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ジャガー MK IX イギリス 1958年
上述したMK IVの後継車として戦後型の新型サルーンとしてジャガー MK Vが1948年に登場しました。シャーシは新設計され、ボディは3.5 サルーンより大きくなり、ヘッドライトがフェンダーに組み込まれて少しだけ新しい外観になりました。エンジンはMK IVと同じ6気筒2.7L/3.5Lを搭載していました。4ドアセダンと2/4ドア ドロップヘッド クーペがあり、4段変速で最高速155km/h(3.5L)の性能でした。
1950年にはボディと一体化したフェンダーを持つ近代的なデザインを採用したMK VIIが登場しました。(なおMK VIは欠番で存在しません) シャーシはMK Vのままでしたが、エンジンはXK120と同じDOHC 3.5L(160HP)を搭載し、最高速168km/hと大型車ながらもかなり高性能でした。同等の性能をもつベントレーなどの高級車よりも安く、XK120をイメージさせるダイナミックなスタイルのMK VIIはアメリカ市場で好評を博しました。MK VIIは1956年にフロントグリルを変更しエンジンを210HPにパワーアップしたMK VIIIに、1958年に3.8L(220HP)エンジンに変更したMK IXに発展しました。1961年に大型化されたMK Xにモデルチェンジしました。MK VからMK IXの総生産台数は約47000台でした。
ミニカーは2010年に発売されたオックスフォード製で、MK IXをモデル化しています。正確なプロポーションと実車に即したツートンカラーで、この古典的な高級大型車の雰囲気が良く再現されています。オックスフォードはこの類のクラシックカーを安価なダイキャスト製でかなり良い出来ばえで作ってくれる有難いブランドです。(このMK IXは定価4620円でした) オックスフォードはMK V、MK VII、MK VIIIもモデル化しています。オックスフォード以外では、ネオ(レジン製)のMK Vと MK VIII、イクソの MK VIIなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー MK II 3.8 イギリス 1960年
1959年にジャガー MK Iの改良版のMK IIが登場しました。ボディ全体のフォルムはほとんど同じでしたが、キャビン部分が設計変更されて窓枠部分が細くなりウインドー面積が広がり開放的で近代的なキャビンとなりました。フロントグリル形状とヘッドライトなど灯火類の配置も変更されました。また先代の6気筒2.5L/3.4Lエンジンに加えて、MK IXに搭載されていた6気筒3.8Lエンジン(220HP)が追加され、リアトレッドの拡大などで操縦安定性が改良されました。パワーステアリングや3速自動変速機の設定もありました。
1960年にジャガーは業績の悪化したディムラーを吸収合併しました。1962年にはMK IIのフロントグリルなどを変え内装を豪華にしたディムラー版の2.5 V8 サルーンが登場しました。ディムラー版はディムラー製のV型8気筒2.5L(140HP)エンジンを搭載し、自動変速機仕様のみで最高速183km/hの性能でした。1963年にはMK IIの発展型のS タイプが登場しました。(実車画像→ ジャガー S タイプ)
1960年代中頃になると売り上げが低迷したため、値段を下げるべく1967年にコストダウンを主体としたモデルチェンジが行われました。このモデルチェンジでMK IIは3.8Lエンジンが外されて名前が240/340に変わり、ディムラー版は250に変わり、1969年まで生産されました。1968年に実質的な後継車であるXJ6が登場しました。
ミニカーは1996年頃に発売されたビテス製です。3.8Lエンジン搭載のMK II 3.8をモデル化しています。プロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されています。またフロントグリル上のジャガーのマスコットや室内の木目パネルのインパネなど細かいところも良く再現されていて、かなり良い出来ばえです。ビテスはバリエーションで3.4L仕様、ラリー仕様、ディムラー版の2.5 V8など20車種以上をモデル化していました。MK IIの当時物ミニカーはディンキー(英)、マッチボックスがありました。当時物以外では、コーギー、バンガーズ、マイスト、ミニチャンプス、オックスフォードの1/43と1/76、シュコーの1/87などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像と室内の/画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー MK X イギリス 1961年
ジャガー MK IXの後継車としてMK Xが1961年に登場しました。主要な市場であったアメリカの要望を受け、ボディは全長5.1m 全幅1.94mに大型化されました。車高は1.38mと低められたので、幅広く低い堂々たるスタイルになりました。丸型4灯式ヘッドライトを採用した独特のフロント周りはイギリス車らしいエレガントなデザインで、このスタイルはその後のジャガーの基本となりました。サスペンションには4輪独立懸架が採用され、MK IXの6気筒3.8L(255HP)エンジンを継承し、4速マニュアルか3速自動変速機仕様で最高速196km/hの性能でした。
