ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

AUDI FRONT 225 ROADSTER 1935 GERMANY

AUDI FRONT 225 ROADSTER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUDI FRONT 225 ROADSTER


MINICHAMPS  437019130 1/43 113㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m 全幅約1.65m エンジン 変速機: 6気筒 2.3L 55HP 4段変速
性能: 最高速105km/h  データーベースで戦前のアウディのミニカー検索

アウディ フロント 225 ロードスター ドイツ 1935年

 

 1906年に創立されたDKW社は第1次世界大戦後に2ストロークエンジンのオートバイの生産を始めて成功し、1928年に小型4輪車市場に進出しました。DKWは当時経営が悪化していたアウディ社を買収し同社の技術を得て、オートバイと小型車のメーカーとして成功しました。1932年にはDKW社が中心となってホルヒ社、アウディ社、ヴァンダラー社の4社が連合してアウトウニオン社が成立しました。ホルヒは高級車、アウディはホルヒに次ぐ上級車、ヴァンダラーは中型車、DKWは小型車という分担でした。

 

 1931年にDKW社傘下のアウディからタイプ Tが登場しました。タイプ Tは6気筒3.8Lエンジンを搭載する中型車でした。タイプ Tの後継車として1933年に6気筒2Lエンジンを搭載するアウディ フロントが登場しました。名前のフロントとは、当時はまだ珍しかった前輪駆動車であることを示していました。前輪駆動技術はドイツ初の前輪駆動車を作ったDKWによるもので、エンジンはヴァンダラーの6気筒を使い、ボディはホルヒが担当していてアウディ フロントはアウトウニオンの総力を結集した車でした。1935年にフロント 225にモデルチェンジしました。名前が示すように6気筒2.25L(55HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速105km/hの性能でした。

 

 

 ミニカーはミニチャンプス製で2010年に発売されました。もともとはアウディ社の100周年記念モデルとして製作された物で、そちらは白のボディカラーで出来ているようです。メーカー特注品ということで詳しい実車考証の上でモデル化されていて、細部までリアルに再現されたレベルの高い出来ばえとなっています。特に豆粒のように小さなサイズのワイパーモーター(ウィンドースクリーンの下部にある)が再現されているのには感心しました。この時代のアウディ車のミニカーは珍しくその点で貴重なモデルでした。ただし前述したミニチャンプス製のアウディ タイプ Aと同じことを書きますが、少量生産品故にレジン製で軽くて安っぽい感じがするのがいまいちです。(値段も1万円ほどと高かったです) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

AUDI FRONT 225 ROADSTER 1
AUDI FRONT 225 ROADSTER 2

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BUGATTI T57 GALIBIER 1935 FRANCE

BUGATTI T57 GALIBIER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T57 GALIBIER


IXO MUS058 1/43 111mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.5m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 3.3L 135HP 4段変速
性能: 最高速153km/h?  データーベースでブガッティ T57のミニカー検索

ブガッティ T57 ギャリビエ フランス 1935年

 

 ブガッティ T57は1934年に登場した3Lクラスのツーリングカーで、約700台が生産され、ブガッティとして最もたくさん販売されたモデルでした。エンジンはレースカーT59でも使われたDOHC直列8気筒3.3L(135HP)を搭載していました。4ドアセダンや2ドアクーペのボディが架装され、デザインは創業者E.ブガッティの長男ジャンが担当し芸術的才能を発揮していました。なおギャリビエ(GALIBIER)とはセダンタイプにつけられた名前で、フランスの地名にちなんでいるようです。

 

 T57の発展型としてT57C、T57S、T57SCなどがありました。T57Cはレース仕様で、スーパーチャージャーで160HPにパワーアップしていました。T57Cに流線型のカバーをつけたレーシングカー T57Gは「タンク」という名前で呼ばれルマンで優勝しています。T57Sはホイールベースを短くしたスポーツ仕様で、T57SCはT57Sをスーパーチャージャーで175-200HPにパワーアップしていました。T57では自動車デザインに多大な影響を与えた特徴的なスタイルのアトランティックやその発展型アタランテなども有名です。

 

 

 ミニカーは2015年に発売されたイクソ製です。T57の2ドアセダンをモデル化しています。プロポーションがよく実車の雰囲気をうまく再現しています。スポークホイール、フロントグリルの赤いエンブレム、リアのライセンスプレート、内装などの細部もよく再現してあります。ブガッティ流の2トンカラーで塗分けられたボディも綺麗です。これ以外のT57 セダンのミニカーはスパーク(レジン製)がギャリビエの4ドアをモデル化しています。T57のクーペやカブリオレのミニカーはかなりあるのですが、セダンの量産ミニカー(ダイキャスト製)はこのイクソ製しかないようなので、その意味で貴重なミニカーです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BUGATTI T57 GALIBIER 1
BUGATTI T57 GALIBIER 2

