ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

CITROEN TYPE A 1919 FRANCE

CITROEN TYPE A
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN TYPE A


NOREV 151509 1/43 全長85mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.68m 全幅約1.41m エンジン 変速機: 4気筒 1327cc 18HP 3段変速
性能: 最高速65km/h  データーベースで戦前のシトロエンのミニカー検索

シトロエン タイプ A フランス 1919年

 

 シトロエン社の創立者であったアンドレ シトロエンはパリの生まれで、国立理工科大学を卒業したエンジニアでした。彼はV字型にカットされた歯車(ダブル シェブロン ギヤ)の有効性に注目し、このギヤの製造工場を設立して成功しました。その後不振だった他の自動車メーカーを立ち直らせるなど自動車業界にも関与しました。1914年に第1次世界大戦が勃発すると、フランス軍の砲弾不足を補うため軍需工場(弾丸工場)を造り、フォード流の流れ作業を採用することで大量の弾丸を生産しました。なおシトロエン車のエンブレムは(エンブレム画像)はアンドレが製造したダブル シェブロン ギヤをモチーフにしています。

 

 1919年にシトロエン自動車会社が設立され、最初の自動車 タイプ Aが登場しました。タイプ Aは「アメリカのフォード T型の様に普及させて社会の生活レベルを向上させよう」というアンドレの理想のもとに造られたので、大量生産が可能なオーソドックスな構造でした。4気筒1.4L(18HP)エンジンを搭載する後輪駆動車で、セダンは3段変速で最高速65km/hの性能でした。ホイールベースの異なる2つのシャーシがあり、幌付4人乗りセダン、密閉式4人乗りセダン、3人乗りセダン、トラック、バンなどがあったようです。1921年まで生産され、B2にモデルチェンジしました。タイプ Aは1年間に約2万台が生産され、シトロエンは欧州初の量産自動車メーカーとなりました。

 

 

 ミニカーは2019年に発売されたノレブ製です。最近のノレブはフランス車を中心にして堅実な商品展開をしていて、ダイキャスト製で一級品の良い出来ばえです。このシトロエン モデル Aもノレブらしいそつのない良い出来ばえでした。フロントグリルやホイールなどの細部の仕上げもリアルで、特にワイパーがウィンドーを挟んで2重になっているのは凝った仕上げでした。なぜ2重なのかというと、実車のワイパーは内側を手で持って手動で操作する方式なので、それをリアルに再現しいるのでした。このような地味なクラシックカー(歴史的には重要なモデルですが)をモデル化しているのは老舗ノレブならではのことで、最近の派手なスポーツカーばかりをモデル化する新興ブランドには期待できないことです。なおタイプ Aの量産ミニカーはこれが初めてでもありました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN TYPE A 1
CITROEN TYPE A 2

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FIAT 501 TORPEDO 1919 ITALY

FIAT 501 TORPEDO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 501 TORPEDO


RIO 4 1/43 全長85㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.5m エンジン 変速機: 4気筒 1460cc 23HP 4段変速
性能: 最高速70km/h  データーベースで戦前のフィアットのミニカー検索

フィアット 501 トルペード イタリア 1919年

 

 前述したように第1次大戦で生産中止となったフィアット タイプ 0に変わる新型大衆車501が1919年に登場しました。501はタイプ 0とほとんど同じ大きさでしたが、501では標準ボディがオープン トルペードから4ドアセダンの密閉型ボディとなりましたので車重が増加しました。4気筒エンジンは1846㏄から1460ccにサイズダウンされましたが、出力は23HPで4HPパワーアップしていましたので、性能的にはほとんど同じでした。

 

 1922年にエンジンを27HPにパワーアップしたスポーツ仕様の501S(最高速92km/h)と、さらに30HPにパワーアップした501SSが設定されました。このスポーツ仕様車はフィアット初のスポーツカーといわれ、501SSはウィンドースクリーンが中央で折れ曲がりV字型になっているなどスポーティな外観でした。また商用バン(フルゴンチーノ)の501Fも設定されました。1923年にホイールベースを拡大した502が登場し、1926年に後継車の503にモデルチェンジしました。501の総生産台数は数万台で、イタリア国内だけではなく世界中で販売されました。(実車画像→ フィアット 503 1926)

 

 

 ミニカーは1970年代に発売されたリオ製です。501のトルペード(魚雷のことでオープンタイプのボディ形式の意)をモデル化しています。リオのクラシックカーはマニア向けで灯火類、操作レバー、フェンダーなどの細かいパーツから、シャーシやサスペンションなどのメカ部分までリアルに再現されていました。この501もプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。フロントグリルや灯火類などがリアルに再現されていたので、第1次大戦前のタイプ 0と比べてみると全体的にボディの角に丸みがつくなど新しくなっていることがわかります。これ以外の501のミニカーはポリトーイの初期物(プラスチック製)で501Sがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 501 TORPEDO 1
FIAT 501 TORPEDO 2

