ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

BUGATTI T101 GANGLOFF 1951 FRANCE

BUGATTI T101 GANGLOFF
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T101 GANGLOFF


IXO MUS047 1/43 123㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.2m 全幅約1.6m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 3.3L 135HP 4段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでブガッティ T101のミニカー検索

ブガッティ T101 ガングロフ フランス 1951年

 

 ブガッティの創始者エットーレ ブガッティの長男ジャンが1939年にレースカーのT57G タンクのテスト中の事故で他界しました。ジャンの死の直後に第2次世界大戦が勃発しブガッティのような高級車は生産できなくなり、ブガッティは軍需用の航空機部品の生産を行いましたが、工場は戦争で破壊されました。エットーレは戦後の混乱のなかで1947年に病死しました。その後もう一人の息子ローランが事業を統括することとなりましたが、ローランは父親のような優れた才能には恵まれていませんでした。

 

 1951年に新型車としてT101が登場しました。T101は戦前の傑作車T57のシャーシをベースにして開発された車で、内容的にはT57に新しいボディを載せただけの車だったようです。そのような車でしたのでT101はたったの9台しか生産されませんでした。T57と同じDOHC 直列8気筒 3.3L(135HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速160km/hの性能でした。コーチビルダーのガングロフ(GANGLOFF)などが4/2ドアセダン、クーペ、カブリオレなどのボディを架装しました。戦後のブガッティ社は主に航空機用エンジンを生産していましたが、1963年に同業のイスパノ スイザ社に吸収されました。1987年にイタリアの実業家がブガッティの商標を入手しブガッティ アウトモビリ社を設立し、1991年にブガッティ EB110が登場しましたが、1995年に倒産しました。

 

 

 ミニカーは2013年に発売されたイクソ製です。実車はシャーシNo.57454にコーチビルダー ガングロフが2ドアクーペ ボディを架装したもので、1951年のパリ サロンで公開されました。2ドアながら全長5.2mの大柄な車で、実車はフランス国立自動車博物館(シュルンプ コレクション)に展示されていました。このミニカーは元々はフランスのミニカー付雑誌「Voitures Francaises d'Autrefois」シリーズのNo.5として作られたミニカーで、それをリファインしてイクソのカタログモデルとしたものです。実車と見比べると、ボディカラーからAピラー近くの小さなアンテナ(ラジオ用)まで忠実にモデル化されていました。フロントグリル上のブガッティの赤いエンブレム、クロームモール類、精緻なエッチング材を使ったスポークホイールとワイパーなどの細部も良く仕上げられています。T101はブガッティとしてあまり知られておらず、量産ミニカーとしてはこれが初めてのモデル化でした。これ以外のT101のミニカーはマトリックス(レジン製)があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BUGATTI T101 GANGLOFF 1
BUGATTI T101 GANGLOFF 2

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DELAHAYE 235 COARCH 1952 FRANCE

DELAHAYE 235 COARCH
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DELAHAYE 235 COARCH


IXO CLC242 1/43 119mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.81m? 全幅約1.75m エンジン 変速機: 6気筒 3.6L 152HP 4段変速
性能: 最高速170km/h  データーベースでドライエのミニカー検索

ドライエ 235 コーチ フランス 1952年

 

 戦前の135Mを後継する高級車 235が1951年に登場しました。戦前の高級車メーカーはシャーシだけを提供しそれにコーチビルダーがボディを架装してました。235も当初はこの方式を踏襲し、シャプロン、フィゴーニ、ソーチックなどが特注のボディを架装していました。(実車画像→ シャプロンのクーペ、ソーチックのロードスター)  エンジンは135M用の6気筒3.6L(152HP)を搭載し、最高速170km/hの性能でした。ただコーチビルダーの架装するボディは重かったので、燃費は悪くブレーキの効きも悪かったようです。

 

 コーチビルダーが架装する特注ボディは高価で、販売は芳しくありませんでした。そこで標準化されたシャプロン製ボディが設定されましたが、それでも6気筒エンジンを搭載したシトロエンの最上級車15CV シックスの3台分の値段だったそうです。戦後のフランスではこの種の高級車に高い課税がされたこともあって、販売不振から1954年にドライエはオチキス社に吸収され消滅しました。

 

 

 ミニカーはイクソのCLCシリーズで、2013年に発売されました。このコーチという名前は標準化されたシャプロン製ボディを架装したモデルのようです。実車緒元の画像参照先の実車を忠実にモデル化しています。カラーリングやモール類、室内などが良く再現されていてかなり良い出来ばえです。ただ実車の全長から逆算すると、1/43よりも一回り大きめにできているようです。(資料の実車全長が間違っているのかもしれませんが) このミニカーは元々はフランスのミニカー付雑誌「Voitures Francaises d'Autrefois(往年のフランス車)」のNo.3として作られたものでした。(イクソのカタログモデルのこれは内装などの仕上げレベルを変えています) ドライエ 235のミニカーはこれしかないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DELAHAYE 235 COARCH 1
DELAHAYE 235 COARCH 2

