ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

LANCIA AURELIA B20 GT 1951 ITALY

LANCIA AURELIA B20 GT
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA AURELIA B20 GT


SOLIDO 4563 1/43 99㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.37m 全幅約1.55m エンジン 変速機: V型6気筒 2L 80HP 4段変速
性能: 最高速165km/h  データーベースでランチア アウレリアのミニカー検索

ランチア アウレリア B20 GT イタリア 1951年

 

 第2次大戦後しばらくランチアは戦前のアプリリアの小型版アルデア(ARDEA)を生産していました。(実車画像→ ランチア アルデア) 1950年にアプリリアの後継車アウレリア B10 (4ドアセダン)が登場しました。アウレリアの設計はアルファ ロメオでレースカーを設計していたヴィットリオ ヤーノによるもので、世界初のV型6気筒エンジン(1.8L 56HP)が搭載されました。さらにデフとギアボックスを一体化したトランスアクスル、四輪独立懸架サスペンションとインボード式ドラムブレーキなど先進的で高度な技術が採用されていました。(実車画像→ ランチア アウレリア B10)

 

 1951年には排気量2L(70HP)のB21が追加され、ホイールベースを短縮したピニンファリーナ製ボディの2ドアクーペでエンジンを2L(75HP)にパワーアップしたB20 GTも追加されました。GTとはグランツーリスモの略ですが、この名前を初めて使ったのはこの車で、その優れた操縦性から最初のGTカーとされています。1953年にエンジンが2.45L(118HP)に拡大され、1954年にオープン仕様でホイールベースがGTより短縮されたB24スパイダーが追加されました。1956年にセダンが生産中止となり、クーペ/スパイダーは1958年まで生産され後継車のフラミニアに変わりました。総生産台数は約1.8万台でした。優れた操縦性で1952年のルマン 6位、1954年のモンテ カルロ ラリー優勝などGTがレースで活躍しました。(実車画像→ ランチア アウレリア B24 スパイダー アメリカ 1955)

 

 

 ミニカーは2000年頃に発売されたソリド製です。ソリドの4500シリーズ(型番45**)は1950-1970年代の往年の名車をモデル化したシリーズで、細かなパーツを省いてシンプルに作ってありましたので当時の値段は約2000円と安価でした。ただ安価ながらも基本的なプロポーションは正確で、フロントグリルの造形など肝心な部分はしっかり押さえた作りでした。このアウレリア B20 GTも実車の雰囲気がうまく再現された良い出来ばえで、室内などの細部もそこそこ再現されています。これ以外のアウレリアの当時物ミニカーはマーキュリーの当時物でB10 セダン、ノレブのプラスチック製当時物でB20 GTがありました。当時物以外ではブルム、イクソ、エリゴール、スパーク(レジン製)などでB20 GT、ブルム、Bブラーゴの1/18、スパーク(レジン製)などでB24 スパイダーがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA AURELIA B20 GT 1
LANCIA AURELIA B20 GT 2

 以下は1983年に発売されたブルム製のランチア アウレリア B20 GT (1/43 型番R095)の画像です。上記のソリド製と見比べるとキャビン部分の高さが低いことやファーストバックのリア部分の造形がかなり異なっています。これはソリド製のほうが正確な造形で、ブルム製はプロポーション的には今一つです。フロントの造形などもソリド製に比べると見劣りがします。ブルムはルマン レース仕様など数種類のバリエーションがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA AURELIA B20 3
LANCIA AURELIA B20 4

 以下は1986年に発売されたブルム製のランチア アウレリア B24 スパイダー (1/43 型番R131)の画像です。オープン仕様のB24 スパイダーのモデル化で、上記セダンは今一つの出来ばえでしたが、こちらのスパイダーのプロポーションはまずまずで、当時のミニカーとしては悪くない出来ばえでした。一般的なフロントウィンドーでドアに三角窓が付きシンプルなバンパーを持つ後期型をモデル化しているようです。(ブルムは1955年式としていますが、1956年式とするのが正しいように思います) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA AURELIA B24 SPIDER 1
LANCIA AURELIA B24 SPIDER 2

 以下は1986年に発売されたブルム製のランチア アウレリア B24 スパイダー アメリカ (1/43 型番R133)の画像です。これもB24 スパイダーですが、ラップアラウンド式のフロントウィンドーでバンパーが2分割タイプのアメリカ(アメリカ輸出仕様)をモデル化しています。ドアの後方にはピニンファリーナのロゴ、トランクの上にはランチアとピニンファリーナのロゴを組み合わせたフラッグエンブレムが付いています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA AURELIA B24 SPIDER AMERICA 1
LANCIA AURELIA B24 SPIDER AMERICA 2

以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA AURELIA B24 SPIDER AMERICA 3
LANCIA AURELIA B24 SPIDER AMERICA 4

 以下は1986年に発売されたブルム製のランチア アウレリア B24 スパイダー アメリカ (1/43 型番R134)の画像です。これは上記のB24 スパイダーの幌を閉じたバリエーションです。カラーリングと幌以外の違いはありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA AURELIA B24 SPIDER AMERICA 5
LANCIA AURELIA B24 SPIDER AMERICA 6

