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フォード リンカーン コンチネンタル アメリカ 1946年
1940年に登場した初代 リンカーン コンチネンタルは、1942年のマイナーチェンジでエンジンが5L(130HP)にパワーアップされ、ボディが大型化され、フロントグリルとフェンダーが変更されました。太平洋戦争の勃発で生産台数は数百台と僅かでした。1946年から戦後型の製造が再開されました。フロントグリルなどが当時のアメリカ車に共通する派手な大型のものに変更され、初代の上品な雰囲気はなくなりましたが、基本的なスタイルはそのままでした。(初代を発案したエドセル フォードは1943年に若くして亡くなったので、この戦後型のデザインを見ることはなかったと思いますが)
戦後型は1948年までに約2800台が生産されて生産中止となり、初代リンカーン コンチネンタルの総生産台数は約5000台でした。V型12気筒エンジンを搭載したアメリカの量産車としてはこの車が最後となりました。(最近の車ではトヨタ センチュリー GZG50型やメルセデス ベンツ Sクラス W221型などが搭載しています) 1956年に後継車のリンカーン コンチネンタル MK IIが登場しました。
ミニカーはアルゼンチンのブービー(BUBY)製で、2009年頃に入手しました。ブービーは1950年代から1/43や1/64のダイキャスト製ミニカーを製造していた老舗メーカーで、日本国内では流通しなかったのであまり知られていません。1990年頃に1950-60年代のアメリカ車を「COLLECTORS CLASSICS」と「BUBY'S CLASSICS」シリーズとして数十種類モデル化しています。このコンチネンタルもその「COLLECTORS CLASSICS」シリーズの1台で、フロントグリルやバンパーなどに金属製パーツを使っているのが特徴です。昔のアメリカ車のイメージを再現するのに金属製パーツは効果的で、重厚な雰囲気のミニカーに仕上がっています。スケールモデル的な観点で評価すると最近のミニカーは優れていますが、昔のミニカーも雰囲気や質感ではまだまだ捨てたものではありません。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード ウッディ ワゴン アメリカ 1950年
フォードの大衆車の戦後型は1949年に登場しました。ボディは前後のフェンダーが完全に一体化されたフラッシュサイドの「ポントン」スタイルとなりました。この「ポントン(PONTOON)」スタイルはメルセデス ベンツやボルボなどの欧州車に影響を与えました。外観上の特徴はブリットノーズ(Bullitt-nose)と呼ばれた砲弾のような突起を持つフロントグリルで、このデザインはスチュードベーカー チャンピオンが模倣していました。1951年のマイナーチェンジでこの突起は2個に変更されました。(実車画像→ フォード セダン 1951)
搭載されたV型6気筒3.7L/V型8気筒3.9Lエンジンは先代と同じでしたが、シャーシ/サスペンションは全くの新設計でした。ボディ形式は2/4ドアセダン、2ドアクーペ/コンバーチブル、2ドアウッディ ワゴンがありました。1951年にGM シボレー ベルエアに対抗して上級グレードとして2ドアハードトップのビクトリアが追加されました。1952年にフロントスクリーンが一枚物になった新型にモデルチェンジしました。デザインが一新されたこの戦後型は大成功し、販売シェアでクライスラーより下であったフォードは勢いを盛り返し、1950年代末にはトップのGM シボレーに肉薄するようになりました。(実車画像→ フォード クレストライン ビクトリア 1952)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製です。フォードが得意としていた高級なウッディ ワゴンをモデル化しています。1950年代の代表的なアメリカ車を1/43でモデル化した50年代シリーズの1台で、このシリーズは全てボンネット/ドアの開閉ギミック付でエンジンや床下のサスペンションなども結構リアルに再現されていました。ややレトロな作風ですが、特徴的なブリットノーズや木目パネルが張られたボディ後部などがそれらしく仕上げてあり、実車の雰囲気がうまく再現されています。ボンネットを開くとV型8気筒エンジンが結構リアルに再現されています。これ以外の戦後型フォードのミニカーはこれと同じフランクリン ミントのワゴンとカブリオレ 1/24、ダンバリー ミントの2ドアセダン 1/24、ミニチャンプスのカブリオレ、アメリカン ヘリテージ(AMERICAN HERITAGE)のセダンなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード マーキュリー モントレー アメリカ 1951年
GMの中級車(ビュイックやオールズモービル)に対抗して、フォードは1938年に新ブランドのマーキュリーを設定しました。マーキュリーは大衆車フォードと高級車リンカーンの間を埋めるブランドで、最初に登場したマーキュリー エイトはリンカーンの廉価版ゼファーに似せたデザインでV型8気筒3.9L(95HP)エンジンを搭載していました。4ドアセダン、2ドアクーペ/コンバーチブル、4ドアステーションワゴンなどが揃っていました。(実車画像→ フォード マーキュリー エイト 1939)
