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BLMC ミニッシマ イギリス 1973年
シティカーのコンセプトカー ミニッシマは1973年のロンドン モーターショーで公開されました。アストンマーチン ラゴンダを設計したことで有名なカーデザイナーのウイリアム タウンズ(William Towns)の設計で、ミニをベースにしていました。全長はミニより75cm短い2.3mで歩道上に直角に駐車できるように設計されていました。サイズは小さいですが4人乗りで、後席の2座は向かい合わせの対面シートになっていて、乗り降りはリアのドアから行います。この車のデザインは現在でも魅力的で、こんなスタイルの小型の電気自動車があれば欲しいです。
この車は数年後に、車椅子利用者がリアドアからスロープを使って乗り降りする障害者用プロトタイプとして再度発表されました。その際に通常のドアを追加するなどの設計変更がされました。このデザインは自転車メーカー エルスウィック社(ELSWICK)が権利を購入し、エルスウィック エンボイ(ENVOY)として1981年から1987年まで少数が販売されました。(実車画像→ エルスウィック エンボイ)
ミニカーは1975年に発売されたコーギー製の当時物です。縮尺が中途半端な1/36で「Whizzwheels」と称する良く回ることが取り柄の安っぽいフリーホイールがやや目障りですが、それ以外はかなりリアルにモデル化されていました。リアドアが開閉し、室内もある程度再現されています。ビンテージ物のコーギーとしては後期のミニカーで、あまり人気がなかったようですが、それでも約16万台が売れました。なおミニッシマのミニカーはこれしかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアドア開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BL (モーリス) プリンセス 1800HL イギリス 1975年
バンデン プラ プリンセスの後継車として1975年に登場したプリンセスは発売当初はオースチン/モーリス/ウーズレーの3ブランドの名前が付いていましたが、すぐにブランド名無しのプリンセスという名前に統一されました。(この時点でウーズレー ブランドが消滅) このプリンセスという名前はオースチンの高級車プリンセスを継承したものでしたが、実質的にはオースチン 1800(ADO17)の後継車でした。エンジンやサスペンションはオースチン 1800と同じで、4気筒1.8L(84HP)/6気筒2.2L(110HP)エンジンを搭載し、4段変速(3段AT)で最高速170km/h(2.2L)の性能でした。
個性的なウエッジ シェィプのボディは、似たイメージのトライアンフ TR7をデザインしたハリス マンによるもので、このデザインには賛否両論がありました。もともと5ドアハッチバックだったのを、一般受けするトランク付に変えたらしいですが、このクラスの車としては大胆なデザインでした。 1978年にプリンセス 2に発展し、1982年にはサイドウィンドーを6ライト化して5ドアハッチバックにボディを一新し、オースチン アンバサダー(AMBASSADER)と改名して1984年まで生産されました。当時のBL車は製造品質の問題があり、この車も商業的にはさほど成功しませんでした。(実車画像→ オースチン アンバサダー )
ミニカーは2006年に発売されたヴァンガーズ製です。ヴァンガーズはイギリスの老舗コーギーのブランドで、主に古き良き時代のイギリス車をモデル化しています。1/43のダイキャスト製でミニチャンプス並みのリアルな造形ながら値段はリーズナブル(当時の定価4000円ほど)でしたので、個人的に好きなブランドです。(ただし2024年現在では10000円ほどと高価になりましたのでもう買えません) このプリンセスは丸型4灯式ヘッドライトなので4気筒エンジンを搭載したモーリス版のプリンセスをモデル化しています。プロポーションが良く細部の仕上げも丁寧で、かなり良い出来ばえでした。ヴァンガーズは角形ヘッドライトのオースチン版もモデル化していました。当時物のミニカーはディンキー(英)しかありませんでしたが、当時物以外ではこのヴァンガーズや、オックスフォードがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ベントレー T1 ベルリーナ イギリス 1975年
