ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

PEUGEOT 204 1965 FRANCE

PEUGEOT 204
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 204


DINKY(FR) 510 1/43 92㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.99m 全幅約1.56m エンジン 変速機: 4気筒 1.1L 48HP 4段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでプジョー 204のミニカー検索

プジョー 204 フランス 1965年

 

 プジョー 203の下級グレードの後継車として204が1965年に登場しました。プジョーにとって初めての前輪駆動車で、変速機の上にエンジンを横置きに配置するBMC ミニと同じイシゴニス方式を採用していました。小型車ながらなかなか品のあるボディはピニンファリーナのデザインでした。当初は4ドアセダンのみでしたが、直ぐにブレーク(ワゴン)が追加され、1966年にホイールベースを短縮した2ドアクーペとカブリオレが追加されました。最近ではこのようなボディ バリエーション展開をする車は少なくなりましたが、昔の大衆車にはこのようなバリエーション展開がされていました。

 

 当初のエンジンは4気筒1.1L(48HP)で、4段変速で最高速140km/hの性能でした。1968年には1.3L(36HP)ディーゼルエンジンが追加され、このエンジンは当時世界最小の量産型ディーゼルエンジンでした。1969年には204のボディを拡大した304が登場しました。1976年に生産中止となり総生産台数は約160万台でした。1970年頃の204はフランスのベストセラーカーだったそうです。204の生産中止でサイズの大きな304が後継となっていましたが、1982年に同じようなサイズの205が登場しました。

 

 

 ミニカーは1965年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。フロントグリル全体が銀色の塗装で再現されているので、グリルが平板な感じがするのがいまいちですが、全体のプロポーションはディンキー(仏)の常でうまく出来ていました。ディンキー(仏)はカブリオレもモデル化していました。これ以外の204の当時物ミニカーはノレブのセダン/クーペ/ブレーク、ディンキーをコピーしたオートピレンとメトスルなどがありました。当時物以外ではノレブの新製品、イクソ系のノスタルジーなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PEUGEOT 204 1
PEUGEOT 204 2

 以下は1965年頃に発売されたノレブ製の当時物 プジョー 204 (1/43 型番5)の画像です。ノレブ初期のプラスチック製で、プロポーションが良く当時のミニカーとしては良く出来ていました。ボンネットとトランクとスライディングルーフの開閉ギミック付です。ただしノレブ初期物のほとんどは経年変化でプラスチックが変形する問題があり、これもウィンドスクリーンやボンネットが大きく変形しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 204 3
PEUGEOT 204 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 204 5
PEUGEOT 204 6

 以下は1968年頃に発売されたディンキー(仏)製の当時物 プジョー 204 カブリオレ (1/43 型番511)の画像です。上記のディンキー(仏)製セダンのバリエーションです。これもディンキー(仏)らしい良い出来ばえで、ドア開閉ギミック付です。なおこの個体だけの問題だと思いますが、ボディが少し弓なりに変形しています。ダイキャスト製ボディが変形するのは粗悪なダイキャスト素材が原因であることが多いので、これもその類で症状の軽いものだと思いますが、屋根のないボディだとこんな具合に弓なりの変形となります。ただしディンキー(仏)のような老舗ブランドでこのような変形が起こることは珍しいです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 204 CABRIOLET 1
PEUGEOT 204 CABRIOLET 1

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 204 CABRIOLET 3
PEUGEOT 204 CABRIOLET 4

 以下は1968年頃に発売されたノレブ製の当時物 プジョー 240 クーペ (1/43 型番147)の画像です。上記のノレブ製セダンのバリエーションです。これもプロポーションが良くクーペのスタイルがうまく再現され、ボンネット/ドア/ハッチバックの開閉ギミック付きです。残念ながらこれもプラスチックの経年変化でウィンドスクリーンやボンネットが大きく変形しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 204 COUPE 1
PEUGEOT 204 COUPE 2

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/ハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 204 COUPE 3
PEUGEOT 204 COUPE 4

 以下は1966年頃に発売されたノレブ製の当時物 プジョー 240 ブレーク (1/43 型番32)の画像です。上記のノレブ製セダンのバリエーションです。これもプロポーションが良くブレークのスタイルがうまく再現され、ボンネットの開閉ギミック付です。これも残念なことにプラスチックの経年変化でウィンドスクリーンやボンネットが大きく変形しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 204 BREAK 1
PEUGEOT 204 BREAK 2

