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GM オールズモービル トロネード アメリカ 1966年
オールズモービルは1897年に設立されたアメリカで最も古い自動車メーカーで1908年にGM傘下となりました。GMグループではビュイックに次ぐ中級車で、1950-1960年代には先進的な技術やデザインを特徴とするブランドでした。その代表的なモデルがフルサイズのスペシャルティカーとして1966年に登場したオールズモービル トロネードで、このサイズの大型車としては世界で初めて前輪駆動方式を採用した車でした。エンジンはV型8気筒7L(385HP)を縦置き搭載し、3段自動変速で最高速209km/hの性能でした。(1970年以降はV型8気筒7.5L(400HP)エンジン搭載)
ボディデザインもファーストバックの2ドアクーペで、リトラクタブル ヘッドライトを採用した独特のフロントノーズを持つ実にかっこいい車でした。1970年にはそのリトラクタブル ヘッドライトが通常の固定式丸形4灯に変更され、1971年に2代目にモデルチェンジしました。1970年代以降のオールズモービルは先進性がなくなり、ユーザー層がかぶるビュイックの姉妹車的存在となり、あまりパッとしないブランドとなっていきました。最終的に2004年にオールズモービル ブランドそのものがGMから無くなってしまいました。(実車画像→ オールズモービル トロネード 1971)
ミニカーは1967年に発売されたデンマークのテクノ製の当時物です。テクノのミニカーはレベルの高い出来ばえの物が多く、金属製パーツが多いので重量感があるしっかりとした作りでした。このトロネードもプロポーションが正確で実車の雰囲気が良く再現されていました。リトラクタブル ヘッドライト/ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、さらに前輪がステアするギミックも付いていました。リトラクタブル ヘッドライトはボンネット先端部分を下に押し込むことで開くようになっています。実車ではボディと共色のヘッドライト部分が黒色になっていますが、これはヘッドライトが開閉できることをアピールする為の演出でしょう。ボディ先端の赤いレバーを押すとボンネット先端が少し持ち上がり、ボンネットを開きやすくなります。前輪の操舵はボディを押して左右に傾けることで行います。トロネードは見てのとうりのかっこいい車でしたので、コーギー、ソリド、ポリトーイなど当時の主要なミニカーメーカーからミニカーが発売されていました。なかでもコーギーのトロネードは私が入手した最初の外国製ミニカーでしたので、格別な思い入れがあります。アメリカにはこんなかっこいい車があるのだということを、このミニカーで知ったのでした。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM キャディラック フリートウッド シックスティ スペシャル ブロアム アメリカ 1967年
フリートウッドはキャディラックのV型8気筒エンジンを搭載した最上級セダンに付く名前で、シックスティ シリーズ(60 Sixty Serise)とセブンティ シリーズ(70 Seventy Serise)の2タイプがありました。1965年に登場したキャディラック 9代目は、縦型4灯式ヘッドライトを採用したことが外観上の一番大きな特徴でした。最上級セダンの75は全長6.2m 全幅2m、安価な60は少し短いですが全長5.78mとどちらも車重2tを超える巨体でした。V型8気筒7L/7.7L(375HP)エンジンを搭載し3段自動変速で最高速194km/hの性能でした。この車の公称燃費は3.5km/Lでしたが、実燃費は3㎞/L以下だったでしょう。
この縦型ヘッドライトを特徴とするデザインは1960年代の高級車に流行ったデザインでした。このデザインの車はoldsmobile_toronado_corgiboatあたりから始まって、フォード ギャラクシー、オペル ディプロマット、日産 グロリア(A30型)などがありました。キャディラックの縦型ヘッドライトは1969年のデザイン変更で一般的な横型4灯式ヘッドライトに変わりました。1971年に75シリーズはキャディラック 10代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ GM キャディラック 75 フリートウッド 1973)
ミニカーは2009年に発売されたイクソのプレミアムX製の初期物でレジン製です。プロポーションが良く、大きなサイズの実車の雰囲気がうまく再現されていました。フロントグリルや室内の造形もリアルに仕上げてありました。ただしレジン製なのでに大きさの割に軽いのは、中身がからっぽな感じがして個人的にはいまいちの感じがしました。ただ大きくて豪華であったかつてのアメリカ車の代表としてこのキャディラックのミニカーは実に貴重なものです。その意味では60ではなく75をモデル化してくれたほうが良かったのかもしれません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM ポンティアック ファイアーバード アメリカ 1967年
GM シボレー カマロのポンティアック版としてポンティアック ファイアーバードが1967年に登場しました。基本的なデザインはカマロと同じでしたがフロントバンパーをボディと一体化し、そこにポンティアックの伝統である2分割のフロントグリルと突き出たノーズを配してポンティアックらしくなっていました。搭載されたエンジンはカマロ同様にベーシックな6気筒3.8L/4.1Lから高性能なV型8気筒5.3L/5.7L/6.6Lエンジンまでありました。最強モデルはV型8気筒6.6L(400CI 立方インチ 325HP)エンジン搭載の400で、最高速180km/h以上の性能でした。