 以下は2002年に発売されたブルム製のブガッティ T57S 1936 (1/43 型番R169-03)の画像です。ホイールベースの短いスポーツ仕様のT57Sをモデルしています。前後のホイールがフルスパッツで覆われているデザインは、当時のフランス車によく見られたものですが、私はこの優雅な感じが好きです。(実用的にはタイヤ交換などが大変だったと思いますが) 白のボディと赤く塗られたリアのスペアタイヤカバーのカラーリングが魅力的です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T57S 1
BUGATTI T57S 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T57S 3
BUGATTI T57S 4

 以下は1988年に発売された同じブルム製のバリエーションでブガッティ T57S 1936 (1/43 型番R170)の画像です。上記の幌を閉じたバリエーションで、カラーリングと幌以外は同じです。小振りの幌がスポーティです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BUGATTI T57S 5
BUGATTI T57S 6

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PEUGEOT 402 SEDAN 1935 FRANCE

PEUGEOT 402 SEDAN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 402 SEDAN


NOREV 474203 1/43 113mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 4気筒 2L 55HP 3/4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでプジョー 402のミニカー検索

プジョー 402 セダン フランス 1935年

 

 1935年に最初のプジョー 02シリーズとして発表されたのが、画期的な流線型ボディで有名な402でした。前年に発表された革新的なデザインのシトロエン 7CVに対抗してこのようなデザインを採用したのだと思います。中身は01シリーズの発展型シャーシに新設計の4気筒2Lエンジンを搭載していました。このデザインは同時期のアメリカのクライスラー エアフローによく似ていますが、ヘッドライトがグリル内に格納されている点が異なります。奇抜なデザインでしたが、フランス人には好まれたようで商業的に成功しました。

 

 1936年に402と同じフロントグリルで、ボディを一回り小さくして1.7Lエンジンを搭載した302が登場しました。また302のボディに402のエンジンを搭載した高性能車 402 レジュール(legere:lightの意)も登場しました。この402 レジュールには世界初のハードトップ(センターピラーのない2ドア)モデルもありました。また402 コンバーチブルには電動でハードトップを出し入れできるエクリプスがありました。この電動格納ハードトップも世界初で、当時のフランス車は時代の最先端を走っていました。402は1942年まで生産され総生産台数は約75000台でした。(実車画像→ プジョー 402 ハードトップ)

 

 

 ミニカーは2006年に発売されたノレブ製です。特徴的なフロントグリルと流線形ボディがうまく再現されていて、室内などの細部もリアルで良く出来ています。ただこのスケールでフロントグリルの格子部分をプラスチック製で再現したので、格子が太すぎて肝心のヘッドライト(ちゃんと内蔵しているのですが)がよく見えないのが残念です。このグリル内格納式ヘッドライトについては後述しているイクソ製の202の再現方法が秀逸です。ノレブは402 エクリプスもモデル化しています。ノレブ以外の402のミニカーはデュブレイ(DUBRAY)製とフランスのミニカー付雑誌「PEUGEOT COLLECTION」のNo.3でモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PEUGEOT 402 1
PEUGEOT 402 2

 以下は1970年代に発売されたデュブレイ製のプジョー 402B (1/43 型番1?)です。フランスのデュブレイはハンドメイドのプラスチック製少量生産ミニカーのブランドで、主に1930年代のフランス車をモデル化していました。402Bは1938年にエンジンを2.1L(60HP)に変えた改良版で、ミニカー全長が119mmと長いのでロングホイールベースのタイプL(リムジン仕様)をモデル化しているようです。こちらは透明プラスチックでフロントグリルを表現していますので内蔵した黄色のヘッドライトが透けて見えますが、もう少し透明度があるともっとリアルになるのですが。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 402B 3
PEUGEOT 402B 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 402B 5
PEUGEOT 402B 6

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PEUGEOT 402 ECLIPSE 1935 FRANCE

PEUGEOT 402 ECLIPSE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 402 ECLIPSE


NOREV 474201 1/43 120mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.1m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 4気筒 2L 55HP 3/4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでプジョー 402のミニカー検索

プジョー 402 エクリプス フランス 1935年

 

