ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

RENAULT NN 1927 FRANCE

RENAULT NN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT NN


ELIGOR 1040 1/43 90mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.6m 全幅約1.4m エンジン 変速機: 4気筒 950cc 17HP 3段変速
性能: 最高速約60km/h  データーベースでルノー NNのミニカー検索

ルノー NN フランス 1927年

 

 当時のフランスで小型車として大ヒットしたシトロエン 5CVに対抗して、ルノーが1922年に登場させたのがのルノー KJ (6CV)でした。4気筒950cc(8.3HP)エンジンを搭載したやや旧式な設計の小型車でしたが、それ故耐久性には優れていたそうです。KJは1924年に改良されてNNとなりました。NNの4気筒950ccエンジンは17HPにパワーアップされて前輪ブレーキが装備され、3段変速で最高速約60km/hの性能でした。デザインはシンプルな大人しいもので、まだラジエータをエンジン後方に搭載していたのでフロントグリルのない「象の鼻」のフロントノーズでした。1929年にボディを大型化したNN2に変わり、1930年まで生産されました。

 

 実車がどうだったか分かりませんが、画像を見る限りではNNは同時期のシトロエン 5CVよりも見た目がりっぱな車に見えます。このNNの雰囲気にルノーが一時代前の栄光の影を引きずっていたことがうかがえます。シトロエンは小型大衆車に特化して販売台数を伸ばしましたが、ルノーは大型高級車から小型車までフルラインナップの生産を続けていました。その為フランス最大の自動車会社だったルノーは次第にシトロエンやプジョーにつぐ第3位のメーカーとなっていきました。

 

 

 ミニカーは1980年代に発売されたエリゴール製です。NNのトルペード(オープン仕様)の幌を立てた状態をモデル化しています。実車の雰囲気が良く再現されていて、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。ボンネット開閉ギミック付きでエンジンも再現されています。初期のエリゴールのミニカーは同時期のノレブのプラスチック製ミニカーをコピーした物が多いのですが、これもノレブの型番76のNNをベースにしてエリゴール流の変更がされていました。バリエーションとしてクーペ仕様とタクシー仕様がありました。これ以外のNNのミニカーはリーツェの1/87、ユニバーサルホビー、ノレブの最近のものなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT NN 1
RENAULT NN 2

 以下は1980年代に発売されたエリゴール製のルノー NN クーペ (1/43 型番1041)の画像です。上記のバリエーションで、後席が密閉された少し高級なボディ形式をモデル化しています。ミニカーの箱には名前がNN TORPEDO DECOUVERTと書かれていてフランス語で幌の付いたトルペードという意味で、このボディ形式はクーペ(仏語ではクぺ)と呼ぶこともあるようですので、クーペとしています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT NN 3
RENAULT NN 4

 以下は1980年代に発売されたエリゴール製のルノー NN クーペ (1/43 型番1041B)の画像です。上記のバリエーションで、エンジンルーム後部に灯火(ランタン)が追加され後席側面に籐製(枝編み細工)の模様が付けられているので、上記よりも高級な仕様をモデル化しているようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT NN 5
RENAULT NN 6

 以下は1980年代に発売されたエリゴール製のルノー KZ タクシー (1/43 型番1042)の画像です。KZはNNと同時期のモデルでNNより少しボディが大きく4気筒2.2Lエンジンを搭載していました。見た目はほとんど同じなので、ボディの大きさの違いを無視してNNの型を流用してタクシー仕様に仕上げた物です。当時はシトロエン B2 タクシーの方が多かったようですが、こちらの方がシトロエン B2より高級な感じがします。エンジンルーム後方左側に張り出している四角い箱はタクシーメータです。箱の上部に「LIBRE」(英語のFREE)と表示されているのは空車という意味なのでしょう。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT KZ                     TAXI 1
RENAULT KZ TAXI 2

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PEUGEOT 172 R (5CV) 1927 FRANCE

PEUGEOT 172 R (5CV)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 172 R (5CV)


NOREV 8 1/43 78mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.3m エンジン 変速機: 4気筒 720cc 10HP 3段変速
性能: 最高速60km/h  データーベースで戦前のプジョーのミニカー検索

プジョー 172 R (5CV) フランス 1927年

 