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RENAULT FREGATE AMIRAL 1953 FRANCE

RENAULT FREGATE AMIRAL
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT FREGATE AMIRAL


NOSTALGIE 14 1/43 111mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 4気筒 2L 56HP 4段変速
性能: 最高速132km/h  データーベースでルノー フレガートのミニカー検索

ルノー フレガート アミラル フランス 1953年

 

 第2次大戦中に連合軍の空襲で壊滅的に破壊されたルノー社は、戦後フランスの国策で国有化されました。ルノーの復興は戦前型のジュバカトルの生産再開から始まり、1946年の新型小型車4CVの発表と続きました。ルノーは新型車として中型車を企画していたのですが、戦後復興のために小型車4CVの開発を優先しました。その後1951年になって当初予定していた2Lクラスの中型車フレガートが登場しました。フレガートは戦前のヴィヴァステラの後継車で全長4.7mの大柄なボディに4気筒2L(56HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速132km/h の性能でした。

 

 1953年にデラックス仕様のアミラル(AMIRAL)と廉価版のアフェール(AFFAIRES)にグレードが分けられ、1956年に2.1L(77HP)エンジンが追加され豪華仕様のグラン パヴォア(GRAND PAVOIS)とステーションワゴンのドメン(DOMAINE)が追加されました。1959年にトルコン式3段自動変速機が設定されましたが、1960年には生産中止となりました。総生産台数は約16万台でした。ルノーではその後1975年に30が登場するまで中型車が無くなるのですが、これは1955年に登場したシトロエン DSが大ヒットして中型車市場を占有してしまったことが原因のようです。

 

 

 ミニカーは2002年に発売されたコフラディス(COFRADIS)のノスタルジー(NOSTALGIE) シリーズです。コフラディスはフランスの模型ショップで、ノスタルジーという独自ブランドで名前どおりの懐かしい感じのするクラシックカーのミニカーを販売していました。このブランドのミニカーはイクソ製がほとんどで、意図的にややレトロな作風に仕上げているようです。このフレガートも素朴な作風ながら、フロントグリルや室内などの細部は結構リアルで、実車の雰囲気がうまく再現された良い出来ばえでした。これ以外のフレガートのミニカーはCIJやノレブの当時物、エリゴールのセダン/ワゴン/カブリオレ、最近のノレブのセダン/大統領車などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT FREGATE AMIRAL 1
RENAULT FREGATE AMIRAL 2

 以下は2006年に発売されたエリゴール製のフレガート カブリオレ 1959 (1/43 型番100996)の画像です。カブリオレは標準ボディではなかったようなので、これは特注ボディだと思われます。フロントグリルは後期型のデザインで、ワイヤスポークホイールとツートンカラーが特注の高級車らしい雰囲気です。上記のノスタルジー シリーズと同様に最近のミニカーとしてはややレトロな作風ですが、クラシックカーはこんな感じに出来ているのが個人的には好きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT FREGATE CABRIOLET 1
RENAULT FREGATE CABRIOLET 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT FREGATE CABRIOLET 3
RENAULT FREGATE CABRIOLET 4

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FORD FR (SIMCA) VEDETTE DECOUVRABLE 1953 FRANCE

FORD FR (SIMCA) VEDETTE DECOUVRABLE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD FR (SIMCA) VEDETTE DECOUVRABLE


SOLIDO 45100 1/43 109mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m 全幅約1.72m エンジン 変速機: V型8気筒 2.2L 66HP 3段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでフォード/シムカ ベデットのミニカー検索

フォード (仏) (シムカ) ベデット デクヴェラブル フランス 1953年

 

 アメリカのフォード社はフランスに進出し、1920年代にはT型A型の組立てを行っていました。1934年にはフランスのマチス(MATHIS)社がフォード社との合弁会社マットフォード(MATFORD)を設立し、フォード V8の小型版を製造しました。第2次世界大戦の勃発でマットフォードの工場はドイツ軍に占拠され、トラックと軍用車の生産を行いました。(実車画像→ マットフォード アルザス V8 1936)

 

 第2次世界後マットフォードはフォードSAF(フォード フランス)に名前を変え、戦前型のV型8気筒エンジン搭載車(フォード 13CV)の再生産を始めました。1948年には戦後型としてベデットが登場しました。ベデットは米国フォードのマーキュリーを小型化したもので、フラッシュサーフェースを採用した近代的なファーストバック ボディにV型8気筒2.2L(66HP)エンジンを搭載していました。1952年のマイナーチェンジでファーストバックのボディがノッチバックに変更されました。戦後のフランスでは排気量が2Lを超える車には高額な課税がされたので、このようなアメリカ車を小さくしたような車の市場は限られたものでした。1954年にフォードはフランスでの独自路線をあきらめて、フランス工場をシムカに売却しました。シムカにとっては近代的なフォード工場と上級車種が手に入るメリットがありました。

 

 