1964年にはエンジンが4.2L(288HP)に拡大され、1966年にはフロントグリルが2分割風に少し変更されて車名が420Gに変わりました。420Gにはホイールベースを延長したリムジーンが追加され、これをベースにして1968年にはディムラー DS420が登場しました。なお前述したMK IIの発展型のSタイプのフロントをMK Xと同じようなデザインにしたモデルが420と言う名前で1966年に登場していますが、これと420Gは別物です。(実車画像→ ジャガー 420) 1968年に後継車であるXJ6が登場し、420Gは1970年に生産中止となりました。MK Xと420Gの総生産台数は約24000台でした。
ミニカーは2000年頃に発売されたノレブ製です。ノレブは1965年にMK Xの当時物ミニカー(プラスチック製 型番19)を発売していました。これはそのプラスチック製ミニカーの型を流用して、塗装や仕上げなどをリファインして新製品として2000年頃に発売された物でした。元々の当時物ミニカーはプロポーション的には良い出来ばえでしたが、その型を手直してボディの塗装や細部の仕上げに手を掛けたリファイン版は、元の当時物とは別物のように見える良い出来ばえのミニカーに仕上がっています。ドア開閉などのギミックはありませんが、サイドウインドーが上下するギミックが追加されています。(左右のサイドウインドー4枚を個別に上下できます) 以下はフロント/リアの拡大画像とサイドウインドー上下ギミック/室内の画像です。
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ジャガー E タイプ イギリス 1961年
XKシリーズの後継車として1961年に登場した2シーターのスポーツカーがE タイプでした。当時ジャガーはC タイプやD タイプがレースで活躍していたので、その関連でE タイプと名付けられました。ロングノーズ/ショートデッキのスポーツカーのお手本のようなボディは実にかっこいいです。(現代的な感覚では無駄が多いですが) エンジンはMK II 3.8と同じDOHC 6気筒3.8L(265HP)を搭載し、4輪独立懸架サスペンション、4輪ディスクブレーキ、4段変速で最高速は240km/hと高性能でした。
当初はオープンのロードスターとクーペの2タイプでした。ロングノーズの華麗なデザインで高性能ながら安価であったE タイプは人気を博し、アメリカなどで大ヒットしました。ただ初期のE タイプはスポーツカーとしては良かったのですが、フルシンクロではない変速機、居住性が悪いバケットシート、内装に使われた高級感がないアルミパネルなどが不評でした。1964年のマイナーチェンジで、エンジンが4.2Lに拡大されトルクがアップし、変速機がフルシンクロ化され、ブレーキが改良され、問題のあったシートなどの内装も見直されました。 続きは→E タイプ 2+2
人気の高いE タイプのミニカーはたくさんあります。最初に紹介するのは1986年頃に発売されたBブラーゴ製の1/18です。Bブラーゴは1976年に登場した大スケールミニカーの先駆メーカーで、同社の標準は1/24だったのですが、これはダイヤモンドシリーズと称する1/18で、1/24よりも仕上げレベルを上げたものでした。左ハンドルですので、輸出仕様の初期型をモデル化しています。ボンネット/ドア/トランクが開閉し、エンジン/サスペンションや室内などが再現されています。特にアルミパネルのセンターパネルやメーターパネルなどの内装はよく再現されています。 以下はフロント/リアの拡大画像とドアを開いた室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー E タイプ 2+2 イギリス 1966年
ジャガー E タイプには1966年にホイールベースを延長しルーフラインを変更して+2座を確保した2+2が追加されました。このホイールベースの延長により3段自動変速機が搭載できるようになり、居住性の改良とあいまってE タイプはさらに人気が高まりました。 1968年にはアメリカの安全基準に合わせてヘッドライトのカバーが無くなり、バンパーが大型化されるなどの変更が行われ、シリーズ 2になりました。同時に3本だったワイパーが一般的な2本に変わりました。またエンジンは排ガス対策で230HPぐらいまで性能が落ちました。
1971年には排ガス対策で低下していた性能を回復させる為に新開発したV型12気筒5.4L(272HP)エンジンを搭載したシリーズ 3が登場しました。クーペが廃止されて、ロードスターと2+2の2タイプとなりました。外観ではフロントグリルに格子が付き、前後のホイールアーチーには太くなったタイヤに合わせてフレアーが追加され、全体的に迫力が増したスタイルになりました。オイルショックでスポーツカーの需要が減り1975年に生産中止となりました。E タイプの総生産台数は約72000台でした。後継車は1975年に登場したXJSでした。
ミニカーは1968年に発売されたコーギーの当時物です。全長を短くし幅を広くしたコーギー流のデフォルメがされていて、実車とは少しプロポーションが違っています。スケールモデル的な観点からは今ひとつなのですが、当時のコーギーが得意としたギミックを楽しめるミニカーとしては傑作ミニカーと言って良いと思います。1970年にはホイールをフリーホイールに変更してドア開閉ギミックを外した仕様変更品(型番374)に変わりました。なおこのミニカーのギミックの詳細はこちらのページでご覧ください。→ジャガー E タイプ 2+2のギミック 以下はフロント/リアの拡大画像とボンネット開閉/テールゲート開閉ギミック画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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