ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

CITROEN 2CV 1966 FRANCE

CITROEN 2CV
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV


DINKY(FR) 500 1/43 89㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.78m 全幅約1.48m エンジン 変速機: 空冷水平対向2気筒 425cc 18HP 4段変速
性能: 最高速80km/h  データーベースでシトロエン 2CV 1965年以降のミニカー検索

シトロエン 2CV フランス 1966年

 

 1948年に発表されたシトロエン 2CV Aは当初その奇抜な外観を揶揄されましたが、合理的なフランス人は徐々に2CVの外観に慣れてその経済性と実用性を理解するようになりました。1951年には生産台数が1万台を超え、2CVは数年で広く普及していきました。名前のCVとは馬力という意味ですが、エンジン馬力ではなくフランスの課税馬力の単位です。実際には初期型は空冷2気筒375cc(9HP)エンジンを搭載し、1955年からは空冷2気筒425cc(12HP)エンジンを搭載し4段変速で最高速75km/hの性能でした。1963年には圧縮比を上げて18HPにパワーアップし最高速は80km/hとなりました。

 

 最高速は遅いですが、エンジンは総軽合金製、シンクロメッシュ付き変速機、前輪駆動方式と高度なメカが採用されていました。また前輪と後輪が関連して水平を保つユニークなサスペンションによる快適な乗り心地など自動車本来の機能はとても高度な車でした。平面ガラスの窓、キャンバストップの屋根、最低限の計器、ハンモック式シートなど内外装は素っ気ないですが、そのシンプルさが1970-1980年代になると他車にはない魅力となりました。

 

 

 1970年のマイナーチェンジでエンジンを435㏄(24HP)に拡大した2CV 4と新設計の602cc(29HP)エンジンの2CV 6の2タイプとなりました。(602ccエンジンは税制上は3CVとなりましたが、名前は2CV 6でした) この1970年のマイナーチェンジでフロントグリルが変更され、フロントフェンダーにウインカーが追加されテールライトが大型化されるなど外観が少しだけ目新しくなりました。その後も内外装のマイナーチェンジ、限定モデルのチャールストンやドーリーの追加などで時代に応じてアップデートを続けました。 さらに後ろを箱形の荷室にした商用バン、ジープタイプのメアリ、エンジンを前後に積んだ4WD車4X4サハラなどの派生車種も追加されました。最終的には排ガス規制や安全基準に対応できなくなり、1988年に40年間の長きにわたる生産が終了しました。

 ミニカーは1967年に発売されたディンキー(仏)の当時物で、1966年式をモデル化しています。ディンキーの最初の2CVは1950年に発売された型番24t(後に535に変更)で、その後1962年に型番558、さらに1967年にこの型番500が発売され、それぞれは実車の変更点(フロントグリル、リアクオータパネルのウインカー、リアクオータパネルのウィンドー、後ろ開きの前ドアなど)をきちんと再現しています。これは1966年式ですので、1965年に変更された後ろ開きの前ドアとリアクオーターパネルのウィンドーが再現されています。ヘッドライトにフランス車らしい黄色のラインストーンが使われ、ボンネット開閉ギミック付きで、空冷水平対向2気筒エンジンが再現されています。これ以外の当時物ミニカーとしては、ポリスティルの1/25、ビテス、ノレブ、ソリド、オートピレンなどがありました。当時物以外ではノレブの1/43と1/18、ソリドの1/43と1/18、ヘルパの1/87、オックスフォードの1/76、ミニチャンプス、ビテス、イクソなどたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアのk拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN 2CV 1
CITROEN 2CV 2

 以下は2014年に発売されたアシェット 国産名車コレクション製のシトロエン 2CV (1/43 No.215)の画像です。メーカーはイクソで、イクソのカタログモデル(型番 CLC206)を流用しています。ミニカーの台座には1963年と表示されていますが、フロントグリル形状とフロントフェンダーのウインカーと大型化されたテールライトは1970年のマイナーチェンジ後の仕様です。またリアには「2CV 6 CLUB」のロゴがあるので、1970年式の上級グレードのクラブとするのが正しいでしょう。最近のミニカーですので、小さなドアミラー、右リアフェンダー上のフィラーキャップ(給油口)など細かいところまで良く再現されていてとてもよく出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 3
CITROEN 2CV 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 5
CITROEN 2CV 6

