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GM シボレー コルベア アメリカ 1960年
1950年代にヨーロッパ製の小型乗用車がアメリカに輸入され、セカンドカーとして使われました。この小型車需要へのアメリカ車メーカーの対応ではアメリカンモーターズ(AMC)のランブラーが先行していましたが、ビッグ3(GM、フォード、クライスラー)も小型車(2L/3Lクラス)の開発に着手しました。フォードのファルコン、クライスラーのプリムス バリアントは単に大型車を小さくしただけのモデルでしたが、1960年にGMから登場したコルベアは空冷水平対向エンジンをリアに搭載しているなどかなり変わっていました。(実車画像→ AMC ランブラー クラシック 1961、フォード ファルコン 1960)
空冷リアエンジンを採用したコルベアは当時アメリカでセカンドカーとして人気があったフォルクスワーゲン ビートルに大いに影響されたようで、スタイルもヨーロッパ風でした。空冷水平対向6気筒2.3L(80HP)エンジンをリアに搭載し、3段手動/2段自動変速で最高速135km/hの性能でした。4ドアセダン、2ドアクーペ/コンバーチブル/ピックアップ、ステーションワゴンのフルラインアップでオプションも豊富でした。1962年にターボチャージャーで150HPにパワーアップしたスポーツ仕様が追加され、1964年にエンジンが2.7L(85HP)に拡大されました。1965年にコルベア 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製です。1960年代の代表的なアメリカ車を1/43でモデル化した60年代シリーズの1台です。この60年代シリーズは全てボンネット/ドアの開閉ギミック付でエンジンや床下のサスペンションなども結構リアルに再現されていました。このコルベアはメッキパーツのヘッドライトなどがややレトロな作風ながら、実車の雰囲気がうまく再現されていました。4ドアが開閉しリアパネルを開くと水平対向エンジンが結構リアルに再現されています。コルベアはその独創性で人気があったようで、コーギー、ディンキー、ノレブ(初期のプラスチック製)などの当時物のミニカーがありました。当時物以外ではフランクリン ミントの1/24、サンスターの1/18、エリゴール、レーシング チャンピオンの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー ギア L6.4 アメリカ 1960年
イタリアのカロッツェリア ギア社は1916年に設立されました。第2次大戦前には主にフィアット、アルファ ロメオ、ランチアなどのカスタムボディを架装していました。代表的なモデルとしてはアルファ ロメオ 6C 1500やフィアット 508 バリッラ クーペなどがありました。1950年代にギア社はクライスラーのデザイナーであったバージル エクスナー(Virgil Exner)と共同で多くのコンセプトカーを発表しました。代表的なモデルとしてはクライスラー K310やクライスラー ノースマンなどがありました。(実車画像→ クライスラー K310 1951) (実車画像→ クライスラー ノースマン 1956)
1960年にクライスラーの車体を使ってギアが製作したクライスラー ギア L6.4が登場しました。この車はハリウッドの俳優など著名人を対象にした極めて高価な特注車で、わずか26台しか作られていません。V型8気筒6.4L(335HP)エンジン搭載で、名前はエンジン排気量にちなんだものでした。オーナーには歌手のフランク シナトラやディーン マーティンなどがいました。(ディーン マーティンの車は外観がカスタマイズされていた) 当然ながら内装は豪華でエアコン、パワーウィンドー、パワステが装備されていました。(実車画像→ クライスラー L6.4 ディーン マーティンのカスタムカー)
ミニカーは1963年に発売されたコーギー製の当時物です。当時のコーギーのアメリカ車のミニカーはアメリカ車以外のミニカー(1/43サイズ)と大きさを揃える為に、縮尺を1/50ほどにしていました。このギア L6.4も縮尺1/48で1/43より一回り小さいサイズになっていました。サイズは小さいのですが、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。リアシート背後にはコーギー犬のフィギュアが乗っていますが、コーギー ブランドのロゴに使われていたコーギー犬が乗っているのは面白い演出でした。室内は紙のシールでセンターコンソールが再現されています。センターコンソールの上にある四角の箱はバックミラーのようです。実車はほとんど知られていないので、ミニカーのほうが実車よりも有名ではないかと思います。これ以外のL6.4のミニカーはネオ(レジン製)がデュアル ギア L6.4をモデル化していますが、このデュアル ギアとは当時ギアが製造したクライスラー系の特注車を販売していたアメリカの自動車会社の名前でした。ギア L6.4はこの会社の派生モデルでもあったのでデュアル ギア L6.4とも呼んだようです。
