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プジョー J7 道路工事車 フランス 1965年
1930年代までの初期の商用車(バン、トラック、バスなど)は乗用車をベースにしたものがほとんどでした。世界最古の自動車メーカーであるプジョーも、初期には乗用車をベースにしたトラックなどの商用車がありました。ただ第2次大戦以前の乗用車(商用車)市場ではルノーが圧倒的なシェアを確保していました。
戦後プジョーは車体製造会社のショーソン社を傘下に収め、そのショーソン傘下のシェナール & ウォルカー社が開発した小型商用車CPVを1950年にプジョー D3として発売しました。D3は戦前の202の4気筒1.1Lエンジンを運転席の足元に配置した前輪駆動車で、突き出したノーズ(豚の鼻と呼ばれたエンジン搭載部)が特徴のワンボックス車でした。(なお初期のCPV>は小型の2気筒エンジンだったので、ノーズは突き出していませんでした) 1950年にエンジンを1.3LにパワーアップしD3Aとなり、1955年に外観はほとんど同じでマイナーチェンジしたD4となりました。1959年には1.8Lディーゼルエンジンが追加されました。(実車画像→ シェナール & ウォルカー 初期のCPV、プジョー D3)
1965年にD4はJ7にモデルチェンジしました。J7も前輪駆動車で、エンジンは4気筒1.5L/1.6Lと4気筒1.9L/2.1Lディーゼルで、運転席下に配置していました。バン、ピックアップ、ミニバス、消防車などがあり、積載量は1.4/1.8tでした。1.8Lガソリン/2.3Lディーゼルエンジンが追加されるなどして、1980年までに約34万台が生産されました。後継車は1981年に登場したJ9でした。同じ年にJ9より積載量の多いJ5が登場し、J5は2004年にエキスパート(シトロエン ジャンピーと姉妹車)となりました。J9は1993年にボクサー(シトロエン ジャンパーと姉妹車)となりました。(実車画像→ プジョー J9)
プジョー 商用車のミニカー→ データーベースでプジョー D3/D4のミニカー検索
データーベースでプジョー エキスパートのミニカー検索
データーベースでプジョー ボクサーのミニカー検索
ミニカーはディンキー(仏)製の当時物です。ディンキー(仏)らしいリアルな造形で、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。J7の道路工事車をモデル化していますので、屋根に取り付ける工事車両の表示パネル「CHANTIER MOBILE(道路工事)」が付属しています。スライドドア/リアドアがスムーズに開閉するギミック付きで、室内は運転席中央にあるエンジンの出っ張りや広い荷物スペースなどが再現されています。室内には円錐コーン、道路標識を積載し、工事作業者のフィギュアも付属しています。なお当時のディンキー(仏)のミニカーには紙シールのナンバープレート(前後分)が付いていて、このJ7にもそれを貼ってあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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マトラ ジェット 6 フランス 1965年
若き技術者シャルル ドイッチェ(Charles Deutsch)とルネ ボネ(Rene Bonnet)が戦前に興したDB(Deutsch-Bonnet)社はシトロエンをベースにしたレースカーを開発していました。戦後の1950年代にパナールをベースにして開発したDB パナールがルマンで活躍するなどして、DB社はスポーツカーメーカーとしての地位を築きつつありました。(実車画像→ DB パナール HBR 1955) 1962年にシャルル ドイッチェがDB社から離れ、DB社はルネ ボネ社に改名し、パナールのエンジンを搭載した車の開発を続けました。そのルネ ボネ社を軍事用ミサイルメーカーのマトラ社が買い取って、1964年に自動車部門として設立させたのがマトラ スポーツ社でした。
マトラ スポーツ社はルネ ボネ社が1963年に市販した世界初の市販ミドシップエンジン搭載車ジェットの細部を変更して、マトラ ジェットとして1965年に登場させました。ボディはFRP製で、ルノー 8用の4気筒1.1L(70HP)エンジンを搭載し最高速170km/hのジェット 5からルノー 8 ゴルディーニ用の4気筒1.3L(105HP)エンジンを搭載した最高速200km/hのジェット 6など数種類のチューンがありました。高価格で実用性が低かったので商業的には失敗作でしたが、高度な内容を持つ車でした。1967年に後継車のマトラ M530が登場しました。