 以下は1976年に発売されたノレブ製の当時物 シトロエン 2CV 6 1975 (1/43 型番843)の画像です。1974年に採用された角型ヘッドライトの2CVをモデル化しています。(なおこの角形ヘッドライトは評判が悪く1976年には元の丸いヘッドライトが復活しています) 初期のノレブはプラスチック製ミニカーが主流でしたが、1970年代には徐々にダイキャスト製ミニカーに移行していきました。これもこの頃のダイキャスト製ミニカー JET-CAR 800シリーズの1台です。このシリーズは廉価版ミニカー(当時の定価800円)でしたので安っぽいフリーホイールが使われているのが今一つですが、プロポーションなど基本的な造形はきちんとできています。ボンネット開閉ギミック付きで、簡単な造形ながらエンジンも再現されているなど値段以上によく出来ています。柔らかいサスペンションを持つ2CVは積載荷重による姿勢変化が大きいので、光軸を調整するためにヘッドライト左右がヘッドライト下の横棒で連結されていて光軸角度が調整出来るようになっていました。ボンネットを開くとその構造がそれらしく再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 7
CITROEN 2CV 6 8

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 9
CITROEN 2CV 6 10

 以下は1978年に発売されたソリド製の当時物 シトロエン 2CV 6 1975 (1/43 型番56)の画像です。これも上記のノレブ製と同じ角型ヘッドライトを持つ2CVをモデル化しています。これもどちらかというと廉価版ミニカー(当時の定価990円)の類でしたので、ライト類の塗装処理が省かれているなど仕上げが簡素化されています。ただまともなホイールを履いているので、ノレブのようなギミックはありませんが、ノレブ製より見た目が良い出来ばえになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 11
CITROEN 2CV 6 12

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 13
CITROEN 2CV 6 14

 以下は1977年に発売されたポリスティル製の当時物 シトロエン 2CV 6 1973 (1/25 型番S26)の画像です。縮尺が1/25ですので全長153㎜と大きなサイズですが、1/43を単に大きくしたようなやや大雑把な出来ばえです。キャビンも少し大きめにデフォルメされていて、プロポーション的には正確ではありませんが、2CVらしいデフォルメではあります。ドアが開閉するギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 15
CITROEN 2CV 16

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 17
CITROEN 2CV 18

 以下は1978年に発売されたオートピレン製の当時物 シトロエン 2CV 6 (1/43 型番251)の画像です。 オートピレンは上述したディンキー(仏)の型を流用して数種類の2CVをモデル化していますが、これはライトを角形に変更したものです。ディンキー製を流用していますのでボンネットが開閉します。なおフロントグリルやテールライトを年式に合わせて変更していないあたりは、オートピレン初期の適当なやり方です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 19
CITROEN 2CV 6 20

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 21
CITROEN 2CV 6 22

 以下は2000年頃に入手したヘルパ製のシトロエン 2CV 6 (1/87 型番22562)の画像です。これはプラスチック製のミニカーで、全長約43㎜X全幅17mmの小さなサイズですが、細部まで実にリアルに出来ています。(室内もステアリングホイールやシートが再現されています) 1/87サイズのミニカーはこのヘルパ以外にブレキナやヴィーキングなどがありますが、いずれもドイツ製です。このサイズのミニカーのほとんどがプラスチック製なのは、細かいところまで成型できるからです。同じようなサイズをダイキャストでも成型できますが、金属は塗装する必要があり、一般的な吹付塗装をすると細かいところの造形が塗装で埋まってしまいます。したがってプラスチック素材に色を付けることで塗装する必要がないプラスチックが使われているのです。(最近は部分的に塗装しているものもありますが) なおこのミニカーに付けているナンバープレートは当方のナンバープレート作成ページのサンプルとして作成した物で、プレートのサイズは3.5㎜X1.7㎜で、写真用のコート紙に印刷しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 23
CITROEN 2CV 6 24

 以下はフロント/リアの拡大画像と大きさを比較する為に上記のビテス製の2CVと並べてみた画像です。これだけのサイズの違いがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN 2CV 6 25
CITROEN 2CV 26

