ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

FORD CONSUL 1951 UK

FORD CONSUL
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD CONSUL


CORGI 200 1/46 
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.27m 全幅約1.63m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 41HP 3段変速
性能: 最高速116km/h  データーベースでフォード コンサルのミニカー検索

フォード コンサル イギリス 1951年

 

 イギリス フォードの戦後の新型車であるコンサルは1951年に登場しました。アメリカで発表された1949年型フォードはフラッシュサーフェス(前後フェンダーがボディと一体化している)デザインを採用したことで大きな話題となりました。コンサルはこの1949年型フォードをベースとしていて、フラッシュサーフェスを採用したモノコック ボディ、前輪独立懸架サスペンション、OHVエンジンなど戦後のフォードの基本となった革新的な車でした。戦前型フォードのデザインと比べて見ると、画期的なデザインであったことがよく分かります。4気筒1.5L(41HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速116km/hの性能でした。

 

 コンサルと同時期にボディを10cmほど長くして、6気筒2.3L(59HP)エンジンを搭載したゼファー(ZEPHYR)も登場しまいた。こちらは前述したV8 パイロットの後継車で、3段変速で最高速129km/hの性能でした。コンサル、ゼファーとも2ドアコンバーチブルが追加されました。コンサルは1956年にデザインを一新してMK IIに発展し1962年まで生産されました。なお1952年にはドイツ フォードからコンサルと同じような外観デザインとシャーシを持つタウナス 12Mが登場しました。(ただしエンジンは異なりますが)

 

 

 コンサル初代のミニカーは1956年に発売されたコーギー製の当時物ぐらいしかなく、それは滅多にお目にかかれないレア物です。画像は海外のWEBオークションサイトに出品されていたコーギーの当時物の画像を流用させてもらいました。1950年代のビンテージミニカーでしたので、素朴な作りで、室内はがらんどうになっています。それでもプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されています。

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AUSTIN A135 PRINCESS 1952 UK

AUSTIN A135 PRINCESS
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AUSTIN A135 PRINCESS


OXFORD AP001 1/43 126㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.46m 全幅約1.88m エンジン 変速機: 6気筒 4L 130HP 4段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでプリンセスのミニカー検索

オースチン A135 プリンセス イギリス 1952年

 

 小型車オースチン セブンで成功したオースチン社は、戦前のイギリスでは最大の自動車メーカーでした。戦後の1952年にライバルのモーリス社と合併してBMC(British Motor Corporation)社が誕生しました。オースチンが高級車シアライン(SHEERLINE)をベースにして開発した最上級車がプリンセスで、1947年に最初のオースチン プリンセス A120が登場しました。プリンセスは子会社であったコーチビルダー バンデン プラが重厚なセダン/リムジーンボディを架装しており、主に冠婚葬祭などに使われ、バンデン プラのブランド名でも販売されました。(リムジンはDM、サルーンはDSと呼ぶようです) 1952年にはより長いボディと 7座席を備えた全長5.4mのロング ホイールベース版が追加されました。

 

 プリンセスは6気筒3.5L/4L(130HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速140km/hの性能でした。MK I(A120)、MK II(A135)、MK IIIとバージョンアップして1956年まで生産されました。1956年にはMK IVが登場し、エンジンが150HPにパワーアップしGM製の自動変速機が装備されました。外観もフロントグリルやヘッドライトのデザインが変更されていました。MK IVは1959年に生産中止となり、後継車として大幅に小型化されたバンデン プラ プリンセスが登場しました。(実車画像→ オースチン プリンセス MK IV)

 

 

 ミニカーは2010年に発売されたオックスフォード製です。オースチン A135 プリンセスのロングホイールベース版のリムジンをモデル化しています。実車がでかいので、このミニカーも全長126mmの大きなサイズで迫力があります。ロールスロイスなどイギリスの古い高級車に見られる、トランクが張り出した独特のリムジーン スタイルが良く再現されています。フロント グリル周りはA135型の雰囲気がよく再現されていると思います。特に先端についているマスコットは多少ずんぐりしていますが、ベントレーのマスコットに似た形状までよく再現されています。室内はリムジーンの3列シートで、メーターパネルは茶色ですが、黒一色の内装の仕上げはやや芸がないです。ボディカラーはこの黒以外に赤もありましたが、やはりこの車は黒がおすすめです。この車が量産品ミニカーとしてモデル化されたのは、これが最初だと思いますので、イギリスのビンテージカーのファンにはたまらないミニカーだと思います。以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