以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。エンジンの中央部に黄色の丸い突起が見えますが、これは前車軸と連動してボンネットを押し上げる為の突起です。つまりボディを押し下げるとボンネットの先端が少し持ち上がって、ボンネットが開けやすくなるのです。当時としては画期的であったボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミックが付いていたことで、このミニカーは2年間で100万台以上も売れました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM オールズモービル スーパー 88 ’0011 ナポレオン ソロ’ アメリカ 1961年
オールズモービルはGM グループではビュイックに次ぐ中級車で、1950~1960年代には先進的なデザインを特徴とするブランドでした。グレードとして下から60、70、80、90の4 シリーズがあり、88というのは80シリーズの8気筒エンジン搭載車です。(2桁目がエンジン気筒数を意味する) 88は最上級仕様の98の下のグレードですが、スポーティな性格の車でした。 88の初代は1949年に登場しました。1961年式の88は5代目で、スーパー 88はV型8気筒6.5L(325HP)エンジンを搭載した高性能版でした。
このスーパー 88のミニカーは1966年に発売されたコーギーの当時物です。コーギーのスーパー 88のミニカーは1962年に型番235で発売されたのですが、これは1965年から日本でTV放映されたアメリカのTVドラマ「0011 ナポレオン ソロ」(原題 The Man from U.N.C.L.E.)の劇中車という設定のものでした。このTVドラマは当時かなり人気がありましたので、私と同年齢ぐらいの方はよくご存じだと思いますが、知らない方はこちらの→「0011 ナポレオン ソロ」 Wikipedia サイトを参照してください。劇中車ということで、ボンネットに「U.N.C.L.E.」のロゴが表示され、スポットライトが追加され、フロントウィンドーには弾痕が付いています。さらに屋根上のボタンを押すことで、銃を構えたフィギュアが運転席と助手席から交互に顔を出すといったギミックが付いています。コーギーのギミック付のミニカーとしてはやや地味な存在のミニカーでしたが、それでも148万台が売れました。(ボディカラーが白の色違いがありました)
以下はフロント/リアの拡大画像とギミックの動作画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード リンカーン コンチネンタル コンバーチブル アメリカ 1961年
1961年にフォード リンカーンは革新的なモデルチェンジを行い4代目となりました。先代とは打って変わった無駄な飾りがない直線的でシンプルなデザインが採用されました。この4代目から「MK(マーク)」が付かないリンカーンのセダン系(4ドア セダンとコンバーチブル)の名前がタウンカー/プレミアからコンチネンタルに一本化されました。また高級車リンカーンのイメージを定着させる為、リンカーンはフォードの他のブランドより長期のモデルサイクルを採用することになりました。なお名前に「MK(マーク)」が付いた2ドアのコンチネンタルは1968年にコンチネンタル MK IIIとして復活しました。(実車画像→ フォード リンカーン コンチネンタル MK III 1968)
リンカーン 4代目はサンダーバード 3代目のホイールベースを延長したシャーシに、V型8気筒7L(315HP)エンジンを搭載していました。エンジンは1966年に7.6L(340HP)に拡大され、これはフォード最大の排気量でした。ボディは観音開きドアが採用されたセダンと、4ドアコンバーチブルがありました。4ドアコンバーチブルには電動格納式ソフトトップが採用されました。(実車画像→ ソフトトップ格納動画) また4ドアのコンバーチブルは戦後の車としては唯一のモデルでした。リンカーン 4代目は大幅なデザイン変更なしに、1969年まで生産されました。この基本的なスタイルを変えなかったことでリンカーン コンチネンタル 4代目のイメージが世間に定着することになりました。
