ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MORGAN 4/4 SERIE II 1956 UK

MORGAN 4/4 SERIE II
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MORGAN 4/4 SERIE II


VITESSE 054B 1/43 93㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.66m 全幅約1.42m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 32HP 3段変速
性能: 最高速125km/h  データーベースでモーガンのミニカー検索

モーガン 4/4 シリーズ II イギリス 1956年

 

 モーガン社は1920-30年代にサイクルカーの3輪スポーツカー MX-4で成功した、少量生産のスポーツカーメーカーです。1936年にはサイクルカーのエンジンを使った4輪車の4/4が登場しました。4/4は水冷4気筒1.1L(34HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速128km/hの性能でした。4/4は4シータ版や幌付クーペが追加され、1.2L(39HP)エンジンに変更されるなどして、第2次大戦を挟んで1949年までに約1000台弱が生産されました。(実車画像→ モーガン 4/4 1947)

 

 1950年に4/4の後継車としてスタンダード製2.1L(59HP)エンジンを搭載しホイールベースを少し延長しシャーシを強化したプラス 4が登場しました。この車は4段変速で最高速145km/hと4/4より高性能でした。プラス 4はエンジンをトライアンフ製2L(101HP)に強化するなどして1968年まで生産されました。プラス 4の後継車として1968年に登場したプラス 8はローバーのV型8気筒3.5L(160HP)エンジンを搭載し最高速210km/hとさらに高性能でした。プラス 8はエンジンを4.6L(220HP)までパワーアップし2003年まで生産されました。2000年にはBMW製のV型8気筒エンジンを搭載して完全に新設計されたエアロ 8が登場しました。2012年にはBMW製エンジンを搭載して以前の外観を踏襲したプラス 8が復活し2018年まで生産されました。

 

 

 1955年に市場の要望に応えてフォード製4気筒1.2L(32HP)エンジンをプラス 4に載せた4/4がシリーズIIとして復活しました。シリーズIIは1960年にフォード製OHV1L(34HP)エンジンに変えてシリーズIIIとなりました。その後も4/4はエンジンが色々と変わりシリーズ IV、シリーズ V、1600、1800、1.6Lと発展し、古典的な外観のボディなど基本設計は変わらないまま2019年まで生産されました。(最終型はフォードの4気筒1.6L(110HP)エンジン搭載で最高速185km/h) なお見た目だけではなくボディや内装などの製造も、昔ながらの職人による手作業で行われていたそうです。なお2023年現在はフォードの3気筒1.4Lエンジンを搭載した新型の3輪車 スーパー 3を製造しているようです。(実車画像→ モーガン スーパー 3)

 ミニカーは1996年頃に発売されたビテス製です。モーガン 4/4 シリーズ IIをモデル化しています。モーガンの古典的なボディーがうまく再現されていてとても良く出来ていました。キャンバスカバーの付いたドア、ホイール、室内などの細部も良く再現されています。モーガン 4/4のミニカーはあまりなく、このビテス製が2023年現在でも1/43量産ミニカーとしてはベストの出来ばえだと思います。当時のビテスはやたらとバリエーションが多く、このモーガン 4/4もシリーズ IIから1600まで20種類ほどのバリエーションがありました。これ以外のモーガンのミニカーとしてはデルプラドのプラス 4、ホンウェルのプラス 8、京商の1/18の4/4 1800、スパーク(レジン製)のエアロ 8などがあります。  以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MORGAN 4/4 SERIE II 1
MORGAN 4/4 SERIE II 2

 以下は上記のビテス製のバリエーションで、モーガン プラス 4 シリーズ II (1/43 型番D054)の画像です。上記とほとんど同じですが、カラーリングと助手席のカバーが異なっています。当時のビテスはこのような仕様違いのバリエーションがたくさんありました、ただしバリエーションを増やせばその分だけ販売台数が増えるわけではないので、ビテスは在庫がだぶついて経営が悪化したようで、2000年頃に倒産ました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MORGAN 4/4 SERIE II 3
MORGAN 4/4 SERIE II 4

 以下は2002年に発売されたデルプラド製カーコレクションシリーズのモーガン プラス 4 1961 (1/43 No.60)の画像です。上記の4/4と外観はほとんど同じですが、こちらはプラス 4をモデル化しています。プロポーションが良く、安価な雑誌付ミニカーなので細部の仕上げは上記のビテス製より簡素ですが、値段を考慮すればそれなりに良く出来ていました。製造メーカが明記されていないので確証はありませんが、イクソ系のOEMではないかと思います。以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MORGAN PLUS 4 1
MORGAN PLUS 4 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MORGAN PLUS 4 3
MORGAN PLUS 4 4

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BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 1957 UK

BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR


MINICHAMPS 436139550 1/43 127㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.38m 全幅約1.9m エンジン 変速機: V型8気筒 4.9L 200HP 4段自動変速
性能: 最高速175km/h  データーベースでベントレー S シリーズのミニカー検索

ベントレー S1 タイプ コンチネンタル フライング スパー イギリス 1957年

 