戦後の1950年にエイトの上級グレードの2ドアクーペとしてモントレーが設定されました。基本設計は前述した大衆車のフォードと同じでした。デザイン的にはまだ前フェンダーが残りボンネット位置が高い戦前型のオーソドックスなスタイルでした。このクラシックな外観ゆえにこのマーキュリーは当時もその後の時代でもホッドロッドなどの改造車のベースとして人気がありました。V型8気筒4.2L(110HP)エンジンを搭載し3段変速で最高速140km/hの性能でした。1952年にエイトはフラッシュサーフェースの戦後型ボディに一新されモントレーに改名されました。(実車画像→ フォード マーキュリー モントレー 1953)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製の1950年代のアメリカ車をモデル化した1950年代シリーズの1台です。1951年式のモントレー クーペをモデル化しています。ヘッドライトをメッキパーツで表現するなどややレトロな作風なのですが、その作風が実車の雰囲気にうまくマッチしているように思います。プロポーションが良く丁寧な仕上げで良く出来ています。ボンネット/ドアが開閉し、室内やエンジンもリアルに再現されています。(インパネのメーターは紙のシールです) これ以外のモントレー 初期型のミニカーはミニチャンプスやジャダトイ(JADA TOYS)のホットロッド仕様 1/24などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード フェアレーン クラウン ビクトリア アメリカ 1955年
1951年にフォードの上級グレードとして2ドアハードトップのビクトリアが追加されました。(フォードはハードトップ仕様をビクトリアと呼んでいました) 1952年のモデルチェンジではフォードの最上級モデルとしてクレストライン(CRESTLINE)が登場しました。クレストラインは次の1955年のモデルチェンジでフェアレーンに名前が変わりました。フェアレーンには2/4ドアセダン、2ドアハードトップのビクトリア、コンバーチブルがあり、ステンレス製トリム(フェアレーン ストライプ)を境目にして塗り分けられたツートンカラーで下級グレードと差別化していました。
フェアレーン 2ドアクーペで最上級グレートのクラウン ビクトリアのデザインは1953年に発表されたコンセプトカー X100のイメージを取り入れたもので、ハードトップのルーフ前半は透明プラスチックかスチールが選択できました。透明プラスチックのルーフは既にこの時代に実用化されていました。(実車画像→ コンセプトカー X-100 1953) フェアレーンのエンジンは6気筒3.7L(120HP)とV型8気筒4.5L/4.8L(200HP)が搭載されました。1956年に4ドアのビクトリア ハードトップが追加され、新型のV型8気筒5.1L(228HP)エンジンも追加されました。1957年にフェアレーン2代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ フォード フェアレーン 1957)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製です。フランクリン ミントがモデル化している1/43のアメリカ車はいずれもボンネット/ドアの開閉ギミック付きで細部まで細かく再現されていました。コンチネンタル キットと呼ぶスペアタイヤをリアに搭載するオプションを装備したフェアレーン クラウン ビクトリアをモデル化しています。プロポーションが良くフロントグリル、ボディ各部のトリム、スペアタイヤ、室内などの細部が良く再現されていました。実車に忠実なツートンカラーと透明ルーフもきれいに出来ています。なお当方が保有するこれはフロントスクリーンが欠品していますが、あまり気にならないです。これ以外のフェアレーン初代のミニカーはジクの当時物、同じフランクリンミントの1/24、ダンバリー ミントの1/24、マッチボックス、ヤトミン、ビテス、ホワイトボックス(イクソ)などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード リンカーン コンチネンタル MK II アメリカ 1956年
この当時のフォード リンカーンにはマーキュリーをベースにしたスタンダードと高級なコスモポリタンの2シリーズがありました。リンカーン コスモポリタン 1950年式は大統領専用車「コスモポ リタン スペシャル」として有名でした。フォードは1956年にヨーロッパ的な高級車を担当するコンチネンタル部門を新設し、戦前のコンチネンタルをコンチネンタル MK IIとして復活させました。リアトランクに搭載したスペアタイヤなど初代のイメージを残しながら近代化した優雅なデザインで、初代同様に品があって美しい車でした。(当時のアメリカ車につきものだった派手なクロームモールも極力抑えてありました)
コンチネンタル MK IIは月100台の限定(手作り!)生産で、価格1万ドル(普通のリンカーンの2倍 現在の貨幣価値で約1000万円くらい)もするロールス ロイス並みに高価な車でした。ただ1万ドルでも手作りゆえに赤字だったそうで、約3000台が生産されただけで1957年には生産中止となりました。1957年以降コンチネンタル部門は、ヨーロッパ風高級車ではなく、GM キャディラックなどの他社製高級車に対抗する車を担当する部門にかわりました。1958年に3代目のコンチネンタル MK IIIが登場しました。
ミニカーはフランクリン ミント製で1950年代のアメリカ車を1/43でモデル化した1950年代シリーズの1台で、1989年頃に発売されました。ヘッドライトをメッキパーツで表現するなどややレトロな作風ですが、その作風が実車の雰囲気にうまくマッチしていて、実に良い出来ばえでした。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、エンジンルーム内のエンジンや室内のインパネなど細部がリアルに再現されていて、当時の1/43サイズのミニカーとしては最上級レベルの出来ばえでした。(ボンネット先端のエンブレムもリアルです) これ以外のコンチネンタル MK IIのミニカーとしては、マーキュリーの当時物、フランクリン ミントの1/24、ヤトミンの1/18、ミニチャンプス、オックスフォードの1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)