ミニカーは1960年代のアメリカ車をモデル化したフランクリン ミント製の1960年代シリーズの1台で、1990年に発売されました。ヘッドライトをメッキパーツで表現するなどややレトロな作風ですが、実車の雰囲気が良く再現されていて、実に良く出来ていました。ボンネット/4ドアが開閉するギミック付きで、エンジンやサスペンションが再現され、オープンカーなので室内の細部も良く再現されています。ただフロントスクリーンが少し大きめでややアンバランスな感じがするのが惜しいです。これ以外のリンカーン コンチネンタル 4代目のミニカーは当時物ではテクノとディンキー(英)、コーギー、マッチボックス、ジク(SIKU)などがありました。当時物以外ではジョニーライトニングの1/64、グリーンライトの1/43と1/64、ミニチャンプスの大統領専用車、イクソなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード H シリーズ カートランスポーター (キャリモア) アメリカ 1961年
フォード UKの商用トラックの概要についてD800 トラックの欄に記載しました。フォード USAの商用トラックについて概要を説明します。1930年代までは乗用車のT型/A型/V8型をベースにしたピックアップやバンがほとんどでした。1940年代になると中型商用トラックのFシリーズが登場します。Fシリーズはピックアップ、パネルバン、トラック、バス用シャーシなど様々な用途で幅広く使われました。なおアメリカではピックアップは乗用車と同じような感覚で使われますので、ピックアップは純粋の商用車ではありません。
Fシリーズの大型モデルは1960年代にボンネット式大型トラックのNシリーズに変わり、1970年代にはLシリーズに発展しました。Lシリーズは1990年代にLTL-9000やAEROMAXに発展しました。(実車画像→ フォード Lシリーズ、フォード AEROMAX)
COEと呼ばれるキャブオーバー式大型トラックのCシリーズが1957年に登場しました。Cシリーズには背の高いキャブを特徴とするHシリーズが追加され、Hシリーズにはフォード トラック初のディーゼルエンジン仕様も設定されました。HシリーズはWシリーズ、CLシリーズ、1990年代のCARGOに発展していきました。フォードは1996年にこれらの大型トラックの製造権をフレイトライナー社に売却し、大型トラック市場から撤退しました。(実車画像→ フォード CARGO)
データーベースでフォード Fシリーズ トラックのミニカー検索
データーベースでフォード Cシリーズ トラックのミニカー検索
ミニカーは1966年に発売されたコーギー製の当時物で、Hシリーズのカートランスポーター仕様ををモデル化しています。トラクターキャブは当時としては非常にリアルな造形で、ドアミラーや屋根上のホーンなどの細部も良く再現してあり非常に良い出来ばえでした。カートランスポーター トレーラーは「CORGI CARS」ロゴのついたパネルやリアのスロープ(道板)などはコーギーの創作のようですが、当時のキャリモア社のMK IIIという実在したカートランスポーターをまねてモデル化しているようです。(実車画像→ キャリモア MK III カートランスポーター) カートランスポーターのミニカーはたくさんありますが、ビンテージ ミニカーのなかではこのコーギー製が一番優れていると思います。何故かというと子供が雑に扱っても壊れないよう全体的に頑丈に出来ています。またカートランスポーターに車を積載するギミック動作がいかにもそれらしくて面白いからです。最近のEXOTO製の1/43のカートランスポータはもっと精巧にできていますが、高価なEXOTO製では壊れることが心配で気軽に楽しむ気持ちにはなれません。(参照WEBサイト→EXOTO製バルトレッティ トランスポーター) 以下はキャブ単体とカートランスポーター トレーラーの画像です。キャブは上半分をチルトさせて開くと、エンジンがリアルに再現されています。カートランスポーター トレーラーの車両を載せる床の赤い車止めは位置をスライドさせて変えることができます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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