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メルセデス ベンツ 220D (W115) ドイツ 1968年
戦後初めて新設計されたシャーシを採用して1968年に登場したメルセデス ベンツ W114/W115 はコンパクト メルセデスと呼ばれました。コンパクトとは上級車のSクラスに比べるとコンパクトであるという意味で、現在のEクラスの元祖となった車でした。また1968年に発売されたことから200/8などモデル名の末尾に/8を付けた表記がされるので、/8(ドイツ語でStrich 8 英語ではStroke 8)という名前で呼ばれることもあります。テールフィンが付いたW110系よりもシンプルでセンスの良いデザインは、新しいメルセデス ベンツを印象付けるデザインでした。
当初のW114は6気筒2.3L(120HP)/2.5Lエンジン、W115は4気筒2L(95HP)/2.2Lエンジン又は4気筒2L/2.2Lディーゼルエンジンを搭載していました。1972年にW114に6気筒2.8Lエンジン、1974年にW115に世界初の5気筒3L(80HP)ディーゼルエンジンが追加されました。1968年にロングホイールベース仕様セダン、1969年にホイールベースはそのままで屋根をハードトップに変えたスポーティな2ドアクーペが追加されました。1973年のマイナーチェンジで内外装が変更され、ヘッドライトワイパーや表面が凸凹形状のリアライトなどSクラスに準じた安全装備が採用されました。W114/W115は大ヒットし総生産台数は約190万台で同社として初めて100万台を超えました。1976年に後継車W123にモデルチェンジしました。
ミニカーは1996年に発売されたドイツのファラー(FALLER)製です。プラスチック製でディーゼル仕様の220Dをモデル化しています。ファラーは鉄道模型ジオラマ用のアクセサリーや建築物などのプラモデルで有名な老舗ブランドです。同社は「Memory Cars」という名前でメルセデス ベンツとフォルクスワーゲン ビートルの1/43のミニカー(プラモデル完成品)を20種類ほど販売していたことがありました。(これ以外のファラーのミニカー → 220S (W180)、 220SE カブリオレ (W111)) プラモデル完成品で塗装はされていませんが、フロントグリルや室内などの細かいところまで良く再現され非常に良い出来ばえです。変形等の問題がないプラスチック(ABS樹脂)を使っているようで、このミニカーは購入後20年以上経過していますが、変形等の問題は発生していません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 300SEL 6.3 (W109) ドイツ 1968年
メルセデス ベンツ 300SEL(W109)は前述した300SE(W108)のロングホイールベース版で、全長が100㎜長くなっていました。通常の300SELに搭載されるエンジンは6気筒3Lでしたが、1961年に登場した300SEL 6.3は最上級車600(W100)用のV型8気筒6.3L(250HP)エンジンを搭載した特別な高性能車でした。0-100km/h加速 6.3秒 最高速220km/hは当時の並のスポーツカーを凌ぐ性能で、当時最速の量産セダンでした。300SEL 6.3はヘッドライトが北米仕様のデュアルヘッドライトとなっている点が外観上の違いで、車高調整式エアサスペンション、エアコン、パワステが標準装備の豪華仕様で、全輪ベンチレーティド ディスクブレーキが採用されていました。
300SEL 6.3はチューナーのAMGによって6.8Lエンジンを搭載したレース仕様車が製作されました。600(W100)用V型8気筒エンジンの生産台数は限られていたので、1969年にアメリカ市場向けに新しいV型8気筒エンジンが開発されました。V型8気筒3.5L(200HP)エンジンは300SEL 3.5に、1971年にV型8気筒4.5L(225HP)が300SEL 4.5に搭載されました。このエンジンは前述した280SEL(W108)にも搭載されました。300SEL 6.3は1972年まで生産され、総生産台数は約6500台でした。
ミニカーは2001年に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスらしいうまい造形で、特徴的なデュアルヘッドライトのフロント周りがリアルで、室内も良く再現されていてかなり良い出来ばえです。メルセデス ベンツやポルシェを作らせるとミニチャンプスはセンスの良い仕事をしますが、イタリア車やフランス車はそれほど得意ではありません。(お国柄が関係するようで、どのブランドも自国の自動車をモデル化するのが得意です) ミニチャンプスはバリエーションでレース仕様車やドイツ首相公用車もモデル化しています。300SEL 6.3の当時物ミニカーはありませんでした。最近の物ではオートアートの1/18、シュコーのレース仕様などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW 2800CS (E9) ドイツ 1968年
BMWは上述した2000よりさらに上級の6気筒2.5L/2.8Lエンジンを搭載したセダン 2500/2800(E3系)を1968年に登場させました。ボディは6気筒エンジンを搭載するためにフロント部分が長くなり、ヘッドライトが横長角形から一般的な丸形4灯式に変更されました。この6気筒エンジンを搭載したクーペ 2800CS(E9系)も同じ年に登場しました。このE3/E9系の6気筒エンジンは卓越した静粛性とスムーズな吹上がりから「シルキー シックス」と呼ばれました。
1971年にはより高性能な3L(180HP)エンジンを搭載する3.0S、燃料噴射式3L(200HP)エンジンを搭載する3.0 Siが追加されました。1973年には3.3L(190HP)エンジンを搭載しホイールベースを100㎜延長した最上級仕様の3.3Lも設定されました。また3Lエンジンを搭載しボディを軽量化したレース仕様のクーペ 3.0 CSLはレースで大活躍しました。E3系は高性能高級車を得意とするメルセデス ベンツに対抗するために開発され、その対抗馬としての地位を確立し、1977年には7シリーズに発展しました。このE3/E9系がノイエ クラッセ シリーズ(新しいクラス)の最終的な発展型でした。