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LANCIA D24 1953 ITALY

LANCIA D24
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA D24


BRUMM R204 1/43 97㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.12m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型6気筒 3.3L 265HP 4段変速
性能: 最高速260m/h  データーベースでランチア D20/23/24/25のミニカー検索

ランチア D24 イタリア 1953年

 

 戦前のランチアはモータースポーツに参加しませんでしたが、経営者が創業者の息子のジャンニ ランチアに変わった戦後はモータースポーツに進出するようになりました。戦前に登場したランチア アプリリアは、戦後のレースやラリーで活躍しました。前述したランチア アウレリア B20 クーペをベースにしたレースカー ランチア D20 (V型6気筒2.5L/3Lエンジン搭載)が1952年に登場し、タルガ フロリオ、ミッレ ミリア、ルマンなどに参戦しました。

 

 ランチア D20は1953年にV型6気筒3L(220HP)エンジンを搭載したD23に発展しました。D23は軽量化で操縦性を向上させる為オープン仕様(単座/2座)となり、鋼管フレーム構造の本格的なレースカーとなりました。(実車画像→ ランチア D23) D23は数ヶ月後にエンジン排気量を2.4L(265HP)に拡大したD24となりました。D24のデビュー戦は1953年ニュルブルクリング(結果はリタイア)で、同年のカレラパナメリカーナ(ドライバー A.アスカリ)で優勝しました。1954年にはミッレ ミリア、タルガ フロリオなど多くのレースで優勝しました。1954年にエンジン排気量を2.7L(300HP)に拡大したD25も開発されました。

 

 

 ミニカーはブルム製で1994年頃に発売されました。1954年のミッレ ミリア 優勝車(ドライバー A.アスカリ)をモデル化しています。D24の迫力のあるフロント周りの雰囲気が良く再現されていて、なかなか良く出来ています。ホイールやコクピットなどの細部もそこそこリアルに仕上げてあります。ブルムにはカレラ パナメリカーナ仕様など数種類のバリエーションがあります。ブルム以外のランチア D24系のミニカーとしてはトップモデル、スターライン、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA D24 1
LANCIA D24 2

 以下は俯瞰画像とコクピット周辺の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA D24 3
LANCIA D24 4

 以下は2003年に発売されたミニ ミニエラ(LA MINI MINIERA)製のランチア D24 #76 タルガ フロリオ 優勝 1954 (1/43 型番MMBMS033)の画像です。1954年のタルガ フロリオ 優勝車のモデル化で、ドライバーのピエロ タルッフィ(Piero Taruffi)のフィギュアが付いています。ミニ ミニエラは他社のミニカーをベースにした特注品を製作しているブランドで、型番のMMBMはブルム製のミニカーをベースにしていることを示しています。これはブルム製の型番S033にフィギュアを追加して、ミニ ミニエラの紙箱に収めたものでした。ランチア D24はベースのブルム製とほとんど同じで、ピエロ タルッフィのフィギュアは服装はそれらしいですが、顔つきはそう言われればそうかなというぐらいの出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA D24 3
LANCIA D24 4

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LANCIA APPIA 1953 ITALY

LANCIA APPIA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA APPIA


NOREV 783040 1/43 94㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.87m 全幅約1.42m エンジン 変速機: V型4気筒 1.1L 38HP 4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでランチア アッピアのミニカー検索

ランチア アッピア イタリア 1953年

 

 前述した戦前のランチア アプリリアの小型版であったランチア アルデアの後継として1953年にアッピアが登場しました。V型4気筒1.1L(38HP)エンジン、スライディングピラー式前輪サスペンション、センターピラーのない観音開きドアなどランチア独自の技術を引き継いだ高級な小型車でした。小型車ながらピニンファリーナ製のクーペや、ヴィニャーレ製のカブリオレなどの特注車も製作されました。1956年にはII型となり、1959年にはフロントグリルを変更したIII型となり、1963年に後継車のフルビアにモデルチェンジしました。総生産台数は約10万台で大ヒットしました。

 

 ランチアはレース活動に注力するなど技術重視で採算を度外視した経営を続けたことで1955年に倒産しました。その際にランチアの創業者一族は経営から手を引き、アウレリアを開発した技術者のヴィットリオ ヤーノも退社しました。倒産したランチアを買い取った実業家のカルロ ペゼンティはランチアの伝統を守り高度な内容の車作りを継続させました。

 

 

 ミニカーは2006年に発売されたノレブ製です。ノレブらしいそつのない良い出来ばえで、シンプルながら小さな高級車であった実車の雰囲気がよくとらえられています。ただしヘッドライトが大きすぎるのは、デフォルメのやり過ぎでそこは今一つです。ノレブはビニャーレ製コンバーチブルとザガート製クーペもモデル化しています。それ以外のアッピアのミニカーはマーキュリーの当時物がありました。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA APPIA 1
LANCIA APPIA 2

