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フォード カプリ MK I 2300GT ドイツ 1970年
1967年にヨーロッパ フォードが設立され、ドイツ フォードとイギリス フォードはモデルの共通化を進めていきました。その最初の取り組みは1968年に登場したイギリス フォードのエスコートで、1969年からドイツでも生産されました。(エスコートを左ハンドル化しただけでしたが) その後イギリスとドイツの製造工場で生産することを意図して開発され、同じボディに両フォードが独自のエンジンを搭載したフォード カプリが1969年に登場しました。
カプリはアメリカで大成功したマスタングのコンセプトをヨーロッパに適用したものでした。ロングノーズ ショートデッキのスポーティなスタイル、エンジンと内外装の豊富なオプション設定などマスタングと同じコンセプトが当たり、この車はアメリカ同様に大成功しました。ドイツ版のエンジンは4気筒1.3L/1.5L/1.7L、6気筒2.3L(108HP)/3L(138HP)など豊富なバリエーションがありました。3Lエンジン搭載車は最高速200km/hと高性能でした。 1974年にカプリ IIにモデルチェンジしました。(参照ページ→ イギルス フォードのカプリ)
ミニカーは1970年に発売されたメルクリン製の当時物です。6気筒2.3Lエンジンを搭載した2300GTをモデル化しています。鉄道模型メーカーとして有名なメルクリンは、数は少ないですが、戦前から1980年代までミニカーを発売していました。特に1970年代に作られたものは、同社の高度な鋳造技術を使った素晴らしい出来ばえの物が多くありました。このカプリもその1台でプロポーションが良く、シャープな造形で当時のミニカーとして出色の出来ばえでした。ただしメルクリンのミニカーに共通して使われていたフリーホイールの外形が少し小さめな点、角型ヘッドライトに丸いラインストーンを使っている点、インパネの造形が簡素な点は今ひとつです。(フリーホイールの見た目はそう悪くないのですが) ボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミック付きで、板バネを使ったヒンジによる開閉動作はかっちりとした節度感があります。これ以外のカプリ MK I ドイツ版(左ハンドル)のミニカーはソリドの当時物のレース仕様車、デルプラド製の世界の名車シリーズ、ミニチャンプスの1/43と1/18、本ウェル(カララマ)の1/43と1/72などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 350SL (R107) ドイツ 1971年
350SLは前述した280SLの後継車として1971年に登場しました。初代コンパクト メルセデス(W114)のシャーシにSクラスのV型8気筒3.5L(195HP)エンジンを搭載した2シータ車で、ハードトップ又はソフトトップの脱着が出来ました。同時にホイールベースを254mm延長した4シータークーペ(トップは固定式)のSLC(C107)も登場しました。このSLCはSクラス クーペ(W111)の後継車でもありました。
SLクラスは現在もスポーツカーとして続いていますが、SLCはSクラスのクーペ(高級パーソナルカー)といった性格の車(1990年代まで続いたSEC)に変わっていきました。1973年にはV型8気筒4.5L(225HP)、1974年には廉価版の6気筒2.8L(185HP)エンジンが追加されました。この車は1989年まで生産され、18年間の総生産台数は約24万台でした。1989年にSLシリーズ4代目(R129)にモデルチェンジしました。
ミニカーは鉄道模型の老舗メルクリンの当時物で、1971年に発売されました。メルクリンらしい肉厚の薄いシャープな造形で、当時物としてかなり良い出来ばえでした。(ホイールが当時流行だったフリーホイールになっているのが、今ひとつですが) これ以外の当時物ではコーギー、ノレブ、マッチボックスなどがありました。最近の物では、ミニチャンプス、イクソ、デルプラドの世界の名車シリーズなどがあります。 以下はメルクリンの350SLのフロント/リアの拡大画像と室内/ボンネットを開いたエンジン部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 917K ドイツ 1971年
1969年のレギュレーション変更で排気量5Lのグループ4(スポーツカー)の認証に必要な生産台数が50台から25台に緩和されました。そこでポルシェはグループ4への進出を決め、908の8気筒をベースにして開発した水平対向12気筒4.5L(520HP)エンジンを搭載する917が1969年に登場します。シャーシはアルミ合金のスペースフレーム構造で、ボディはFRP製です。908と同じサスペンション連動のテールフラップを持つクーペスタイルで、ショートテールの917(1970年から917Kと呼ぶ)とロングテールの917 LHがありました。
デビュー戦は1969年のスパで、たった1周でリタイアしています。このシーズンはルマンはリタイアで、オーストリアで1勝しただけでした。ハイパワー過ぎて操縦性に問題があったようです。1970年のポルシェはワークス活動を休止し、JWオートモーティブにレース活動を委託しました。エンジンが4.9Lに拡大され、917のショートテールはテール後端を跳ね上げてダウンフォースを得るデザインに変更され917Kとなりました。この改良で917Kは操縦性が向上し、10戦で7勝する強さを発揮しました。ルマンではポルシェ初の総合優勝を遂げ、メイクスチャンピオンも連覇しました。