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 204 BREAK 3
PEUGEOT 204 BREAK 4

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PEUGEOT J7 ROAD SERVICE 1965 FRANCE

PEUGEOT J7 ROAD SERVICE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT J7 ROAD SERVICE


DINKY(FR) 570A 1/43 109mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.74m 全幅約2m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 52HP 4段変速
性能: 最高速100km/h 積載量 1.4/1.8t データーベースでプジョー J5/J7/J9のミニカー検索

プジョー J7 道路工事車 フランス 1965年

 

 1930年代までの初期の商用車(バン、トラック、バスなど)は乗用車をベースにしたものがほとんどでした。世界最古の自動車メーカーであるプジョーも、初期には乗用車をベースにしたトラックなどの商用車がありました。ただ第2次大戦以前の乗用車(商用車)市場ではルノーが圧倒的なシェアを確保していました。

 

 戦後プジョーは車体製造会社のショーソン社を傘下に収め、そのショーソン傘下のシェナール & ウォルカー社が開発した小型商用車CPVを1950年にプジョー D3として発売しました。D3は戦前の202の4気筒1.1Lエンジンを運転席の足元に配置した前輪駆動車で、突き出したノーズ(豚の鼻と呼ばれたエンジン搭載部)が特徴のワンボックス車でした。(なお初期のCPV>は小型の2気筒エンジンだったので、ノーズは突き出していませんでした) 1950年にエンジンを1.3LにパワーアップしD3Aとなり、1955年に外観はほとんど同じでマイナーチェンジしたD4となりました。1959年には1.8Lディーゼルエンジンが追加されました。(実車画像→ シェナール & ウォルカー 初期のCPVプジョー D3)

 

 

 1965年にD4はJ7にモデルチェンジしました。J7も前輪駆動車で、エンジンは4気筒1.5L/1.6Lと4気筒1.9L/2.1Lディーゼルで、運転席下に配置していました。バン、ピックアップ、ミニバス、消防車などがあり、積載量は1.4/1.8tでした。1.8Lガソリン/2.3Lディーゼルエンジンが追加されるなどして、1980年までに約34万台が生産されました。後継車は1981年に登場したJ9でした。同じ年にJ9より積載量の多いJ5が登場し、J5は2004年にエキスパート(シトロエン ジャンピーと姉妹車)となりました。J9は1993年にボクサー(シトロエン ジャンパーと姉妹車)となりました。(実車画像→ プジョー J9)
 プジョー 商用車のミニカー→ データーベースでプジョー D3/D4のミニカー検索
データーベースでプジョー エキスパートのミニカー検索
データーベースでプジョー ボクサーのミニカー検索

 ミニカーはディンキー(仏)製の当時物です。ディンキー(仏)らしいリアルな造形で、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。J7の道路工事車をモデル化していますので、屋根に取り付ける工事車両の表示パネル「CHANTIER MOBILE(道路工事)」が付属しています。スライドドア/リアドアがスムーズに開閉するギミック付きで、室内は運転席中央にあるエンジンの出っ張りや広い荷物スペースなどが再現されています。室内には円錐コーン、道路標識を積載し、工事作業者のフィギュアも付属しています。なお当時のディンキー(仏)のミニカーには紙シールのナンバープレート(前後分)が付いていて、このJ7にもそれを貼ってあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PEUGEOT J7 AUTOROUTES 1
PEUGEOT J7 AUTOROUTES 2

 以下は右側スライドドアの開閉動作の画像とジオラマ仕立ての梱包箱とフィギュアと付属品の画像です。(画像のマウスオーバーやタップで動画がスタートします)
PEUGEOT J7 AUTOROUTES 3
PEUGEOT J7 AUTOROUTES 4

