CITROEN DS 19 PALLAS 1966 FRANCE
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シトロエン DS 19 パラス フランス 1966年
1955年に登場したシトロエン DS 19は4気筒1.9L(75HP)エンジンを搭載し、クラッチ操作を油圧で自動化した4段変速機を介して最高速は140km/hの性能でした。全長4.8mの大型車ながら車重1.2tと軽量なため、あまり高性能ではないエンジンでも十分な走行性能を得ていました。当時のフランスの2Lクラスのライバルはルノー フレガートとアメリカ車風のシムカ ベデットぐらいで、どちらもシトロエン DSとは勝負にならず、このクラスはシトロエン DSの独占状態となりました。
1965年にはエンジンが4気筒1985cc(90HP)に変更され、内外装を高級にしたDS 19 パラスが追加されました。 バンパーの位置でボディを一周するサイドプロテクションモールがパラスの外観上の特徴で、補助灯とバンパーのオーバーライダーが追加されていました。室内は遮音材が追加され床はカーペットで覆われ、オプションで革張りシートが用意されていました。さらに上級の仕様としてはコーチビルダー シャプロンが特注で製作するリムジーン仕様のDS プレステージもありました。前席と後席の間にガラス製の間仕切り(パーティション)があってエアコンが装着され、公用車やハイヤーとして使われました。
ミニカーは1995年に発売されたビテス製で、シトロエン DS 19 パラス(1966年式)をモデル化しています。前述したビテスのシトロエン DS 19(型番691)にサイドプロテクションモール、フロントの補助灯、バンパーのオーバーライダーが追加されマフラー形状が変更され、豪華仕様のパラスに仕立ててあります。カラーリングもパラスらしい高級な感じになっていて当時のミニカーとしてはとても良い出来ばえでした。ビテスは実車同様にパーティションを設けたリムジーン仕様のプレステージもモデル化しています。ビテス以外ではリオやノレブもDS 19 パラスをモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1993年に発売されたビテス製のシトロエン DS 19 プレステージ (1/43 型番L018)の画像です。プレステージをモデル化しているので前席と後席の間にパーティションが追加され、シートも少し豪華な?感じになっています。ただインパネのメーター類は上記のパラスより前に発売された物なので、簡単な仕上げです。グローブボックス部分が薄い空色に着色されていますが、これは実車に即しています。外観ではパラスのようなサイドプロテクションモールがないので、あまり高級な感じがしません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1993年に発売されたリオ製のシトロエン DS 19 パラス (1/43 型番110)の画像です。リオのDSはキャビンが大きめに出来ているので、スケールモデル的には正確ではないのですが、このデフォルメはDSらしさを強調しているのでミニカーとしては許容できます。パラスをモデル化しているのでフロントの補助灯とバンパーのオーバーライダーが付いていますが、サイドプロテクションモールがありません。サイドプロテクションモールはDS 19 パラスの外観の特徴でしたのでこの点はいまひとつでしたが、同じリオが2005年に発売したDS 19 パラスのリファイン版(型番4110)ではサイドプロテクションモールが追加されています。ドアが開閉するギミック付きです。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は2001年に発売されたソリド製のシトロエン DS 19 フランス公用車 (1/43 型番4566)の画像です。フロントウィンドーにフランス国旗を模したトリコロールカラーのエンブレム(ステッカー)が付いているのがフランス政府公用車の証です。ソリドはフランスの老舗ブランドながら、シトロエン DSのミニカーを2000年以前にはモデル化していませんでした。これはそのソリドがモデル化した最初のDSのミニカーで、当時2200円ほどと安価でしたので細部の仕上げは簡素ですが、全体的には老舗らしい味のある良い出来ばえになっていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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CITROEN DYANE 1967 FRANCE
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シトロエン ディアーヌ フランス 1967年
発表されてから20年近く経過し旧態化した2CVの代替として、1967年に投入されたのが、ディアーヌでした。エンジンなどのメカは2CVと同じながら、ライトをフェンダーに埋め込んだり、リアにハッチゲートを付けるなどボディを少し近代的にリファインしたものでした。室内は2CVより高級な仕上げとなっていたそうです。また同じメカですから性能的には2CVとたいして変わりはありませんでした。
