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シムカ 1000 フランス 1961年
1961年にシムカ アロンドの後継車としてシムカ 1000が登場しました。1000はシムカとして初のリアエンジン車で、モノコックボディに4気筒1L(34HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速125km/hの性能でした。当時のシムカは大株主フィアットのコントロール下にあり、1000の中身はフィアット 600を大きくしたような設計でした。ボディはごくシンプルな3ボックススタイルで、見た目は同時期に登場した同じリアエンジン車のルノー 8と非常に良く似ていました。
シムカ 1000はルノー 8と同様に大ヒットし、当時の大衆車市場をこの2台が席巻していました。その後シムカ 1000には777ccエンジンを搭載した廉価版の800、1.1L/1.3L(60HP)エンジンを搭載した上級車のスペシャル、1.3Lエンジンを搭載した高性能版のラリー I (60HP)、ラリー II (82HP)、ラリー III (103HP)などが追加されました。1977年のマイナーチェンジでフロントグリルが追加されヘッドライトが角形に変更されて外観が大幅に変わりました。1978年まで長く生産され、総生産台は約195万台でした。(実車画像→ シムカ 1000 1977)
1962年にアロンドのクーペ/カブリオレ仕様のプラン シエル/オセアーヌの後継車として1000 クーペが登場しました。ベルトーネのデザインによる美しいクーペスタイルに52HPにパワーアップしたエンジンを搭載し、最高速は140km/hでした。イタリア車的なデザインには親会社フィアットが影響していたようです。1967年にはラリー IIの1.3L(85HP)エンジンを搭載し、最高速178km/hと本格派のスポーツカー1200Sに発展しました。1200Sはリアエンジン車ながら、フロントにラジエータを持つためフロントグリルが付いていました。(実車画像→ シムカ 1000 クーペ 1962)
ミニカーは1963年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。1960年代のミニカーですので素朴な作りでしたが、ディンキー(仏)らしい正確なプロポーションで、実車のイメージがよく再現されていました。室内も当時のミニカーとしては良く再現されていました。これ以外のシムカ 1000の当時物ミニカーは、このディンキー製をコピーしたオートピレン、CIJとJRDのセダン、ノレブ初期のプラスチック製のセダンとクーペ、コーギーのクーペなどがありました。当時物以外ではノレブの新製品の1/43と1/18でセダンとラリー II、ソリドのラリー I、イクソのラリー IIなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)










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フェラーリ 156 F1 イタリア 1961年
1961年からF1 レースカーのエンジン排気量規定が2.5Lから1.5Lに変更され、それに対応して1961年にV型6気筒1.5Lエンジンを搭載するフェラーリ 156 F1が登場しました。当時主流となりつつあったエンジンをミドシップ搭載する方式は1960年のプロトタイプ 246Pを経て、156 F1に正式に採用されました。当初はVバンク角が65°のV型6気筒エンジン(180HP)を搭載していましたが、Vバンク角を120°に広げて低重心化した新開発のV型6気筒エンジン(190HP)も追加されました。156 F1は個性的なフロントノーズの形状から、シャークノーズと呼ばれました。
1961年シーズンはライバルよりエンジンパワーが勝る156 F1が席巻し、参戦した選手権7戦で5勝し、H.ヒルによるドライバーズタイトルとフェラーリ初のコンストラクターズタイトルを獲得しました。なおイタリアGPではW.V.トリップスが観客を巻き込む事故死を遂げたことで、フェラーリは最終戦アメリカGPを欠場しました。1962年シーズンはライバルのイギリス勢がエンジンをパワーアップして盛り返し、156 F1は苦戦するようになりました。そこでシーズン中盤からサスペンション設定変更やシャークノーズを一般的なノーズに変えるなどの変更を行いましたが、156 F1は1勝もできませんでした。
1963年シーズンはボッシュ製燃料噴射を採用してエンジンをパワーアップし、ボディはセミモノコックシャーシ構造「AERO」(アエロ)を採用し、サスペンションなどの変更を行いました。しかしこの年もロータスなどのイギリス勢が圧倒的に強く、156 F1はドイツGPで1勝(ドライバー J.サーティース)しただけでした。1964年には後継車のV型8気筒エンジンを搭載した158 F1が登場し、156 F1はオーストリア GPで1勝(ドライバー L.バンディーニ)しました。