ミニカーは1970年代に発売されたフランスのMINIALUXE製です。(発音が違うかもしれませんが、MINIALUXEはミニオールと呼んでします) ミニオールは1950年代から1970年代後半までプラスチック製のミニカーを製造していました。クラシックカーのTACOTSシリーズとフランス車を中心とした当時物の現代車シリーズがありました。(参照ページ→ ミニオールのクラシックカー ミニカー一覧) これは現代車シリーズの一台で、プラスチック製です。プラスチックの経年変化によるボディの変形は気になるほどではないですが、合成ゴムのタイヤに添加された可塑剤でホイールが溶ける問題が発生しています。溶けたホイールがやや見苦しいですが、実車のダイナミックなボディが良く再現されていて当時物ミニカーとしては良い出来ばえでした。これ以外のマトラ ジェットのミニカーはイクソ系のノスタルジー、ビザール(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ベルリエ ストラデール トラック フランス 1965年
ベルリエは自動車創世期に設立されたメーカーです。第一次世界大戦中は、軍用トラックを生産していました。大戦後に乗用車生産を再開し、1920年代には4気筒の小型車から6気筒の大型車まで数モデルを販売していました。1929年のアメリカ株価大暴落による金融危機で景気が悪くなり、自動車の販売は低迷します。その影響で1930年代になると、ベルリエの乗用車は1934年に発売した11CVドーフィンだけになりました。この車もすぐに生産中止となり、その後のベルリエはトラック(後にバス追加)だけを生産するようになりました。
ベルリエのトラックはほとんどが大型(一部中型)で、それををベースにしたバスもありました。1949年に登場したボンネット式トラックのGLシリーズは、そのトラクタ仕様のTL、全輪駆動仕様(3軸2駆動軸の6X4、3軸3駆動軸の6X6など)のGBなど派生車が多くあり、1970年代まで生産されました。1957年にはV型12気筒30L(600HP)ディーゼルエンジンを搭載した全長13mの世界最大のトラック T100が登場しています。ベルリエは1967年にはシトロエン傘下となり、1974年にはルノーに売却されて同じトラック製造のサビエムと合併しルノー トラックスとなりました。
1965年に登場したベルリエ ストラデールは、トラックとしてはスタイリッシュなでユニークなデザインを採用していました。STRADAIRとはイタリア語のSTRADA(道路)とフランス語のAIR(空気)を組合わせた造語で、エアクッションとリーフスプリングを組み合わせた凝ったサスペンションを採用していることからつけられた名前のようです。登場後に合併したシトロエンがスタイルとサスペンションに影響を与えているように思います。なおエアクッションを使ったサスペンションは、荷重変化の大きいトラックに適したサスペンションで、現在のトラックでは主流となっています。
ミニカーはディンキー(仏)製の当時物で、1967年に発売されています。ストラデールの長尺平ボディトラックをモデル化しています。ディンキー(仏)らしいスケールモデル的なリアルな造形で、特徴的なボディだけではなく、車体下部のシャーシ、エンジン、サスペンションなどのメカ部分も良く再現されています。昔のミニカーですから、トラックの機能を再現した面白いギミックが付いています。これ以外のストラデールのミニカーは、ソリド(ベレム)の当時物、最近の物ではイクソやノレブ CIJの物があります。ベルリエの商用車は、ボンネットタイプのトラックのGL、TL、GBや、世界最大のトラック T100などを、ディンキー、ソリド、ノレブ、ブレキナなどがたくさんモデル化しています。
ストラデールのギミックについて、以下の簡易動画で詳しくお見せします。(画像のマウスオーバーやタップで動画がスタートします) まずはボンネットの開閉動作で、エンジン、ラジエータ、室内換気用?ダクトなどがかなりリアルに再現されています。次は平ボディの荷台部分で、側面のあおりが開閉します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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イノチェンティ ミニ マイナー イタリア 1965年