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CITROEN DS 19 PALLAS 1966 FRANCE

CITROEN DS 19 PALLAS
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 PALLAS


VITESSE L090A 1/43 112mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m 全幅約1.79m エンジン 変速機: 4気筒 2L 90HP 4段変速
性能: 最高速165km/h  データーベースでシトロエン DS 19のミニカー検索

シトロエン DS 19 パラス フランス 1966年

 

 1955年に登場したシトロエン DS 19は4気筒1.9L(75HP)エンジンを搭載し、クラッチ操作を油圧で自動化した4段変速機を介して最高速は140km/hの性能でした。全長4.8mの大型車ながら車重1.2tと軽量なため、あまり高性能ではないエンジンでも十分な走行性能を得ていました。当時のフランスの2Lクラスのライバルはルノー フレガートとアメリカ車風のシムカ ベデットぐらいで、どちらもシトロエン DSとは勝負にならず、このクラスはシトロエン DSの独占状態となりました。

 

 1965年にはエンジンが4気筒1985cc(90HP)に変更され、内外装を高級にしたDS 19 パラスが追加されました。 バンパーの位置でボディを一周するサイドプロテクションモールがパラスの外観上の特徴で、補助灯とバンパーのオーバーライダーが追加されていました。室内は遮音材が追加され床はカーペットで覆われ、オプションで革張りシートが用意されていました。さらに上級の仕様としてはコーチビルダー シャプロンが特注で製作するリムジーン仕様のDS プレステージもありました。前席と後席の間にガラス製の間仕切り(パーティション)があってエアコンが装着され、公用車やハイヤーとして使われました。

 

 

 ミニカーは1995年に発売されたビテス製で、シトロエン DS 19 パラス(1966年式)をモデル化しています。前述したビテスのシトロエン DS 19(型番691)にサイドプロテクションモール、フロントの補助灯、バンパーのオーバーライダーが追加されマフラー形状が変更され、豪華仕様のパラスに仕立ててあります。カラーリングもパラスらしい高級な感じになっていて当時のミニカーとしてはとても良い出来ばえでした。ビテスは実車同様にパーティションを設けたリムジーン仕様のプレステージもモデル化しています。ビテス以外ではリオやノレブもDS 19 パラスをモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN DS 19 PALLAS 1
CITROEN DS 19 PALLAS 2

 以下は1993年に発売されたビテス製のシトロエン DS 19 プレステージ (1/43 型番L018)の画像です。プレステージをモデル化しているので前席と後席の間にパーティションが追加され、シートも少し豪華な?感じになっています。ただインパネのメーター類は上記のパラスより前に発売された物なので、簡単な仕上げです。グローブボックス部分が薄い空色に着色されていますが、これは実車に即しています。外観ではパラスのようにプロテクションモールがないのであまり高級な感じがしません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 PRESTAGE 1
CITROEN DS 19 PRESTAGE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 PRESTAGE 3
CITROEN DS 19 PRESTAGE 4

 以下は1993年に発売されたリオ製のシトロエン DS 19 パラス (1/43 型番110)の画像です。リオのDSはキャビンが大きめに出来ているので、スケールモデル的には正確ではないのですが、このデフォルメはDSらしさを強調しているのでミニカーとしては許容できます。パラスをモデル化しているのでフロントの補助灯とバンパーのオーバーライダーが付いていますが、サイドプロテクションモールがありません。これは手抜きで、同じリオが2005年に発売したDS 19 パラスのリファイン版(型番4110)ではサイドプロテクションモールが追加されています。ドア開閉ギミック付きです。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 PALLAS 3
CITROEN DS 19 PALLAS 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 PALLAS 5
CITROEN DS 19 PALLAS 6

 以下は2001年に発売されたソリド製のシトロエン DS 19 フランス公用車 (1/43 型番4566)の画像です。フロントウィンドーにフランス国旗を模したトリコロールカラーのエンブレムが付いているのがフランス政府公用車の証です。ソリドはフランスの老舗ブランドながら、シトロエン DSのミニカーを2000年以前にはモデル化していませんでした。これはそのソリドがモデル化した最初のDSのミニカーで、当時2200円ほどと安価でしたので細部の仕上げは簡素ですが、全体的には老舗らしい味のある良い出来ばえになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 OFFICIAL CAR 1
CITROEN DS 19 OFFICIAL CAR 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 OFFICIAL CAR 3
CITROEN DS 19 OFFICIAL CAR 4

