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GM シボレー ベガ イェンコ スティンガー クーペ アメリカ 1972年
1950年代にヨーロッパ製の小型乗用車がアメリカに輸入され、セカンドカーとして使われました。この小型車需要に対応してGM シボレーは1960年にコルベアを発売しました。コルベアは欠陥車問題などを起こし1969年に生産中止となりました。シボレーは次世代小型車の開発に取り組み、1970年に小型車シボレー ベガが登場しました。ベガはコルベアよりも小さなシンプルなデザインのコンパクトカーで、ノッチバックの2ドアセダン、ハッチバッククーペ、ワゴン、パネルバンがありました。専用設計されたアルミ合金シリンダーブロックの4気筒2.3L(80HP)エンジンを搭載した後輪駆動車で、3段自動変速で、最高速度140㎞/hの性能でした。新設計されたエンジンなどに問題があり改良されましたが、あまり品質がよくなかったようで、1977年に生産中止となりました。
車名のイェンコ(YENKO)とはペンシルバニア州にあったシボレーのディーラーの名前でした。1982年まで営業していたこのディーラーは、1960年代後半頃にカスタマイズしたスポーツカーを販売していたことで最もよく知られていました。このベガ イェンコ スティンガー クーペもその1台で、4気筒2.3Lターボエンジン(155HP)を搭載した高性能版のカスタムカーで、フロントとリアにスポイラーが追加され、専用のカラーリングが施されていました。なおターボはEPA認証がされなかったので車両販売時には未装着で、アフターマーケットのターボ キットで後付けする必要がありました。販売されたのは約200台ほどの希少なモデルでした。
ミニカーは2023年に発売されたデアゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションです。シボレー ベガの高性能版イエンコ スティンガーをモデル化しています。メーカーは明記されていませんがイクソ系列のメーカーだと思われます。(ミニカーを台座に固定するネジに3角溝があるネジが使われていて、このネジを使用するのはイクソ系列のメーカーの特徴ですので) プロポーションが良く、実車に即したカスタマイズされたスポイラーやカラーリングが再現されていて、とても良く出来ています。定価が2200円ほどの安価なミニカーながら、室内の造形もリアルに再現されています。このアメリカンカー コレクション シリーズがこのレベルの上質なミニカーを安価で発売できるのは、このシリーズがアメリカ本国で大量に売れているからでしょう。(現在でも大量生産すればこの価格で発売できるのです) これ以外のシボレー ベガのミニカーはアーテルのクーペ 1/18、ジョニーライトニングのイェンコ スティンガーとワゴン 1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM ビュイック リーガル ’刑事 コジャック’ アメリカ 1975年
ビュイックはGMのブランドとしてキャディラックに次ぐ高級車です。1973年にビュイックの中型車センチュリーの最上級仕様としてセンチュリー リーガルが登場しました。当初はクーペだけでしたが、1974年にセダンが追加され、1975年にはセンチュリー シリーズから独立してリーガルとなりました。1976年のマイナーチェンジで、丸形ヘッドライトが合法化された角形ヘッドライトに変わりました。この年までアメリカでは規格品の丸形ヘッドライトしか使えなかったので、角形ヘッドランプのメルセデス ベンツなどは北米仕様では丸形に変えていました。
ビュイック リーガルの2代目は1978年に登場しました。当時のアメリカ車としては珍しくターボエンジン搭載車が設定されました。リーガルはNASCARに参戦し、1981年と1982年のマニュファクチャラータイトルを獲得しました。それを記念してグランドナショナルという高性能版が設定されるなど、リーガル ターボは人気があったようです。(実車画像→ GM ビュイック リーガル 1984)
1988年に登場したリーガルの3代目は高性能版がなくなり、本来の高級パーソナルカーに回帰しました。1997年に登場した4代目もほぼ同様の位置づけで、オペル インシグニアをベースにした5代目が2008年に登場しました。(実車画像→ GM ビュイック リーガル 1997、GM ビュイック リーガル 2011)
ミニカーは1976年に発売されたコーギーの当時物です。1970年代後半にはサイズが大きく見た目が立派な割にはコストが掛からない大スケール(縮尺1/24-1/36)のミニカーが多くなりました。(内容的には1/43を単に大きくしただけでしたが) この1/36のビュイック リーガルもその類のミニカーでした。当時アメリカ車がモデル化されることは少なかったのですが、これは'TVドラマ 刑事 コジャック'のキャラクター物として企画されたようです。キャラクター物ですが、基本的なプロポーションはきちんと出来ていて実車のイメージがうまく再現されていました。コジャックと相棒の刑事のフィギュアが付き、パトライト(ビーコン)を屋根に取り付けられるようになっていました。
キャラクター物として目新しいしかけが欲しかったようで、リアバンバーにある円盤型ノブを回すことで銃の発射音がでるという変わったギミックが付いていました。その音ですが、銃声というよりは雑音のようなものでさほど面白くありません。(実際の音声→ 録音音声ファイル) なお同じ型でビュイック センチュリーのポリス仕様もあり、後にギミックなしで再生産されたものもありました。これ以外のビュイック リーガル 初代のミニカーは見当たりませんが、リーガル 2代目のミニカーは映画「ワイルド スピード」のキャラクター物として高性能版のグランド ナショナルなどがモデル化されています。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM キャディラック エルドラド アメリカ 1976年