 前述したロールス ロイス シルバー クラウド I のベントレー版のベントレー S1は1955年に登場しました。この世代でロールス ロイスとベントレーは基本的に同じ性能になりましたが、2ドア クーペやオープンのドロップヘッド クーペを架装したベントレー コンチネンタルだけは圧縮比を高めてパワーアップがされていてスポーティになっていました。このフライイング スパー(飛翔する拍車)と名付けられたモデルは、H.J.マリナー製のコンチネンタル クーペのデザインを生かして4ドア化したものでした。アルミ製のボディは手作りで標準のS タイプより豪華な内装に仕立てられた特別なモデルでした。

 

 フライング スパーは当時最も高速でかつ最も高価な4ドアサルーンでした。ロールス ロイス シルバー クラウド I と比べてみると、リアフェンダーあたりのデザインが少し違っていますが、これはフライイング スパーがコーチビルダーによる特別なデザインであったからです。なおこの頃にはセダンにコーチビルダー製のボディが架装されることは少なくなり、ほとんどがロールス ロイス内製の標準ボディとなりました。

 

 

 1959年にベントレー S1はエンジンがV型8気筒6.2Lに変更されてS2(シルバー クラウド IIの兄弟車)となりました。S1の総生産台数は約3500台でした。(その中でコーチビルダー製のボディは約500台) 1962年には4灯式ヘッドライトを採用しボディが全面的に変更され、エンジンが少しパワーアップされたS3(ロールス ロイス シルバー クラウド IIIの兄弟車)となりました。S2の総生産台数は約2200台でした。1965年にS3からT シリーズ(ロールス ロイス シルバー シャドウの兄弟車)にモデルチェンジしました。S3の総生産台数は約1600台でした。

 ミニカーは2007年に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスの箱には1955年式と表示されていますが、フライング スパーが登場したのは1957年であると記載されたWEBページがありましたので、1957年式とするのが正しいようです。ミニチャンプスらしいそつのない造形で実車がうまく再現されていました。フロントグリル/灯火類や室内などの細部もリアルに再現されています。これ以外のベントレー S タイプの当時物ミニカーはコーギーのS2、スポットオンのS2、ディンキーのS2などがありました。当時物以外では、べレムのS1、フランクリン ミントのS1 1/24、ミニチャンプスのS2、オックスフォードのS1、スパーク(レジン製)のS1とS3、ネオ(レジン製)のS3などがあります 以下はフロント(エンブレム拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 1
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 2

 以下は1961年に発売されたコーギー製の当時物 ベントレー S2 コンチネンタル スポーツ サルーン 1959年 (1/50 型番224)の画像です。縮尺が1/50と少しサイズが小さいですが、S2 コンチネンタル 2ドアクーぺをモデル化しています。コーギー流のデフォルメがされていますが、実車の雰囲気がうまく再現されていました。ヘッドライトだけではなテールライトにもラインストーンを使うなど贅沢な作りでした。トランクが開閉するギミックと前輪操舵ギミックが付いています。前輪操舵ギミックの詳細はこちら→ 前輪操舵ギミックのページ (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 3
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。ヘッドライトだけではなく、テールライトにも赤いラインストーンが使用されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 5
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 6

 以下は1986年に発売されたべレム(ソリドの別ブランド)製のベントレー S1 1955 (1/43 型番V311)の画像です。ソリドのロールス ロイス シルバー クラウド II (型番115)の型をリファインしフロントグリルなどを変更してベントレー S1に仕立てています。経年変化でサスペンションがへたったので、車高が下がった状態となっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 7
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 8

以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 9
BENTLEY S1 TYPE CONTINENTAL FLYING SPUR 10

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VAUXHALL VICTOR FA 1957 UK

VAUXHALL VICTOR FA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VAUXHALL VICTOR FA


VANGAURDS VA03810 1/43 101㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.24m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 48HP 3段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでヴォクスホール ビクターのミニカー検索

ヴォクスホール ビクター FA イギリス 1957年

 

 1910年代の傑作車プリンス ヘンリーで知られているヴォクスホール モーターズ社は、1925年にアメリカのGMに買収されました。その後GM傘下ながらも、ヴォクスホールはイギリスの国情に合った独自の車両開発を行いました。乗用車では小型車から大型車までのラインアップを整え、商用車ではベッドフォード(BEDFORD)ブランドを展開し、戦前には年間6万台を生産する量産メーカーになっていました。

 

 戦時中は軍用トラックやベッドフォード エンジンを搭載したチャーチル歩兵戦車などを生産しました。戦後は1946年から乗用車生産を再開し、1951年には戦前型を改良しフラッシュ サーフェス ボディを採用した4気筒1.5L(45HP)エンジン搭載のワイバーン(WYVERN)と、同じボディに6気筒2.3L(55HP)エンジンを搭載したヴェロックス(VELOX)が登場しました。(参照画像→ ヴォクスホール ワイバーン 1952ヴォクスホール ヴェロックス 1955)

 

 