ミニカーは1971年に発売されたメルクリン製の当時物です。メルクリンは鉄道模型の老舗メーカーで、1950-1970年代にはダイキャスト製ミニカーも作っていました。ホイールが走行性を重視したフリーホイールになっていることがやや残念ですが、デフォルメが巧みで実車の雰囲気をうまく再現した良い出来ばえです。(室内の造形はやや物足りないレベルですが) ドア/ボンネット/トランクが開閉するフルギミック付きで、この開閉ギミックはヒンジ部に板バネを使うことで閉じたときの立付けが良くメリハリの付いた開閉動作を実現していました。メルクリンは2500 セダン(E3系)もモデル化していました。E3系の当時物ミニカーはシュコーの1/66、当時物以外ではシュコー、ブレキナの1/87、NEO(レジン製)などがあります。また3.0CSL(E9系)はレース仕様も含めてソリド、ミニチャンプス、オートアートの1/18、スパーク(レジン製)などたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オペル GT ドイツ 1968年
1965年のフランクフルト ショーで発表されたオペルのコンセプトカー グランツーリスモ クーペはその空力的なデザインが好評でした。(実車画像→ オペル グランツーリスモ クーペ 1965) オペルは自社のスポーツイメージを向上させる為、3年後にこのコンセプトカーをオペル GTの名で市販しました。オペル GTはオペル カデット Bのシャーシを使い、フランスのコーチビルダーが車体の製造を行いました。この車のリアにトランクはなく、ハッチバックでもありません。ヘッドライトは横に回転してポップアップする独特の方式で、室内から手動のレバー操作で動作させます。
カデット用の4気筒1.1L(60HP)/1.9L(90HP)エンジンを搭載する後輪駆動車で、空気抵抗の少ないボディ故に最高速185km/h(1.9L)とカデットよりも高性能でした。1970年に人気のない1.1Lエンジンがなくなり、1973年に生産中止となりました。総生産台数は約10万台でした。本格的なスポーツカーではありませんでしたが、シボレー コルベットのような見た目のかっこよさから、スペシャリティカーとして成功しました。日本にも1900GTが輸入されて235万円で販売されました。この価格はトヨタ 2000GTと同じぐらいで高価な車だったようです。
ミニカーは1969年に発売されたソリド製の当時物です。ソリドらしいシャープな造形で実車の雰囲気をうまく再現していました。ただサイドビューを見るとやや腰高な感じもします。ドア開閉とリトラクタブルライトが実車同様に回転するギミック付きで、回転ギミックはスムーズに動作します。(左右別々に操作します ラインストーンを使ったヘッドライトが光を反射してそれらしく見えます) フロントのウインカーが省略されている点はリアルではないですが、それはデフォルメの類と考えましょう。 これ以外のオペル GTのミニカーは、当時物ではディンキー(仏)、ノレブ、ガマなどがありました。当時物以外ではミニチャンプス、シュコー、ビテス、国産名車コレクションなどがあります。 以下はフロント(ヘッドライト開閉)/リアの拡大画像です。ヘッドライトは可動部隙間が小さい良好なチリ合わせで仕上がっていて、ソリドの鋳造技術が優れていたことが分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ルノー 6 フランス 1968年
ルノー 6はルノー 4の上級車として1968年に登場しました。ルノー 4の上級車にはリアエンジンのルノー 8がありましたが、ルノー 6はフロントエンジンの前輪駆動車で1965年に登場したルノー 16によく似たデザインのボディをルノー 4のシャーシに載せたものでした。 内装もルノー 4より豪華で、エンジンはドーフィンのゴルディーニ仕様の845cc(35HP)を搭載し4段変速で、最高速120km/hの性能でした。 操縦性も改善されていて、全てにおいてルノー 4の上級仕様でした。
1970年にはアンダーパワーとの不評に対応してルノー 8用の1.1L(45HP)エンジンが追加され、フロントディスクブレーキが採用されました。1974年にはヘッドライトが角形になりリアライトとフロントグリル/バンパーが変更されました。1978年にフロントグリルが黒い樹脂製に変わりました。1976年に後継車のルノー 14が登場し、1980年に生産中止となりました。ルノー 6をベースにしてサンパールの4輪駆動システムを採用したジープ形式のロディオ 6という4輪駆動車もありました。(実車画像→ ルノー ロデオ 6 1973)
ミニカーは1969年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。前述したディンキー(仏)製のルノー 4、8、16などと同様にこのルノー 6もプロモーションモデル的な作風で、素朴ながら当時のミニカーとしては良く出来ていました。ボンネットとドアが開閉するギミック付きです。ディンキー(仏)は当時のフランス車のほとんどをモデル化していたので、ルノー車だけを並べてみると同じ作風のミニカーでルノーのラインアップができあがります。(これが同じ縮尺のミニカーをコレクションすることの楽しみの一つです) なお同じフランスのブランドでもソリドはあまり実用車をモデル化していませんでしたので、ソリドでラインアップを揃えることはできませんでした。これ以外のルノー 6のミニカーはオートピレン、ポリトーイの1/55、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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