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マクラーレン F1 イギリス 1994年
1960年代後半のカンナムで一世を風靡したマクラーレンは、グループ4スポーツカーへの参入を目指していました。グループ4の認証には50台を生産する必要があり、公道走行仕様も計画されていました。カンナム用のM6Bをベースにしたクーペボディの試作車 M6 GTが1969年に完成しました。しかし市販車としての完成度を高めていた開発途中の1970年に、B.マクラーレンが事故死しこの車の開発計画は頓挫してしまいました。(実車画像→ マクラーレン M6 GT)
その後1990年にマクラーレンの市販車部門としてマクラーレン カーズが設立され、高性能スポーツカー開発が再開されました。1994年にマクラーレン初の市販車 F1が登場しました。前方跳ね上げ式のドアでレースカーそのものの精悍なデザインのボディは、カーボン複合材のモノコックで非常に軽量でした。ミドシップ搭載するエンジンはBMW製のV型12気筒6.1L(627HP)で、当時の市販車では世界最高出力でした。最高速390km/h、お値段約1億円もほぼ世界一でした。
マクラーレン F1はこのような高性能車でしたが、従来のスパルタンな高性能車(フェラーリ F40など)とは違い市販スポーツカーとしての快適性や操縦性に重きを置いていました。ケンウッドのオーディオやエアコンが標準装備され、ドライバーシートが中央にある3人乗りシート配置は一人乗車時の重量バランスを考慮したものでした。またスペアタイヤを廃してトランクスペースをホイールベース内に収め、重量バランスを最適化し操縦性を高めていました。レース仕様のGTRは1995年ルマンで総合優勝し、1997年ルマンで総合2位になるなど活躍しています。1997年に生産中止となりました。
その後のマクラーレンの市販車としては、開発と生産を行った2003年のメルセデス ベンツ SLR マクラーレンがありました。2009年にはマクラーレン オートモーティブが設立され、2011年にMP4/12C、2012年にP1などが登場しています。
ミニカーは1995年に発売されたミニチャンプス製の当時物です。ミニチャンプスとしては初期の物でしたが、ダイナミックなボディが良く再現されていてなかなかの良い出来ばえでした。室内も良く再現されていて、ドライバーシートが中央にありバックミラーが2つあることがわかります。ミニチャンプスにはレース仕様など約50種類ほどのバリエーションがあります。マクラーレン F1は人気があり、オートアート、イクソ、hpi レーシングなど多くのミニカーがあります。なお試作で終わったM6 GTをスパークとプレミアムXがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランドローバー レンジローバー II 4.6 HSE イギリス 1995年
レンジローバーの2代目が1995年に登場しました。ヘッドライトが角形に変更されましたがデザインは、初代のシンプルな造形を継承していました。ラダーフレームにリジッドアクスルの前後サスペンションの基本構成も、ビスカスカップリング式センターデフを持つ4WDシステムも先代と同じでした。ホイールベースが一本化され、4ドアのみのボディとなりました。エンジンはV型8気筒4L(190HP)/4.6L、6気筒2.5L(136HP)ターボディーゼル(BMW製)がありました。
2000年のマイナーチェンジで、ヘッドライトの意匠変更(ウインカーの色変更)が行われました。SUV市場の拡大による増加したライバルや廉価版のディスカバリー 2代目との差別化対応で、レンジローバーは装備を充実しさらに豪華になりました。コノリー社製本革電動シート、ウッドパネルなどを標準装備した4.6 HSEやさらに高級な4.6 ヴォーグ(VOGUE)などの仕様がありました。2002年にレンジローバー 3代目が登場しました。BMWが2000年に「ランドローバー」ブランドをフォードに売却したので、3代目はフォード傘下での登場となりました。 (実車画像→ ランドローバー ディスカバリー 2000)