 1957年にワイバーンの後継としてビクターが登場しました。GMグループのドイツのオペル レコードをベースにした車で、4気筒1.5L(48HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速120km/hの性能でした。フロントスクリーンの形状や派手なモールなどアメリカ車的なデザインが採用されていました。1961年までに約40万台が生産され、商業的にはかなり成功したようです。1960年に後継車のビクター FBが登場し、1963年にビクター FC、1966年にビクター FD、1972年にビクター FEと続きました。(いずれもオペル レコードがベースでした)

 ミニカーは2005年に発売されたコーギー系列のバンガーズ製です。プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。全体的にはレトロな作風ながら、フェンダーミラーやエッチング材のワイパーは現代風でリアルに仕上げてあります。クローム モールやテールライトの塗装処理やヘッドライトへのラインストーン埋込みなどは昔のコーギー風で、この辺の処理は老舗ブランド コーギーの昔なじみのファンに対する心使いでしょう。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VAUXHALL VICTOR FA 1
VAUXHALL VICTOR FA 2

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LOTUS ELITE S1 1957 UK

LOTUS ELITE S1
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LOTUS ELITE S1


IXO CLC047 1/43 88㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.66m 全幅約1.47m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 76HP 4段変速
性能: 最高速185km/h  データーベースでロータス エリートのミニカー検索

ロータス エリート シリーズ 1(S1) イギリス 1957年

 

 大学生であったコーリン チャップマンがオースチン セブンをベースにしたレースカーを製作し、この車が好成績をあげたことからロータスの歴史が始まりました。1952年にロータス エンジニアリング社が設立され、本格的なレースカーとして開発されたロータス マーク VIは高性能で安価であったことから、プライベートチームに好評を博しました。その後もマーク XIまでのレースカー販売で順調に資金を蓄えたロータスは、GPレースへの本格参戦と市販スポーツカーの販売に乗り出しました。 (実車画像→ ロータス マーク VI)

 

 1957年に最初の市販スポーツカーのセブンとエリートが発表されました。エリートはFRPによるフルモノコックという特殊な構造のクーペ ボディで、ジャガー並みの価格の高級GTカーでした。エンジンは4気筒1.2L(76HP)、4段変速機で、最高速は軽量なボディの為185km/hと高性能でした。 1960年にシリーズ 2(S2)に発展し、85HPの高性能版SEが追加されるなどして、1963年までに約1000台が生産されました。エリートは結構売れましたが、特殊な構造故に製造コストが高く、営業的には失敗作でした。

 

 

 ミニカーは2004年に発売されたイクソ製です。エリートの微妙なスタイルがうまく再現されていて良い出来ばえでした。室内も良く再現されていて、ワイヤースポークホイールもリアルな造形です。ブリティッシュグリーンのカラーリングはセンスが良いです。レース仕様など数種類のバリエーションがありました。エリートの当時物ミニカーはありません。このイクソ製以外のエリートのミニカーは、ヤトミンの1/18、オックスフォードなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LOTUS ELITE S1 1
LOTUS ELITE S1 2

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LOTUS ELEVEN LE MANS 1957 UK

LOTUS ELEVEN LE MANS
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LOTUS ELEVEN LE MANS


QUARTZO QLM025 1/43 ㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.4m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 1.1L 76HP 4段変速
性能: 最高速158km/h  データーベースでロータス イレブンのミニカー検索

ロータス イレブン ルマン イギリス 1957年

 

 ロータスはレースカー マーク VIの成功を受けて、ルマンに出場するさらに本格的なレースカーの開発に着手しました。1954年にマーク VIIIが完成し、シルバーストーンでクラス優勝しました。(実車画像→ ロータス マーク VIII) マーク VIIIはマーク IX、マーク Xと発展し、1956年にXI(イレブン このモデルから名前にマークが付かない)が登場しました。イレブンの最大の特徴はアルミパネルを補強材とした航空機のようなスペースフレーム構造で、車重は約400kgと非常に軽量でした。フランク コスティンのデザインした流線形ボディで、コベントリー クライマックス製4気筒1.1L(76HP)エンジンを搭載していました。

 

 1955年にマーク IXでルマンに初参戦しましたが、リバースギアを使ったことで失格となりました。(レース中にバック走行すると失格になるルールがあるそうです) 1956年ルマンにはイレブンで出場し総合7位(クラス優勝)、1957年ルマンではイレブンで総合9位(クラス優勝)となりました。イレブンにはフォード製4気筒1.2Lエンジンも搭載され、ボディもドライバー後方に大きなテールフィンがあるものとないものがありました。1957年にフロントサスペンションなどを改良してシリーズ 2となり、1958年まで生産され総生産台数は約270台でした。

 

 

 ミニカーは2000年頃発売されたカルツォ製です。カルツォは旧ビテスグループのブランドで、1957年ルマンで総合14位となったイレブン(750ccエンジン搭載)をモデル化しています。このミニカーは保有していませんので、画像はWEBショップの商品画像を借用しました。画像で見る限りではなかなかの良い出来ばえのようです。これ以外のイレブンのミニカーは老舗コーギーの当時物、当時物以外ではスパークやBOSモデルなどがあります。

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