1973年に起こったオイルショックでガソリンが高騰し低燃費が要求されるようになり、アメリカ車はサイズが小さくなり始めました。1976年式あたりのアメリカ車がやたらと大きなサイズであったアメリカ車の最後の世代になりました。この年式のフォーマルなキャディラック フリートウッド 75は全長約6.4m 全幅約2mで、パーソナルなキャディラック エルドラドでも全長約5.7m 全幅約2mもありました。
また同時期の安全基準の強化により屋根の無いオープンカー(コンバーチブル)が消えつつありました。1971年に登場したキャディラック エルドラド 9代目のコンバーチブルは当時数少なくなっていたオープンカーのひとつでした。そんなわけでこのエルドラド コンバーチブルは大きくて派手なアメリカ車が栄華を極めた時代の最後の一台といえる車でした。1975年にはサイズダウンしたコンパクトなキャディラックとして全長約5.2mのセビルが登場しました。1977年にはGMのフルサイズの車が一斉に小型化され、キャディラックも一番大きいフリートウッドが1974年式の全長5.94mから全長5.62mに小型化されました。(それでもまだ大きいですが)
ミニカーは2009年に発売されたイクソ製のプレミアムX ブランドの初期物でイクソとしては数少ないレジン製でした。良くできた4灯式ヘッドライトのフロントグリル、そこそこ良く再現された室内など、この大きくて派手なアメリカ車がうまく再現されていました。(レジン製なのでサイズの割に軽いのが安っぽくていまいちでしたが) イクソは同じ型で幌付きの色違いもモデル化していました。 当時物では同年式のフリートウッドをトミカが型番F2(1/77)でモデル化していました。 同時期のキャディラック エルドラドの当時物以外のミニカーはアンソンの1/18、オートワールドの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM キャディラック セビル アメリカ 1977年
1973年に起こったオイルショックによるガソリン価格の上昇でアメリカ車全体が燃費改善の為サイズダウンされるようになりました。この流れに沿って1975年にキャディラック初のコンパクトカー セビルが登場しました。セビルは当時のキャデラックでは一番小さいサイズながら、内外装に豪華装備を満載し、最上級車の75 リムジンの次に高価なモデルでした。アメリカ車では初の電子制御燃料噴射装置付のV型8気筒5.7L(180HP)エンジンを搭載し、3段自動変速で最高速185km/hの性能でした。
1978年にはディーゼル エンジンが追加され、ツートンカラーで装備をさらに豪華にしたエレガンテ(ELEGANTE)が設定されました。メルセデス ベンツなどの欧州製高級車に対抗した欧州風の味付けと、パーソナルカーに特化したダウンサイジングのコンセプトが功を奏して、セビルは成功しました。(操作しやすいことで高齢のキャディラックのユーザーに人気があったそうです) 1980年にセビル 2代目にモデルチェンジしました。総生産台数は約21万台でした。
ミニカーは2002年に発売されたミニカー付雑誌の草分けであったデルプラド製の世界の名車シリーズの1台です。製造メーカーは明記されていませんが、イクソ系のメーカーのようです。ミニカーの出来としてはフロントグリルなどの細かいところもそこそこ再現してあり、デルプラドの世界の名車シリーズの中でも出来の良い部類のミニカーとなっていました。キャディラック セビル初代のミニカーは最近までこれしかなかったので、車種的には貴重なミニカーでしたが、2009年になってネオ(NEO)がレジン製でモデル化しました。(ネオはこのような他社がモデル化していないマイナーな車種のモデル化が得意です) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー コルベット C3 アメリカ 1978年
GM シボレー コルベット C3型は1978年のマイナーチェンジでスティングレイの名前が外されました。外観も大きな変更があり、直立していたリアウインドウがルーフからボディ後半部を覆う大きなものになり、安全規制からバンパーが衝撃吸収機能をもつ5マイル バンパーに変わりました。なお後部バンパーは1974年にこのデザインに変更されていました。
コルベットはC2型からC5型まで格納式ヘッドライトを採用していました。C2型の格納式ヘッドライトはヘッドライト全体が回転する独特なものでした。(参照→C2型の格納式ヘッドライトの動作動画) しかしC3型で採用されたリトラクタブル ヘッドライトは先端が立ち上がる一般的なものでした。
1970年代になると排ガス規制が厳しくなり、かつてのような高性能エンジンが作れなくなりました。さらに1972年からエンジン馬力表示がグロス値からネット値に変わった為、エンジン出力は標準のV型8気筒 5.7Lで200HP程度になり、馬力表示値が大幅にダウンしました。この時期からアメリカ車全体が小型/低燃費化され変わっていくのですが、コルベットはGTカー的な趣向が強くなっていきました。1984年にコルベット 4代目(C4型)にモデルチェンジしました。
ミニカーは1992年に発売されたフランクリンミント製です。前述したフランクリンミント製の1968年式C3型と同じ1/24のコルベット コレクションの1台でした。1978年式をモデル化しているので、前後バンパーやリアウインドーなどが大きく変更されていました。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きでし、エンジンやサスペンションなどのメカ部分や室内もリアルに再現されていました。ただし1968年式のC3型と同じ指摘ですが、このサイズで格納式ヘッドライトが可動しないのはいただけません。(C3型は回転する構造ではないので、作るのも簡単なのですが) 1978年以降の外観変更されたC3型のミニカーは、イクソ、オートアートの1/18、トップモデル、ウェリー(WELLY)などがあります。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)