ミニカーは2000年に発売されたオートアート製の当時物です。オートアートはアメリカのGATEWAY GLOBAL社のブランドで1998年に登場しました。ミニチャンプスの1/18を製造していた「UT モデル」が前身なので、主力の1/18の出来ばえには定評があります。オートアートの1/43はほとんどが1/18をベースにして作られているようで、1/18をモデル化する為に集めた詳細な実車の構造データは、開閉ギミックのない1/43でも室内やサスペンションなどの造形に使われています。このレンジローバーも1/18と1/43でモデル化されていますので、室内やドライブトレーンなどの細部がリアルに再現されています。サスペンションも良く再現されていて前輪が操舵できるギミックが付いています。ただオートアートは1/43サイズでは実車のイメージを再現するデフォルメがあまりうまくない物もあります。(1/43のデフォルメは1/18とは違うセンスが必要なのです) このレンジローバーはシンプルなボディデザインですので、その辺は問題がなく良い出来ばえです。オートアートは1/18も含めて10種類ほどをモデル化しています。オートアート以外では、ホンウエル、ブラーゴの1/24と1/43、オックスフォードの1/76などがありますが、初代レンジローバーに較べるとあまり人気が無いようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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MG MGF 1.8i VVC イギリス 1996年
MG ブランドの復活を目指して1993年にローバーからMG RV8が登場しました。MG RV8は1980年に生産中止となったMGBの設計を引き継いで内外装を近代化した2座オープンカーで、V型8気筒3.9L(190HP)エンジンを搭載し、最高速216km/hの性能でした。ただ中身は1960年代のままでしたので、生産性が悪く2000台の限定生産でした。なおそのほとんどは日本で販売されたそうです。(実車画像→ MG RV8)
MG RV8の発売と同時に新型のMG スポーツカーの開発も進められました。当時のローバーには新規にスポーツカーを開発する余裕がなく、既存の小型FF車 ローバー 100のコンポーネントを流用して2座オープンカー MG Fが開発され、1995年に登場しました。エンジンをミドシップ搭載した後輪駆動車で、当初はDOHC 4気筒1.8L(120HP)エンジンを搭載し、軽量なボディゆえ最高速195km/hと高性能でした。1996?にVVC(可変バルブタイミング機構)を採用し145HPにパワーアップしたエンジンが追加されました。2000?のマイナーモデルチェンジでMK IIとなり、6段半自動変速機「STEPTRONIC」が追加され、4気筒1.6L(110HP)エンジンも追加されました。さらにVVC仕様の1.8Lエンジンを160HPにパワーアップした「トロフィー(TROPHY) 160」仕様も追加されました。2002年にMG TFにモデルチェンジしました。MGFの総生産台数は約7.7万台でした。(実車画像→ MG TF)
ミニカーは1998年に発売されたユニバーサルホビー製です。ユニバーサルホビーはフランスの玩具メーカーで、同じフランスの鉄道模型メーカーであったジョエフのミニカー部門を1996年に引き継いでからミニカー市場に進出したようです。現在は主に農機/建機のダイキャスト製ミニカーを作っていますが、かつては「Eagle Race」ブランドなどで乗用車ミニカーも作っていました。このMGFはプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。室内などの細部も良く再現してあり良く出来ていました。ただ当方の保有するMGFは塗装前の下地処理が雑だったのか、ボディの塗装劣化がひどく表面が凸凹になっているのが残念です。これ以外のMGFのミニカーはディテールカー、コーギーの1/18などがあります。またRV8はネオ(レジン製)がモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロータス エリーゼ イギリス 1997年
1996年にロータス エランの後継車としてロードスター形式の2シータースポーツカー エリーゼが登場しました。エリーゼの最大の特徴はアルミ合金製のフレームとFRP製ボディによる極めて軽量な(約690kg)ボディで、当初のモデルはエアコンやパワステは付いていませんでした。当初はローバー製のDOHC 4気筒1.8L(122HP)エンジンをミドシップ搭載し、軽量なボディと優れた操縦性でレーシングカーのような車に仕上がっていました。1998年に可変バルブタイミング機構を追加して156HPにパワーアップした高性能版111Sが追加されました。
エスプリやエリートのような高級車路線がうまくいかなかったことで、エリーゼはロータス初期の安価なスポーツカー路線に回帰したモデルのようでした。ただしエリーゼは高価なアルミ合金製の車体構造だったので、価格は500-700万円と安くはありませんでした。2000年にはエリーゼをベースにしたワンメイクレース用のマシンとしてスポーツ エリーゼが設定され、その市販仕様としてエキシージが登場しました。2001年にシリーズ 2 (2代目)となり、ヘッドライト形状が変更されるなど外観が変更されました。シリーズ 2ではエアコンがオプション設定されるようになりました。2004年にトヨタ製のDOHC 4気筒1.8L(192HP)エンジンが追加され、2006年からはすべてがトヨタ製エンジンになりました。