 昔からの老舗ミニカーブランドは乗用車だけではなく、レースカー、商用車、公用車、産機、農機など自動車全体をバランス良くモデル化していました。したがってこんな具合に商用車でジオラマ的な楽しみ方ができるのも昔のミニカーの良いところでした。これ以外のプジョー J7の当時物ミニカーとしてはディンキー(仏)のバリエーションやノレブのプラスチック製、ソリド製(1/50)があります。当時物以外では、エリゴールやノレブなどがあります。  以下は1976年に発売されたソリド製の当時物 プジョー J7 ミニバス (1/50 型番355)の画像です。ボディ側面に表示された「TRANSPORT D'ENFANTS」とはCHILDREN’S TRANSPORTの意で園児の送迎バスをモデル化しています。室内を見ると運転席2座と4列3座シートの16人乗りとなっています。テールゲートが開閉するギミック付きです。安価なミニカーでしたが、室内がそこそこ再現されていて、テールゲートが開閉するギミック付きで良く出来ていました。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT J7 MINIBUS 1
PEUGEOT J7 MINIBUS 2

 以下はフロント/リアの拡大画像とリアドアの開閉動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT J7 MINIBUS 3
PEUGEOT J7 MINIBUS 4

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MATRA JET 6 1965 FRANCE

MATRA JET 6
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MATRA JET 6


MINIALUXE  1/43 95㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.22m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 105HP 4段変速
性能: 最高速200km/h  データーベースでマトラ ジェットのミニカー検索

マトラ ジェット 6 フランス 1965年

 

  若き技術者シャルル ドイッチェ(Charles Deutsch)とルネ ボネ(Rene Bonnet)が戦前に興したDB(Deutsch-Bonnet)社はシトロエンをベースにしたレースカーを開発していました。戦後の1950年代にパナールをベースにして開発したDB パナールがルマンで活躍するなどして、DB社はスポーツカーメーカーとしての地位を築きつつありました。(実車画像→ DB パナール HBR 1955) 1962年にシャルル ドイッチェがDB社から離れ、DB社はルネ ボネ社に改名し、パナールのエンジンを搭載した車の開発を続けました。そのルネ ボネ社を軍事用ミサイルメーカーのマトラ社が買い取って、1964年に自動車部門として設立させたのがマトラ スポーツ社でした。

 

 マトラ スポーツ社はルネ ボネ社が1963年に市販した世界初の市販ミドシップエンジン搭載車ジェットの細部を変更して、マトラ ジェットとして1965年に登場させました。ボディはFRP製で、ルノー 8用の4気筒1.1L(70HP)エンジンを搭載し最高速170km/hのジェット 5からルノー 8 ゴルディーニ用の4気筒1.3L(105HP)エンジンを搭載した最高速200km/hのジェット 6など数種類のチューンがありました。高価格で実用性が低かったので商業的には失敗作でしたが、高度な内容を持つ車でした。1967年に後継車のマトラ M530が登場しました。

 

 

 ミニカーは1970年代に発売されたフランスのMINIALUXE製です。(発音が違うかもしれませんが、MINIALUXEはミニオールと呼んでします) ミニオールは1950年代から1970年代後半までプラスチック製のミニカーを製造していました。クラシックカーのTACOTSシリーズとフランス車を中心とした当時物の現代車シリーズがありました。(参照ページ→ ミニオールのクラシックカー ミニカー一覧) これは現代車シリーズの一台で、プラスチック製です。プラスチックの経年変化によるボディの変形は気になるほどではないですが、合成ゴムのタイヤに添加された可塑剤でホイールが溶ける問題が発生しています。溶けたホイールがやや見苦しいですが、実車のダイナミックなボディが良く再現されていて当時物ミニカーとしては良い出来ばえでした。これ以外のマトラ ジェットのミニカーはイクソ系のノスタルジー、ビザール(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MATRA SPORTS JET 6 1
MATRA SPORTS JET 6 2

 DB パナールのミニカー→データーベースでDB パナールのミニカー検索"

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BERLIET STRADAIR TRUCK 1965 FRANCE

BERLIET STRADAIR TRUCK
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BERLIET STRADAIR TRUCK


DINKY(FR) 569 1/43 175mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約7.5m 全幅約2.5m エンジン 変速機: 4気筒 5.9L ディーゼル 120HP 5段変速
性能: 最高速110km/h 最大積載量 5t データーベースでベルリエのミニカー検索

ベルリエ ストラデール トラック フランス 1965年

 

