ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

VAUXHALL VICTOR FA 1957 UK

VAUXHALL VICTOR FA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VAUXHALL VICTOR FA


VANGAURDS VA03810 1/43 101㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.24m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 48HP 3段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでヴォクスホール ビクターのミニカー検索

ヴォクスホール ビクター FA イギリス 1957年

 

 1910-20年代の傑作車プリンス ヘンリーで有名であったヴォクスホール モーターズ社は、1925年にアメリカのGMに買収されました。その後GM傘下ながらも、ヴォクスホールはイギリスの国情に合った独自の車両開発を行いました。乗用車では小型車から大型車までのラインアップを整え、商用車ではベッドフォード(BEDFORD)ブランドを展開し、戦前には年間6万台を生産する量産メーカーになっていました。

 

 戦時中は軍用トラックやベッドフォード エンジンを搭載したチャーチル歩兵戦車などを生産しました。戦後は1946年から乗用車生産を再開し、1951年には戦前型を改良しフラッシュ サーフェス ボディを採用した4気筒1.5L(45HP)エンジン搭載のワイバーン(WYVERN)と、同じボディに6気筒2.3L(55HP)エンジンを搭載するヴェロックス(VELOX)が登場しました。(参照画像→ヴォクスホール ワイバーン)

 

 

 1957年にワイバーンの後継としてビクターが登場しました。GMグループのドイツのオペル レコードをベースにした車で、4気筒1.5L(48HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速120km/hの性能でした。フロントスクリーンの形状や派手なモールなどアメリカ車的なデザインが採用されていました。1961年までに約40万台が生産され、商業的にはかなり成功したようです。1960年に後継車のビクター FBが登場し、1963年にビクター FC、1966年にビクター FD、1972年にビクター FEと続きました。(いずれもオペル レコードがベースでした)

 ミニカーは2005年に発売されたバンガーズ製です。プロポーションが正確な上に、実車に即したツートンカラーやレトロな作風で実車の雰囲気が良く再現されたミニカーになっています。全体的にはレトロな作風ながら、フェンダーミラーやエッチング材のワイパーは現代風に仕上げてあります。クローム モールやテールライトの塗装処理やヘッドライトへのラインストーン埋込みなどは昔のコーギー風で、この辺の処理は老舗ブランド コーギーの昔なじみのファンに対する心使いでしょう。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VAUXHALL VICTOR FA 1
VAUXHALL VICTOR FA 2

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VAUXHALL CRESTA PA FRIARY ESTATE (Queen Elizabeth II) 1961 UK

VAUXHALL CRESTA PA FRIARY ESTATE (Queen Elizabeth II)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VAUXHALL CRESTA PA FRIARY ESTATE (Queen Elizabeth II)


OXFORD VFE003 1/43 106㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.6m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 6気筒 2.3L 73HP 3段変速
性能: 最高速136km/h  データーベースでヴォクスホール クレスタのミニカー検索

ヴォクスホール クレスタ PA フリアリー エステート イギリス 1961年

 

 ヴォクスホール クレスタは前述したヴェロックスの上級モデルとして1954年に設定され、内外装が高級に仕上げられていました。1957年のモデルチェンジで4気筒はビクター FA、6気筒はヴェロックス/クレスタ PAとなりました。6気筒2.3L(73HP)エンジンを搭載したヴェロックス/クレスタは、3段変速で最高速136km/hの性能でした。ボディのデザインはGM風のアクの強いもので、あまりイギリスの保守層には受けそうにないものでした。

 

 ただこの車の特注仕様のフリアリー エステートは、エリザベス女王が私用車として長年愛用されました。エリザベス女王はかつては自ら運転されていて、1965年に登場したクレスタ PCのフリアリー エステートを女王が運転されている写真(参照画像→クレスタ PCを運転するエリザベス女王)があるので、女王はよほどこの車がお気に入りだったようです。女王の車ということとその個性的なデザインで、クレスタ PAは戦後のヴォクスホールでは最も有名なモデルとなりました。1962年に2.6L(104HP)エンジンが追加されPBにモデルチェンジされるまでに、約8万台が生産されました。なおPBはエステートも含めてごく平凡なデザインになっています。(参照画像→ヴォクスホール クレスタ PA)

 

 

 ミニカーは2010年に発売されたオックスフォード製です。オックスフォードは2009年から輸入されるようになったイギリスの新ブランドで、コーギーのブランドであるバンガーズに似たノスタルジックな作風で、主に古いイギリス車をモデル化しています。このフリアリー エステートは個性的なリアのデザインが良く再現されていて、少しレトロな感じの作風がいい味をだしています。なおPAとPBの当時物はスポットオンがモデル化していました。PAのミニカーはバンガーズもモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VAUXHALL CRESTA PA FRIARY ESTATE (Queen Elizabeth II) 1
VAUXHALL CRESTA PA FRIARY ESTATE (Queen Elizabeth II) 2