ミニカーは1985年に発売されたブルム製です。1961年のオランダ GP 優勝車(ドライバー W.V.トリップス)をモデル化しています。特徴的なシャークノーズの合わせ目に隙間があるのはいまいちですが、サスペンションがそれらしく再現されているなど、当時のミニカーとしてはそこそこ良い出来ばえでした。ブルムは型番R289の後期型など156 F1を10種類ほどモデル化しています。当時物ミニカーとして老舗メーカーのコーギー、ソリド、ディンキーが揃ってモデル化していたことは、156 F1の人気が高かったことを示しています。当時物以外の156 F1のミニカーはイクソ、カルツォ、マテルなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)












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モーリス オックスフォード MK VI イギリス 1961年
当時のBMC車でピニンファリーナ デザインを採用したモデルはファリーナ サルーンと呼ばれ、1958年に中型車が登場し、1959年には大型車が登場しました。中型車はモーリス オックスフォード MK V、MG マグネット MK III、オースチン A55 ケンブリッジ MK II、ウーズレー 15/16などがあり、6気筒エンジン搭載の大型車はオースチン A99 ウエストミンスター、ウーズレー 6/100、バンデン プラ プリンセスなどがありました。 (実車画像→ MG マグネット MK III、オースチン A55 ケンブリッジ MK II、オースチン A99 ウエストミンスター )
ファリーナ サルーンは同じようなデザインのボディでしたが、エンジンや内装が変えられていて、いわゆるバッジ エンジニアリングの車でした。(このデザインはピニンファリーナによる同時期のフランスのプジョー 404とそっくりでもありました) これらの車は1961年にボディがマイナーチェンジされ、1968年頃まで生産されました。なおファリーナ サルーンの中/大型車は同じようなデザインになったことで各ブランドの独自性が損なわれ、あまり好評では無かったそうです。モーリス オックスフォード MK VI(1961年マイナーチェンジ版)は1971年まで生産されました。後継車はADO17シリーズのモーリス 1800(オースチン 1800の姉妹車)でした。
ミニカーは2002年に発売されたバンガーズ製です。バンガーズは老舗コーギー傘下のブランドで、往年のコーギーを思わせる作風のミニカーを作っています。ファリーナ サルーンの中型車の代表であるモーリス オックスフォード MK VIをモデル化しています。実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ていました。エッチング材のワイパーやフェンダーミラーなど細部をリアルに仕上げている反面、ヘッドライトにラインストーン(ダイヤカットしたガラス球)を使うなど昔のコーギー流で仕上げたところもあり、私のようなロートル コレクターが懐かしさを感じる作風でした。これ以外のファリーナ サルーンのミニカーにはオースチン ケンブリッジがあり、グリルが違うだけで同じ外観でした。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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オースチン A60 ケンブリッジ イギリス 1961年
1952年にオースチン グループはモーリスと合併しBMC(ブリティッシュ モーター コーポレーション)となりました。当時のオースチンにはA40 サマーセット(4気筒1.2L)、A70 ヘレフォード(4気筒2.2L)、プリンセス リムジーン(6気筒4L)などがあり、A40 サマーセットの後継車としてA40 ケンブリッジ(初代)が1954年に登場しました。A40 ケンブリッジは4ドアセダンの小型車で、4気筒1.2L(42HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速110㎞/hの性能でした。(実車画像→ オースチン A40 ケンブリッジ)
1954年にA40 ケンブリッジのボディに4気筒1.5L(50HP)エンジンを搭載したA50 ケンブリッジ(2代目)が登場しました。最高速が119㎞/hに向上し、デラックス仕様にはヒーターやカーペットなどが装備され、ラジオと時計がオプション設定でした。A50 ケンブリッジは日本の日産でダットサン 112型としてライセンス生産されました。
