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アルファ ロメオ 2600 SZ イタリア 1965年
アルファ ロメオの最上級車として、6気筒2.6Lエンジンを搭載した2600が1962年に登場しました。2600にはセダン、クーペのスプリント、オープンのスパイダーがありました。1965年に2600 シリーズに追加されたのが、少量生産された2600 SZ(スプリント ザガート)でした。ザガートのデザインによるクーペで、2600 シリーズでは一番高価なモデルでした。空気抵抗が少ない軽量なボディに165HPにチューンしたスプリントのエンジンを搭載し最高速215km/hと高性能でした。前述したジュリエッタ SZはレース専用車でしたが、この2600 SZは高級GTカーという位置づけでした。角型ヘッドライトを埋め込んだ個性的なフロント造形は、当時としては未来的でかっこいいデザインでした。
2600 シリーズは1968年まで生産され、総生産台数は約12000台でした。(後継車は1750でした) その中でもSZはたった100台ほどしか生産されていません。日本にも1台輸入されたことがあり、当時の価格で500万円以上(現在価格にすると3000万円以上?)もした超高級車でした。自動車メーカーがシャーシを供給し、それにカロッツェリアが特注ボディを架装するといった少量生産の特注モデルが戦前のアルファ ロメオにはたくさんありましたが、戦後はこのSZあたりぐらいが最後となったようです。
ミニカーは1967年に発売されたポリトーイ製の当時物です。ポリトーイ流のかっこいいデフォルメでプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。個性的なフロント周りも当時のミニカーとしてはうまく再現していました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、エンジンや室内も結構リアルに再現されています。2600 SZの当時物ミニカーはこれしかなく、当時物以外では最近のレジン製でネオの1/43とテクノモデルの1/18があります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ グラン スポルト クアットロルオーテ ザガート イタリア 1965年
この車はクラシックカーのように見えますが、戦前の名車6C 1750を模して1965年に作られたレプリカでした。イタリアの自動車雑誌「QUATTRORUOTE」(クアットロルオーテ)誌が企画したプロジェクトで、アルファ ロメオがジュリア TIのシャーシを提供し、オリジナルの6C 1750と同じザガートがボディを担当して約100台が限定生産されました。レプリカですので見た目は6C 1750に似せていますが、近代的なタイヤとハンドルの位置(6C 1750は右ハンドル)から戦前の6C 1750とは別物であることが分かります。 、
ボディはアルミニウム パネルを使い、ザガートが伝統的な方法で架装していました。またブレーキはジュリア TIのディスクブレーキをあえてドラム ブレーキに変えていました。ただエンジンは6気筒ではなくジュリア TI用の4気筒1.6L(106HP)エンジンを搭載し、車重は750kg、5段変速機で155km/hの性能でした。この動力性能はオリジナルの6C 1750 GS(グラン スポルト)と同じような性能になっていました。
ミニカーは1967年に発売されポリトーイ製の当時物です。ポリトーイが当時の技術力の全てを注ぎ込んで作った、ギミック満載の傑作ミニカーでした。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、ボンネット内にはリアルに再現されたエンジンが収まっていました。ポリトーイは足回りのメカを再現するのも特徴でしたが、このグラン スポルト ザガートでは実車に即した構造のコイルスプリングで吊ったリアサスペンションと、実車と同じ構造のラック & ピニオン方式で可動する前輪操舵を再現していました。このラック & ピニオン方式の前輪操舵ギミックは現在の1/18クラスのミニカーでもほとんど採用していない構造で、実に凝っていました。ミニカーコレクターなら是非オークション等で入手してその素晴らしさを実感してもらいたいミニカーです。なおグラン スポルト ザガートのミニカーはこのポリトーイの物しかありません。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/付属品の幌を取り付けた状態の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ OSI スカラベオ イタリア 1966年
OSI(Officine Stampaggi Industri)は、カロッツェリア ギアの社長であったルイジ セグレ(Luigi Segre)が1960年にトリノに設立したカロッツェリア(コーチビルダー)でした。主にフィアットから委託された量産車のボディを製造していました。OSIが製造していた車としては、フィアット 2300S クーペ、フィアット 1300/1500 ファミリアーレ、フィアット OSI 1200、フォード タウヌス 20M TSなどがありました。後にギヤから独立して独自デザインの車も製造しましたが、1967年に自動車生産から撤退しました。
量産車以外でOSIがデザインしたプロトタイプとしては、フォード マスタング、アルファ ロメオ OSI スカラベオ、DAF シティカーなどがありました。特に1966年に発表されたスカラベオはその独創的なデザインで有名でした。ジュリア GTAのエンジンを使ったスポーツカーのプロトタイプで、ドライバーの着座位置を車体中央に置き、操作性/操縦性に優れたコクピットを提案したものでした。このデザインを実現するためにエンジンを横置きミドシップ搭載していましたが、これは当時としては珍しいエンジン搭載方式でした。(現在のミドシップカーのデザインの先取りといえます) スカラベオはこのクーペ以外に、通常の横開きドアを持つ一般的なデザインのクーペとオープンのスパイダーがありました。(実車画像→ アルファ ロメオ OSI スカラベオ クーペ)