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PANHARD 24BT 1966 FRANCE

PANHARD 24BT
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PANHARD 24BT


SOLIDO 143 1/43 106mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.55m 全幅約1.62m エンジン 変速機: 空冷水平対向2気筒 850cc 60HP 4段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでパナール 24のミニカー検索

パナール 24BT フランス 1966年

 

 パナール 17の後継車として1964年にパナール 24が登場しました。ディナ Xから使われてきた空冷水平対向2気筒850㏄(50HP)エンジンを搭載する前輪駆動車という基本構造は17のままでしたが、ホイールベースを短縮し全く新しい2ドアボディを載せたものでした。ボディのデザインはPL17のイメージを継承していましたが、フロントの造形などに明らかにシトロエンの影響が感じられました。最初に登場したのはクーペボディで4座(2+2座)の24Cで、それに60HPにパワーアップしたエンジンを搭載した高性能版24CT(Tはティグルの意)が追加されました。

 

 1965年にホイールベースを延長した5座セダンの24B(Bはベルリンの意)とその高性能版の24BTが追加されました。パナール 24はシトロエン グループ内ではアミ 6ID 19の間を埋めるスペシャリティーカーという扱いで、4ドア仕様は計画されましたが実現しませんでした。パナール 24は自動車創生期の名門がシトロエン傘下で最後に咲かせた高性能ツーリングカーでしたが、1967年に生産中止となりパナールの名前も消えました。総生産台数は約2.9万台でした。

 

 

 ミニカーは1966年に発売されたソリドの当時物です。ロングホイールベース仕様で高性能版の24BTをモデル化しています。ソリドらしいシャープな造形で実車の雰囲気が再現され、室内などの細部も良く再現された実に素晴らしい出来ばえです。ソリド初期の傑作品の一つだと思います。ボンネット、ドア、トランクの開閉ギミック付で、トランク内にはスーツケースがありエンジンルーム内にはエンジンが結構リアルに再現されています。(ただし残念なことに金属製のエンジン部分は錆びてしまっていますが) これ以外のパナール 24の当時物ミニカーはディンキー(仏)の24CT、ノレブ初期のプラスチック製の24CT/24BCTがありました。当時物以外ではソリドの新製品の24CT、ノレブの新製品の24CTなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PANHARD 24BT 1
PANHARD 24BT 2

 以下は1964年に発売されたディンキー(仏)製のパナール 24CT (1/43 型番524)の画像です。こちらは全長が4.29mであった24CTをモデル化していますので、全長が98㎜と上記の24BTより短いです。1960年代のミニカーですから素朴な作りですが、ディンキー(仏)らしい正確なプロポーションで実車の雰囲気が良く再現されています。こちらはドアのウィンドーが上下するギミックが付いています。当時のミニカーは子供の気を引く何らかの可動部(ギミック)を付けるように工夫していたのです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PANHARD 24BT 3
PANHARD 24BT 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PANHARD 24BT 5
PANHARD 24BT 6

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FIAT 124 1966 ITALY

FIAT 124
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 124


MEBETOYS A16 1/43 95㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.05m 全幅約1.63m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 60HP 4段変速
性能: 最高速145km/h  データーベースでフィアット 124のミニカー検索

フィアット 124 イタリア 1966年

 

 1966年にフィアット 1300の後継車としてフィアット 124が登場しました。従来の排気量を表す名前の付け方を変えたのは、新世代の車であることを示していました。見た目はシンプルな箱型デザインの後輪駆動車ながら、新設計の高性能エンジンや4輪ディスクブレーキの採用など居住性、操縦性、経済性がバランスした優れた設計でした。フィアットとして初めてEU カー オブ ザ イヤー(1967年)を獲得しています。4気筒1.2L(65HP)エンジンを搭載し4段変速で最高速145km/hの性能でした。