1971年も917Kの勢いは続き11戦で7勝(ルマンは連覇)し、メイクスチャンピオンを3連覇しました。917があまりに強かったのでレースが成立しなくなり、1972年にメイクスチャンピオンの対象が排気量3Lまでのオープントップ プロトタイプカーに限定され、917は参戦できなくなりました。そこでポルシェはカンナム(CAN-AM:カナディアン アメリカン チャレンジカップ)に軸足を移し、ターボチャージャーで1000HPにパワーアップした917/10Kを開発しました。1972年には917/30Kを追加しマクラーレンなどを退けて1972年のシリーズチャンピオンとなりました。(参照画像→ ポルシェ 917/30K)
ミニカーはブルム製で、1994年頃の発売です。1971年モンザの優勝車をモデル化しています。現在の感覚でみると、テールフィンが分厚いなど大味なところがありますが、当時としては結構良い出来ばえでした。ブルムは917だけで約50種類のバリエーションを作っています。917のミニカーは非常にたくさんあります。当時物ではソリドの917Kと917/10、コーギーの917Kと917/10、マーキュリー、ポリトーイ、メーベトイなど当時の老舗ブランドのほとんどがモデル化しています。最近のものではミニチャンプス、オートアート、ノレブ、エブロなど約270種類がモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像と俯瞰画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 350SE (W116) ドイツ 1972年
350SE(W116)が1972年に登場しました。W116はSクラスという名前が正式に採用され、そのSクラスの名声を確立させた車でした。幅広のフロントグリル、サイドマーカー付横長角形ライトの特徴的なフロントデザインは、高級車の代表としてずいぶん他社からコピーされました。先代よりボディは大きくなりましたが、新しい安全基準の採用で室内は狭くなりました。W116は4ドアセダンのみで、クーペやカブリオレの設定はありませんでした。
当時開発されていた安全実験車の安全技術(世界初のABS、衝突時の衝撃をボディ前後で吸収する構造、汚れても視認性の良い段差付大型テールライトなど)が使われました。1974年のEUカー オブ ザ イヤーを受賞しています。当初のエンジンは6気筒2.8L(185HP)、V型8気筒3.5L(200HP)の2つでしたが、翌年にはV型8気筒4.5L(225HP)が追加されました。1975年に300SEL 6.3(W109)の後継者450SEL 6.9が登場しました。(詳細は後述) 1979年にW126にモデルチェンジしました。W116の総生産台数は約47万台でした。
ミニカーはドイツのシュコー製で、1973年に発売されました。ライトをメッキパーツで表現するのは当時のシュコーの特徴でこの点はややレトロですが、当時のシュコーの1/43のミニカーは極めて素晴らしい出来ばえでした。精密に鋳造されたダイキャストボディは肉が薄く、ドア/ボンネット等の開閉ギミックも精度が高かったです。またエンジンや室内も当時としてはかなりリアルに出来ていました。これ以外の当時物ではガマの350/450SE、マッチボックスの450SE、トミカの450SELなどがありました。最近の物では、ミニチャンプス、ブレキナ、ノレブの1/18、イクソなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内/エンジン部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW ターボ ドイツ 1972年
BMW ターボは1972年に開催されたミュンヘン オリンピックを記念してBMWが開発したコンセプトカーでした。BMW 2002 シリーズをベースにした未来的なスポーツカーで、大胆なくさび形の2ドアクーペボディにガルウィングドア、リトラクタブルヘッドライトを採用していました。ボディと一体化した大きな前後バンパーは衝撃を吸収する発泡材を充填していました。ミドシップ横置き搭載された4気筒2L(280HP)エンジンは後に登場した2002 ターボ用(170HP)を先取りしたものでした。0-100km/h加速が6.6秒、最高時速は250km/hの性能でした。
未来的な外観に合わせて、室内のコクピットも横長のスピードメーターなど目新しいデザインでした。また最新技術としてレーダーを使用して前方の車との車間距離を測定し室内のセンターコンソールのディスプレイに表示し、車間距離が設定レベルを下回った場合にドライバーへ警告する制動距離モニターを備えていました。BMW ターボは2台だけ製造され、オリンピックのパレード車両として採用されました。この車のイメージを踏襲した後継車として1978年にBMW M1が登場しました。
ミニカーは1975年頃に発売されたシュコー製の当時物です。シュコーの型番301***の1/43サイズのミニカーは、当時かなりレベルの高い出来ばえでした。このBMW ターボもプロポーションが良く、実車の特徴的なくさび形ボディがうまく再現されています。フロントパネル/ガルウィングドア/リアパネルが開閉するギミック付きで、室内などの細部も良く再現されています。ただ残念なことに、当時のシュコーには塗装品質が良くない物があり、このBMW ターボのボディ塗装はかなり劣化しています。ただし何故かバンパーの塗装は劣化していません。(ボディの下地処理が不十分だったのか、塗装そのものが良くないのでしょう) これ以外のBMW ターボのミニカーは、同じシュコーの当時物 1/66と最近のレジン製1/43、ノレブのJETCARシリーズの当時物、国産のマルシン ミニスターシリーズの当時物などがあります。以下はフロント/フロントパネルを開いた状態の画像とリア/リアパネルを開いたエンジンルームの画像です。リアパネル下にはBMWのロゴが付いたエンジンが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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