ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

FORD FR (SIMCA) VEDETTE DECOUVRABLE 1953 FRANCE

FORD FR (SIMCA) VEDETTE DECOUVRABLE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD FR (SIMCA) VEDETTE DECOUVRABLE


SOLIDO 45100 1/43 109mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m 全幅約1.72m エンジン 変速機: V型8気筒 2.2L 66HP 3段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでフォード/シムカ ベデットのミニカー検索

フォード (仏) (シムカ) ベデット デクヴェラブル フランス 1953年

 

 アメリカのフォード社はフランスに進出し、1920年代にはT型A型の組立てを行っていました。1934年にはフランスのマチス(MATHIS)社がフォード社との合弁会社マットフォード(MATFORD)を設立し、フォード V8の小型版を製造しました。第2次世界大戦の勃発でマットフォードの工場はドイツ軍に占拠され、トラックと軍用車の生産を行いました。(実車画像→ マットフォード アルザス V8 1936)

 

 第2次世界後マットフォードはフォードSAF(フォード フランス)に名前を変え、戦前型のV型8気筒エンジン搭載車(フォード 13CV)の再生産を始めました。1948年には戦後型としてベデットが登場しました。ベデットは米国フォードのマーキュリーを小型化したもので、フラッシュサーフェースを採用した近代的なファーストバック ボディにV型8気筒2.2L(66HP)エンジンを搭載していました。1952年のマイナーチェンジでファーストバックのボディがノッチバックに変更されました。戦後のフランスでは排気量が2Lを超える車には高額な課税がされたので、このようなアメリカ車を小さくしたような車の市場は限られたものでした。1954年にフォードはフランスでの独自路線をあきらめて、フランス工場をシムカに売却しました。シムカにとっては近代的なフォード工場と上級車種が手に入るメリットがありました。

 

 

 ミニカーは2005年に発売されたソリド製です。マイナーチェンジでノッチバック化されたフォード ベデット 4ドアセダンのモデル化で、屋根だけが幌になっているデクヴェラブル形式のオープンカー(フォードの呼び名はサンライナー)となっています。ソリドの型番45**のシリーズは主に1950/1960年代のクラシックカーをモデル化していて、当時の定価約2000円と比較的安価ながら、結構良い出来ばえに仕上がっていました。このベデットも老舗らしい手慣れた造形で、実車の雰囲気が良く再現されています。ワイパーがウィンドーにモールドされているなどややレトロな作風ですが、室内などの細部もそこそこ再現されています。ソリドは通常のセダンもモデル化しています。これ以外のベデットのミニカーはノレブ初期のプラスチック製とノスタルジーの物などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD VEDETTE DECOUVRABLE 1
FORD VEDETTE DECOUVRABLE 2

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LANCIA D24 1953 ITALY

LANCIA D24
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA D24


BRUMM R204 1/43 97㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.12m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型6気筒 3.3L 265HP 4段変速
性能: 最高速260m/h  データーベースでランチア D20/23/24/25のミニカー検索

ランチア D24 イタリア 1953年

 

 戦前のランチアはモータースポーツに参加しませんでしたが、経営者が創業者の息子のジャンニ ランチアに変わった戦後はモータースポーツに進出するようになりました。戦前に登場したランチア アプリリアは、戦後のレースやラリーで活躍しました。前述したランチア アウレリア B20 クーペをベースにしたレースカー ランチア D20 (V型6気筒2.5L/3Lエンジン搭載)が1952年に登場し、タルガ フロリオ、ミッレ ミリア、ルマンなどに参戦しました。

 

 ランチア D20は1953年にV型6気筒3L(220HP)エンジンを搭載したD23に発展しました。D23は軽量化で操縦性を向上させる為オープン仕様(単座/2座)となり、鋼管フレーム構造の本格的なレースカーとなりました。(実車画像→ ランチア D23) D23は数ヶ月後にエンジン排気量を2.4L(265HP)に拡大したD24となりました。D24のデビュー戦は1953年ニュルブルクリング(結果はリタイア)で、同年のカレラパナメリカーナ(ドライバー A.アスカリ)で優勝しました。1954年にはミッレ ミリア、タルガ フロリオなど多くのレースで優勝しました。1954年にエンジン排気量を2.7L(300HP)に拡大したD25も開発されました。

 

 

