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フォード トランジット MK I 交通事故処理車 イギリス 1965年
フォードの商用車 テームズ 400Eの後継車として1965年にトランジット MK I が登場しました。 テームズ 400Eは当時のライバルであったベッドフォード CAなどに対して積載量で劣っていた為、ボディを大きくしベッドフォード CAに似た短いノーズを持つデザインに変わりました。ホイールベースの異なるロングとショートのボディがあり、ピックアップトラックやミニバスもありました。トランジットはドイツとイギリスの両フォードに共通するモデルでした。(実車画像→ フォード テームズ 400E、ベッドフォード CA)
当初のエンジンはフォード製 V型4気筒1.7L/2Lとパーキンス製 4気筒1.6Lディーゼルで、サイズが大きいディーゼルはノーズを前方に延ばして搭載していました。このロングノーズ版には緊急車両用としてV型6気筒3Lエンジンを搭載した高性能モデルもありました。1978年のマイナーチェンジで、フロントのデザインが大幅に変更され、MK IIとなりました。当サイトのデータベースでは車名に世代を意味するMK *を付けています。1965年のモデルをMK I、1978年モデルをMK II、1986年モデルをMK III、1991年モデルをMK IV、1994年モデルをMK Vとしています。(MK Iはマイナーチェンジでフロントのデザインが2回変更されているようで、この変更はa b cを付けて区別しています)
ミニカーは1967年に発売されたディンキー製の当時物で、ロングボディの交通事故処理車をモデル化しています。ディンキーらしいがっちりした作りで、当時のミニカーとして良くできていました。交通事故処理のポリス仕様なので警察官のフィギュアが乗っていて、ルーフには青色灯とスポットライトが付いています。右側スライドドア、左側ドア、バックドアが開閉し、車内には車線規制用の3角コーンと標識が積まれています。それらを取り出して並べると交通事故処理の簡単なジオラマが出来上がります。ディンキーはフロントが変更されたMK IIも含めてバン、救急車、ポリスカーなど十数種類をモデル化していました。(MK Iには縮尺の異なる2タイプがあります) トランジットのミニカーはたくさんあり、特にブレキナはMK Iのマイナーチェンジを作り分けていて、様々なタイプを約40種類もモデル化しています。(なおドイツではイギリス版のMK IをMK IIと呼ぶのでブレキナのミニカーの車名表示はMK IIとなっています) 以下はフロント/リア(バックドア開閉)の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)




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フォード D800 トラック イギリス 1965年
イギリス フォードの商用車は1930年代のフォード Y型の商用バン仕様(E83W)から始まりました。この商用車はフォードソン(FORDSON)のブランド名で展開されました。フォードソンはフォードの農業用トラクターのブランドとして知られていましたが、イギリス フォードの商用車のブランドとしても使われました。1937年には5t積みの大型トラック フォードソン 7Vが登場しました。(実車画像→ フォード Y型 商用バン仕様(E83W)、 フォードソン 7V 1943)
1949年に大型トラック 7Vを後継するフォードソン テームズ ET6/7が登場し、1954年に小型車アングリアをベースにした小型商用バンの300Eが登場しました。1957年にE83Wを後継するキャブオーバー型商用バンのテームズ 400Eと、大型トラック テームズ ET6/7を後継するテームズ トレーダーが登場しました。なお1957年に商用車のフォードソン ブランドはなくなりフォードに戻りました。1965年にテームズ 400Eはトランジットに、テームズ トレーダーはDシリーズに変わりました。(実車画像→ フォード 300E、フォードソン テームズ トレーダー 1957)
キャブオーバー式商用車はエンジン整備の為にキャブを傾けて(チルトして)開く必要がありますが、Dシリーズはカウンターウエイトを使う方法でほぼ片手でキャブの開閉ができました。このようにDシリーズは、ライバルのGM系列のベッドフォード TK(1959年登場)などに比べて近代的な構造のキャブオーバー式トラックでした。エンジンは4/6気筒のガソリン/ディーゼルで、1967年にV型8気筒7.7Lディーゼルを積むイギリス フォード最大の大型トラック D1000が追加されました。Dシリーズは1981年に後継のカーゴ(CARGO)シリーズに切り替わりました。(実車画像→ フォード カーゴ CF7000 1986)