1969年のマイナーチェンジでカマロと同様にボディが拡大されフロントグリルの意匠が大幅に変更されました。同年にリアスポイラーを装備した高性能版のオプションパッケージとしてトランザムが追加されました。トランザムという名前はアメリカのレース「Trans-American Sedan Championship」にちなんだものでした。その後トランザムはファイアーバードの最強モデルとして定着していきました。1970年にファイアーバード 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズです。メーカーはアーテル(ERTL)で、高性能版の400をモデル化しています。地味なボディカラーのせいで損をしていますが、よく見ると安価な雑誌つきミニカーながら結構良く出来ていました。プロポーションが良く、室内などの細部もまずまずの良い出来ばえでした。またリアサスペンションのリーフスプリングが再現され、運転席の前のボンネット上にオプションのフード タコメーターがあるなどなかなか凝った仕上げでした。なおフード タコメーターとはタコメーターをボンネット上にマウントした物でした。(実車画像→ フード タコメーター) これ以外のファイアーバード 初代のミニカーはコーギーの当時物、ダンバリーミントの1/24、ヤトミン(シグネチャー)の1/43と1/18、M2マシーンの1/64、ジョニーライトニングの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー カマロ SS 396 アメリカ 1967年
大成功を収めたフォード マスタングの対抗馬として、GMからシボレー カマロが1967年に登場しました。2ドアのスポーティなコンパクトカーというコンセプト、エンジンや装備のオプションが豊富に揃っていることなどはマスタングと同じでした。カマロはマスタングより全長全幅で約10cmほどサイズが大きく、直線的なデザインのマスタングに対して、カマロはフェンダーのコークボトルラインなど曲線的でした。ボディ形式にはクーペとカブリオレがありました。
エンジンは6気筒3.8L/4.1L、V型8気筒4.9L/5.4L/5.7L/6.5Lなど多彩で、高性能版としてZ28、RS、SSがありました。カマロ初代には当時流行した格納式ヘッドライト(ライトを覆うグリルが横にスライドして開閉する)のオプションがありました。1967年式は三角窓がありましたが、1968年になくなりました。1969年のマイナーチェンジで、全長4.72m/全幅1.88mにサイズが拡大されフロントグリルとバンパーが一体化するなど外観が変更されました。カマロ 初代はマスタング同様に成功し、1970年にカマロ 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは1997年に発売されたマッチボックス製です。マニア向けのマッスルカー シリーズの1台で、V型8気筒6.5Lエンジン搭載のSS 396をモデル化しています。マッスルカー シリーズは1960-1970年代の高性能車(マッスルカー)をモデル化していていずれもリアルな造形の良い出来ばえで、シャーシやサスペンションなどの下周りも再現されていました。このカマロもプロポーションが良く、格納されたヘッドライト、黒のボディ/フロントグリルを囲む赤のストライプ、太いタイヤなどマッスルな外観がリアルに再現されていました。カマロ 初代の当時物ミニカーはコーギーとナコラルがありました。コーギーは以下に紹介しています。ナコラルは当時としてはそこそこの良い出来ばえで、ダイヤペットが輸入してダイヤペット ヨーロッパというブランドで発売していました。当時物以外のミニカーはフランクリン ミントの1/43と1/24、ジョニーライトニングの1/64、グリーンライトの1/64、ホットホイールの1/64、マテルの1/18、デルプラドの世界の名車シリーズ、ブービーなど非常にたくさんあります。以下はフロントとリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー アストロ I アメリカ 1967年
シボレー アストロ I (XP-842)はGMのスタイリング実験車で、1967年に公開されました。前述したコルベア モンザ GTのデザインをさらに発展させた車で、水平対向エンジンをミドシップ搭載する構成は同じでした。最大の特徴は空気抵抗を究極的に低減させた極端に低い車高(約0.9m)です。通常のドアでは乗り降りが大変なので、リアカウルがキャノピー状に開き、シートも連動して電動で立ち上げる構造となっていました。(この車は雨の日には使わないとのことです) またリアウィンドーがありませんが、後方視界は屋根の上に付いたペリスコープ(潜望鏡式ミラー)で確保していたそうです。
このデザインを実用的に発展させた、シボレー アストロ IIが1968年に公開されました。このデザインは、その後のGMの1980年代のスポーツカー コルベットやファイアーバードあたりに反映されているように思います。(実車画像→ シボレー アストロ II)
1969年には前輪1輪の3輪車とした、ジェット機のようなシボレー アストロ IIIも公開されました。なお1995年に登場したGMのミニバンにもシボレー アストロという名前が付いていますが、全くの別物です。(実車画像→ シボレー アストロ III)
ミニカーは1969年に発売されたコーギーの当時物です。特徴的なデザインを忠実に再現していて、魅力的なミニカーに仕上がっていました。実車の特徴であるリアカウルが開閉しシートが連動する仕掛けは、いかにもそれらしい恰好をしたコーギー十八番のフィギュアを2体付けてうまく再現しています。シボレー アストロ Iのミニカーはこれとこれをコピーしたオートピレンの物しかありません。シボレー アストロ IIはメーベトイ(マテル メーベ)がモデル化していました。当時のコーギーはこのようなスタイリング実験車を結構モデル化していました。例えば以下に記載するアダムス プローブ 16(型番384)やアウトビアンキ ランナバウト ベルトーネ(型番386)などです。これらのミニカーは見た目がかっこいいので、どちらも30万台以上も売れていました。なおアストロ Iはもっと多くて50万台近く売れました。(1960-1970年代のミニカーは現在のミニカーとはけた違いの販売台数でした) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)