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ロータス エラン S2 イギリス 1965年
ロータス セブンの後継車として開発されたエランが1962年に登場しました。ユニークなデザインのオープンカーで、リトラクタブル ヘッドライトを採用していました。DOHC 4気筒1.5L(100HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速185km/hと高性能で操縦性にも優れていました。エリートで問題となったFR樹脂製モノコック ボディの代わりに、鋼板のバックボーン フレームにFRP樹脂製ボディを被せるという構造が採用されました。この構造による生産性向上でエランはセブン並みの低価格で発売することができ、それ故に大ヒットしました。
1965年にはS2(シリーズ 2)に発展しハードトップを持つクーペが追加され、丸形2灯のリアライトが楕円形に変更されました。1966年にS3(シリーズ 3)に発展し、1967年にホイールベースを延長して2+2座とした+2(プラス 2)が追加され、1968年にS4(シリーズ 4)に発展しました。1975年に生産中止となりましたが、総生産台数は約18000台とロータス社に大きな利益をもたらしました。またバックボーン フレームにFRP樹脂製ボディを被せる構造はその後のロータス車の基本となりました。
ミニカーは1967年に発売されたコーギーの当時物です。エラン S2のハードトップをモデル化しています。実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとして良く出来ていました。外観を見ただけでは分かりませんが、このミニカーにはエランの特徴であるバックボーン フレーム構造(シャーシ)をリアルに再現した非常にマニアックなギミックが付いていました。コーギーのエランのミニカーは最初はオープン仕様のロードスターが型番318で1965年に発売されました。その型を変更してシャーシを取り外すことができるギミックを追加したものがこの型番319でした。S2のリアライトは楕円形なのですが、この型番319はそこを変更していないのでリアライトはS1の丸形2灯のままになっています。(昔はそんな細かいことはさほど気にしませんでした) このミニカーのギミックの詳細についてはこちらのページもご覧ください。→ ロータス エランのギミック紹介ページ 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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MG MGB GT イギリス 1965年
MG MGBはMGAの後継として1962年に登場しました。基本設計はMGAと同じですが、モノコックボディの採用などでより近代的な車となっていました。4気筒OHV1.8L(89HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速170km/hの性能でした。当初はオープンのロードスターだけでしたが、1965年に実用的なテールゲートの付いた2+2座クーペがGTという名前で追加されました。このGTのデザインには当時BMCと関係のあったピニンファリーナの影響(小さなテールフィンなど)が感じられましたが、公式には発表されていません。
1967年には6気筒2.9L(150HP)エンジンを搭載した高性能版のMGC(最高速202km/h)が登場しました。MGBは改良を重ねて1967年にMK II、1969年にMK IIIに発展しました。1973年にGTにオールアルミ合金製のV型8気筒3.5L(137HP)エンジンを搭載したGT V8(最高速200km/h)が登場しました。1974年にアメリカの衝突安全規制に対応して、前後バンパーが衝撃吸収機能付の樹脂製に変更され外観が大幅に変更されました。1980年まで生産され、総生産台数は約50万台でした。MGBはレース/ラリーでも活躍し、実用的な入門用スポーツカーとして大ヒットしました。MGといえばこのMGBが思い浮かぶほど有名な車でした。
ミニカーは1992年頃に発売されたマッチボックス傘下のディンキー製です。ディンキーブランドを復活させた当時のマニア向けのミニカーで、実車の雰囲気がうまく再現され良い出来ばえでした。フロントグリルやホイール、室内などの細部も良く仕上げてありました。ライトが黄色いのはフランス仕様ということでしょうか?。MGB/MGCの当時物ミニカーとしてはディンキーのロードスター、コーギーのMGB GTとMGC GTなどがありました。当時物以外ではミニチャンプス、オートアート、バンガーズ、国産名車コレクションのMGBなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ミニ マーコス 850GT イギリス 1965年
ミニ マーコスはミニのパーツを流用して作られたマーコス社のスポーツカーで、1965年に登場しました。ボディ、シャシーはベニア合板とFRPによるモノコックで、サスペンション/エンジンのパワートレーンからランプ類までミニのパーツを使っていました。この車の最大の特徴はミニよりも450mmも低い車高(1.01m)の独創的でかわいいボディでした ユーザー自身が組み立てるキットカーとして販売され、エンジンなどをユーザーが選択することができました。ミニの850cc(34HP)エンジンを搭載したものは、最高速137km/h(オリジナルのミニは117km/h)の性能でした。1974年までに約1000台ほどが販売されました。
マーコス社は1970年に非常に奇抜なデザインをした4座のGTカー マンティス(MANTIS:カマキリの意)を発表しました。マンティスは全長約4.75mX全幅約1.81mX全高1.17mの大柄で低い車高のボディにトライアンフ TR6の6気筒2.5(135HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速193㎞/hの性能でした。高性能で豪華なGTカーということでしたが、販売台数はたったの32台でした。マーコス社は販売が低迷し1972年に倒産し、その後1980年代に一旦復活し1990年代にはLMシリーズなどの小型スポーツカーを生産していましたが、結局2007年頃に消えました。(実車画像→ マーコス マンティス 1970)