 1935年のパリ サロンで発表されたプジョー 402 エクリプス(eclipse:仏語で日食(陰り)の意)はハードトップを電動で出し入れする機能で話題を呼びました。大きなハードトップをトランクに格納する為に、ボディ後半がかなり長くなっています。(この電動式ハードトップの構造はフランス人のカーデザイナーが1931年に特許を取得しています) 402の解説で前述したようにプジョーは世界初のハードトップを考案しただけではなく、それを電動で出し入れする機能までも実現していました。この手の派手な仕掛けはアメリカ車が最初のように思いがちですが、当時の自動車技術はフランス車が一番進んでいたのです。 (実車YouTube動画→ プジョー 402 エクリプス)

 

 ミニカーは2005年に発売されたノレブ製です。このミニカーも前述したノレブ製の402 セダンと同様に良く出来ています。(フロントグリル内のヘッドライトが見難いのは同じですが) このミニカーはエクリプスが実現した世界初のハードトップ格納機能をギミックとして忠実に再現しています。このギミックはうまく出来ていてスムーズに動作します。この手のギミックは繊細で壊れやすい物が多いのですが、これはかなりしっかりした作りです。トランク内にスペアタイヤがあるなど室内の造形も良く再現してあります。ノレブは1/18でも402 エクリプスをモデル化しています。なおこれ以外の402 エクリプスのミニカーはフランスのミニカー付雑誌「PEUGEOT COLLECTION」のNo.11があります。

 

 

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PEUGEOT 402 ECLIPSE 1
PEUGEOT 402 ECLIPSE 2

 以下はハードトップ収納ギミック動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 402 ECLIPSE 3

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DELAHAYE 135M 1935 FRANCE

DELAHAYE 135M
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DELAHAYE 135M


RIO 63 1/43 128mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.5m エンジン 変速機: 6気筒 3.6L 90HP 4段変速
性能: 最高速158km/h  データーベースでドライエのミニカー検索

ドライエ 135M フランス 1935年

 

 ベテラン期に初期のドライエに付いて記載しましたが、1933年には6気筒3.2L(76HP)エンジンを搭載した高性能車スーパーリュクス(SUPERLUXE)が登場しました。(実車画像→ ドライエ 138 スーパーリュクス 1934) スーパーリュクスは横置きリーフスプリング式前輪独立懸架サスペンションを採用していて、4気筒2.2Lエンジン仕様(134)や、スポーツ仕様の18 スポーツがありました。その18 スポーツはスピード記録を数多く達成しドライエは注目を浴びるようになりました。

 

 1935年のアルペン ラリーでの勝利を記念して135 クーペ デ アルペスが登場し、1936年にはドライエとして最も有名な6気筒3.6L(160HP)エンジンを搭載した高性能版の135Mが登場しました。135のレース仕様は1937年モンテ カルロ ラリー優勝、1938年ルマン優勝などレースで大活躍しました。絶頂期のドライエは1935年に経営不振であったドラージュを吸収合併しました。1937年には135の後継車として145が登場しました。当時のドライエとドラージュは贅を尽くした魅力的なデザインの特注ボディを架装した高性能高級車でした。

 

 

 ミニカーは1970年代に発売されたリオ製です。コーチビルダーのアンリ シャプロン製だと思われる135M クーペをモデル化しています。全長5mを超える大きなボディなので、ミニカーは全長128㎜と大きめのサイズです。プロポーションが良くフロントグリルや室内などの細部も良くできていてリオの傑作ミニカーの一つです。リオのミニカーはシャーシやエンジンなどのメカ部分も再現しているのが特徴ですが、この135Mもボンネットを外すとエンジンが再現され、底板部分にはシャーシやサスペンションも再現されています。これ以外のドライエ 135のミニカーはソリド(べレム)のカブリオレ、ミニチャンプスのカブリオレ 1/43と1/18、イクソのルマン レース仕様などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DELAHAYE 135M 1
DELAHAYE 135M 2

 以下はボンネットを取り外したエンジンルームと底板部分のシャーシ/サスペンションの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DELAHAYE 135M 3
DELAHAYE 135M 4

 以下は1977年に発売されたソリド製のドライエ 135M フィゴーニ 1939 (型番78)の画像です。コーチビルダーのフィゴーニ & ファラスキーによる特注ボディのカブリオレをモデル化していますが、特別に華麗なデザインというほどでもありません。上記のリオ製ほど凝った作りではありませんが、1970年代のミニカーとしては良く出来ていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DELAHAYE 135M 5
DELAHAYE 135M 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DELAHAYE 135M 7
DELAHAYE 135M 8

 以下は1977年に発売されたソリド製のドライエ 135M フィゴーニ 1939 (型番48)の画像です。上記の幌を立てたバリエーションで、幌以外の違いは特にありません。ソリドのクラシックカーのカブリオレ仕様にはこのような幌を閉じたバリエーションがありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DELAHAYE 135M 9
DELAHAYE 135M 10

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