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タルボ タゴーラ フランス 1980年
1980年にクライスラー 160/180の後継車としてタルボ タゴーラが登場しました。クライスラー欧州が設計した後輪駆動の中型車でしたが、クライスラー欧州が1978年にPSA(プジョー シトロエン)グループ傘下となったので、タルボ ブランドで発売されました。オーソドックスな3ボックスセダンで角ばったデザインが個性的でしたが、このクラスの車に必要な高級感はあまり感じられませんでした。エンジンはシムカ製の4気筒2.2L(115HP)とプジョー製のPRV V型6気筒2.7L(166HP)/4気筒2.3L(80HP)ターボディーゼルがありました。
タゴーラと同じクラスには、PSA(プジョー シトロエン)グループのプジョー 505やシトロエン CXなどの強力な競合車があったので、タゴーラの販売は振るわず1983年には販売中止となりました。総生産台数はわずか2万台ほどで、特にV型6気筒エンジン搭載車はほとんど売れませんでした。タルボ ブランドの乗用車は1986年頃には全て消滅し、わずかに残った商用車のタルボ エクスプレスも1992年頃に消滅しました。
ミニカーは1981年に発売されたソリド製の当時物です。当時のソリドのミニカーは定価が約500円程の廉価版しかありませんでした。このタゴーラもその廉価版でしたので、灯火類の塗装処理が省略された簡素な仕上げで、見た目の安っぽいフリーホイールを履いていました。ただ基本的なプロポーションは悪くなかったので、タゴーラのミニカーとしては合格点でした。実車人気がなかったので、当時物ミニカーはこれしかありませんでしたから、その点では貴重なミニカーかもしれません。当時物以外ではシムカ車をまとめたフランスのミニカー付雑誌「Les Belles Ann?es Simca」のNo.35とNo.82でイクソがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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タルボ (シムカ) マトラ ランチョ フランス 1980年
シムカ 1100をベースにした多目的車マトラ シムカ ランチョが1977年に登場しました。見た目は4輪駆動のクロスカントリー車風ですが、中身はシムカ 1100のままでしたので、普通の前輪駆動車で4輪駆動仕様はありませんでした。ボディはマトラ得意のFRP製となっていました。1973年の第1次石油ショックの影響でマトラ社がスポーツカー専業メーカーから方向転換しようとしたモデルだったそうです。1978年にシムカがクライスラーからプジョー傘下になったことで1980年以降はシムカ ブランドが消滅し、タルボ マトラ ランチョと改名され1983年まで生産されました。
その後マトラはこの多目的車のコンセプトを発展させて、1ボックスタイプの乗用車(ミニ バン)を開発しました。マトラはこのミニ バンをルノーと協力して生産することとなり、1984年にルノー エスパスが登場しました。エスパスは新しいコンセプトの車として大ヒットし、今日のミニバンの先駆者となりました。そこでマトラはバゲーラの後継車ムレーナの生産を止めて、エスパスの生産に専念しました。その後2003年にマトラはイタリアのピニンファリーナに売却されて現在は自動車の研究開発を行っているようです。
ミニカーは1981年に発売されたソリド製の当時物です。プロポーションが良く、この一風変わった車を忠実にモデル化していて良く出来ていました。(特にフロント周りとルーフラックはリアル) テールゲートが上下2分割で開閉するギミック付きです。ソリドの別ブランドのべレムでは同じ型を使ったバリエーションがいくつかありました。これ以外の当時物は、コーギーの1/36、メーベトイ、マッチボックス、Bブラーゴの1/24などがありました。最近の物ではノレブなどがあります。以下はフロント/リアの拡大画像とテールゲート開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット パンダ 30 イタリア 1980年
1980年にフィアット 126の後継車としてパンダが登場しました。パンダという名前は動物のパンダに因んだもので、中国市場を意図したものだったそうです。この車のボディとインテリア開発はイタルデザイン(G.ジウジアーロ)がフィアットから委託されて行い、シトロエン 2CVのような簡素で安価な車を目指したそうです。コストダウンの為にボディは平面パネルだけで構成され全ての窓は平面ガラスです。内装もハンモック式シートなど実用本位です。ボディ形式は3ドアハッチバックのみで、簡素ながらも機能的な美しさを感じさせるのはジウジアーロ デザインのなせる業でしょう。前輪駆動車で、当初のエンジンはパンダ 30は縦置きの空冷2気筒652cc(30HP)、パンダ 45は横置きの水冷4気筒903cc(45HP)でした。
1982年には4気筒843㏄(34HP)エンジンを搭載する34と、45を普通のシートなどで豪華に仕立てたスーパーが追加されました。1983年にはシュタイア プフ社と共同開発したパートタイム4WDシステムを採用した4X4が追加されました。1986年のマイナーチェンジでは、エンジンが新型の4気筒769cc/999cc(45HP)に切り替わり、1.3Lディーゼルエンジンが追加され、スーパーで採用した豪華仕様が標準装備化されました。1991年のマイナーチェンジで、1.1Lエンジンが追加され、ベルト式無段変速機(CVT)を装備したセレクタが登場しました。パンダは大ヒットし2003年まで長期にわたり約450万台が生産され、フィアットの財政改善に寄与しました。2003年にパンダ IIにモデルチェンジしました。