 

 当初はセダンとファミリアーレ(5ドアワゴン)の構成でした。1967年にホイールベースを短縮してDOHC 4気筒1.4L(90HP)エンジンを搭載したピニンファリーナ デザインの2+2シーターのスポルト スパイダーが追加されました。5段変速機で最高速174km/hと高性能でした。同年にスパイダーと同じエンジンを搭載した2ドアのスポルト クーペも追加されました。セダンには1968年に1.4L(70HP)エンジンを搭載し4灯式ヘッドライトを採用したスペシャルが追加されました。1970年のマイナーチェンジでフロントグリルが意匠変更され、スペシャルはDOHC 1.4L(80HP)エンジン搭載のスペシャルTになりました。1972年にはスペシャルTのエンジンが1.6L(95HP)に変更されました。1974年まで生産され後継車は131でした。124はロシア(ラーダ)、スペイン(セアト)、インドなどでライセンス生産され、それらも含めると総生産台数は約1500万台にもなりました。

 

 

 ミニカーは1967年に発売されたメーベトイ製の当時物です。発売当初の124をモデル化しています。メーベトイ流の柔らかい感じの造形で実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ています。ボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミック付です。これ以外の124 セダンの当時物ミニカーはマーキュリー、エディルトイ、ポリトーイの初期物のプラスチック製、ノレブ初期のプラスチック製などがあります。当時物以外ではブレキナの1/87、EDISON GIOCATTOLIなどがあります。124のクーペやスパイダーの当時物ミニカーはポリトーイのスパイダー、マーキュリーのクーペなどがあり、当時物以外ではビテスのスパイダー、スターラインのクーペ、イクソのクーペ、オートアートのスパイダー 1/18などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 124 1
FIAT 124 2

 以下は1970年に発売されたメーベトイ製の当時物 フィアット 124 ラリー (1/43 型番A41)の画像です。ドアに表示された地図を見ると、北欧ノルウェーのノース ケープからアフリカ南端のケープタウンまでの40000kmを走破するラリーの参加車をモデル化しているようです。上記の同じメーベトイ製の型番A16をベースにして、フロントグリルを4灯式ヘッドライトに、フロントバンパーをガード付きに変更し、屋根には燃料タンクやスペアタイヤを積んたルーフラックを追加しています。メーベトイはこれ以外にもポルシェ 912のロンドン-シドニー ラリー仕様など長距離ラリーの車をモデル化していました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 124 RALLY 1
FIAT 124 RALLY 2

 以下は1970年に発売されたマーキュリー製の当時物 フィアット 124 スポルト クーペ ラリー (1/43 型番302-7)の画像です。マーキュリーは型番302でクーペの初期型(2灯式ヘッドライト)をモデル化していましたが、これはそれをラリー仕様に仕立てたものです。124 クーペは1970年のマイナーチェンジで中期型となり4灯式ヘッドライトに変更されましたので、このミニカーはフロントグリル部分を変更しています。当時のマーキュリーのミニカーにはこのようなボンネットを黒塗りしシールを貼っただけのお手軽なラリー仕様がたくさんありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 124 SPORT COUPE RALLY 1
FIAT 124 SPORT COUPE RALLY 2

 以下は1970年代に発売されたオートピレン製のセアト 124 スポーツ クーペ (1/43 型番329)の画像です。これはフィアットではなくスペイン版のセアトですが、セアトはフィアットのライセンス生産でしたから外観などはフィアットとほとんど同じでした。オートピレンのミニカーは他社のコピーが多いのですが、これはオートピレンのオリジナルのようで124 クーペの当時物ミニカーとしてはかなり良い出来ばえになっていました。ラインストーンを使ったヘッドライトはうまい造形で、オートピレンによく見られるメタリック系のシャープなカラーリングが綺麗です。ボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミック仕様です。オートピレンは他社のコピーから始まったブランドでしたが、この124 クーペあたりからミニカー製作技術を上げていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 124 SPORT COUPE 3
FIAT 124 SPORT COUPE 4

