見えません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1152
メルセデス ベンツ 190E (W201) ドイツ 1982年
メルセデス ベンツ初のコンパクトカーとして、190シリーズ(W201)が1982年に登場しました。それまでコンパクト メルセデスと呼ばれていたW123はSクラスに較べてコンパクトだという意味でしたが、この190シリーズ(W201)は現在のトヨタ カローラと同じぐらいの大きさで確かにコンパクトでした。外観はSクラス(W126)のイメージを巧みに取り込んだデザインで、空力的にも優れていました。当初のエンジンは4気筒2Lで、その後4気筒2.2L/2.3L、6気筒2.6L、ディーゼルの4気筒2L/2.2Lと5気筒2.5Lなどが追加されました。
1986年には2.3L(135HP)エンジンを積む高性能版190E 2.3が登場し、さらにドイツ ツーリングカー選手権(DTM)へのホモロゲーション用にイギリスのコスワースがエンジンをDOHC化した190E 2.3-16も追加されました。190はDTMで優勝するなどレースで活躍し、メルセデス ベンツのイメージにスポーティさを付け加えました。(DTM参戦はライバルのBMWなどに対抗する戦略でした) 1993年にCクラス初代のW202にモデルチェンジしました。
ミニカーは1983年に発売されたガマ製の当時物です。空色に着色されたヘッドライト/ウィンドーは当時のガマの特徴でそこは今一つなのですが、それ以外はロゴ入りのホイールや室内などがそこそこリアルに仕上げてありました。ドア/トランクが開閉するギミック付きです。これ以外の当時物ミニカーではマッチボックス、ポリスティル(1/25)、ブラーゴ(1/24)などがありました。当時物以外ではミニチャンプスがレース仕様も含めて100種類近く、イクソ、オートアート、アシェット 国産名車コレクション、トミカ リミッテド、スパーク(レジン製)のレース仕様などたくさんあります。 以下はフロントの拡大画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1154
メルセデス ベンツ 560SEL (W126) ドイツ 1985年
メルセデス ベンツ Sクラス W116の後継車としてW126が1979年に登場しました。世界的な省エネ/安全志向に沿って、車幅を狭くして軽量化し、コンシールドワイパ、スラントノーズなど空力的な処理を施したデザインとなっていました。上級車にはワイパー付ヘッドライト、エアバック、ABSなどの先進安全装備が搭載されました。当初のエンジンは6気筒2.8L、V型8気筒3.8L/5L、1980年には5気筒ディーゼルターボが追加されました。
当初はセダンのSEとロングホイールベース版のSELだけでしたが、1981年には2ドアクーペのSECが追加されました。1985年のマイナーチェンジで外観が小変更され後期型となり、6気筒エンジンが新型の2.6Lに、8気筒エンジンは4.2L/5.6Lに変わりました。W126は人気が高く1991年までに約90万台が生産され、Sクラスの名声を高めた名車でした。(歴代のメルセデス ベンツ セダンのデザインでは、このW126が個人的には一番好きです) W126は1991年にW140にモデルチェンジしました。
ミニカーは2001年頃に発売されたミニチャンプス製のディラー特注品)です。ミニチャンプスらしいうまい造形で、実車が良く再現されています。樹脂製のサイドプロテクターの質感やヘッドライトのワイパーなどもうまく再現されていて、全体的に素晴らしい出来ばえになっています。ミニチャンプスはドイツ首相公用車や560SECもモデル化していました。実車の人気は高かったのですが、ミニカーはまともな物が少なかった時期だったので、当時物ミニカーはマッチボックスの500SEC、ブラーゴの500SEC(1/)、1989年頃のダイヤペットの560SEL(1/40)ぐらいしかありません。当時物以外ではイクソの500SEと500SEC、ノレブの560SEL(1/18)、オートアートの500SEC(1/18)などがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)