この車は性能的にも外観的にも2CVとたいして変わらなかったので、中途半端な感じがしますが、当時のフランス人も同じように考えていたようです。結局2CVは売れ続けて、ディアーヌは2CVよりも早く1983年に生産中止となりました。
ミニカーは1968年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。ディンキー(仏)らしい生真面目な作りで、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。ボンネットとテールゲートが開閉するギミック付きです。エンジンルームにはスペアタイヤとエンジンが再現されていて、テールゲートを開くと2個のトランクが積んであるといった楽しいおまけ付きでした。 ディアーヌの当時物ミニカーとしてはポリトーイ、メーベトイ、ノレブなどがありました。当時物以外では、ノレブの1/43と1/18、イクソ、ビテスなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/テールゲート開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1968年に発売されたノレブ製の当時物 シトロエン ディアーヌ (1/43 型番157)の画像です。ノレブ初期のプラスチック製で、当時としては安価なミニカーでしたが、これも実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ていました。1980年頃に購入した物なので、プラスチックの材質変更がされているようで、ノレブ初期のプラスチック製にみられる経年変化による変形はありません。ボンネットとテールゲートが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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CITROEN DS 21 1968 FRANCE
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シトロエン DS 21 フランス 1968年
シトロエン DS 19は改良が続けられ、1966年にはエンジンが新設計の2175cc(106HP)と1985cc(90HP)に切り替わり、DS 21とID 19aとなりました。このパワーアップでDS 21の最高速は175km/hに向上しました。さらに1970年にはボッシュの電子制御式燃料噴射を採用しDS 21は139HPにパワーアップし、最高速は188km/hに向上しました。1967年にはフェンダー先端のライトカバー内に4灯式ヘッドライトを組み込むフェイスリフトを行い、フロント部分の見た目が新しくなりました。
追加された外側のライトはサスペンションと連動することで常に水平を保ち、内側のライト(ハイビームで点灯するドライビングライト)はステアリングと連動して進行方向に首を振るようになっていました。このヘッドライト光軸制御は全て機械式で、ここまで徹底したやり方はシトロエンならではのものでした。なおDSの廉価版のIDは1970年から、名前がD スペシャル(D SPECIAL)又はD シュペール(D SUPER)に変わりました。1972年には排気量を2347ccに拡大したDS 23となりました。
ミニカーは2004年に発売されたビテス製です。前述したビテス製のDS 19の型を流用してDS 21に仕立ててあります。特徴的な黄色の4灯式ヘッドライト、リアの細かな灯火類、ドアミラー、1本スポークのステアリングホイール、メータを印刷したインパネなど細部までかなり良く再現されていました。最新のノレブ製などと比べるとやや大ざっぱなところもありますが、2004年頃に発売されたミニカーとしてはレベルの高い出来ばえで、個人的には一押しのDSのミニカーです。DS 21の当時物ミニカーとしてはポリトーイやノレブ(プラスチック製)などがあり、そのノレブの型を使って1980年代にエリゴールがDS 21をモデル化していました。1990年代にはリオがDS 19からDS 23まで20種類ほどをモデル化していました。その中にはDSの生産100万台記念モデルと最終生産記念モデル(1330775台目)がありました。DS/IDのミニカーは非常にたくさんあり、2024年現在でも新製品がでています。当時物以外ではビテス、ノレブの1/43、1/18、ブッシュ、ブレキナ、国産名車コレクション(イクソ製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1995年に発売されたリオ製のシトロエン DS 21 (1/43 型番123)の画像です。リオ製の