ミニカーは2005年に発売されたブルム製です。ブルムの初期物ミニカーは細部の造形にアバウトな部分がありましたが、2000年以降に製作された物はかなりリアルな造形になりました。 このパンダはプロポーションが良く、フロントグリル/ワイパー/ドアミラー/室内インパネなど細部がリアルで、それまでのブルム製とはレベルの違う良い出来ばえになっています。前後バンパーとボディ側面下部の樹脂パネルの造形も実車の雰囲気をうまく再現しています。ブルムは得意のバリエーション展開でパンダ 30と45と4X4を約40種類ほどをモデル化しています。なお当時物ミニカーはメーベトイ、ポリスティル、ブラーゴなどがありましたが、いずれも廉価版であまり出来が良くありません。当時物以外では、ミニチャンプス、ヘルパの1/87、ノレブ、イクソ、国産名車コレクション、トミカ リミッテドなどがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ヒンドスタン アンバサダー インド 1980年
ヒンドスタン モーターズ社はインドの自動車メーカーで、イギリスのBMC車を製造する為に1942年に設立されました。アンバサダーはモーリス オックスフォード MK IIIをベースにした車で1957年から生産されました。この車は様々な改良が行われましたが、基本的な構造は50年以上もそのままで2010年まで作られていました。(多分世界一息が長い) 1967年のアンバサダー MK IIは、4気筒1.5L(46HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速120km/hの性能でした。また1975年から2006年まではイスズの4気筒1.8L(74HP)エンジンを搭載していました。(実車画像→ モーリス オックスフォード MK III 1956)
1980年以前のインドではヒンドスタン社とフィアット車を製造していたプレミア(Premier)社の2社が自動車市場を独占していました。プレミア社にも息の長い車があって、1953年に登場したフィアット 1100をベースにしたパドミニ(Padmini)という車が2000年頃まで作られていたようです。この車もインドならではの時代を超越した車でした。(実車画像→ プレミア パドミニ)
プレミア社は2009年から中国系企業の小型車を生産していましたが、2018年に破産しました。ヒンドスタン社は三菱自動車工業と提携し、インド国内で三菱車の販売を行なっています。そのほかのインドの自動車メーカーはスズキとの合弁会社マルチ社(2010年以降のインドでは一番売れている)、韓国のヒュンダイ社、世界一安い小型車タタ ナノで有名になったタタ社などがあります。2020年のインド自動車市場は世界5位(販売台数約230万代)で、世界中の自動車メーカーが群雄割拠の状態のようです。
ミニカーは2006年に発売されたイクソ製です。1979年から登場したアンバサダー MK IVをモデル化しているようです。このミニカーはもともとはデアゴスティーニのミニカー付雑誌「TAXI DEL MONDO (」 世界のタクシー)」シリーズのNo.25としてに作られたミニカーでした。このシリーズの日本語版は途中で休刊となりましたが、海外では全30-50号ほどが刊行されたようで、車種は発売された国毎に違うようです。(参照WEBサイト→ S?rie TAXIS DU MONDE ) これはその型を流用してイクソのカタログモデルとして発売されたものでした。このミニカー付雑誌が無ければこの車がミニカー化されることはなかったと思われます。(ヒンドスタンのミニカーはこれしかないようです) イクソの標準的な仕上げで作られているので、細部までリアルでなかなか良い出来ばえでした。ベースとなったモーリス オックスフォードからボディがほとんど変更されていないことがよく分かります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロータス エリート S2 イギリス 1980年
ロータス エリート 2代目が1974年に登場しました。ロータス初の4シーター車でエラン +2を後継する車でしたが、エアコンやパワステがオプション設定されるなど、コアなスポーツカーだったエランとは異なりスポーティな高級車に変わりました。ロータス流のバックボーン フレームにFRPボディの構造で、ボディはシューティングブレーク風のデザインですが、リアシート後ろにはリアウインドーがあり荷室と室内は分離されていました。エンジンはヴォクスホール製をベースにしたDOHC 4気筒2L(160HP)を搭載し、5段変速、最高速は最高速212km/hでした。1980年にS2(シリーズ 2)となり、エンジンが2Lから2.2Lに代わり、1982年に生産中止となりました。総生産台数は約2500台でした。
1975年にエリートをベースにしてリアをファーストバックにした2+2座仕様のエクラ(ECLAT)が追加されました。動力性能はエリートと同じでした。エクラは1982年にエクセル(EXCEL)に名前をかえて1992年まで生産されました。エクラとエクセルの総生産台数は約3500台でした。エリート(エクラ)の高級車路線はロータスのユーザーにあまり支持されず、高級車に相応しい品質が足らなかったこともあって、人気はいまひとつだったようです。(実車画像→ ロータス エクラ)
ミニカーは2012年に発売されたスパーク製で、レジン製です。キャビン部分が大きめなのでフロントスクリーン先端の位置が高くプロポーションがあまり良くありません。その為エリートの平べったいイメージがうまく再現されていないので今一つの出来ばえです。なおワイパーや内装などの細かいところは実にリアルに出来ているので、その辺はスパークらしいところですが。 なおスパークはエクラとエクセルもモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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