1965年にベントレー S3はロールス ロイス シルバー シャドウの兄弟車として、ベントレー T1にモデルチェンジしました。これ以前のベントレーはロールス ロイスよりも少しスポーティという違いがありましたが、この世代から性能的な違いはなくなり、ロールス ロイスとベントレーの違いはフロントグリルとそこに付くエンブレム(マスコット)だけとなりました。実質的な性能の違いが無くなったので、それまではスポーティだったベントレーの生産台数の方が多かったのですが、T シリーズではシルバー シャドウの1/5以下となってしまいました。なおこの頃にはロールス ロイス内製の標準ボディが採用されるようになり、コーチビルダーが特注ボディを架装することはほとんどなくなりました。
1971年にベントレー T1の2ドアサルーンとコンバーチブルは内装を豪華にしてコーニッシュの名前で発売されました。同時にロールス ロイスでもロールス ロイス コーニッシュが発売されました。1977年のマイナーチェンジでシルバー シャドウはII型となり、全自動エアコン、フロントのエアダム スカート、安全基準対応の5マイルバンパーを標準装備するようになりました。ベントレーにも同じ変更が行われてT2となりました。1980年にロールス ロイス シルバー シャドウがシルバー スピリットへモデルチェンジし、ベントレー T2はミュルザンヌにモデルチェンジしました。ベントレー Tシリーズの生産台数は約2400台でした。(実車画像→ ロールス ロイス シルバー スピリット)
ミニカーは1981年に発売されたエリゴール製です。プロポーションが良いリアルな造形で、特別に凝ったところはありませんが、当時のミニカーとしては良く出来ていました。室内も簡素ですがうまく再現されていました。右ハンドルながらヘッドライトはフランス車仕様で黄色になっています。ボンエット/トランクが開閉するギミック付きです。エリゴールは同じ型を流用してフロントグリルを変更したロールス ロイス シルバー シャドウ (型番1047)もモデル化していました。なお初期のエリゴールのミニカーはノレブのプラスチック製ミニカーの型を流用したものが多いのですが、これもノレブのロールス ロイス シルバー シャドウ (型番33)の型を流用したものだと思われます。(ただしこのエリゴールはダイキャスト製です) これ以外のベントレー Tシリーズのミニカーはコーギーの当時物 T1、オックスフォードのT2 1/76、スパーク(レジン製)のT1/T2などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス カマルグ イギリス 1975年
ロールス ロイスのパーソナルカー(2ドアクーペ) カマルグが1975年に登場しました。ロールス ロイスのパーソナルカーとしてはコーニッシュがありましたが、カマルグはシルバー シャドウのイメージを引きずるコーニッシュと差別化し、さらにスペシャルなパーソナルカーとして開発されました。ボディは2ドアクーペのみでオープンカー仕様はありませんでした。デザインはピニンファリーナ、コーチワークはH.J.マリナー パーク ウォードが担当しました。ピニンファリーナ流のシンプルながら絶妙なバランスがとれた美しいデザインで、直線的なボディラインが従来のロールス ロイスと明らかに違っていました。
コーニッシュをベースにしていましたが、全長は少し大きく幅は90mm広く高さは20mm低くなっていました。ボディの大型化で車重が重くなりましたが、エンジン(V型8気筒6.8L)はツイン エグゾーストでパワーアップされ、最高速はコーニッシュと同じ190km/hのままでした。価格はシルバー シャドウの約2倍で、注文生産されるファントム VIを除くとロールス ロイスの最高級車で、当時としては世界で最も高価な車でした。(1985年の日本での販売価格は4800万円でした) 1986年までの11年間で約500台が生産されました。なおカマルグという名前はフランス南部の地域名に由来しています。