BMCのADO16シリーズをライセンスしたイノチェンティ IM3に次いで、ADO15シリーズ(モーリス ミニ マイナー 1959)のイノチェンティ版が1965年に登場しました。イノチェンティのエンブレムがついて左ハンドルとなっている点が、イギリス本国仕様との外観的な違いでした。当初はオリジナルと同じ4気筒848cc(37HP)エンジン(最高速125km/h)が搭載され、翌年には4気筒1L(56HP)エンジン(最高速145km/h)のミニ クーパーが追加されました。多連メーターなどの独自内装が施され、IM3同様にスポーティな味付けがされていたようです。
1968年にはミニ クーパー MK IIに発展し1972年にはミニ クーパーS用の1275cc(71HP)エンジン(最高速160km/h)も搭載されました。当初はBMCのパーツを使ったノックダウン生産でしたが、すぐにイタリアで調達されたパーツを使用するようになり、1975年まで生産されました。1974年にベルトーネがデザインしたハッチバックスタイルで外観を一新させた後継車のイノチェンティ 90/120が登場しました。
1971年にイノチェンティ社はスクーター ランブレッタの生産を終了しました。イノチェンティ社は1972年にBL(旧BMC)に買収され、1976年にBLが破綻してデ トマソに譲渡されました。その後、1990年にフィアットに買収されてフィアット傘下となりました。
ミニカーは1968年に発売されたメーベトイ製の当時物です。プロポーション的にはキャビンより前のフロント部分が小さめでドアの上下サイズが小さく、屋根に少し丸みが付きすぎているなど、メーベトイ流のデフォルメ?で本家のミニとは少し違った感じのミニに仕上がっていました。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きです。ライト周りに付いている茶色の汚れはラインストーン製ヘッドライトを固定する接着剤が変色した物で、初期のメーベトイ製ミニカーでよく見られる経年変化です。これ以外のイノチェンティ ミニのミニカーはポリトーイの当時物でミニ クーパー(1/25と1/43)、ビテスのミニ クーパーがありました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ 2600 SZ イタリア 1965年
アルファ ロメオの最上級車として、6気筒2.6Lエンジンを搭載した2600が1962年に登場しました。2600にはセダン、クーペのスプリント、オープンのスパイダーがありました。1965年に2600 シリーズに追加されたのが、少量生産された2600 SZ(スプリント ザガート)でした。ザガートのデザインによるクーペで、2600 シリーズでは一番高価なモデルでした。空気抵抗が少ない軽量なボディに165HPにチューンしたスプリントのエンジンを搭載し最高速215km/hと高性能でした。前述したジュリエッタ SZはレース専用車でしたが、この2600 SZは高級GTカーという位置づけでした。角型ヘッドライトを埋め込んだ個性的なフロント造形は、当時としては未来的でかっこいいデザインでした。
2600 シリーズは1968年まで生産され、総生産台数は約12000台でした。(後継車は1750でした) その中でもSZはたった100台ほどしか生産されていません。日本にも1台輸入されたことがあり、当時の価格で500万円以上(現在価格にすると3000万円以上?)もした超高級車でした。自動車メーカーがシャーシを供給し、それにカロッツェリアが特注ボディを架装するといった少量生産の特注モデルが戦前のアルファ ロメオにはたくさんありましたが、戦後はこのSZあたりぐらいが最後となったようです。
ミニカーは1967年に発売されたポリトーイ製の当時物です。ポリトーイ流のかっこいいデフォルメでプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。個性的なフロント周りも当時のミニカーとしてはうまく再現していました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、エンジンや室内も結構リアルに再現されています。2600 SZの当時物ミニカーはこれしかなく、当時物以外では最近のレジン製でネオの1/43とテクノモデルの1/18があります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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