 ベルリエは自動車創世期に設立された自動車メーカーでした。第1次世界大戦中は、軍用トラックを生産していました。大戦後に乗用車生産を再開し、1920年代には4気筒の小型車から6気筒の大型車まで数モデルを販売していました。1929年のアメリカ株価大暴落による金融危機で景気が悪くなり、自動車の販売は低迷します。その影響で1930年代になると、ベルリエの乗用車は1934年に発売した11CVドーフィンだけになりました。この車もすぐに生産中止となり、その後のベルリエはトラック(後にバス追加)だけを生産するようになりました。

 

 ベルリエのトラックはほとんどが大型(一部中型)で、それををベースにしたバスもありました。1949年に登場したボンネット式トラックのGLシリーズは、そのトラクタ仕様のTL、全輪駆動仕様(3軸2駆動軸の6X4、3軸3駆動軸の6X6など)のGBなど派生車が多くあり、1970年代まで生産されました。(実車画像→ ベルリエ GLシリーズ) 1957年にはV型12気筒30L(600HP)ディーゼルエンジンを搭載した全長13mの当時世界最大のトラック T100が登場しました。(実車画像→ ベルリエT100) ベルリエは1967年にシトロエン傘下となり、1974年にはルノーに売却されて同じトラック製造のサビエムと合併しルノー トラックスとなりました。

 

 

 1965年に登場したベルリエ ストラデールは、トラックとしてはスタイリッシュなでユニークなデザインを採用していました。STRADAIRとはイタリア語のSTRADA(道路)とフランス語のAIR(空気)を組合わせた造語で、エアクッションとリーフスプリングを組み合わせた凝ったサスペンションを採用していることからつけられた名前のようです。このサスペンションは同様のサスペンションを採用していたシトロエン DSの影響を受けているように思います。なおエアクッションを使ったサスペンションは、荷重変化の大きいトラックに適したサスペンションで、現在のトラックでは主流となっています。

 ミニカーは1967年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。ストラデールの長尺平ボディトラックをモデル化しています。ディンキー(仏)らしいスケールモデル的なリアルな造形で、特徴的なボディだけではなく、車体下部のシャーシ、エンジン、サスペンションなどのメカ部分も良く再現されています。また昔のミニカーですから、このトラックの機能を再現した凝ったギミックが付いていました。これ以外のストラデールのミニカーは、ソリド(ベレム)の当時物、最近の物ではイクソやノレブ CIJの物があります。ベルリエの商用車は、ボンネットタイプのトラックのGL、TL、GBや、世界最大のトラック T100などを、ディンキー、ソリド、ノレブ、ブレキナなどがたくさんモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

berliet stradair 1
berliet stradair 2

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と荷台の開閉動作です。エンジンルーム内にはエンジン、ラジエータ、室内換気用?ダクトなどがかなりリアルに再現されています。荷台部分では側面のあおりが個別に開閉できます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
berliet stradair 3
berliet stradair 4

 以下はこのミニカーの最大の特徴である荷台を左右どちらにも傾けることができるギミック動作です。左右どちらに傾けるかどうかは、荷台の底にある2本のスライドレバーの位置で決まります。左側の画像ではレバーを下にスライドさせることで、画像下側(荷台右側)が回転軸に固定され、後方のハンドルを回すと荷台左側が上がります。右側の画像はその逆でレバーを上にスライドさせることで、画像上側(荷台左側)が回転軸に固定され、後方のハンドルを回すと荷台右側が上がります。当方の拙い説明ですぐに構造が理解できる人は少ないと思いますが、画像を何度か見ていただければなんとなく分かっていただけるのではないかと思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
berliet stradair dump1
berliet stradair dump2

 なぜこのミニカーのギミックについて詳しく書いているかというと、それはこのミニカーを設計した人の面白いものを作ってやろうという情熱とそれを実現させた創意工夫を知ってもらいたいからです。スケールモデル的に良く出来ている最近のミニカーも良いのですが、細かい部分を再現するのは単に工場で作る人の手間が掛かっているだけで、そこには設計した人の創意工夫といったものはあまり感じられません。現在のミニカーメーカー(特にレジン製)は矢継ぎ早に新製品をだしていますから、昔のように一つの新製品に時間をかけられないという事情があるのでしょう。しかし私のような昔からのコレクターとしては、あまり変わりばえのしない無個性な新製品をたくさん作るよりは、昔のコーギーやディンキーのような一味違う工夫がされたミニカーを少しづつ作って欲しいと思うのです。この私の考えに近いやり方をしているのは、国産ではトミカ リミッテドだと思います。(1/43サイズではないので私はあまり買いませんが、好きなブランドです)

