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BMW 2800CS (E9) ドイツ 1968年
BMWは上述した2000よりさらに上級の6気筒2.5L/2.8Lエンジンを搭載したセダン 2500/2800(E3系)を1968年に登場させました。ボディは6気筒エンジンを搭載するためにフロント部分が長くなり、ヘッドライトが横長角形から一般的な丸形4灯式に変更されました。この6気筒エンジンを搭載したクーペ 2800CS(E9系)も同じ年に登場しました。このE3/E9系の6気筒エンジンは卓越した静粛性とスムーズな吹上がりから「シルキー シックス」と呼ばれました。
1971年にはより高性能な3L(180HP)エンジンを搭載する3.0S、燃料噴射式3L(200HP)エンジンを搭載する3.0 Siが追加されました。1973年には3.3L(190HP)エンジンを搭載しホイールベースを100㎜延長した最上級仕様の3.3Lも設定されました。また3Lエンジンを搭載しボディを軽量化したレース仕様のクーペ 3.0 CSLはレースで大活躍しています。E3系は高性能高級車を得意とするメルセデス ベンツに対抗するために開発され、その対抗馬としての地位を確立し、1977年には7シリーズに発展しました。このE3/E9系がノイエ クラッセ シリーズの最終的な発展型でした。
ミニカーは1971年に発売されたメルクリン製の当時物です。メルクリンは鉄道模型の老舗メーカーで、1950-1970年代にはダイキャスト製ミニカーも作っていました。ホイールが走行性を重視したフリーホイールになっていることがやや残念ですが、デフォルメが巧みで実車の雰囲気を良く再現した素晴らしい出来ばえです。ドア/ボンネット/トランクが開閉するフルギミックとなっています。この開閉ギミックはヒンジ部に板バネを使うことで閉じたときの立付けが良くメリハリの付いた開閉動作を実現しています。メルクリンは2500 セダン(E3系)もモデル化しています。E3系の当時物ミニカーはシュコーの1/66、最近の物ではシュコーの1/43、ブレキナの1/87、NEO(レジン製)などがあります。また3.0CSL(E9系)はレース仕様も含めてソリド、ミニチャンプス、オートアートの1/18、スパーク(レジン製)などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内/ボンネットを開いたエンジン部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW 2002 Ti ドイツ 1968年
BMW 1500はヒットし1600、1800、2000と大型車に発展していきました。BMWは北米市場のスポーティな2ドア車の要望に対応して、新しい小型車の1600-2を1966年に登場させました。1600-2は1500のスタイルを踏襲しつつ、ホイールベースを短縮して一回り小さい2ドア車となっていました。デザイン的にはリアのテールライトが丸型の物に変わり軽快な感じがします。エンジンは1600の4気筒1573cc(85HP)を流用し、 940kgの軽量ボディで最高速は160km/h でした。
1967年にはバウア社が架装するフルオープン4シーターの1600-2 カブリオレ(限定生産)と、エンジンを105HPにパワーアップした高性能版の1600-2 Tiが追加されました。1968年には4気筒2Lエンジン(100HP)を搭載した2002が登場しました。2002 Tiはその高性能版で、エンジンが120HPに強化されていました。1971年には機械式燃料噴射装置で130HPに強化した2002 Tiiも追加され、この車は最高速190km/hと高性能でした。2002 Ti/Tiiはツーリングカーレースで活躍し、BMWのブランドイメージを確立していきました。
1971年に1600-2は1602と名前が変更され、これがいわゆる02系の始まりとなりました。1971年に3ドアハッチバックの1602 ツーリングが追加されました。1975年に1972年に登場した5シリーズ(E12)とデザインを統一した3シリーズ(E21)にモデルチェンジされました。
ミニカーはメルクリンの当時物で、1970年に発売されました。メルクリンは鉄道模型の老舗でもありますが、その精密鋳造技術を生かして製作されたミニカーも当時としては他社を凌駕する素晴らしい出来ばえでした。この2002 Tiもホイールに当時流行りだったスピードホイールが使われているのでそこがいまいちですが、全体的にはかなり出来の良いミニカーに仕上がっています。昔のミニカーですからドア/ボンネット/トランクの開閉ギミックが付いていますが、その開閉動作は節度があり閉じた際の隙間がほとんどありません。(これはメルクリンの精密鋳造技術が成せる業です) これ以外の2002のミニカーとしてはオートアートの1/43と1/18、ブレキナの1/87、ヘルパの1/87、イクソ、ミニチャンプス、シュコー、スパーク(レジン製)のレース仕様などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オペル GT ドイツ 1968年
1965年のフランクフルト ショーで発表されたオペルのコンセプトカー グランツーリスモ クーペはその空力的なデザインが好評でした。(実車画像→ オペル グランツーリスモ クーペ 1965) オペルは自社のスポーツイメージを向上させる為、3年後にこのコンセプトカーをオペル GTの名で市販しました。オペル GTはオペル カデット Bのシャーシを使い、フランスのコーチビルダーが車体の製造を行いました。この車のリアにトランクはなく、ハッチバックでもありません。ヘッドライトは横に回転してポップアップする独特の方式で、室内から手動のレバー操作で動作させます。
