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マーコス ボルボ 1800GT イギリス 1964年
ジェム マーシュ(Jem Marsh)とフランク コスティン(Frank Costin)が1959年にマーコス社を設立し、レーシングカーの設計/製作を始めました。マーコスという名前は2人の名前を組み合わせたものでした。航空機の設計者であったフランクが設計したベニア合板製の軽量シャーシを持つレースカー マーコス GT (ザイロン)は軽量故に優れた性能でしたが、FRP製ボディが奇抜なデザインであったので醜いアヒル(Ugly Duckling)と呼ばれていました。(実車画像→ マーコス GT (ザイロン))
1964年に発売した市販車1800GTはザイロンをベースにして改良したもので、不評であったボディをスタイリッシュなものに変更し、ボルボ製の4気筒1.8L(114HP)エンジンを搭載していました。レースカーがベースなので操縦性に優れ、4段変速で最高速185km/hと高性能でした。 エンジンはフォード製の1.5L、1.6L、2L、V型6気筒3Lなど次々と変更され、木製フレームも1969年から鋼管スペースフレームに変更されました。主たる販売先はアメリカで1972年までに約1000台が生産されました。1965年にはミニのパーツを流用したマーコス ミニが登場しました。
ミニカーは1966年に発売されたコーギー製の当時物です。キャビンの形状は良く出来ているのですが、タイヤが大きめで全体的に車高が高くなったことで実車のイメージから少し外れています。フロントパネルとドアが開閉するギミック付きです。大きく開くフロントパネルのギミックが面白いからだと思いますが、このミニカーは人気があり約80万台も販売されましたので、実車よりミニカーの方がよく知られていると思います。昔のミニカーは生産台数が数十万台と多いので、あまり知られていないマイナーな実車はミニカーとなって知られることがありました。(特にコーギーのミニカーにはそのような物が多い) マーコス GTはマイナーな車なので、量産ミニカーはこのコーギー製しかありません。(レジン製の少量生産品がありますが) 以下はフロント/フロントパネルを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー シャドウ イギリス 1965年
1955年から登場したロールス ロイス シルバー クラウドは、1960年代には技術的に時代遅れで旧態化していきました。ライバルであったメルセデス ベンツからハイテクを駆使した超高級車のメルセデス ベンツ 600が1963年に発表されました。この車に対抗する意味もあって新型のロールス ロイス シルバー シャドウが1965年に登場しました。シルバー シャドウは前後フェンダーがボディサイドに一体化された近代的なデザインとなり、モノコックボディ、全輪独立懸架、油圧式車高調整、全輪ディスクブレーキなど先進的な技術を採用していました。
車体のサイズはシルバー クラウドより小さくなりましたが、近代的なモノコックボディの採用で室内は広くなっていました。モノコックボディ故にボディを大きく変えることができず、コーチビルダーが独自にデザインしたボディを架装することは難しくなりました。ロールス ロイスといえども時代の流れには逆らえないということでした。エンジンは改良され出力が向上し、4段自動変速機仕様で最高速度は180km/hの性能でした。1969年にロングホイールベース版が標準ボディ化されました。1977年にサスペンションの改良、室内のデザイン変更、バンパーの大型化、オートエアコン標準装備などの改良が行われ、シルバー シャドウ IIにモデルチェンジしました。1980年に後継車のシルバー スピリットにモデルチェンジしました。(実車画像→ ロールス ロイス シルバー スピリット)
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。フロントグリルやバンパーに金属製パーツを使ったディンキーらしいがっちりとした造形で、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されています。 (ただ少しごつすぎる感じになっていますが) ボンネット/4ドア/トランクが開閉するギミック付きです。ドアは内張が付きウィンドーが半開状態となっているなど凝った作りとなっていました。なおこの個体は左リアドアに塗装のむくれが発生しています。(塗装前の下処理がまずかったようです) ロールス ロイスのミニカーをまとめてみると、ディンキー(英)がロールス ロイスの主要な車種をまめにモデル化していたことが分かります。 これ以外のシルバー シャドウのミニカーはエリゴール、ダイヤペット、Bブラーゴの1/24、マッチボックス、ネオ(レジン製)、トゥルースケール(レジン製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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トライアンフ 1300 イギリス 1965年