 プジョーは第1次大戦後の1921年に大型車156と小型車161を発表しました。156は6気筒6Lスリーブバルブエンジンを搭載したプジョーとしては最後の大型高級車となりました。(実車画像→ プジョー 156 1921) 161は大成功した小型車ベベの後継車で、クアドリレット(QUADRILETTE)と呼ばれた画期的な小型車でした。約350kgの超軽量ボディに4気筒667cc(9HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速60km/hの性能でした。後輪デフを省略した為後輪トレッドが750㎜で車幅が狭かったので2輪車のような前後2座席の2人乗りでした。161は乗用車としての性能はともかくとして燃費が良く価格が安かったので2年間で3500台を販売して成功しました。

 

 1923年に161は改良されて172になり、安定性向上のため後輪トレッドと車幅が広げられて前席が2人掛けとなり、後方の荷物室も大きくなり居住性が改善されました。1924年に720cc(10HP)エンジンが追加され、4座トルペードや2座カブリオレなどの派生モデルが作られました。1925年からは名前が5CVとなり1929年まで生産されました。161の成功はシトロエン 5CVなど他社が小型車を開発するきっかけとなったのですが、161/172/5CVもトータルで約6万台が生産され、シトロエン 5CVにつぐヒット車となりました。

 

 

 ミニカーは1960年代に発売されたノレブ初期のプラスチック製です。プジョー 5CVとも呼ばれた172の後期型である172 Rのモデル化で、実車が小さいのでミニカーも78㎜と小さいです。小さいながらも実車の雰囲気はよく再現されていて、1960年代当時のミニカーとしては良く出来ていました。室内を見ると前席に2座席ありますが、後席は荷物置き場か非常用のようです。ノレブ初期のプラスチック製ミニカーは経年変化でボディが変形するものが多いのですが、これは材質が変更された物のようでほとんど変形していません。プジョー 161/172のミニカーはこれしかないようですので、車種的には貴重なミニカーです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PEUGEOT 172 R 1
PEUGEOT 172 R 2

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CITROEN C4 1930 FRANCE

CITROEN C4
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN C4


DUBRAY 22a? 1/43 95mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長 4100mm 全幅 1580㎜ エンジン 変速機: 4気筒 1628cc 30HP 3段変速
性能: 最高速90km/h  データーベースでシトロエン C4/C6 戦前のミニカー検索

シトロエン C4 フランス 1930年

 

 1925年にシトロエン B2/B10はB12にモデルチェンジしました。B12は外観的にはB2と変わりませんが、全綱製ボディを採用しサスペンションやブレーキなどが改良されていました。B12は1926年にエンジンを1539cc(22HP)に拡大したB14に変更されました。最高速はB12の70㎞/hから80㎞/hに向上し、前輪ブレーキのなかったB12に対してB14は4輪にブレーキが装備されました。B14は1928年まで生産されました。B12/B14の総生産台数は約16万台でした。

 

 1929年にC4とC6が登場しました。C4はB14の後継車で、C6はシトロエン初の6気筒エンジン搭載車でした。C4は4気筒1.6L(30HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速90km/hの性能でした。C4には7座セダンから2座クーペまで様々なボディバリエーションがありました。C6はC4より一回り大きなボディを持つ豪華な高級車で、6気筒2.4L(45HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速105km/hの性能でした。なおC4とC6という名前は2000年代になって再度使われています。  1950年代の2CVやDSで革新的なイメージがあるシトロエンも、この当時は小さなアメリカ車といった感じで際だった特徴がありませんでした。(シトロエンに限らずこの時期のフランスの実用車はだいたい似たり寄ったりですが) C4は1933年に生産中止となるまでに約26万台が生産され、シトロエン社をヨーロッパ有数の自動車メーカに成長させました。

 

 

 ミニカーは1970年代に発売されたフランスのデュブレイ(DUBRAY)製で、材質はプラスチック(レジン?)製です。デュブレイはハンドメイドの少量生産ミニカーで、主に1930年代のフランス車をモデル化していました。このC4は特徴的なフロントグリルがうまく再現されているなど、まずまずの良い出来ばえです。デュブレイはバリエーションで、オープンのトルペードと商用バンもモデル化していました。このデュブレイのミニカーはスイスのモデルカー販売店がTEK-HOBYというブランド名で1980年代以降にも販売しています。デュブレイ以外のC4の量産ミニカーはユニバーサルホビー製のC4Fがあります。C6の量産ミニカーは無いようです。(少量生産品ならありますが) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN C4 1
CITROEN C4 2