AUSTIN A135 PRINCESS 1
AUSTIN A135 PRINCESS 2

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LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE 1952 UK

LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE
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LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE


MATCHBOX YFE02-M 1/43 86㎜ + トレーラー 55㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.4m 全幅約1.52m エンジン 変速機: 4気筒 2L 52HP 4X2段変速 4WD
性能: 最高速90km/h  データーベースでランドローバー シリーズ Iのミニカー検索

ランドローバー シリーズ I 消防車 イギリス 1952年

 

 1878年に創業したイギリスのローバー社の前身スターレイ&サットン(Starley & Sutton Co)社は自転車を製作していました。1890年代にはエンジン付きのオートバイを製作しました。さらにガソリンエンジンの小型自動車を開発し、1904年にローバー 8として発売しました。(実車画像→ ローバー 8 1905) 1911年に発表したローバー トゥエルブ(12)は4気筒2.3Lエンジンを搭載した中型車で、安価ながら優れた品質でヒットしました。(実車画像→ ローバー トゥエルブ) その後空冷2気筒1Lエンジン搭載の小型車から6気筒2.5Lエンジン搭載の中型車までラインアップを広げましたが、業績は振るいませんでした。そこで1933年に車種を削減して生産合理化を行い、品質の向上をはかりました。その結果ローバーは高品質の中型車としての名声を確立していきました。第2次世界大戦中は軍用車のエンジン生産に専念しました。

 戦後ローバー社が戦時中のジープにヒントを得て、小型の多目的車として開発したのがランドローバーで、1948年に登場しました。乗用車のローバー 60(P3)をベースにしており、当初は4気筒1.6L(50HP)エンジンを搭載し、4段変速機に2段のトランスファー(前後軸動力分配機)を追加し、後輪駆動と全輪駆動を切り換えられました。ラダーフレームの頑丈なシャーシにアルミ製ボディを載せ、最高速は90km/hほどでした。この車は発売されるとすぐに評判となり、軍用や民間用として世界中で大ヒットしました。戦後の復旧などでこの様な多目的車の需要があったのと頑丈で信頼性が高かったのが理由でしょう。ともあれこの車の大ヒットはローバー社の業績に大いに貢献しました。(実車画像→ ローバー 60(P3))

 

 1952年に4気筒2L(52HP)エンジン、1957年に4気筒2L(55HP)ディーゼルエンジンが追加されました。当初はホイールベースが80インチ(2.03m)でしたが、1954年に86インチ(2.18m)に変更され、1954年には107インチ(2.72m)のステーションワゴン仕様が追加されました。1956年には86と107インチはそれぞれ2インチ伸ばされて、88インチ(2.24m)と109インチ(2.77m)に変わりました。1958年にシリーズ IIにモデルチェンジしました。

 

 

 ミニカーはマッチボックスのYシリーズで、1994年頃に発売されました。ランドローバー シリーズ Iの消防車仕様のモデル化で、備品を収納したトレーラーを牽引しています。80インチの短いホイールベース(1/43換算で47㎜)で、ヘッドライトが中央に並んでいる初期型のランドローバーをうまく再現しています。屋根上のはしごや荷台のホースリール/ポンプなどの消防用備品もリアルに再現され、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。このYシリーズのYFEという型番はマニア向けの消防車シリーズの型番で、約20種類ほどのクラシックな消防車がモデル化されていました。(いずれも良い出来栄えで、デルプラドの世界の消防車シリーズにも流用されていました)

 ランドローバー シリーズ Iの当時物ミニカーとしては、コーギー、マッチボックス、ディンキーのビンテージ物がありました。当時物以外ではバンガーズ、ミニチャンプス、オックスフォード、シュコーなどでたくさんモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE 1
LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE 2

 以下はルーフ上のはしごの拡大画像とトレーラーの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE 3
LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE 4

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FORD POPULAR 103E 1953 UK

FORD POPULAR 103E
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FORD POPULAR 103E


CORGI 01401 1/43 89㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.85m 全幅約1.43m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 30HP 3段変速
性能: 最高速100km/h  データーベースでフォード ポピュラー/プリフェクト/アングリアのミニカー検索

フォード ポピュラー 103E型 イギリス 1953年

 