DS 19をベースにしてフロント周りを変更してDS 21に仕立ています。リオのDSはルーフ後端の絞リ込みと傾斜がややオーバーにデフォルメされていますが、これはDSの特徴的な部分ですからあまり違和感はありません。1990年代のミニカーとしては良い出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1996年に発売されたリオ製のシトロエン DS 生産100万台記念モデル(金色 1/43 型番SL014)とシトロエン DS 最終生産記念モデル 1330775台目 (青色 1/43 型番SL015)の画像です。上記のバリエーションで、それぞれの生産記念ラベルが実車同様にフロントウィンドーに貼られています。(実車画像→
シトロエン DS 最終生産記念モデル 1975年4月) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1969年に発売されたノレブ製の当時物 シトロエン DS 21 (1/43 型番158)の画像です。ノレブの初期物でプラスチック製です。当時のノレブのミニカーはドア/ボンネットが全て開閉するギミック付きの物が多かったのですが、ギミックの開閉ヒンジ部もプラスチック製だったのでギミックはあまりスムーズに動作しませんでした。またノレブ初期のプラスチック製ミニカーはボディ全体が経年変化で変形するという問題がありましたので、その関係でギミックの建付けもガタガタになっている物が多いです。このDS 21も各部が少しづつ変形しているので、ドアの建付けがガタガタになっています。このボディ変形は経年劣化でしたので、発売された新品の状態ではプロポーションが良く当時のミニカーとしてかなり良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1972年に発売されたノレブ製の当時物 シトロエン DS 21 (1/43 型番806)の画像です。これは上記のプラスチック製の型を流用してダイキャスト製に変更して発売された物でした。基本的には上記のプラスチック製と同じで、ダイキャスト製になったことでボディが塗装されるようになり外観の見た目が良くなり、ボンネット/4ドア/トランクの開閉ギミックも比較的スムーズに動作するようになりました。ノレブは1970年代前半にプラスチック製をダイキャスト製に置き換えるようになりました。(プラスチック製が変形することへの対応策でもあったと思われます) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します


以下は1985年に発売されたエリゴール製のシトロエン DS 21 (1/43 型番545)の画像です。エリゴールは上記ノレブのプラスチック製の型を流用していたので、基本的にはノレブとほとんど同じ物でした。(ホイールを変更するなどエリゴールが多少手を加えていましたが) 同じ型を使ってタクシー、消防車、
ポリスなどのバリエーションがありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1970年に発売されたポリトーイ製の当時物 シトロエン DS 21 (1/43 型番545)の画像です。ポリトーイの廉価版のエキスポートシリーズで、前後バンパーと底板を一体化するなどしてコストダウンを図っていました。プロポーションは悪くないのですが、廉価版でしたので値段相応であまり良い出来ばえではありませんでした。(後に安っぽいホリーホイールが使われて、見た目がさらに悪くなりましたが) ドアが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下はフロント/リアの拡大画像です。灯火類の塗装処理を省いてコストダウンしています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は2014年に発売されたアシェット製 国産名車コレクションの シトロエン DS 21 (1/43 No.227)の画像です。メーカーはイクソです。安価な雑誌付きミニカーでしたが、最近のミニカーでしたので、それなりのレベルには仕上がっていました。ただ細部の仕上げは上記のビテス製などに比べると、値段相応ながらドアミラーがないなど物足りないレベルでした。(ついでにいうとカラーリングも地味でセンスが良くないです) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します


以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します


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CITROEN DS 21 POLICE 1968 FRANCE
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シトロエン DS 21 ポリス フランス 1968年