トライアンフ ヘラルドの後継車として1965年に1300が登場しました。レイランド グループとして初の前輪駆動車で、BMCのミニに対抗する車でした。この車は通常の縦置きエンジンを前後逆に配置するルノー式の前輪駆動方式を採用していました。4気筒1.3L(61HP)エンジン、4段変速で最高速133km/hの性能でした。ボディは2000と同じミケロッティのデザインで、フロントグリル以外は上級車の2000のイメージをダブらせています。(フロントはライバルのモーリス 1100に良く似ている気がします)
モノコックボディ、全輪独立サスペンションなど上級車2000と同じ進歩的な設計で、上級小型車としてヒットして商業的に成功しました。1970年に前後のデザインを変え1.5Lエンジンを搭載した1500にモデルチェンジしました。1300の総生産台数は約14万台でした。なお1970年には1300を後輪駆動車に変更したトレド(TOLEDO)が登場しています。トレドは1300の廉価版で、前輪駆動車になじめないユーザー向けの車でもありました。
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。前述したトライアンフ 2000と同じ50年前のビンテージミニカーで素朴な作りですが、これも実車の雰囲気をうまく再現した味のあるミニカーに仕上がっていました。2000と同じでボンネットとトランクが開閉するギミックが付いています。ヘッドライトにラインストーン(ダイヤカットガラス)が使われるなど、2000よりも少しだけ目新しい仕上げになっていました。トライアンフ 1300の量産ミニカーはこの当時物しかないようです。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード トランジット MK I 交通事故処理車 イギリス 1965年
フォードの商用車 テームズ 400Eの後継車として1965年にトランジット MK I が登場しました。 テームズ 400Eは当時のライバルであったベッドフォード CAなどに対して積載量で劣っていた為、ボディを大きくしベッドフォード CAに似た短いノーズを持つデザインに変わりました。ホイールベースの異なるロングとショートのボディがあり、ピックアップトラックやミニバスもありました。トランジットはドイツとイギリスの両フォードに共通するモデルでした。(実車画像→ フォード テームズ 400E、ベッドフォード CA)
当初のエンジンはフォード製 V型4気筒1.7L/2Lとパーキンス製 4気筒1.6Lディーゼルで、サイズが大きいディーゼルはノーズを前方に延ばして搭載していました。このロングノーズ版には緊急車両用としてV型6気筒3Lエンジンを搭載した高性能モデルもありました。1978年のマイナーチェンジで、フロントのデザインが大幅に変更され、MK IIとなりました。当サイトのデータベースでは車名に世代を意味するMK *を付けています。1965年のモデルをMK I、1978年モデルをMK II、1986年モデルをMK III、1991年モデルをMK IV、1994年モデルをMK Vとしています。(MK Iはマイナーチェンジでフロントのデザインが2回変更されているようで、この変更はa b cを付けて区別しています)
ミニカーは1967年に発売されたディンキー製の当時物で、ロングボディの交通事故処理車をモデル化しています。ディンキーらしいがっちりした作りで、当時のミニカーとして良くできていました。交通事故処理のポリス仕様なので警察官のフィギュアが乗っていて、ルーフには青色灯とスポットライトが付いています。右側スライドドア、左側ドア、バックドアが開閉し、車内には車線規制用の3角コーンと標識が積まれています。それらを取り出して並べると交通事故処理の簡単なジオラマが出来上がります。ディンキーはフロントが変更されたMK IIも含めてバン、救急車、ポリスカーなど十数種類をモデル化していました。(MK Iには縮尺の異なる2タイプがあります) トランジットのミニカーはたくさんあり、特にブレキナはMK Iのマイナーチェンジを作り分けていて、様々なタイプを約40種類もモデル化しています。(なおドイツではイギリス版のMK IをMK IIと呼ぶのでブレキナのミニカーの車名表示はMK IIとなっています) 以下はフロント/リア(バックドア開閉)の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード D800 トラック イギリス 1965年
