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フォード コルセア 2000E イギリス 1967年
前述したように失敗作となったフォード コンサル クラシックの後継車として、1963年にコルセアが登場しました。個性的なフロントのデザインは、フォード サンダーバード 1961年式のイメージをダブらせたものでした。サンダーバードは4灯式ヘッドライトですが、2灯式ヘッドライトにしたのはアメリカ車的なデザインで失敗したクラシックから学んだ教訓が生かされたようです。ボディ形式は2/4ドアセダンで、シャーシや主要な部品はコルチナと共有していましたので、当初はコルチナと同じ4気筒1.5L(58HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速130km/hの性能でした。
1965年には新型のV型4気筒1.7L(66HP)エンジンが追加され、さらに1966年にはV型4気筒2L(82HP)エンジンも追加されました。1966年にコーチビルダー アボット製のエステート ワゴンが追加され、1967年にはビニールレザートップ仕様で豪華な内装を持つ上級グレードの2000Eが追加されました。コルセアはフォードの中型車として成功し1970年まで生産され、総生産台数は約31万台でした。コルセアは一代限りで、上級グレードは1970年に登場したコルチナ MK IIIが、それ以外は1968年に登場していたエスコートが引継ぎました。
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。豪華仕様の2000Eをモデル化していますので、実車に即した黒いビニールレザートップ仕様となっています。プロポーションが良く特徴的なフロントの造形がうまく再現され、1960年代のミニカーとして良く出来ていました。ボンネットが開閉するギミック付きです。なおディンキーはこれより前に型番130でもコルセアをモデル化していて、これはそのバリエーション的なものです。このようなバリエーションが作られたということはコルセアに人気があったことの証拠でしょう。(実車と同時期に製作されている当時物ミニカーにはその時代の世相が反映されているのです) これ以外のコルセアの量産ミニカーはマッチボックスの当時物とカララマ(オックスフォード製も同じ)の1/43があります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オースチン ミニ クーパー S ポリス イギリス 1968年
イギリスでは1960年代に高速道路網の整備が進み、高速道路を巡回する警察車両が必要となりました。当初はジャガー E タイプ、サンビーム タイガー、ディムラー SP250などのスポーツカーが使われたそうです。それらの車は性能的には問題なかったのですが、警察業務に必要な機材を収納する点で問題がありました。そこで、1963年に登場した高性能で経済的な小型車であるミニ クーパー Sが1966年頃から正式に採用されました。(参照→実車画像)
モンテ カルロ ラリーで3度優勝しているミニ クーパー Sの動力性能は、逃走車と高速道路でカーチェイスするのにも十分だったようです。ボディカラーは目立たないように、白一色だったそうです。(屋根に回転灯が付いているので、すぐわかりますが) 1971年には大型車のローバー V8などに代替されたとのことなので、ミニ クーパー S ポリスはそんなに多くは使われなかったようです。
ミニカーはディンキー(英)の当時物で、1968年頃に発売されました。型番183のモーリス ミニ マイナーをベースにしています。リアに'AUSTIN COOPER S'のロゴが表示され、実車と同じ青色回転灯とアンテナ(実車にはこんな形では付いていないようですが)が追加されています。ディンキーはミニ クラブマンのポリス仕様もモデル化しています。これ以外ではエリゴールやビテス、最近ではオックスフォード、京商(1/18)などがミニ クーパー ポリスをモデル化しています。またミニ バンのポリスはコーギーやブレキナの物があります。 以下はフロント/リアの拡大画像と青色回転灯/アンテナの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ヒルマン ハンター MK II ロンドン-シドニー ラリー イギリス 1968年
1966年にヒルマン ミンクスは新型に切り替わりました。ミンクスの上級車として1961年に設定されたスーパー ミンクスがハンターという名前になり、ハンターの廉価版はミンクスとして名前が残りました。(1970年からはハンターに統一された) ハンターは日産 ブルバード 510型のようなスタイルをしたごくオーソドックスな大衆車で、4気筒1.7L(61HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速135km/hの性能でした。この車は1968年に行われた長距離ラリー 「ロンドン-シドニー マラソン」で大方の予想を裏切って幸運な優勝を遂げました。ハンターの姉妹車としてシンガー ガゼル、ハンバー セプターがありました。
ルーツ グループは1960年代にアメリカのクライスラーの子会社となり、同時期に子会社化されたシムカと合併して、クライスラー ヨーロッパとなりました。ルーツ グループの車は1970年に登場したアヴェンジャーが最後となり、1977年に生産中止となりました。(参照画像→ヒルマン アヴェンジャー) そのクライスラー ヨーロッパも1978年にPSAグループ(プジョー/シトロエン)に買収され、タルボ ブランドでアルパイン、オリゾンなどが登場しましたが、1980年代にそのタルボも消滅しました。