1957年にエンジンを51HPにパワーアップし、リアウィンドーを大きくするなど外観を少し変更したA55 ケンブリッジが登場し、A55をベースにした商用車(1/2t ピックアップと1/2t バン)が設定されました。1959年にサイズを拡大しピニンファリーナがデザインしたボディに変更したA55 ケンブリッジ MK IIが登場しました。この車はモーリス オックスフォードの姉妹車でもありました。1960年にエステート仕様のカントリーマンが追加されました。(実車画像→ オースチン A55 ケンブリッジ MK II)
1961年に4気筒1.6L(61HP)エンジンを搭載した、A60 ケンブリッジが登場しました。デザインは先代のピニンファリーナのデザインを継承していましたが、テールフィンは小さくなっていました。3段自動変速機が設定され、最高速130km/hの性能でした。1962年に4気筒1.5L(40HP)ディーゼルエンジンが追加されました。後継車のオースチン 1800が1964年に登場した後も、1969年まで生産され総生産台数は約28万台でした。
ミニカーは2004年に発売されたバンガーズ製で、A60 ケンブリッジをモデル化しています。バンガーズは老舗コーギー傘下のブランドで、往年のコーギーを思わせる作風のミニカーを作っています。このA60 ケンブリッジも実車に即したカラーリングでプロポーションが良く、実車の雰囲気が実にうまく再現されていました。エッチングメタル製のワイパー、フェンダーミラー、室内インパネなどの細かいところもリアルに仕上げてありますが、ヘッドライトにラインストーン(ダイヤカットガラス)を使用しているのは往年のコーギー流です。このキラリと光るラインストーンのヘッドライトはリアルではないのですが、ミニカーの造形としては魅力があります。(コーギーのミニカーは子供のころから慣れ親しんできたので、私はコーギー流の造形を好ましく感じるのです) これ以外のケンブリッジのミニカーは、コーギーの当時物 A50 1/46、マッチボックスの当時物 A50 1/64?、オックスフォードのA60 1/76などがあります。 以下フロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)


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ジャガー MK X イギリス 1961年
ジャガー MK IXの後継車としてMK Xが1961年に登場しました。主要な市場であったアメリカの要望を受け、ボディは全長5.1m 全幅1.94mに大型化されました。車高は1.38mと低められたので、幅広く低い堂々たるスタイルになりました。丸型4灯式ヘッドライトを採用した独特のフロント周りはイギリス車らしいエレガントなデザインで、このスタイルはその後のジャガーの基本となりました。サスペンションには4輪独立懸架が採用され、MK IXの6気筒3.8L(255HP)エンジンを継承し、4速マニュアルか3速自動変速機仕様で最高速196km/hの性能でした。
1964年にはエンジンが4.2L(288HP)に拡大され、1966年にはフロントグリルが2分割風に少し変更されて車名が420Gに変わりました。420Gにはホイールベースを延長したリムジーンが追加され、これをベースにして1968年にはディムラー DS420が登場しました。なおディムラー DS420はジャガー MK Xがベースでしたが、外観はディムラーの独自デザインでしたのでジャガーとは見た目が違っていました。(実車画像→ ディムラー DS420)
なお前述したMK IIの発展型のSタイプのフロントをMK Xと同じようなデザインにしたモデルが420と言う名前で1966年に登場しましたが、これと420Gは別物です。(実車画像→ ジャガー 420) 1968年に後継車であるXJ6が登場し、420Gは1970年に生産中止となりました。MK Xと420Gの総生産台数は約24000台でした。
ミニカーは2000年頃に発売されたノレブ製です。ノレブは1965年にMK Xの当時物ミニカー(プラスチック製 型番19)を発売していました。これはそのプラスチック製ミニカーの型を新規に作り直して、塗装や仕上げなどをリファインして新製品として2000年頃に発売された物でした。元々の当時物ミニカーもプロポーション的には良い出来ばえでしたが、その型を作り直してボディの塗装や細部の仕上げに手を掛けたリファイン版は、元の当時物とは別物の良い出来ばえに仕上がっていました。ドア開閉などのギミックはありませんが、元の当時物と同じサイドウインドーが上下するギミックが付いていました。(左右のサイドウインドー4枚を個別に上下できます) ジャガー MK Xの当時物ミニカーはコーギー、ディンキー(英)、スポットオン、マッチボックスなどがありました。当時物以外ではネオ(レジン製)があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)










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