ミニカーは1968年に発売されたコーギー製の当時物です。実車の独創的なボディをコーギー流の造形でうまく再現してあり、魅力的なミニカーに仕上がっていました。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、さらにタイヤが交換出来るという凝ったギミックも付いていました。(タイヤ交換ギミック紹介ページ→ ミニ マーコスのギミックのページ) コーギー最盛期のミニカーでしたので世界中で約64万台が販売されました。コーギーはマイナーな自動車メーカーであったマーコスをひいきにしていて、マーコス ボルボ 1800やたった32台しか作られなかったマーコス マンティスもモデル化していました。(たぶんミニカーの方が実車より知られているでしょう) ミニ マーコスは2008年にスパーク(レジン製)でもモデル化されています。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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AC シェルビー コブラ 427 イギリス 1965年
イギリスのAC カー(AC CARS)社の歴史は1905年に発売されたオートキャリアー(AUTO CARRIER)という名前の3輪商用車から始まりました。 (実車画像→ AC オートキャリアー) この車は荷馬車に変わる運搬手段として好評を博し、1911年にオートキャリアー社が設立されました。その後この車をベースにした4輪車が開発され、自社開発した6気筒エンジン搭載車も発売しました。1922年にAC カー社と改名し、1930年代には優れた小型スポーツカーのメーカーとして地位を確立し、6気筒2Lエンジンを搭載したAC エースという名前のレースカーが活躍しました。 (実車画像→ AC エース 1936)
第2次大戦後の1947年に6気筒2Lエンジン搭載車を発売し、1953年にロードスターのエースが登場し、翌年にはそのクーペ仕様のエースカ(ACECA)が登場しました。この車のレース仕様がエース ブリストルで、イギリスのブリストル社の6気筒2Lエンジンを搭載していました。この車はルマンなどのレースに出場しており、この車のアメリカでのレース活動に注目したレーシングドライバーのキャロル シェルビーがこの車にフォードのV型8気筒エンジンを搭載することを提案し、AC シェルビー コブラの開発が始まりました。 (実車画像→ AC エース 1954)
フォードのハイパワーエンジンを搭載する為に、リアデフ、サスペンション、ブレーキなどが強化され、1962年にシェルビー コブラが完成しました。初期型のコブラ 260はV型8気筒4.2L(264HP)エンジンを搭載し、その後のコブラ 289はV型8気筒4.7Lエンジンを搭載していました。1965年に登場したコブラ 427はV型8気筒7L(390HP)エンジンを搭載し、太いタイヤを収める為フェンダーが大きく膨らんだ派手なボディとなりました。(同じ7Lでパワー控えめの廉価版428もありました) キャロル シェルビーが自身の名前を冠したAC シェルビー コブラはアメリカのレースにデビューしてその圧倒的なパワーで注目を浴び、1963年からルマンを筆頭とする耐久レースにも参戦しました。1968年頃にアメリカの安全基準に適合できなくなり生産中止となりました。その後AC カー社はヨーロッパでコブラをベースにしたスポーツカーを販売していましたが、1970年代後半に倒産しました。
ミニカーは、1993年頃に発売されたソリド製です。前後バンパーを備えたコブラ 427のロードバージョンをモデル化しています。コブラ 427のダイナミックなボディがうまく再現され、メッキされたバンパーやボディ側面から出ている排気管など特徴的なパーツもうまく仕上げてありました。ドアが開閉するギミック付きで、インパネのメーターは紙のラベルですが結構リアルに見えます。ソリドは1/18でもコブラ 427をモデル化しています。コブラのミニカーはたくさんあり、派手なボディの427が多いのですが、260や289やレース仕様も有ります。代表的な物としてはBANGのレース仕様、ボックスモデルの289とレース仕様、EXOTOの1/18、フランクリン ミントの1/24、京商の1/18、ノレブの1/18、シュコーの1/12と1/43と1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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DAF 32 ダフォディル オランダ 1965年
オランダの技術者ヨーゼフ ヴァン ドールネ(Jozef van Doorne)は、1928年に設立された自動車修理工場に勤めていました。その後彼は工場の経営権を得て会社名を「ドールネのトレーラ工場」(Van Doorne's Aanhangwagen Fabriek)に変更し、トラックや装甲車両の開発などを行いました。1949年から大型トラックやバスの製造を始め会社名を「ヴァン ドールネ自動車会社」(Van Doorne's Automobiel Fabrie 略称 DAF)に変更しました。1958年には小型乗用車DAF 600を発表しました。(実車画像→ DAF 600 1958)
DAF 600は空冷水平対向2気筒590cc(19HP)エンジンをフロントに搭載し後輪を駆動する4人乗りの小型車で、最大の特徴は同社が開発した世界初の無段変速機(CVT)を採用していたことでした。この無段変速機(バリオ マチック)はVベルトと2つの可変径プーリーを使ったもので、従来の複雑な変速操作が不要で前後進の切換えレバーとアクセルだけで操作できることから人気を博しました。最高速は105km/hでした。
1961年にはエンジンを750cc(26HP)に拡大し最高速が105km/hに向上し、上級グレードとしてDAF 30 ダフォディルが追加されました。DAF 30は1963年にDAF 31、1965年にはフロントグリルを変更したDAF 32、1967年にDAF 33と発展し1974年まで生産されました。DAF 30シリーズは20万台以上が生産され好評だったようです。上級車として1966年に2気筒850㏄エンジン搭載のDAF 44、1968年に4気筒1.1Lエンジン搭載のDAF 55と1972年にその改良版DAF 66が登場しました。(実車画像→ DAF 55 1968)
ミニカーは1966年に発売されたディンキー(仏)製です。DAF 32 ダフォディルをモデル化しています。1960年代のビンテージミニカーですからシンプルな作りですが、ディンキー(仏)はプロポーションがしっかりしていたので、実車の雰囲気がうまく再現されていました。ドアが開閉するギミック付きで、室内には女性ドライバーのフィギュアが乗っています。このお嬢さんのフィギュアはディンキーの別のミニカーにも使われていました。(同じフィギュアの乗ったミニカー→ トライアンフ スピットファイアー) これ以外のDAF 30シリーズのミニカーはノレブ初期の当時物DAF 32と最近のノレブのDAF 30、ネオ(レジン製)のDAF 33などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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