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CITROEN 2CV 1966 FRANCE

CITROEN 2CV
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV


DINKY(FR) 500 1/43 89㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.78m 全幅約1.48m エンジン 変速機: 空冷水平対向2気筒 425cc 18HP 4段変速
性能: 最高速80km/h  データーベースでシトロエン 2CV 1965年以降のミニカー検索

シトロエン 2CV フランス 1966年

 

 1948年に発表されたシトロエン 2CV Aは当初その奇抜な外観を揶揄されましたが、合理的なフランス人は徐々に2CVの外観に慣れてその経済性と実用性を理解するようになりました。1951年には生産台数が1万台を超え、2CVは数年で広く普及していきました。名前のCVとは馬力という意味ですが、エンジン馬力ではなくフランスの課税馬力の単位です。実際には初期型は空冷2気筒375cc(9HP)エンジンを搭載し、1955年からは空冷2気筒425cc(12HP)エンジンを搭載し4段変速で最高速75km/hの性能でした。1963年には圧縮比を上げて18HPにパワーアップし最高速は80km/hとなりました。

 

 最高速は遅いですが、エンジンは総軽合金製、シンクロメッシュ付き変速機、前輪駆動方式と高度なメカが採用されていました。また前輪と後輪が関連して水平を保つユニークなサスペンションによる快適な乗り心地など自動車本来の機能はとても高度な車でした。平面ガラスの窓、キャンバストップの屋根、最低限の計器、ハンモック式シートなど内外装は素っ気ないですが、そのシンプルさが1970-1980年代になると他車にはない魅力となりました。

 

 

 1970年のマイナーチェンジでエンジンを435㏄(24HP)に拡大した2CV 4と新設計の602cc(29HP)エンジンの2CV 6の2タイプとなりました。(602ccエンジンは税制上は3CVとなりましたが、名前は2CV 6でした) この1970年のマイナーチェンジでフロントグリルが変更され、フロントフェンダーにウインカーが追加されテールライトが大型化されるなど外観が少しだけ目新しくなりました。その後も内外装のマイナーチェンジ、限定モデルのチャールストンやドーリーの追加などで時代に応じてアップデートを続けました。 さらに後ろを箱形の荷室にした商用バン、ジープタイプのメアリ、エンジンを前後に積んだ4WD車4X4サハラなどの派生車種も追加されました。最終的には排ガス規制や安全基準に対応できなくなり、1988年に40年間の長きにわたる生産が終了しました。

 ミニカーは1967年に発売されたディンキー(仏)の当時物で、1966年式をモデル化しています。ディンキーの最初の2CVは1950年に発売された型番24t(後に535に変更)で、その後1962年に型番558、さらに1967年にこの型番500が発売され、それぞれは実車の変更点(フロントグリル、リアクオータパネルのウインカー、リアクオータパネルのウィンドー、後ろ開きの前ドアなど)をきちんと再現しています。これは1966年式ですので、1965年に変更された後ろ開きの前ドアとリアクオーターパネルのウィンドーが再現されています。ヘッドライトにフランス車らしい黄色のラインストーンが使われ、ボンネット開閉ギミック付きで、空冷水平対向2気筒エンジンが再現されています。これ以外の当時物ミニカーとしては、ポリスティルの1/25、ビテス、ノレブ、ソリド、オートピレンなどがありました。当時物以外ではノレブの1/43と1/18、ソリドの1/43と1/18、ヘルパの1/87、オックスフォードの1/76、ミニチャンプス、ビテス、イクソなどたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアのk拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN 2CV 1
CITROEN 2CV 2

 以下は2014年に発売されたアシェット 国産名車コレクション製のシトロエン 2CV (1/43 No.215)の画像です。メーカーはイクソで、イクソのカタログモデル(型番 CLC206)を流用しています。ミニカーの台座には1963年と表示されていますが、フロントグリル形状とフロントフェンダーのウインカーと大型化されたテールライトは1970年のマイナーチェンジ後の仕様です。またリアには「2CV 6 CLUB」のロゴがあるので、1970年式の上級グレードのクラブとするのが正しいでしょう。最近のミニカーですので、小さなドアミラー、右リアフェンダー上のフィラーキャップ(給油口)など細かいところまで良く再現されていてとてもよく出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 3
CITROEN 2CV 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 5
CITROEN 2CV 6