 以下は1970年代に発売された同じリオ製のフィアット 501 トルペード (1/43 型番3)の画像です。上記の501 トルペードの幌を下げたバリエーションです。カラーリングと幌以外は上記と同じです。幌を下げているので室内の造形が良く分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 501 TORPEDO 3
FIAT 501 TORPEDO 4

 以下は2004年に発売されたリオ製のフィアット 501 トルペード ムッソリーニ 親衛隊 フィギュア付 1925 (1/43 型番147)の画像です。箱の背景に表示されている 「Moschettiere di Mussoline」とは「ムッソリーニのマスケット銃兵(親衛隊)」の意味ですから、これはフィアット 501に1925年当時にイタリア首相であったベニート ムッソリーニの親衛隊の兵士フィギュアを付けたものでした。この501は1970年代に作られた上記とほとんどおなじ出来ばえなので、リオが創業当時からレベルの高いミニカーを作っていたことが分かります。また30年以上も前のミニカーを再生産できるというのも老舗ならではのことです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 501 TORPEDO 3
FIAT 501 TORPEDO 4

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WALKER VAN EV 1919 USA

WALKER VAN EV
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WALKER VAN EV


MATCHBOX Y29 1/51 全長80㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.8m エンジン 変速機: 電動モーター 3.5HP
 72V ニッケル/鉄蓄電池 積載量 1t
性能: 最高速 20km/h  

ウォーカー バン 電気自動車 アメリカ 1919年

 

 ウォーカー モータービークル社(WALKER MOTOR VIHICLE COMPANY)はアメリカのシカゴで創立され1907年に電動トラックの生産を始めました。同社はいくつかの異なる会社に買収されましたが、1942年までさまざまな電気自動車(商用バン/トラック)を製造しました。これらの電気自動車は定格電圧66-88Vの電池(40Ah)を搭載し、電動モーター(3.5HP)で車両を駆動していました。最高速度は16-20km/hほどで、満充電で走行できる距離は約60-90㎞でした。ウォーカーの電気自動車はアメリカ全土とイギリスやニュージーランドでも販売されました。

 

 画像のミニカーは1919年式のウォーカー電気自動車で、イギリス ロンドンの老舗デパート ハロッズ(HARRODS)で商品配送用に使用されていた電動バンをモデル化しています。ハロッズはこの電動バンを60台保有していました。当時配送業務にはまだ馬車が使われていましたが、馬は飼育に手間がかかる上に路上で排泄するので非衛生でした。その点電動バンは配達完了後に充電機に接続するだけでよかったので、配送業務用として重宝されたようです。なお当時の内燃機関(ガソリン)自動車はエンジン始動/変速機操作など運転が難しかったのですが、電気自動車は前後進のレバー操作だけで簡単に運転できたようです。

 

 

 ミニカーは1985年に発売されたマッチボックス製です。最近レストアされたと思われる実車の写真がWEB上にありましたが、フロントに表示されたナンバー「LW6737」がミニカーと同じですので、この実車をモデル化しているようです。(実車画像→ ウォーカー バン 1919) 実車写真と見比べてみると、ミニカーはカラーリングやハロッズのロゴまでかなりリアルに実車を再現してありとても良く出来ていました。ハロッズのコーポレートカラーであるオリーブのカラーリングはややくすんでいますが、レストア前はこんな感じだったのではないかと思います。なおウォーカーの量産ミニカーはこれしか無いようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

WALKER VAN EV 1
WALKER VAN EV 2

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ANSALDO 4A 1920 ITALY

ANSALDO 4A
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ANSALDO 4A


DUGU M12 1/43 全長90㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.9m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 4気筒 1.8L 35HP 
性能: 最高速90km/h  データーベースでアンサルドのミニカー検索

アンサルド 4A イタリア 1920年

 

 アンサルド社は1850年代に設立されたイタリアの会社で、元々は軍事産業に従事していましたが、現在は電子機器関連の事業も行っています。当初は船舶を製造して20世紀初頭には大規模な造船会社となりました。その後軍事産業に進出し、第1次大戦ではアンサルド製の大砲や複葉戦闘機が使用されました。第1次大戦後に軍事用の需要が減少したので、同社は1919年に自動車部門を設立して自動車市場に進出しました。最初のモデルは1919年に登場したアンサルド 4Aで4気筒1.8Lエンジンを搭載していました。4Aは4B、4Cと改良され、信頼性が高い車として成功しました。4Cのスポーティ仕様 4CSにはOHC方式を採用した2Lエンジンが搭載されました。(実車画像→ アンサルド 4CS 1924)