イギリス フォードの商用車は1930年代のフォード Y型の商用バン仕様(E83W)から始まりました。この商用車はフォードソン(FORDSON)のブランド名で展開されました。フォードソンはフォードの農業用トラクターのブランドとして知られていますが、イギリス フォードの商用車のブランドとしても使われました。1937年には5t積みの大型トラック フォードソン 7Vが登場しました。(実車画像→ フォード Y型 商用バン仕様(E83W)) (実車画像→ フォードソン 7V)
1949年に大型トラック 7Vを後継するフォードソン テームズ ET6/7が登場、1954年に小型車アングリアをベースにした小型商用バンの300Eが登場しました。1957年にE83Wを後継するキャブオーバー型商用バンのテームズ 400Eと、大型トラック ET6/7を後継するテームズ トレーダーが登場しました。なお1957年に商用車のフォードソン ブランドはなくなりフォードに戻りました。1965年にテームズ 400Eはトランジットに、テームズ トレーダーはDシリーズに変わりました。(実車画像→ フォード 300E) (実車画像→ フォードソン テームズ トレーダー)
キャブオーバー式商用車はエンジン整備の為にキャブを傾けて(チルトして)開く必要がありますが、Dシリーズはカウンターウエイトを使う方法でほぼ片手でキャブの開閉ができました。このようにDシリーズは、ライバルのGM系列のベッドフォード TK(1959年登場)などに比べて近代的な構造のキャブオーバー式トラックでした。エンジンは4/6気筒のガソリン/ディーゼルで、1967年にV型8気筒7.7Lディーゼルを積むイギリス フォード最大の大型トラック D1000が追加されました。Dシリーズは1981年に後継のカーゴ(CARGO)シリーズに切り替わりました。(実車画像→ フォード カーゴ CF7000 1986)
ミニカーはデンマークのテクノ製でブランド表記がTEKNOからKIRKに変わった1970年頃に発売されました。フォード D800 ダンプ トラックをモデル化したテクノの傑作ミニカーでした。50年以上も前に作られた昔のミニカーですが、私の知る限りでは、1/43サイズではこれが一番精巧で凝ったギミックを持つ商用車ミニカーであると思います。(単なるスケールモデル的な精巧さだけなら、現在のヘルパやブッシュの1/87の商用車の方が優れていますが) プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されています。ギミックを付けるとプロポーションが崩れると言われることがありますが、技術力のあるメーカーではそんなことはありません。このミニカーのプロポーションとギミックの出来ばえを見れば、それは技術力の低いメーカーの言い訳に過ぎないことが分かります。
テクノはこれよりホイールベースが長いトラックもモデル化していて、荷台に企業ロゴを印刷した販促プロモーション用モデルのバリエーションも多くありました。同時期にコーギーも同じようなフォードのトラックを数種類(カートランスポーターなど)モデル化していますが、それはD800ではなく、アメリカ フォードのHシリーズでした。それ以外のD800のミニカーはディンキー(ダンプカーや道路清掃車など) やマッチボックスの当時物もありました。(最近のものはないようです) Dシリーズより以前のトラック、テームズ トレーダーやテームズ ET6はディンキー(英)やスポットオンの当時物などがありました。 以下はフロント/キャブのドア開閉ギミック動作の画像と、キャブのチルト動作の画像です。半開きのサイドウィンドーと内張付きのドアはスムーズに開閉し、室内も良く再現されています。キャブのチルト動作は実車同様ににキャブ全体が前ヒンジで開き、エンジンや補器類が再現されています。エンジンが左に45度傾けて搭載されていることまでわかります。なお荷台やエンジンなどが白い軟質プラスチックで再現されていて、あまり色合いがリアルでないのは、玩具としての安全上の配慮でしょう。(軟質プラスチックは乱暴に扱っても壊れにくいことから採用されています)
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