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VAUXHALL VIVA HA 1963 UK

VAUXHALL VIVA HA
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VAUXHALL VIVA HA


DINKY(UK) 162 1/43 93㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.94m 全幅約1.51m エンジン 変速機: 4気筒 1L 44HP 4段変速
性能: 最高速125km/h  データーベースでヴォクスホール ビバのミニカー検索

ヴォクスホール ビバ (ヴィヴァ) HA イギリス 1963年

 

 1963年に1Lクラスの小型車としてヴォクスホール ビバ HAが登場しました。ビバはその前年に発表されたGM傘下のオペルの小型車カデットに少し手を加えた兄弟車でした。4気筒1L(44HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速125km/hの性能でした。性能もデザインもカデットとほとんど同じでしたが、発表から1年も経たずに10万台が生産されて本家同様の大ヒット車になりました。1966年にHB、1970年にHCとモデルチェンジされました。

 

 オペル カデットの成功でGMはグループ内の車種の国際的な共通化を進めるようになり、市場が大きく開発能力の高いオペルがGM ヨーロッパでは主導権を握ることとなりました。そんなわけで1970年以降はオペルとの共通化が進められ、ヴォクスホールの独自開発車はなくなりました。現在のラインアップにあるコルサ、アストラ、インシグニアなども全てオペルの兄弟車です。なおオペルもヴォクスホールもフランスのフランスのPSAグループ(プジョー シトロエン)が2017年にGMから買収してPSAグループの傘下となっています。

 

 

 ミニカーは1964年に発売されたディンキー(英)製で、当時物はなぜかこれしかないようです。1960年代のミニカーですのでシンプルな作りですが、プロポーションなど押さえるところは手を抜かずきちんと作ってあります。ボンネットとトランクが開閉します。なおディンキーは型番140でオペル カデットも作っているのですが、全く別の型を起こしてこのビバを作っています。また同じ1/43ながら何故かビバが少し大きいのです。ビバの最近のミニカーではバンガーズやオックスフォードなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとトランクの開閉ギミック/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VAUXHALL VIVA HA 1
VAUXHALL VIVA HA 2

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VAUXHALL SRV CONCEPT 1970 UK

VAUXHALL SRV CONCEPT
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VAUXHALL SRV CONCEPT


AUTOPILEN 337 1/43 115㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.08m 全幅約1.94m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 2L ツインターボ (モックアップ 
性能: 最高速 不詳  データーベースでヴォクスホールのミニカー検索

ヴォクスホール SRV コンセプト イギリス 1970年

 

 ヴォクスホール SRVは1970年 ロンドン モーターショーで公開されたコンセプトカーでした。SRVとはStyling Research Vehicleの略で、純粋なスタイリング実験車で、ヴォクスホールのブランドイメージを高めることを目指したものでした。GMのデザイナーによるデザインで、当時としては独創的なアイデアが盛り込まれていました。外観は当時のルマン用レースカーを思わせるショートノーズ/ロングテールで、低い車高(約1m)ながら4人乗りの広い室内を実現しています。2ドアのように見えますが、実際は4ドアでリアドアは前開きでドアハンドルを無くして目立たないようにしています。このリアドアを隠すデザインは最近では一般の車にも採用されるようになりました。

 

 ノーズ先端の中央部はスポイラーになっていて、角度を可変して空力特性を変えられます。ヘッドライトはフロントウインド下の黒いルーバー部分の中に隠されています。メーターの付いたインパネは運転席正面にはなく運転席ドアに組み込まれていて運転時に引き出すようになっています。それ以外にも電動の車高調整機能を持つリアサスペンションなど未来的なアイデアが提案されていました。エンジンはミドシップ横置き搭載ですが、エンジンや変速機はモックアップなので走行はできません。SRVが生産されることはありませんでしたが、提案されたアイデアのいくつかはその後実用化されています。

 

 

 ミニカーは1974年頃に発売されたオートピレン製の当時物です。オートピレンのミニカーは当初はコーギーやディンキーのコピーでしたが、単なるコピーから徐々に脱却してオリジナルを開発するまでになりました。このヴォクスホール SRVはオートピレンのオリジナルで、当時のミニカーとしてはレベルの高い出来ばえでした。プロポーションが良くドア/リアパネルが開閉し、室内やエンジンなどもそこそこリアルに再現してあります。また当時は安っぽいプラスチック製ホイールのミニカーが多かったのですが、オートピレンのメタル製ホイールはリアルで見栄えが良いです。なおヴォクスホール SRVのミニカーはこれしかないようです。 以下はその国産名車コレクションの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VAUXHALL SRV CONCEPT 1
VAUXHALL SRV CONCEPT 2

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