ミニカーはデンマークのテクノ製でブランド表記がTEKNOからKIRKに変わった1970年頃に発売されました。フォード D800 ダンプ トラックをモデル化したテクノの傑作ミニカーでした。50年以上も前に作られた昔のミニカーですが、私の知る限りでは、1/43サイズではこれが一番精巧で凝ったギミックを持つ商用車ミニカーであると思います。(単なるスケールモデル的な精巧さだけなら、現在のヘルパやブッシュの1/87の商用車の方が優れていますが) プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。キャブは半開きのサイドウィンドーと内張付きのドアがスムーズに開閉し、室内も良く再現されていました。キャブは実車同様にチルト動作し、荷台もダンプ動作し荷台後部の後あおりが開閉します。このようなギミックを付けるとプロポーションが崩れると言われることがありますが、技術力のあるメーカーではそんなことはありません。このミニカーのプロポーションとギミックの出来ばえを見れば、それは技術力の低いメーカーの言い訳に過ぎないことが分かります。
テクノはこれよりホイールベースが長いトラックもモデル化していて、荷台に企業ロゴを印刷した販促プロモーション用モデルのバリエーションも多くありました。同時期にコーギーも同じようなフォードのトラックを数種類(カートランスポーターなど)モデル化していましたが、それはD800ではなく、アメリカ フォードのHシリーズでした。これ以外のD800のミニカーはディンキー(ダンプカーや道路清掃車など) やマッチボックスの当時物もありました。(最近のものはないようです) Dシリーズより以前のトラック、テームズ トレーダーやテームズ ET6はディンキー(英)やスポットオンの当時物などがありました。 以下はフロントの拡大画像とリア/後あおりの開閉動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)






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アストン マーチン DB6 イギリス 1965年
アストン マーチン DB5は1965年にDB6にモデルチェンジしました。ホイールベースが95mm延長され高速安定性が向上しました。また全長の50mm延長で後席が拡大し、パワーステアリングとエアコンがオプション設定され居住性も向上しました。外観はほとんど同じように見えますが、前後バンパーが分割タイプとなり、空力効果があるテールエンドが持ち上がったカムテールが採用されました。エンジンはDB5と同じDOHC 6気筒4L(282HP)で、DB5とほぼ同じ性能でした。325HPにパワーアップした高性能版のヴァンテージもありました。
1969年に後継車のDBSが登場し、DB6はマイナーチェンジでMK IIとなりました。DB6 MK IIはDBSの部品を共用しており、幅広くなったタイヤをカバーする為ホイールアーチにフレアーが追加されました。DB5と同じくクーペとドロップヘッドクーペ(コンバーチブル)のボランテが設定され、少数ですがシューティング ブレークもコーチビルダーにより製作されました。DB6は1970年まで生産され、総生産台数は約1800台でした。
ミニカーは1966年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。前述したドロップヘッドクーペ(型番110)の型を流用して、ボディ後半部分を変更しているようです。前後バンパーはDB5のままで変更されておらず、リアのカムテールがかなり誇張されていました。ボディ前半は前述したDB5とほぼ同じでしたので、全体的にはDB5同様の良い出来ばえでした。実車ではDB6はDB5より少しサイズが大きくなったのですが、ミニカーでは縮尺を1/42から1/43に変更したからなのか、このDB6のほうがDB5 ドロップヘッドクーペより全長が短くなっていました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。 DB6の量産ミニカーは不思議なことに最近までこれしかありませんでした。(外観がDB5と変わりばえしないからでしょうか?) 最近になってスパーク(レジン製)とマトリックス(レジン製)がクーペとボランテをモデル化しました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(なおこのミニカーのフェンダー周りの変色は、汚れではなく塗装の経年変化?によるものらしく拭いてもとれません) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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ロータス エラン S2 イギリス 1965年