シトロエン DS/IDが登場した1950年代から1960年代にかけて、フランスの国産大型乗用車(2Lクラス)でDS/IDに対抗できる車はありませんでした。当時のルノーには1960年に生産中止となったフレガートの後継車が1970年代まで登場せず、プジョーも1968年の504まで大型車がありませんでした。したがって政府/自治体の公用車、ポリスカー、救急車、消防車などをDS/IDが独占していました。また当時のドゴール大統領(1958~69年)がDSを愛用していたことから、DSは大統領専用車としても使われました。
そんな訳でDSは当時のフランス映画にも良く登場しました。ドゴールの暗殺を描いた映画「ジャッカルの日(1973年)」では大統領府にずらりと並んだ黒塗りのDSが壮観でした。(参照画像→ ジャッカルの日の1シーン) また怪盗ファントマの映画 「ファントマ/電光石火(1965年)」には翼が付いて空を飛ぶDSが登場しました。(参照動画→ ファントマ/電光石火でDSが飛行するシーン) DSは1955年の登場から改良が続けられ1975年まで約20年間生産されました。IDを含めた総生産台数は約146万台(本国生産は約133万台)でした。
ミニカーは1985年に発売されたエリゴール製のシトロエン DS 21 ポリス仕様です。当時のエリゴールはノレブの型を流用したものが多かったのですが、これはノレブのシトロエン DS 21 ポリス(プラスチック製 1/43 型番158)の型を使って細部をリファインしたダイキャスト製でした。ヘッドライトがメッキパーツなのは現在の感覚ではやや物足りないですが、当時のミニカーとしては全体的にそこそこの良い出来ばえでした。ボンネット/4ドア/トランクが開閉するギミック付きです。セダンや消防車も同じ型でモデル化されていました。これ以外にもDS/IDのポリス/消防車やブレークを使った救急車のミニカーはたくさんあります。 またファントマの空飛ぶDSはノレブがプロバンスムラージュ ブランド(レジン製)でモデル化していました。(参照画像→ 空飛ぶ シトロエン DS ファントマのミニカー) 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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CITROEN SM 1970 FRANCE
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MINICHAMPS 400111024 1/43 113㎜
シトロエン SM フランス 1970年
シトロエンが自社技術を誇示する旗艦として1970年に発表したのがシトロエン SMです。シトロエン SMは前輪駆動車として初めて200Km/h以上の高速走行(最高速222km/h)を可能にした高級GTカーでした。シトロエン DSのハイドロニューマチックシステムを進化させた高度なステアリングとサスペンションの油圧制御システムとマセラティ製のV型6気筒2.7L(173HP)エンジンがその高速走行を可能にしていました。なおSMとはシトロエンの開発コードのSとマセラティのMを意味しているとのことです。
シトロエン SMの外観上の特徴は、なんといってもその未来的なフロントの造形です。現在でも十分に未来的なこのデザインが発表されたのが1970年であることを考えると、いかに画期的なデザインであったかが分かると思います。フロントグリルの透明なガラスの中に左右3個ずつのライトが格納され、外側はロービーム、中央がハイビーム、内側がドライビングライトでライト全体がユニットになっていて車両の姿勢に応じてビームを水平に保つ油圧式のセルフレベリング機能を持っていました。またドライビングランプはステアリングと連動して首を振るようになっていました。最近の高級車にも同じような機能が付くようになりましたが、SMは50年も前に実現していました。シトロエン SMをベースにしたフランス大統領府のパレード車が作られるなど、シトロエン SMはシトロエンの最上級車としての役割を果たし1975年までに約13000台が生産されました。
ミニカーは2002年に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスらしい正確なプロポーションで、室内などの細部も実にリアルに仕上げられていました。特にこのミニカーの最大の見どころはシトロエン SMの最大の特徴であった6灯式ヘッドライトを実にリアルに再現していることでした。シトロエン SMの1/43量産ミニカーとしては2024年現在でもこのミニカーを超えるものはない傑作ミニカーです。(私はあまり色違いを買わないのですが、これは茶色の色違いを買ったぐらい気に入っています) これ以外のシトロエン SMのミニカーは当時物ではソリド(べレムも含む)、コーギー、コーギーをコピーしたオートピレン、ノレブの初期物、マッチボックス、トミカの1/66などがありました。当時物以外ではノレブの1/43と1/18、イクソ、シュコー、国産名車コレクションなどがあります。大統領専用車やリムジン、シューティング ブレークなどの特注車もノレブやマトリックス(レジン製)がモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1970年に発売されたソリド製の当時物 シトロエン SM (1/43 型番184)の画像です。上記のミニチャンプス製を見た後ではやはり見劣りがしますが、当時物のミニカーとしてはこのソリド製が一番出来が良かったです。プロポーション的にはミニチャンプスと同等レベルで、この6灯式ヘッドライトの造形も購入した当時は実にうまく再現していると思いました。ドアが開閉するギミック付きです。(ちなみにこのソリド製もお気に入りのミニカーで、型番1807の再販版など4台を保有しています) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