 ミニカーはブルム製で1994年頃に発売されました。1954年のミッレ ミリア 優勝車(ドライバー A.アスカリ)をモデル化しています。D24の迫力のあるフロント周りの雰囲気が良く再現されていて、なかなか良く出来ています。ホイールやコクピットなどの細部もそこそこリアルに仕上げてあります。ブルムにはカレラ パナメリカーナ仕様など数種類のバリエーションがあります。ブルム以外のランチア D24系のミニカーとしてはトップモデル、スターライン、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA D24 1
LANCIA D24 2

 以下は俯瞰画像とコクピット周辺の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA D24 3
LANCIA D24 4

 以下は2003年に発売されたミニ ミニエラ(LA MINI MINIERA)製のランチア D24 #76 タルガ フロリオ 優勝 1954 (1/43 型番MMBMS033)の画像です。1954年のタルガ フロリオ 優勝車のモデル化で、ドライバーのピエロ タルッフィ(Piero Taruffi)のフィギュアが付いています。ミニ ミニエラは他社のミニカーをベースにした特注品を製作しているブランドで、型番のMMBMはブルム製のミニカーをベースにしていることを示しています。これはブルム製の型番S033にフィギュアを追加して、ミニ ミニエラの紙箱に収めたものでした。ランチア D24はベースのブルム製とほとんど同じで、ピエロ タルッフィのフィギュアは服装はそれらしいですが、顔つきはそう言われればそうかなというぐらいの出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA D24 3
LANCIA D24 4

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LANCIA APPIA 1953 ITALY

LANCIA APPIA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA APPIA


NOREV 783040 1/43 94㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.87m 全幅約1.42m エンジン 変速機: V型4気筒 1.1L 38HP 4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでランチア アッピアのミニカー検索

ランチア アッピア イタリア 1953年

 

 前述した戦前のランチア アプリリアの小型版であったランチア アルデアの後継として1953年にアッピアが登場しました。V型4気筒1.1L(38HP)エンジン、スライディングピラー式前輪サスペンション、センターピラーのない観音開きドアなどランチア独自の技術を引き継いだ高級な小型車でした。小型車ながらピニンファリーナ製のクーペや、ヴィニャーレ製のカブリオレなどの特注車も製作されました。1956年にはII型となり、1959年にはフロントグリルを変更したIII型となり、1963年に後継車のフルビアにモデルチェンジしました。総生産台数は約10万台で大ヒットしました。

 

 ランチアはレース活動に注力するなど技術重視で採算を度外視した経営を続けたことで1955年に倒産しました。その際にランチアの創業者一族は経営から手を引き、アウレリアを開発した技術者のヴィットリオ ヤーノも退社しました。倒産したランチアを買い取った実業家のカルロ ペゼンティはランチアの伝統を守り高度な内容の車作りを継続させました。

 

 

 ミニカーは2006年に発売されたノレブ製です。ノレブらしいそつのない良い出来ばえで、シンプルながら小さな高級車であった実車の雰囲気がよくとらえられています。ただしヘッドライトが大きすぎるのは、デフォルメのやり過ぎでそこは今一つです。ノレブはビニャーレ製コンバーチブルとザガート製クーペもモデル化しています。それ以外のアッピアのミニカーはマーキュリーの当時物がありました。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA APPIA 1
LANCIA APPIA 2

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FERRARI 500F2 1953 ITALY

FERRARI 500F2
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 500F2


BRUMM R044 1/43 90㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.4m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 2L 185HP 4段変速
性能: 最高速260km/h  データーベースでフェラーリ 500F2のミニカー検索

フェラーリ 500F2 イタリア 1953年

 

 1952年と1953年はGPレースのチャンピオンシップがフォーミュラ2(F2)規定で行われました。フェラーリにはV型12気筒2L/2.6Lエンジンを搭載するF2マシンとして166F2と212F2がありました。(実車画像→ フェラーリ 166F2) しかしこのF2マシンは能力不足だったようで、アウレリオ ランプレディが4気筒2L(185HP)エンジンを新開発し、このエンジンを搭載した500F2が登場しました。500F2はフェラーリとしては初の12気筒でないエンジンを搭載した車でした。

 

 フェラーリ 500F2はシンプルな構造のエンジンを使った軽量でバランスの良いマシンで、操縦性も優れていました。強力なライバルがいなかったこともあり、500F2は出場したほとんどのレースで勝利しました。1952年はチャンピオンシップ8戦でインディ以外の7戦すべてで優勝しました。1953年はチャンピオンシップ9戦で、インディとイタリア GP以外の7戦ですべて優勝しました。(イタリア GPではマセラティ A6GCM(F2)が勝利しました) ドライバーはほとんどがA.アスカリで2年連続でドライバーズチャンピオンになりました。

