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ヴォクスホール クレスタ PA フリアリー エステート イギリス 1961年
ヴォクスホール クレスタは前述したヴェロックスの上級モデルとして1954年に設定され、内外装が高級に仕上げられていました。1957年のモデルチェンジで4気筒はビクター FA、6気筒はヴェロックス/クレスタ PAとなりました。6気筒2.3L(73HP)エンジンを搭載したヴェロックス/クレスタは、3段変速で最高速136km/hの性能でした。ボディのデザインはGM風のアクの強いもので、あまりイギリスの保守層には受けそうにないものでした。
ただこの車の特注仕様のフリアリー エステートは、エリザベス女王が私用車として長年愛用されました。エリザベス女王はかつては自ら運転されていて、1965年に登場したクレスタ PCのフリアリー エステートを女王が運転されている写真(参照画像→クレスタ PCを運転するエリザベス女王)があるので、女王はよほどこの車がお気に入りだったようです。女王の車ということとその個性的なデザインで、クレスタ PAは戦後のヴォクスホールでは最も有名なモデルとなりました。1962年に2.6L(104HP)エンジンが追加されPBにモデルチェンジされるまでに、約8万台が生産されました。なおPBはエステートも含めてごく平凡なデザインになっています。(参照画像→ヴォクスホール クレスタ PA)
ミニカーは2010年に発売されたオックスフォード製です。オックスフォードは2009年から輸入されるようになったイギリスの新ブランドで、コーギーのブランドであるバンガーズに似たノスタルジックな作風で、主に古いイギリス車をモデル化しています。このフリアリー エステートは個性的なリアのデザインが良く再現されていて、少しレトロな感じの作風がいい味をだしています。なおPAとPBの当時物はスポットオンがモデル化していました。PAのミニカーはバンガーズもモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード コンサル クラシック (輸出名 コンサル 315) イギリス 1961年
前述したコンサルは1956年にMK IIに発展し1962年まで生産されました。コンサルの後継車としてコンサル クラシックが1961年に登場しました。コンサル クラシックはデザイン的には人気のあったアングリアとよく似ていて、4灯式ヘッドライトを採用してアメリカ車的な味付けをより一層強めた物でした。4気筒1.3L(55HP)/1.5L(60HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速135km/h(1.5L)の性能でした。4ドアと2ドアが有り、2ドアをベースにしてスポーティなルーフに変更したクーペ仕様はカプリ(輸出名 コンサル 335)という別名が付けられました。
当初カプリは輸出仕様だけだったのですが、1962年からイギリスでも販売されました。カプリにはエンジンをチューンした高性能版のGTが1963年に追加されました。クラシックとカプリは1963年まで生産され、クラシックは約11万台、カプリは約2万台が生産されました。なお当時のフォードではこの生産台数は失敗作の類だったようです。あまりにアメリカ車的なデザインが一般大衆に受け入れられなかったのが原因でしょう。クラシックは1963年にコンサル コルセアにモデルチェンジしました。
ミニカーは1961年に発売されたコーギーの当時物です。1960年代のミニカーですから、ライト類が塗装処理となっている素朴な作りです。それでも特徴的なルーフやフロントグリル/リアのテールフィンなどアメリカ車的な感じが良く再現されています。(ボンネットが前ヒンジで開閉するので、隙間が少し目立っていますが) なお室内の造形についてはそれらしい物が付いているといったレベルでした。これ以外の当時物ミニカーとしてはスポットオンとノレブ(プラスチック製)とディンキー(英)のカプリなどがありました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリア/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クーパー T53 F1 イギリス 1961年
1959年のF1シーズンを席巻したクーパー T51 F1の改良型クーパー T53 F1が1960年に登場しました。T53は新しい鋼管フレーム構造を採用したことで、T51より低くスマートになりました。コヴェントリー クライマックス製のDOHC 4気筒2.5L(240HP) FPFエンジンを搭載し、リアサスペンションはT51のリーフスプリングからコイルスプリングに変わりました。デビュー戦は1960年のモナコ GP(ドライバー B.マクラーレン)で2位でした。1960年シーズンは10戦中6勝の成績で、コンストラクターズとドライバーチャンピオンを連覇しました。