以下は上記ミニチャンプス製と並べてみた画像です。製作された時期が30年も違うので、それを無視して出来ばえを比較することはナンセンスなのですが、細部の仕上げ以外は同等レベルの出来ばえだということが分かると思います。またミニチャンプスが車高を下げてモデル化していることも分かります。これはミニチャンプスが良く使うデフォルメ手法で実車よりかっこよく見えるのです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1971年に発売されたコーギー製の当時物 シトロエン SM (1/44 型番284)の画像です。単純なスケールモデル的な観点では同時期に発売された上記ソリド製のほうが出来が良いのですが、玩具としてのミニカーという観点ではコーギーのほうが出来が良いと私は考えます。プロポーション的にはほとんど変わらないのですが、コーギーはボディ全体にやや丸みをつけた造形になっていました。このコーギー流のデフォルメはなんとなく親しみを感じさせるフォルムになるのでした。またフロントの6灯式ヘッドライトは紙のシールでうまく表現していますが、カバーガラスが黄色になっているのもコーギー流の意図的な味付けです。ドアとハッチバックが開閉するギミック付きですが、ハッチバックは中の棚板まで可動するといった凝った構成となっていました。開閉するドアにはドア内張が付いていて、この内張はドアを貫通させてドアハンドルにもなっていて、さらにドアサッシュと一体化されていました。この内張は柔らかい軟質プラスチックで成形されていましたが、これはサッシュの尖っている部分に触ってもけがをししない上に、サッシュ自体も破損しないという優れた設計になっていました。
当時のミニカーは子供向けでしたので、こんな具合に安全設計が徹底されていました。コーギーがドアサッシュを付けることにここまで拘った理由がよく分かりませんが、このドアサッシュはこのミニカーぐらいしか採用されなかった意欲的な工夫でした。1970年代のミニカーは1製品毎にこんな具合の創意工夫がされていたので、新製品は1年間に数十台しか開発出来ませんでした。その点最近のミニカーはやたらと新製品が多く、どれも似たり寄ったりの出来ばえで何も目新しい工夫がなく、私に言わせると粗製乱造の類です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下はフロント/リアの拡大画像とリアハッチ開閉動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


以下は1975年に発売されたオートピレン製のシトロエン SM (1/43 型番339)の画像です。オートピレンの初期物は他社のミニカーをコピーした物が多く、これも上記のコーギー製のコピーでした。ただし単なるコピーではなく、ボンネットの開閉ギミックを追加してV型6気筒エンジンを再現していました。またホイールと前後バンパーを金属製パーツに変更し、フロントウィンドーにバックミラーとワイパーのモールドを追加し室内/ドアも変更していました。ここまで大幅な変更をしていたので、これはコーギーのコピーというよりも、オートピレンのオリジナルであったと見なしても良いと思います。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/ハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
以下は2015年に発売された国産名車コレクション製のシトロエン SM (1/43 No.256)の画像です。メーカーはイクソで、イクソは自社ブランドの型番CLC096でシトロエン SMをモデル化していましたのでそれを流用していました。プロポーションが良く、フロントグリル内の造形はミニチャンプスほどではないですが、結構リアルに再現されていました。安価な雑誌付きミニカーでしたので室内の造形は簡素でしたが、それ以外は値段を考えると良く出来ていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
以下はフロント/リア/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
当サイトにはシトロエン SMのミニカーだけをまとめたページがありますので、これ以外のシトロエン SMのミニカーを知りたい方はこちらのページをご覧ください。→
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