カデット用の4気筒1.1L(60HP)/1.9L(90HP)エンジンを搭載する後輪駆動車で、空気抵抗の少ないボディ故に最高速185km/h(1.9L)とカデットよりも高性能でした。1970年に人気のない1.1Lエンジンがなくなり、1973年に生産中止となりました。総生産台数は約10万台でした。本格的なスポーツカーではありませんでしたが、シボレー コルベットのような見た目のかっこよさから、スペシャリティカーとして成功しました。日本にも1900GTが輸入されて235万円で販売されました。この価格はトヨタ 2000GTと同じぐらいで高価な車だったようです。
ミニカーは1969年に発売されたソリド製の当時物です。ソリドらしいシャープな造形で実車の雰囲気を再現しています。ただサイドビューを見るとやや腰高な感じもします。ドア開閉とリトラクタブルライトが動作するギミック付きで、リトラクタブルライトのギミック(左右を個々に回します)はスムーズに動作します。フロントのウインカーが省略されている点はリアルではないですが、それはデフォルメの類と考えましょう。 これ以外のオペル GTのミニカーは、当時物ではディンキー(仏)、ノレブ、ガマなどがありました。当時物以外ではミニチャンプス、シュコー、ビテス、国産名車コレクションなどがあります。 以下はフロント(ヘッドライト開閉ギ動作)/リアの拡大画像とドアを開いた室内の画像です。ヘッドライトは可動部隙間が小さなチリ合わせで仕上がっていて、ソリドの鋳造技術が優れていたことが分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォルクスワーゲン 411 (タイプ 4) ドイツ 1969年
フォルクスワーゲンとして初の4ドアセダンである411が1968年に登場しました。411はタイプ4と呼ばれ、空冷4気筒1679cc(68HP)エンジンをリアに搭載するという基本方式はビートルを踏襲したものの、モノコックボディ、全輪独立懸架サスペンションなど新技術を取り込んだ意欲的な車でした。4ドア採用でボディが大きくなり、2ドアセダン、3ドアエステートもありました。ただデザイン的にはフロント部分が長すぎてバランスが悪いなど不評でした。1969年に電子式燃料噴射を採用してエンジンが80HPにパワーアップしました。同時に楕円形2灯式ヘッドライトが丸形4灯式ヘッドライトに変更されました。
1972年にフロント周りのデザインを大幅に変更して412となりました。1973年にエンジンが1795㏄(80HP)に拡大され電子式燃料噴射はキャブレターに戻されました。デザインを変更した412でもタイプ4の人気は回復せず、1973年に前輪駆動方式のパサートが登場したことで1974年に生産中止となりました。タイプ4はフォルクスワーゲン最後のリアエンジン車で、総生産台数は約37万台でした。(実車画像→ フォルクスワーゲン 412 1972)
ミニカーは1969年に発売されたガマ製です。4灯式ヘッドライトに変更した1969年式をモデル化しています。ボンネットが黒になっているので、実車にあったかどうかは不明ですがスポーツ仕様だと思います。当時物ミニカーとして実車の雰囲気を良く再現していますので、ミニカーを見てもこのデザインが不評だったことが分かる気がします ボンネット/ドア/リアパネルの開閉ギミック付です。これ以外の411/412の当時物ミニカーはメルクリン、ジク(SIKU)、シュコーがありました。最近の物ではミニチャンプス、ヘルパとヴィーキングの1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネット開閉の画像とリア/リアパネル開閉/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 914/6 ドイツ 1969年
ポルシェのエントリーモデル ポルシェ 912の後継車として、1969年に登場したのがポルシェ 914でした。リトラクタブルヘッドライトを採用したシンプルなフロントとそれに呼応したシンプルなリアエンドの個性的なボディに、911 タルガと同じ構造のトップを持つ2シーターのオープンカーでした。914はフォルクスワーゲンのパーツを流用することで低コスト化していました。フォルクスワーゲンのエンジンとトランスミッションを前後逆に配置したミドシップ方式のエンジンレイアウトやそれを生かしたボディデザインはポルシェらしいユニークなものでした。
フォルクスワーゲン 411の空冷水平対向4気筒1.7L(80HP)エンジンを搭載した914と、ポルシェ 911の空冷水平対向6気筒2L(110HP)エンジンを搭載した914/6の2タイプがあり、それぞれ最高速177km/h、200km/hの性能でした。エンジンをミドシップ搭載し重量配分が優れていたので操縦性にも優れていました。914は911よりもかなり安かったので販売は好調で、約12万台が1975年までに販売されました。(当時の価格は914の4気筒版が約200万円/6気筒版が約300万円、911Sは約600万円でした) 後継車は1976年に登場した914より高性能な924でした。
ミニカーは1970年に発売されたソリド製の当時物です。ユニークなデザインのボディがうまく再現されていて、とても良く出来ています。トランク開閉とリトラクタブル ヘッドライトが可動するギミック付きで、さらに実車同様にルーフの脱着が可能です。ソリドは914/6のレース仕様(ルマン 1970 クラス優勝)もモデル化しています。914の当時物ミニカーはディンキー、ガマ、メルクリン、シュコーなどがありました。当時物以外ではミニチャンプス、オートアートの1/18、シュコーの1/43と1/66などがあります。 以下はフロント(リトラクタブル ヘッドライト開閉)/リア(トランク開閉)の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)