 戦前型のフォードの小型車アングリア E04A型は小改良されて戦後も生産されました。(実車画像→フォード アングリア E04A) 1949年にフロントグリルのデザインを少し変えましたが、1953年の戦後型登場まで生産されました。姉妹車プリフェクトも同様で、1949年にライトをフロントフェンダーに埋め込んで見た目を変えましたが、こちらも1953年まで生産されました。

 1953年にアングリア E04A型はフロント周りを変更して、名前をポピュラーに変更したポピュラー 103E型となり、フォードの最廉価モデルとして1959年まで生産が続けられました。モデルチェンジしました。4気筒1.2L(30HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速100km/hの性能でした。1959年にポピュラー 100E型にモデルチェンジしました。(実車画像→フォード ポピュラー 100E)

 

 ポピュラーの上級車としてアングリア 100E型とアングリアの4ドア版プリフェクト 100E型が1953年に登場しました。前述したコンサルのようなフラッシュサーフェス、モノコックボディ、前輪独立懸架を採用した進歩的な車でした。アングリアは4気筒1.2L(31HP)エンジンを搭載する2ドアセダン/3ドアバン/ワゴンで、プリフェクトは同じエンジンでほぼ同じサイズながら4ドアセダン/5ドアワゴンでした。アングリア/プリフェクト 100E型は1959年まで生産されました。(実車画像→ フォード アングリア 1955フォード プリフェクト 1953)

 

 

 ミニカーは1997年頃に発売されたコーギー製で、ポピュラー 103E型をモデル化しています。主に1950-1960年代のイギリス車をモデル化したコーギーのクラシックス シリーズの1台で、このシリーズはビンテージ物のコーギーのようなレトロな作風が特徴でした。このフォード ポピュラーも作風はレトロですが、プロポーションはしっかりしていて、縦長のフロントグリルなど実車のイメージが良く再現されていました。1990年代は欧米メーカーによる中国でのミニカー生産が本格化した時期で、これも底板にMADE IN CHINAと表示されています。最近の中国製ミニカーはどのブランドも作風がほとんど同じですが、これはまだコーギー風の味わいが残っていました。ポピュラー 103E型はオックスフォードとバンガーズがモデル化していますが、バンガーズはこのコーギー製と同じ物のようです。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD POPULAR 1
FORD POPULAR 2

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HEINKEL TROJAN BUBBLECAR 1955 UK

HEINKEL TROJAN BUBBLECAR
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HEINKEL TROJAN BUBBLECAR


CORGI 233 1/40 65㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.55m 全幅約1.37m エンジン 変速機: 空冷単気筒 204cc 10HP 4段変速
性能: 最高速90km/h  データーベースでハインケルのミニカー検索

ハインケル トロージャン バブルカー イギリス 1955年

 

 1920年代にオートバイ用の単気筒や2気筒エンジン、タイヤ、ホイールを流用した簡素な4輪車/3輪車が作られました。(代表的な車種はモーガンなど) これらはサイクルカーと呼ばれ、そのほとんどは第2次大戦後には消滅しました。ただイギリスにおいては大戦後も3輪車に対する免許制度や税制上の優遇が残されていたので、3輪車に対する需要が残りました。

 

 ドイツの航空機メーカーであったハインケル社は、戦後民生用のスクータを生産するようになり、その発展型として3輪車も作っていました。この3輪車はBMWのイセッタを露骨に真似た車で、BMW社から訴訟を起こされてドイツ国内では販売できなくなりました。困ったハインケル社が目をつけたのが、イギリス市場でした。ただロンドンを攻撃した戦闘機でもあったハインケルの名前をそのまま使うわけにもいかず、トロージャン バブルカーという名前で売り出したようです。4サイクル空冷単気筒204cc(10HP)エンジンをリアに搭載し、最高速90km/hほどの性能でした。(後輪はイセッタのようなダブルタイヤではないので普通の3輪車です) 約2万台程が生産されました。

 

 

 ミニカーはコーギーの当時物で、1962年に発売されました。ビンテージ物のミニカーなので素朴な作りですが、実車の雰囲気をうまく再現した良い出来ばえです。ミニカーになっているくらいなので、実車にはある程度の人気があったのでしょう。BMW イセッタと非常に良く似ていますが、ヘッドライトの取付やリアのエンジンカバー部分の形状が少し違っています。なおミニカーの底板にはTROJANではなくHEINKELと書かれていますので、正体はばれていたようです。 以下はフロント/リアの拡大画像と俯瞰/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HEINKEL TROJAN BUBBLECAR 1
HEINKEL TROJAN BUBBLECAR 2

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