クーパーが大活躍したことで、ロータスやフェラーリがミッドシップエンジン方式のマシンを開発し、クーパーの優位性は失われていきました。1961年からF1の排気量が1.5Lに変わり、クーパー T55が登場しました。(実車画像→ クーパー T55) T55はイタリアGPで3位となりましたが、それ以上の成績は上げていません。1962年にはクーパー T60が登場し、モナコGPでB.マクラーレンのドライブで久しぶりの優勝をしました。(実車画像→ クーパー T60) 1963年にはクーパー T66が登場しましたが、ほとんど活躍しませんでした。(実車画像→ クーパー T66) 1966年にF1の排気量が3L(過給付1.5L)に変わり、マクラーレンの3Lエンジンを搭載したクーパー T81が登場しました。
ミニカーはブルム製で、2000年頃に発売されました。1960年のイギリス GPの優勝車(ドライバー J.ブラバム)をモデル化しています。実車の雰囲気がうまく再現されていて、リアサスペンションのコイルスプリングがそれらしく再現されているなど細部もそこそこリアルに仕上げられ、良く出来ています。ブルムはT53を4種類モデル化しています。これ以外のT53のミニカーではディンキーの当時物や、シュコーの1/18、スパークなどがあります。T66のミニカーはポリトーイ(初期のプラスチック製)の当時物 1/41がありました。 以下はフロント/リアの拡大画像とコクピットの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オースチン ミニ カントリーマン イギリス 1962年
ミニのエステート(ワゴン)仕様であるオースチン セブン カントリーマンとモーリス ミニ マイナー トラベラーは1960年に登場しました。エステートより少し前に発売されていたホイールベースが104㎜(全長が245㎜)長い商用バンをベースにしており、リアには上下又は観音開きのドアがついていました。上級仕様車には、後部の荷室部分とリアドアに木製の飾り板が付いていました。これはアメリカ車のワゴンなどで見られる高級車風の飾りでした。
業務用として商用バンとピックアップトラックがあり、どちらもロングホイールベースでした。リアクォーターウインドウが無いパネルバンはイギリスでは税金が安くなるそうで、パネルバンが乗用的な使われ方もしたようです。1969年にミニの高級版としてクラブマンが登場し、1970年にカントリーマンとトラベラーはクラブマン エステートに切り替わりました。
ミニカーは、2015年に発売された国産名車コレクションで、メーカーはイクソです。横バーが目立つオースチンのフロントグリルとエンブレムなどが結構きちんと作ってあり、まずまずの出来ばえです。ただボディ後部の飾り板を塗装ではなく別パーツにすれば、ぐっとリアルになるのですが、そこはやや残念です。ミニのバンやエステートの当時物ミニカーは、ディンキー、コーギー、スポットオンのイギリス老舗ブランドがそれぞれ数種類をモデル化しているので、当時の人気ぶりが伺えます。最近の物では、エブロ、京商(1/18)、バンガーズ、オックスフォード、ホンウェルなどでたくさんモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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モーリス 1100 イギリス 1962年
ミニの成功に続いて主任技術者アレック イシゴニスが手がけたのは開発番号ADO16と呼ばれるミニの上級車でした。横置エンジンの前輪駆動方式でボディの4隅にタイヤを配したスペース効率の高い基本設計はミニを踏襲していました。サスペンションはゴムのスプリングに液圧式の前後輪関連懸架機能を追加した、ハイドロ ラスティック方式というユニークな方式でした。
ボディはピニンファリーナのデザインで、イギリス車らしいオーソドックスなフロントとテールフィンの付いた独特なリアがうまく融合したシンプルながら美しいデザインでした。最初のADO16はモーリス 1100で、1962年にデビューしました。BMC Aタイプと呼ばれる4気筒1.1L(50HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速125km/hの性能でした。1967年にはテールフィン部分を変更したMK IIにマイナーチェンジし、1.3Lエンジンが追加されるなどして1971年頃まで生産されました。優れた操縦性、居住性も相まって、ADO16シリーズはミニ同様に大ヒットしました。
ミニカーはビテス製で1998年頃に発売されました。ビテスはモーリス、オースチン、MGなどADO16シリーズを20種類ほどモデル化しています。ビテスのADO16シリーズはプロポーションが良く、グリルやホイールなど各ブランドの違いをきちんと作り分けてあるので、集めると楽しいシリーズです。当サイトではモーリス、オースチン、MG、バンデン プラを紹介しています。モーリス 1100の当時物ミニカーとしてはディンキー、スポットオン、テクノなどがありました。最近の物ではヴァンガーズがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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