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LANCIA FERRARI D50 1955 ITALY

LANCIA FERRARI D50
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FERRARI D50


BRUMM R076 1/43 91㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.85m 全幅約1.45m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 2.5L 285HP 5段変速
性能: 最高速280km/h  データーベースでランチア フェラーリ D50のミニカー検索

ランチア フェラーリ D50 イタリア 1955年

 

 ランチアはF1に進出することを計画し、1954年にD50が登場します。開発はアルファ ロメオでP2/P3を設計し、1937年にランチアに移籍したヴィットリオ ヤーノが担当、彼らしい先進的な設計を行っています。ドライブシャフトがドライバーの左側を通るように、エンジン(DOHC V型8気筒2.5L)を斜めに配置することで、ボディ全高を下げて空気抵抗を下げています。またエンジンをシャーシと一体化しボディ剛性を上げています。燃料タンクはボディ左右に張り出したポンツーン内に収め、このポンツーンは空力的な効果もありました。そんな訳でD50は当時のF1としてはユニークなスタイルをしています。

 

 D50のデビュー戦は1954年スペインGPで、メルセデス ベンツ W196が勝利したレースでしたが、A.アスカリのドライブでポールポジションと最速ラップタイムを記録しD50は能力の高さを示しました。1955年モンツァ サーキットのテスト中にA.アスカリが事故死しました。エースドライバーを失ったことと資金難からランチアはF1を撤退することになりました。D50についてランチア、フィアット、フェラーリで交渉が行われ、D50がフェラーリに移譲され、フィアットがフェラーリに資金援助することとなりました。そんな訳でD50は フェラーリ (ランチア) D50となり、V.ヤーノら技術陣はフェラーリに移籍しました。

 

 

 ミニカーはブルム製で、1982年頃発売されました。1956年のイギリスGP 優勝車(ドライバー J.M.ファンジオ)をモデル化しています。1956年式ですからフェラーリに移譲された後のランチア D50です。サイドポンツーンを持つユニークなスタイルが良く再現されています。ブルムのD50にはノーズの形状が異なる2タイプがあり、バリエーションが数種類あります。(画像はノーズコーン的なものが付いたノーズがやや長いタイプです) これ以外ではマーキュリーの当時物、マテル、イクソなどがあり、移譲される前の1955年式D50 モナコGP仕様をノレブがモデル化しています。  以下はフロント/リアの拡大画像とコクピット/俯瞰の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA FERRARI D50 1
LANCIA FERRARI D50 2

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LANCIA FLAMINIA BERLINE 1957 ITALY

LANCIA FLAMINIA BERLINE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FLAMINIA BERLINE


STARLINE (LANCIA COLLECTION)  1/43 112㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.85m 全幅約1.75m エンジン 変速機: V型6気筒 2.45L 102HP 4段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでランチア フラミニアのミニカー検索

ランチア フラミニア ベルリーナ イタリア 1957年

 

 ランチア アウレリアの後継車として1957年にフラミニアが登場しました。アウレリアと同じV型6気筒エンジンは排気量を2.5L(102HP)に拡大し、高度なトランスアクスル方式を踏襲していました。長く続けられたスライディングピラー式前輪サスペンションはダブルウイッシュボーン方式に変わりました。ボディは全長4.85mとかなり大きくなり、ピニンファリーナ デザインの美しいスタイルとなりました。イタリアの最高級車として1970年までに約12000台が生産されました。

 

 1961年にはこの車をベースにした大統領専用車が製作されました。全長5.46mとオリジナルより60cmも長い堂々たるサイズで、中央の2人分の補助席を使って7人が乗車できるランドレー形式(後部座席部分が幌で開閉できる)のリムジンでした。エンジンはオリジナルのV型6気筒2.5L(102HP)のままですが、パレードで長時間徐行できるようにギヤ比が変えられていたので、最高速は120km/hとなっていました。公用車としては明るめの紺色のボディカラーに黒いコノリーレザーの内装というイタリアらしいしゃれた仕上げは、ピニンファリーナのデザインでした。

 

 

 ミニカーは2008年頃に発売されたイタリアのミニカー付雑誌 「LANCIA COLLECTION」のNo24で、メーカーはスターラインです。廉価版ミニカーですので、あまり細かい仕上げはされていませんがまずまずの出来ばえです。最近までフラミニア セダンのミニカーはマーキュリーとノレブ(プラ製)の当時物ぐらいしか無かったので、このフラミニア セダンのミニカーは車種的には貴重です。またこれをベースにした大統領専用車も数種類がモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA FLAMINIA BERLINE 1
LANCIA FLAMINIA BERLINE 2

 以下は同じミニカー付雑誌 「LANCIA COLLECTION」のNo12 フラミニア ランドー 大統領専用車の画像です。これにフィギュアを付けた物を数種類(参照→イタリアの大統領専用車)ほどスターラインが発売しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FLAMINIA CABRIOLET 1
LANCIA FLAMINIA CABRIOLET 2

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