ミニカーは1977年に発売されたイタリアのBブラゴー製の当時物ミニカーです。Bブラゴーは前身のマートイ(MARTOYS)が1976年に名称変更した大スケールミニカーのパイオニア的なブランドで、これはBブラゴーの初期物でした。1970年代当時の大スケールミニカーの縮尺は1/24や1/25が一般的でしたが、これはそれより少し大きい1/22を採用しており、ブラゴーとしてかなり意欲的な取組みをしたミニカーでした。(この1/22サイズはダイヤモンド シリーズと称していました) プロポーションが良く、実車の美しいスタイルがうまく再現されていました。フロントグリルや灯火類、メッキパーツを使った凝った作りのメーターパネルなど当時のミニカーとしてはかなり良く仕上げてありました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。これ以外のカマルグの当時物ミニカーはウエスタンモデル(ホワイトメタル製)と朝日通商のシグマ143(SIGMA143)があり、シグマ 143と同じ物がカドーからも販売されました。最近のミニカーではNEO(レジン製)とBOS MODEL(レジン製)の1/18があります。以下はフロント(良く出来たマスコット(Flying Ladyy)の拡大画像)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。「ROLLS ROYCE」のロゴが付いたエンジンは結構リアルに再現されています。以下はフロント(マスコット拡大)/画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー XJ4.2C シリーズ II イギリス 1975年
1968年にジャガーの新型としてジャガー XJシリーズが登場しました。最初に設定されたXJ6はMK IIの発展型の420の後継車で、デザインは独特の顔つきを持つMK X(420G)のイメージを引き継いだものでした。 XJシリーズは1973年のマイナーチェンジで、シリーズ IIとなりました。外観上の違いはフロントのウインカーがバンパー下に移動しました。1975年のマイナーチェンジでXJ6は2.8Lエンジンが廃止されて、3.5L(163HP)エンジンに切り替わりました。それと同時にピラーレスハードトップの2ドアクーペ XJCが追加されました。優雅で美しいスタイルのクーペボディには、セダンのXJシリーズにはない魅力がありました。エンジンはXJ6Cが6気筒4.2L、XJ12CがV型12気筒5.3Lを搭載していました。
ジャガー XJシリーズのディムラー版にもクーペが追加され、そちらは6気筒がソブリン クーペ、12気筒がソブリン ダブルシックス クーペでした。1975年にスポーティなジャガー XJ-Sが発売されたことで、XJ クーペは1977年に早々と生産中止となりました。ディムラー版も含めて約1万台しか生産されていないXJ クーペは希少な車でした。なおXJ クーペはすべてレザートップ風のビニールレザー処理がされていたそうです。これはBピラーがないXJクーペの大きな屋根が変形しやすく、当時の塗装だけではクラックが発生したからだそうです。またこの屋根は水漏れや風切り音の問題もあったそうです。(なお1970年代の国産車にもルーフをビニールレザー処理するのが流行ったことがありました)
ミニカーは2005年に発売されたミニチャンプス製です。6気筒4.2Lエンジンを搭載したXJ4.2Cをモデル化しています。独特の丸形4灯式ヘッドライトのフロントと美しいクーペスタイルがうまく再現されていました。室内などの細部もミニチャンプスらしいリアルな造形で、かなり良い出来ばえとなっていました。ただしこれはビニールレザートップ仕様になっていないのでそこが今一つです。色違い(赤)の型番400130461はレザートップ仕様でした。なおミニカーの箱や台座にはXJ12 COUPEと表示されていましたが、ミニカーのリアにはXJ4.2Cと表示されているので、XJ4.2Cが正しいはずです。(外観は同じなので、あまりこだわることもありませんが) このXJCなど2005年頃のミニチャンプスの1/43ミニカーは実に丁寧な仕上げがされた第一級品でしたが、2018年頃以降の1/43の室内は仕上げレベルが簡素化されました。(中国での製造コストが上がったので、価格維持の為仕上げレベルを落としたようです) ミニチャンプスはセダンのXJ12もモデル化していました。XJ クーペの当時物ミニカーはコーギーの1/36とディンキーの1/36がありました。当時物以外ではイクソ、ネオ(レジン製)のXJ6C 1/18とスパーク(レジン製)のXJ12C レース仕様などがありますが、セダンよりミニカーが少ないです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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