ミニカーは1969年に発売されたポリトーイ製の当時物です。私の知る限りでは、1/25サイズの量産ミニカーはこれが最初の物でした。エンジン等のメカを再現したことで人気のあったポリトーイの1/43のMシリーズを発展させ、サイズを大きくしてよりリアルにメカを再現したポリトーイの意欲作でした。独創的なボディがうまく再現され、大きく開くキャノピーとリアルに再現されたコクピット、リアルに再現された横置き4気筒エンジン/変速機/サスペンション、ステアリングホイールと連動した前輪操舵など素晴らしい出来ばえでした。コクピット内はペダルやレバーが再現され、インパネのメーターはカバーガラスが透明プラ材で再現されていました。このミニカーを入手した当時(50年以上も昔です)はそのリアルな出来ばえに驚きました。ただこのポリトーイの1/25シリーズは最初の数車種はレベルの高い出来ばえでしたが、その後は単に1/43を大きくしただけの並みの出来ばえになってしまいました。これ以外のOSI スカラベオのミニカーはディンキー(英)の当時物がありました。最近の物ではフランスのALEZANのレジン製組立キット完成品があるようです。以下はフロント/フロントトランクを開いた画像とリア/リアフードを開いたエンジンルームの画像です。エンジンルームには横置きされた4気筒エンジンがリアルに再現され、実車に即した構造のコイルスプリング式サスペンションは実際に可動します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ 1600 スパイダー (デュエット) イタリア 1966年
アルファ ロメオ 1600 スパイダー (デュエット)にはジュリアという名前が付いていませんが、ジュリアの派生モデルで、1966年に発表されました。デュエットというサブネームは一般公募で決められた愛称で、正式の名前ではありませんでした。ピニンファリーナ製の個性的なスタイルの2シータースパイダーボディにスプリント GTV(ヴェローチェ)用の109HPエンジンを搭載し、最高速は187km/hと高性能でした。
前述したスプリント GTより高価でしたが、ピニンファリーナ製ボディの魅力でこの車も人気がありました。エンジンは1967年に1.8L(118HP)、1971年に2L(133HP)と大きくなっていきました。1969年にリアオーバーハングを切り落として少しモダンなスタイルとなりました。(実車画像 → アルファ ロメオ 2000 スパイダーのリア このようなテール処理をコーダ トロンカ(CODATRONCA)と呼びます) 1983年には前後のバンパーが安全規制対応で大型化され、テールライトも大型化されました。1990年の最終型ではノーズとテールのデザインが変更されエンジンが燃料噴射式となりました。スパイダーは北米市場で根強い人気があり、1993年まで生産され、27年間の総生産台数は約12万台でした。
ミニカーは1960年代に発売されたメーベトイ製の当時物です。1600 スパイダーの初期型をモデル化しています。初期のメーベトイ流の柔らかな感じのデフォルメがされていていますが、実車の雰囲気は良く再現されていました。(テールがやや下がりすぎていますが) ボンネット/ドア/トランクの開閉ギミック付で、脱着出来るハードトップも付属していました。 アルファ ロメオ スパイダーの当時物ミニカーはこれしかないようです。当時物以外ではビテス、オートアートの1/18、ミニチャンプス、ブレキナの1/87、ARS モデル、ジョエフの1/18などたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とトランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ ティーポ 33 スパイダー プロトタイプ イタリア 1967年
アルファ ロメオは資金難から1951年を最後にしてF1 GPから撤退しました。その後1960年代になって、プロトタイプクラスのスポーツカーの開発を始めました。最初はTZ2の4気筒1.6Lエンジンを使っていましたが、すぐにV型8気筒2L(270HP)エンジンに変わり、そのエンジンをミドシップ搭載したティーポ 33が、1967年に登場しました。ティーポ 33は1967年のスポーツカー選手権に出場しましたが、信頼性や競争力が低く、めぼしい結果を出していません。1968年にティーポ 33は改良されてティーポ 33/2となりました。(実車画像→ アルファ ロメオ ティーポ 33/2)
ティーポ 33の公道仕様が33 ストラダーレで、DOHC V型8気筒2L(230HP)エンジンを搭載し、レース仕様ほぼそのままの高性能車で、ごく少数が1967年から生産されました。ティーポ 33のシャーシはコンセプトカーにも多く使われました。 有名なところでは1968年のカラボ ベルトーネ、1969年のイグアナ イタルデザイン、1976年のナバホ ベルトーネ などがありました。(実車画像→ アルファ ロメオ 33 ストラダーレ、アルファ ロメオ イグアナ、アルファ ロメオ ナバホ)
ミニカーは1969年に発売されたマーキュリー製の当時物で、ティーポ 33の初期型(プロトタイプ)をモデル化しています。スケールモデル的な観点ではいまひとつですが、センスの良いデフォルメで実車の迫力のあるボディをうまく再現したマーキュリーの傑作でした。前後カウル/ドアが開閉するギミックが付き、エンジンが再現されています。ティーポ 33 初期型のミニカーはポリトーイの当時物もありました。ティーポ 33のレース仕様はベストモデルがたくさんモデル化しています。また見た目がかっこいいティーポ 33 ストラダーレは最近になってミニチャンプスやオートアートがモデル化しています。 以下はフロント/フロントカウルを開いた画像とリア/リアカウルを開いたエンジンルームの画像です。リアカウルは黒い固定バンド(プラスチック製)を外してから開くといった凝った仕掛けとなっていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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