 以下は1976年に発売されたノレブ製の当時物 シトロエン 2CV 6 1975 (1/43 型番843)の画像です。1974年に採用された角型ヘッドライトの2CVをモデル化しています。(なおこの角形ヘッドライトは評判が悪く1976年には元の丸いヘッドライトが復活しています) 初期のノレブはプラスチック製ミニカーが主流でしたが、1970年代には徐々にダイキャスト製ミニカーに移行していきました。これもこの頃のダイキャスト製ミニカー JET-CAR 800シリーズの1台です。このシリーズは廉価版ミニカー(当時の定価800円)でしたので安っぽいフリーホイールが使われているのが今一つですが、プロポーションなど基本的な造形はきちんとできています。ボンネット開閉ギミック付きで、簡単な造形ながらエンジンも再現されているなど値段以上によく出来ています。柔らかいサスペンションを持つ2CVは積載荷重による姿勢変化が大きいので、光軸を調整するためにヘッドライト左右がヘッドライト下の横棒で連結されていて光軸角度が調整出来るようになっていました。ボンネットを開くとその構造がそれらしく再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 7
CITROEN 2CV 6 8

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 9
CITROEN 2CV 6 10

 以下は1978年に発売されたソリド製の当時物 シトロエン 2CV 6 1975 (1/43 型番56)の画像です。これも上記のノレブ製と同じ角型ヘッドライトを持つ2CVをモデル化しています。これもどちらかというと廉価版ミニカー(当時の定価990円)の類でしたので、ライト類の塗装処理が省かれているなど仕上げが簡素化されています。ただまともなホイールを履いているので、ノレブのようなギミックはありませんが、ノレブ製より見た目が良い出来ばえになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 11
CITROEN 2CV 6 12

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 13
CITROEN 2CV 6 14

 以下は1977年に発売されたポリスティル製の当時物 シトロエン 2CV 6 1973 (1/25 型番S26)の画像です。縮尺が1/25ですので全長153㎜と大きなサイズですが、1/43を単に大きくしたようなやや大雑把な出来ばえです。キャビンも少し大きめにデフォルメされていて、プロポーション的には正確ではありませんが、2CVらしいデフォルメではあります。ドアが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 15
CITROEN 2CV 16

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 17
CITROEN 2CV 18

 以下は1978年に発売されたオートピレン製の当時物 シトロエン 2CV 6 (1/43 型番251)の画像です。 オートピレンは上述したディンキー(仏)の型を流用して数種類の2CVをモデル化していますが、これはライトを角形に変更したものです。ディンキー製を流用していますのでボンネットが開閉します。なおフロントグリルやテールライトを年式に合わせて変更していないあたりは、オートピレン初期の適当なやり方です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 19
CITROEN 2CV 6 20

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 21
CITROEN 2CV 6 22

 以下は2000年頃に入手したヘルパ製のシトロエン 2CV 6 (1/87 型番22562)の画像です。これはプラスチック製のミニカーで、全長約43㎜X全幅17mmの小さなサイズですが、細部まで実にリアルに出来ています。(室内もステアリングホイールやシートが再現されています) 1/87サイズのミニカーはこのヘルパ以外にブレキナやヴィーキングなどがありますが、いずれもドイツ製です。このサイズのミニカーのほとんどがプラスチック製なのは、細かいところまで成型できるからです。同じようなサイズをダイキャストでも成型できますが、金属は塗装する必要があり、一般的な吹付塗装をすると細かいところの造形が塗装で埋まってしまいます。したがってプラスチック素材に色を付けることで塗装する必要がないプラスチックが使われているのです。(最近は部分的に塗装しているものもありますが) なおこのミニカーに付けているナンバープレートは当方のナンバープレート作成ページのサンプルとして作成した物で、プレートのサイズは3.5㎜X1.7㎜で、写真用のコート紙に印刷しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 23
CITROEN 2CV 6 24

 以下はフロント/リアの拡大画像と大きさを比較する為に上記のビテス製の2CVと並べてみた画像です。これだけのサイズの違いがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 25
CITROEN 2CV 26

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