 以下は同じデュブレイのバリエーションのシトロエン C4 バン (1/43 型番27)の画像です。商用パネルバンでボディ側面に表示されているのは印刷屋さんの広告のようですが、それ以上のことは分かりません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN C4 VAN 1
CITROEN C4 VAN 2

 以下は2003年に販売されたTEK-HOBY製のシトロエン C4 トルペード (1/43 型番312)の画像です。オープン仕様のトルペードをモデル化しています。上述したように元々はデュブレイのミニカーだった物をTEK-HOBYブランドで発売したものです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN C4 TORPEDO 1
CITROEN C4 TORPEDO 2

 以下は2005年頃に販売されたユニバーサルホビー製のシトロエン C4F ファミリアーレ 1931 (1/43 型番6647/)の画像です。C4Fは1930年に登場した改良版で、ファミリアーレは3列シートの7人乗りで家族全員が乗れる現在のミニバンのような車でした。これはフランスのミニカー付雑誌「PASSION CITROEN」のNo.19用に作られたものでした。雑誌付きの安価なミニカーながら、フロントグリルのエンブレム、インパネなどの細部も再現されているなど良く出来ています。国内では発売されていなかったのでオークションで入手しました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN C4 FAMILIALE 1
CITROEN C4 FAMILIALE 2

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CITROEN C4F OMNIBUS 'PALACE HOTEL' 1930 FRANCE

CITROEN C4F OMNIBUS 'PALACE HOTEL'
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN C4F OMNIBUS 'PALACE HOTEL'


SOLIDO 4005 1/43 105mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m エンジン 変速機: 4気筒 1628cc 30HP 3段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでシトロエン C4 戦前のミニカー検索

シトロエン C4F バス ’パレス ホテル’ フランス 1930年

 

 前述したシトロエン C4は改良されて1930年にC4F、1931年にC4Gとなりました。C4F/GにはC4と同じ1.6Lエンジン以外に1.8L(32HP)エンジン搭載車もあったようです。C4には2.78mと2.98m、C6には2.96mと3.13mの長短2タイプのホイールベースがあり、2ドア2座クーペ、4ドアセダン、4ドアカブリオレ、4ドア7座ファミリアーレなど様々なタイプのボディがありました。また商用車としては、取外し可能な後部座席と上下に分かれたテールゲートを備える商用バンや、カスタムボディを架装したトラック、小型バスなどもありました。(実車画像→ シトロエン C4 商用車)

 

 ミニカーは1982年に発売されたソリド製です。ロングホイールベース版のC4F トラック シャーシにカスタム ボディを載せたマイクロバスをモデル化しています。ソリドらしいシャープな造形で良く出来ています。側面に「PALACE HOTEL」と表示されているので、フランスの高級ホテルの送迎バスのようです。荷台部分には7人分のシートがあり、後部のドアから乗降りするようで、その後部ドアが開くギミック付です。

 

 

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN C4F OMNIBUS 1
CITROEN C4F OMNIBUS 2

 ソリドはこのC4Fのバリエーションでトラック、パネルバン、救急車などの商用車仕様を20種類ほどモデル化していました。またソリドの別ブランドのべレムでも商用車仕様を20種類ほどモデル化していました。 以下は1983年に発売されたソリド製のシトロエン C4F トラック (1/43 型番4408)の画像です。荷台に積んでいるのは石炭を詰めた袋です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN C4F TRUCK 1
CITROEN C4F TRUCK 2

 以下は1986年に発売されたソリド製のシトロエン C4F トラック (1/43 型番4416)の画像です。側面に表示された「BP ENERGOL」はBP(BRITISH PETROLEUM)のエンジン オイルの名前です。黄/緑の鮮やかなカラーリングで商品ロゴも綺麗に仕上げてあります。リアゲートが開くギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN C4F TRUCK 3
CITROEN C4F TRUCK 4

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