 

 1923年には6気筒2Lエンジンを搭載した6A/6Bが登場し、1924年に自動車部門はSA アンサルドとして独立しました。1926年には4気筒1.5Lエンジンを搭載した小型車タイプ 10が登場しましたが、この頃には販売不振で経営危機に瀕していました。1932年にフィアット グループのOM社の自動車部門に吸収合併されて自動車生産は終わりました。本体のアンサルド社による軍事/産業車両の生産は第2次大戦まで続いていました。戦後は民間/軍用航空機分野での企業グループ レオナルド社(Leonardo S.p.A.)に統合され、現在は電子機器関連の事業を行っています。

 

 

 ミニカーは1960年代に発売されたドゥグー(DUGU)製です。ドゥグーは当時のトリノ自動車博物館が保存していた車をモデル化していたのですが、これも同館が保存していたアンサルド 4Aをモデル化しています。その実車画像は実車諸元画像リンク先で見ることができますが、カラーリングも含めて実車がリアルに再現されていることが良くわかります。ドゥグーのミニカーは大人のマニア向けでしたので、1960年代のミニカーながらスケールモデル的でリアルな造形でした。これ以外のアンサルドの乗用車のミニカーは無いようですが、EDISON GIOCATTOLI製の軍用車があります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ANSALDO 4A 1
ANSALDO 4A 2

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ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) ARMOURED CAR MK IA 1920 UK

ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) ARMOURED CAR MK IA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) ARMOURED CAR MK IA


MATCHBOX YS38 1/48 全長109㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.93m 全幅約1.93m エンジン 変速機: 6気筒 7.4L 80HP 4段変速
性能: 最高速72km/h 主砲 ヴィッカース重機関銃 データーベースでロールス ロイス シルバー ゴーストのミニカー検索

ロールス ロイス (シルバー ゴースト) 装甲車 MK IA イギリス 1920年

 

 ロールス ロイス シルバー ゴーストはその類まれな耐久性と信頼性を評価され、イギリス軍に装甲車用としてそのシャーシを供出することを求めれられました。1914年に80HPにパワーアップしたエンジンを搭載したシャーシに装甲したボディを架装し、ヴィッカース機関銃を装備した装甲車が作られました。この装甲車は第1次世界大戦に投入され、その後装甲の強化などの改修が行われて第2次世界大戦でも使われたそうです。

 

 映画「アラビアのロレンス」で有名なイギリス軍のロレンス中尉は第1次世界大戦中のアラビア半島での作戦でロールス ロイス装甲車を愛用していました。彼は晩年にこの世で一番欲しいものを問われたとき、「シルバー ゴーストとそれに一生乗れるだけのタイヤ」と答えたそうです。これはシルバー ゴーストの高い信頼性を示す逸話の一つです。このように長持ちしたシルバー ゴーストのシャーシは、ボディを乗せ換えて最後は霊柩車として使われたものがたくさんあったそうです。(参照画像→ ロールス ロイス 霊柩車)

 

 

 ミニカーは1990年に発売されたマッチボックス製で、クラシックカーを揃えたYシリーズのスペシャル エディションの一つでした。イギリスの空軍(RAF)博物館に保存されていた1920年に改修された装甲車 MK IAを忠実に再現してあり、とても良く出来ていました。機関銃の付いた砲塔が回転するギミック付きです。(参照WED サイト→ 空軍(RAF)博物館) ロールス ロイス 装甲車の量産ミニカーはたぶんこれしかないと思います。(レジン製やホワイトメタル製の少量生産ミニカーがありますが) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROLLS ROYCE ARMOURED CAR MK IA 1
ROLLS ROYCE ARMOURED CAR MK IA 2

 以下は1977年に発売されたマッチボックス製のロールス ロイス (シルバー ゴースト) 消防車 (1/48 型番Y06)の画像です。イギリスのケント州の消防署に実在した消防車をモデル化しています。(画像では見づらいですが、ボディ側面に「BOROUGH GREEN & DISTRICT」と表示されていて、これはケント州内のボロウ グリーン地区の意です) シルバー ゴーストのシャーシに、消防車のボディを架装しています。はしごを装備していますが、消防車に付き物の消防ポンプなどの装備が付いていません。この車は主に消防隊員の移動用に使われ、消防ポンプなどは牽引するトレーラーに積載していたようです。(実車画像→ ロールス ロイス 消防車) 画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) FIRE EIGINE 1
ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) FIRE EIGINE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) FIRE EIGINE 3
ROLLS ROYCE (SILVER GHOST) FIRE EIGINE 3

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