 以下は2014年に発売された国産名車コレクション製のフィアット 124 スポルト クーペ (1/43 No.232)の画像です。メーカーはイクソで、124 スポルト クーペの1971年式(中期型)をモデル化しています。イクソは型番CLC170で124 スポルト クーペを発売していますのでそれを流用した廉価版です。コストダウンでワイパーや室内の仕上げレベルを落としていますが、それ以外は型番CLC170と同じですので値段以上の良い出来ばえのミニカーになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 124 SPORT COUPE 3
FIAT 124 SPORT COUPE 4

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FIAT DINO SPIDER 1966 ITALY

FIAT DINO SPIDER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT DINO SPIDER


PROGETTO-K PK160 1/43 95mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.14m 全幅約1.71m エンジン 変速機: DOHC V型6気筒 2L  160HP 5段変速
性能: 最高速210km/h  データーベースでフィアット ディノのミニカー検索

フィアット ディノ スパイダー イタリア 1966年

 

 フェラーリはフォーミュラ 2 レースのホモロゲーションを取得する為にV型6気筒エンジンを量産する必要に迫られ、提携関係であったフィアットにそのエンジンを搭載した車を提案して生まれたのがフィアット ディノでした。(ディーノと表記されることが多いようですが、当サイトではディノと表記します) このディノとはエンツォ フェラーリの息子のアルフレード フェラーリの愛称で、彼の24歳での早すぎる死を悼んで、彼がアイデアを出したといわれるV型6気筒エンジンにディノの通称が与えられていました。

 

 フィアット ディノは最初にスパイダーが1966年のトリノショーで登場しました。ピニンファリーナが設計/製造するダイナミックなスタイルのスパイダーにはDOHC V型6気筒2L(160HP)エンジンが搭載され、5段変速で最高速は210km/hと高性能でした。翌年の1967年にベルトーネが設計/製造する2+2シーターのクーペが追加されました。クーペはスパイダーより大きく重い為、動力性能(最高速200km/h)はやや劣りましたが、4人乗れる居住性が売りでした。1969年にはエンジンがフェラーリ ディノ 246と同じ2.4L(180HP)に変更されました。価格は同じエンジンを搭載するフェラーリ ディノ 246の2/3ぐらいでした。1973年まで生産され、総生産台数は約7800台でクーペが多くスパイダーは1/4ほどでした。(実車画像→ フィアット ディノ クーペ)

 

 

 ミニカーは1996年に発売されたプロゲットK製です。プロゲットKは1970年代から最近まで存続していたイタリアのミニカーブランドで、1950-1980年代のイタリア車を主にモデル化していました。ミニカーの出来ばえは当時の平均的なレベルをやや下回るレベルでした。このフィアット ディノは全体的な雰囲気はまずまずの出来ばえなのですが、フロントグリル周りの造形が今ひとつなので実車の美しいスタイルがうまく伝わりません。これ以外のフィアット ディノ スパイダーのミニカーはシュコー(ジュニアライン)、ミニチャンプス、京商(1/64)などがあります。フィアット ディノ クーペのミニカーはマーキュリー、メーベトイ、ダイヤペットの1/50、ノレブの初期のプラスチック製などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT DINO SPIDER 1
FIAT DINO SPIDER 2

 以下は1968年に発売されたメーベトイ製の当時物 フィアット ディノ クーペ (1/43 型番A14)の画像です。ディノ クーペは同時期に登場したイスズ 117 クーペに非常によく似ていますが、どちらも基本デザインをG.ジウジアーロが担当していたのが原因です。メーベトイらしいソフトな造形で、実車の雰囲気がうまく再現されています。ボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT DINO COUPE 1
FIAT DINO COUPE 2

以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。エンジンにはDINOのロゴが表示されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT DINO COUPE 3
FIAT DINO COUPE 4

 以下は1968年に発売されたマーキュリー製の当時物 フィアット ディノ クーペ (1/43 型番63)の画像です。マーキュリーは実車より少しかっこよくデフォルメするのですが、このディノ クーペもやや細身でシャープな感じにデフォルメされています。これも上記のメーベトイ同様に当時のミニカーとして良く出来ていました。上記の2台よりフロント周りの造形はうまく出来ていると思います。ドア開閉ギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT DINO COUPE 5
FIAT DINO COUPE 6

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