ロータス セブンの後継車として開発されたエランが1962年に登場しました。ユニークなデザインのオープンカーで、リトラクタブル ヘッドライトを採用していました。DOHC 4気筒1.5L(100HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速185km/hと高性能で操縦性にも優れていました。エリートで問題となったFR樹脂製モノコック ボディの代わりに、鋼板のバックボーン フレームにFRP樹脂製ボディを被せるという構造が採用されました。この構造による生産性向上でエランはセブン並みの低価格で発売することができ、それ故に大ヒットしました。
1965年にはS2(シリーズ 2)に発展しハードトップを持つクーペが追加され、丸形2灯のリアライトが楕円形に変更されました。1966年にS3(シリーズ 3)に発展し、1967年にホイールベースを延長して2+2座とした+2(プラス 2)が追加され、1968年にS4(シリーズ 4)に発展しました。1975年に生産中止となりましたが、総生産台数は約18000台とロータス社に大きな利益をもたらしました。またバックボーン フレームにFRP樹脂製ボディを被せる構造はその後のロータス車の基本となりました。
ミニカーは1967年に発売されたコーギーの当時物です。エラン S2のハードトップをモデル化しています。実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとして良く出来ていました。外観を見ただけでは分かりませんが、このミニカーにはエランの特徴であるバックボーン フレーム構造(シャーシ)をリアルに再現した非常にマニアックなギミックが付いていました。コーギーのエランのミニカーは最初はオープン仕様のロードスターが型番318で1965年に発売されました。その型を変更してシャーシを取り外すことができるギミックを追加したものがこの型番319でした。S2のリアライトは楕円形なのですが、この型番319はそこを変更していないのでリアライトはS1の丸形2灯のままになっています。(昔はそんな細かいことはさほど気にしませんでした) このミニカーのギミックの詳細についてはこちらのページもご覧ください。→ ロータス エランのギミック紹介ページ 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)












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MG MGB GT イギリス 1965年
MG MGBはMGAの後継として1962年に登場しました。基本設計はMGAと同じですが、モノコックボディの採用などでより近代的な車となっていました。4気筒OHV1.8L(89HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速170km/hの性能でした。当初はオープンのロードスターだけでしたが、1965年に実用的なテールゲートの付いた2+2座クーペがGTという名前で追加されました。このGTのデザインには当時BMCと関係のあったピニンファリーナの影響(小さなテールフィンなど)が感じられましたが、公式には発表されていません。
1967年には6気筒2.9L(150HP)エンジンを搭載した高性能版のMGC(最高速202km/h)が登場しました。MGBは改良を重ねて1967年にMK II、1969年にMK IIIに発展しました。1973年にGTにオールアルミ合金製のV型8気筒3.5L(137HP)エンジンを搭載したGT V8(最高速200km/h)が登場しました。1974年にアメリカの衝突安全規制に対応して、前後バンパーが衝撃吸収機能付の樹脂製に変更され外観が大幅に変更されました。1980年まで生産され、総生産台数は約50万台でした。MGBはレース/ラリーでも活躍し、実用的な入門用スポーツカーとして大ヒットしました。MGといえばこのMGBが思い浮かぶほど有名な車でした。
ミニカーは1992年頃に発売されたマッチボックス傘下のディンキー製です。マッチボックスがディンキーブランドを復活させた当時のマニア向けのミニカーでした。高性能版のMGB GTをモデル化しています。プロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていて良い出来ばえでした。フロントグリルやホイール、室内などの細部も良く仕上げてありました。右ハンドルなのでフランス仕様のような黄色いヘッドライトとなっているのは理由が分かりません。MGB/MGCの当時物ミニカーとしてはディンキーのロードスター、コーギーのMGB GTとMGC GTなどがありました。当時物以外ではミニチャンプス、オートアート、バンガーズ、国産名車コレクションのMGBなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)