 ミニカーは2005年に発売されたソリド製です。マイナーチェンジでノッチバック化されたフォード ベデット 4ドアセダンで、屋根だけが幌になっているデクヴェラブル形式のオープンカー(フォードの呼び名はサンライナー)をモデル化しています。ソリドの型番45**のシリーズは主に1950/1960年代のクラシックカーをモデル化していて、当時の定価約2000円と比較的安価ながら、結構良い出来ばえに仕上がっていました。このベデットも老舗らしい手慣れた造形で、実車の雰囲気が良く再現されています。ワイパーがウィンドーにモールドされているなどややレトロな作風ですが、室内などの細部もそこそこ再現されています。ソリドは通常のセダンもモデル化していました。これ以外のベデットのミニカーはノレブ初期のプラスチック製とノスタルジーの物などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD VEDETTE DECOUVRABLE 1
FORD VEDETTE DECOUVRABLE 2

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RENAULT 4CV  1954 FRANCE

RENAULT 4CV
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV


ELIGOR 1106 1/43 84mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.7m 全幅約1.43m エンジン 変速機: 4気筒 747cc 21HP 3段変速
性能: 最高速105km/h  データーベースでルノー 4CVのミニカー検索

ルノー 4CV フランス 1954年

 

 第2次大戦中に連合軍の空襲で壊滅的に破壊されたルノー社は、戦後フランスの国策で国有化されました。ルノーの復興は戦前型のジュバカトルの生産再開から始まり、1946年の新型小型車4CVの発表と続きました。ルノーは新型車として中型車を企画していたのですが、戦後復興のために小型車4CVの開発を優先しました。4CVは水冷4気筒747ccエンジン(21HP)をリアに搭載し、小型軽量(585kg)ながら4人乗りで、3段変速で最高速105km/h の性能でした。なおCVとはエンジン排気量などから決められるフランス独特の課税上の馬力の単位です。つまり4CVとは課税馬力が4馬力ということを意味しています。

 

 発売当初の4CVは小さすぎると不評でしたが、実車が出回るにつれて評価されるようになり、最終的には数年先までのバックオーダーを抱えるほどの大ヒットとなりました。また4輪独立コイル サスペンションによる優れた操縦性を生かして、1950年代のラリーでも大活躍しました。さらに世界各国に輸出(ノックダウン生産)され、日本では日野自動車が国産化して主としてタクシーに使われました。4CVは1961年にまでに110万台以上が生産され、ルノーを戦前のようなフランス第1の自動車メーカーに立て直しました。(ただし大型車はまだラインナップしていませんでしたが) 後継車は1961年登場のルノー 4でした。

 

 

 ミニカーは1980年代に発売された初期のエリゴール製です。フロントノーズの横バーが3本になっているので1953年式以降をモデル化しています。初期のエリゴールは同時期のノレブのプラスチック製ミニカーの型を流用したものが多いのですが、これもノレブの型番17(以下参照)をベースにしていました。ノレブのオリジナルはプラスチック製で窓ガラスも室内もついていない「がらんどう」でしたが、エリゴールの4CVはダイカスト製で室内なども再現されていて、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。 エリゴールはラリー仕様など20数種類のバリエーションをモデル化していました。これ以外の4CVのミニカーは当時物ではCIJ、テクノがありました。当時物以外ではソリド(べレム)、デルプラドの世界の名車シリーズ、イクソ、ブッシュの1/87、最近のノレブなどたくさんあります。  以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT 4CV 1
RENAULT 4CV 2

 以下は1970年代に購入したノレブ製のルノー 4CV (1/43 型番17)です。ノレブのプラスチック製の4CVは1950年代から発売されていた物なので、窓ガラスも室内もついていない実に素朴なものでした。しかし窓ガラス/室内が再現されていないことを別にすれば、4CVのミニカーとしては結構リアルに出来ていました。ノレブ初期のプラスチック製ミニカーに良く起こる経年変化によるボディの変形がほとんど見られないのは、購入時期が新しいのでプラスチックの材質が変更されていたからでしょう。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV 3
RENAULT 4CV 4

 以下は2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズのルノー 4CV (1/43 No.44)の画像です。中国製でメーカーは不明ですが、プロポーションが良く、ドアミラーや室内のバックミラーが再現されているなど細部も結構リアルです。当時の雑誌付きミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV 5
RENAULT 4CV 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV 7
RENAULT 4CV 8

 以下は1994年に発売されたソリド製のルノー 4CV デクヴェラブル 1954 (1/43 型番4538)の画像です。名前のデクヴェラブル(DECOUVRABLE)とは屋根の側面を残して天井部分を幌で開閉できるようにしたカブリオレ仕様のことを意味します。(欧州車に多く見られる形式です) ソリドの型番45**シリーズは廉価版的なミニカーでしたのでシンプルな作りでしたが、4CVの雰囲気はうまく再現されていました。大きく開いた屋根から見える室内もそこそこ再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV DECOUVRABLE 1
RENAULT 4CV DECOUVRABLE 2

以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 4CV DECOUVRABLE 3
RENAULT 4CV DECOUVRABLE 4

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