 

 

 ミニカーは1981年に発売されたブルム製です。1953年のイギリス GP 優勝車(#5 ドライバー A.アスカリ)をモデル化しています。プロポーションが良く、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。ただし初期のブルムのミニカーは実車考証にアバウトなところがありました。例えば同じ1981年に発売された型番R035の500F2 1952年の#34はどのレース仕様なのか不明確でしたが、後に同じ型番R035のままで1952年のイギリス GPの#15に変更されました。(同じ型番のままで仕上げレベルが良くなっていましたが、似たような変更が他にもありました) ブルム以外の500F2のミニカーはディンキーのビンテージ当時物、カルツォ、CMCとCMRの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 500F2 1
FERRARI 500F2 2

 以下は1998年頃に発売されたブルム製のフェラーリ 500F2 #34 A.アスカリ ワールドチャンピオン モンザ (イタリア GP) 1952 (1/43 型番AS01)の画像です。これはブルムの「AUTOSTORY COLLECTION」というシリーズで、フィギュアやちょっとした小物を付けて簡単なジオラマ仕立てとしたものです。ドライバー(A.アスカリ)のフィギュア付で、ボディは汚し塗装がされ台座が道路になっています。当時のドライバーはこんな軽装でドライブしていたことが分かります。ミニカーの箱にはモンザ 1952と書かれているのですが、その年のモンザ(イタリア GP)の出場車の#34はフェラーリではないので、前述したように実車考証に問題があります。(1952年のイタリア GPではA.アスカリのドライブで#12が優勝しています) これはイタリア GPではなくモンザ サーキットでの別のレースだったのかもしれませんが。。。まあこんな細かいことを言わなければ、良く出来た面白いミニカーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 500F2 3
FERRARI 500F2 4

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HOLDEN FJ 1953 AUSTRALIA

HOLDEN FJ
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HOLDEN FJ


TRAX 8001 1/43 102㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.41m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 2.2L 60HP 3段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでホールデンのミニカー検索

ホールデン FJ オーストラリア 1953年

 

 ホールデン社はオーストラリア唯一の自動車メーカーで、J.A.ホールデンが1856年に馬具製造会社として設立し、1926年から自動車の製造を始めました。アメリカのGM シボレーを主体とするノックダウン生産を行い、1931年にGM傘下のGM ホールデン社となりました。GM傘下ながらオーストラリアの過酷な風土に合わせてアメリカ車より小柄で頑丈な独自の中型車を開発し、オーストラリアの自動車市場をほとんど独占してきました。

 

 1948年に登場したホールデン FXは、1949年型シボレーとして企画されながら小さすぎるとして却下された車をベースにしていました。6気筒2.2L(52HP)エンジンを搭載したこの車はシンプルな設計ゆえ頑丈で、手頃な価格と適度な性能(3段変速で最高速130km/h)で、オーストラリアで一番売れる車となりました。デザイン的には同時期のアメリカ車そのものですが、サイズ的には全長4.37mと二回りほど小さいです。(実車画像→ ホールデン FX 1948)

 

 

 FXの後継車として1953年にFJが登場しました。FXがベースでデザイン的にはフロントグリルが少しだけ新しくなっていますが、ほとんど同じでやや古くさい感じがします。エンジンも6気筒2.2L(60HP)とほぼ同じで、性能も同等でした。4ドアセダン、2ドアピックアップ、2ドアパネルバンのバリエーションがあり、商業的に大成功しました。1958年までに約17万台が生産されました。

 ミニカーはオーストラリアのTRAX(トラックス)というブランド製で1987年頃に購入しました。TRAXは1986年に設立されたオーストラリアの現存するブランドで、主にホールデンを1/43サイズでモデル化しています。輸入されていないので最近の物はわかりませんが、1980年代のミニカーとしては並みの出来ばえで、初期の物は香港製でした。このホールデン FJはプロポーションが良く、特別に凝ったところはありませんが、そこそこの良い出来ばえです。ただし実車は道路事情を反映して最低地上高がかなり高かったとのことですので、このミニカーは車高が下がりすぎです。(経年変化で車軸を支えるスプリングがへたっているようです) これ以外のホールデンのミニカーはディンキー(英)が1963年式をモデル化していますが、1950-1970年代のホールデン車のミニカーはこのTRAXぐらいしかモデル化していませんので、車種的には貴重なミニカーです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HOLDEN FJ 1
HOLDEN FJ 2

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