ミニカーは1969年に発売されたコーギー製の当時物です。このミニカーは「ロンドン-シドニー マラソン」での優勝を記念して作られました。ストーンガード、補助灯、スぺタイヤなどが付いた実車のラリー仕様を忠実に再現してあり、コーギー最盛期のミニカーでしたので実に素晴らしい出来ばえです。コーギーお得意のカンガルーのフィギュアが付いているのも楽しいおまけです。さらにこのミニカーには当時コーギーが「GOLDEN JACKS」と称していたタイヤ交換ギミックまで付いています。(参照ページ→「GOLDEN JACKS」ギミックの紹介ページ) なおヒルマン ハンターにはこれ以外にミニカーはなく、ラリーの優勝が無ければモデル化はされなかったことでしょう。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スキャメル ハンディマン III セミトレーラー ’フェリー マスター' イギリス 1968年
スキャメル(又はスカメル)はイギリスの商用車メーカーで、特殊な軍用トラクターや大型トラックを製造していました。1896年から車輪の製造を始め、1921年にSCAMMELL LORRIES社として創業し大型のトラクターの製造を始めました。従来の馬車による物資運搬を代替するメカニカル ホース(機械の⾺)と呼ばれる3輪トラクターを1934年に発売しました。3輪なので小回りが効くことが特長で、1.1L/2Lガソリンエンジンを搭載し接続するトレーラーの積載量は3t/6tでした。この車は1948年にはディーゼルエンジンが追加されて、角の丸くなったデザインのスカラブ(SCARAB)に変わりました。
第2次大戦中は砲兵用トラクターや戦車運搬車などの軍⽤車の⽣産を行いました。戦後の1955年にレイランド グループの一員となり、軍用車やトラックの生産を行いました。戦前のスカラブは1967年にタウンスマン(TOWNSMAN)に変わりましたが、翌年には生産中止となりました。代表的な商用トラックでは、ボンネット式のハイウェイマンやキャブオーバー式のハンディマンなどがありました。レイランドのトラック部門は1987年にオランダのDAFと合併してレイランド DAFとなり、スキャメル ブランドは1988年に消滅しました。
ミニカーはコーギー製の当時物で、ハンディマン IIIのセミトレーラ(FERREYMASTERSはイギリスの運送業者)をモデル化しています。出来ばえは当時のコーギーの標準的なもので、連結部の構造などは他のトラックと共通の手堅い作りとなっています。(プラスチック製の幌が経年変化で少し汚れています) ハンディマン IIIのキャブはグラスファイバー製でミケロッティがデザインしたということです。当時の同クラスのトラックに比べると前後長が短くスマートなのはその為なのでしょう。コーギーは同じキャブを使って、カートランスポーターやレッカー車もモデル化しています。以下このミニカーのギミックを簡易動画で紹介します。(画像のマウスオーバーやタップで動画がスタートします) まずはキャブ単体とトレーラーです。
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フォード エスコート MK I イギリス 1968年
1968年にフォード アングリアの後継車のエスコートが登場しました。個性的なフロント グリルを持ち、フェンダーラインに少し抑揚のついたスポーティなスタイルでした。2ドアセダンと3ドアワゴン(バン)の構成で、標準仕様はヘッドライトが丸型でそれ以外は角型でした。オーソドックスな構造の後輪駆動車で、当初は4気筒1.1L(40HP)/1.3L(52HP)エンジンを搭載し、4段変速(3段AT)で最高速137km/hの性能でした。1967年にヨーロッパ フォードが設立されたので、1969年からエスコートの左ハンドルがドイツでも生産されました。
1970年に4ドアが追加され、64HPにパワーアップした1300GT、ロータス製DOHC 4気筒1.6L(105HP)エンジンを搭載した高性能版のツインカムが設定されました。1970年にツインカムがコスワース製DOHC 4気筒1.6L(120HP)エンジンを搭載するRS1600に変わり、コルチナ用の1.6L(86HP)エンジンを搭載したメキシコが追加されました。1972年にSOHC 4気筒2L(100HP)エンジンを搭載するRS2000(ドイツ向け)が追加されました。それらの高性能版はラリーで大活躍し、エスコートのスポーツイメージを高めました。1974年までイギリス/ドイツ合わせて約200万台が生産され大ヒットしました。1975年にエスコート 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは1968年に発売されたディンキー(英)製です。角型ヘッドライトの上級仕様車をモデル化しています。ディンキー(英)の少し厳つい作風のせいで、曲面的な実車のイメージから少し外れた出来ばえになっています。ただしこれは現代のスケールモデル的な観点からの評価で、作風がミニカーメーカーの個性であった時代のミニカーとしては良く出来ていました。(最近の中国製ミニカーはどれも同じ出来ばえで、個性というものはないですが) ボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミック付きです。これ以外の当時物ミニカーとしてはメーベトイ、シュコーの1/66などがありました。当時物以外ではラリー仕様車が多いですが、トロフュー、バンガーズ、ミニチャンプスの1/43と1/18、イクソなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)