2011年にシリーズ 3 (3代目)となり、ヘッドライトにウインカーが内蔵されるなど外観が変更されました。エンジンはトヨタ製のDOHC 4気筒1.6L(136HP)に変更され、カーオーディオやエアバックなどが設定されるようになりました。(車重は約900kgに増加しました) 2012年にトヨタ製のスーパーチャージャー付 DOHC 4気筒1.8L(220HP)エンジンを搭載した高性能版のエリーゼ S(最高速234km/h)が追加されました。2021年まで生産され後継車のエミーラが2022年に登場しました。(実車画像→ ロータス エミーラ)
ミニカーは1998年に発売されたビテス製です。倒産する前のビテス最盛期のミニカーでしたのでプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。灯火類や内装などの細部もリアルに仕上げてありとても良い出来ばえでした。ビテスは111Sなど十数種類のバリエーションも発売していました。ビテス以外のエリーゼのミニカーはサンスターの1/18、WELLYの1/18、オートアートの1/18、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー セラフ リムジン イギリス 1998年
ロールス ロイス社は航空機エンジン部門の不振により1971年に倒産しました。ロールス ロイス社の自動車部門は新しくロールス ロイス社として独立しましたが、メルセデス ベンツなどの新興高級車メーカーに押されて業績が悪化し1992年にはBMWと提携しました。1998年には親会社のビッカース社がロールス ロイスのブランド売却を決定し、BMWとフォルクス ワーゲンがこのブランドの争奪戦を行い最終的にはロールス ロイスのブランド使用権をBMWが取得し、フォルクス ワーゲンはロールス ロイスの会社とベントレーのブランドを取得しました。
1980年にシルバー シャドウ II/シルバー レイス IIの後継車としてシルバー スピリット(1995年からはシルバー ドーンに改名)/シルバー スパーが発表されました。その頃からヘッドライトが丸形4灯から角形に変更されました。BMWがロールス ロイス ブランドを取得した1998年にシルバードーン/シルバー スパーの後継車として新設計されたシルバー セラフが登場しました。エンジンは2002年までBMWが製造し、フォルクスワーゲンがロールス ロイスの生産/販売を行ないました。(この間のブランドの商標権はBMWからフォルクスワーゲンに貸し出されました) 最終的にフォルクスワーゲンはロールス ロイスの製造/販売を中止し、シルバー セラフも2002年に生産中止となりました。なおベントレーはフォルクスワーゲン傘下のアウディで製造/販売されています。
シルバー セラフは伝統的な大型グリルやバンパーを備えたデザインで、ボディ全体に丸みが付いていました。ボディはアルミ製からスチールに変更され、ハンドメイドだったボディ製造工程は一部が機械化されたようです。BMW製V型12気筒5.4L(326HP)エンジンを搭載し、電子制御サスペンションなど最新の電子機器を装備していました。姉妹車としてBMW製V型8気筒ツインターボ エンジンを搭載するベントレー アルナージがありました。BMW傘下で2003年に後継車のファントムにモデルチェンジしました。
1980年から1990年代のロールス ロイスはミニカーがあまりありません。実車が変わりばえしなかったのとロールス ロイスの威光が下落したことが原因でしょうか。このミニカーはシルバー セラフのストレッチ リムジンで、ロールス ロイスの100周年記念として2004年に限定品(5000台?)として販売されたものです。実車がでかいのでミニカーも全長150㎜と大きいです。メーカーは中国のPMCというブランドですが、前輪がステアするギミックが付いているので、そのギミックを採用することが多いオートアート系のメーカーが設計したと推察します。100周年記念でロールス ロイスが監修していることもあって、プロポーションが良く室内などの細部もリアルに再現されていて、かなり良い出来ばえでした。シルバー セラフのミニカーはフランクリン ミントの1/24ぐらいしかないので、車種的にかなり貴重です。(ダイキャスト製で値段も約1万円ほどと、レジン製のようには高くはなかったです) 以下はフロント(エンブレム拡大と前輪操舵ギミック動作)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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