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ポルシェ 911 ドイツ 1964年
基本的なスタイルを現在も変えていない偉大なスポーツカー ポルシェ 911の初代は、1963年に発表されました。フォルクスワーゲン ビートルをベースにしたポルシェ 356の後継車でしたが、911は全てが新規設計されました。モノコックボディ、空冷水平対向6気筒2L(130HP)エンジン、5段変速機、全輪独立懸架、全輪ディスクブレーキで、最高速210km/h、0-400加速16秒台と第一級の性能でした。また356の弱点であったオーバーステアー特性もかなり抑えられていたそうです。なお911は最初は901という名前でしたが、3桁で0を挟んだ名前を登録していたプジョーからクレームがつき911になったそうです。
1965年に356C用の4気筒1.6L(90HP)エンジンを搭載し室内を簡素化した廉価版の912とオープンルーフの911 タルガが設定されました。1967年にエンジンを160HPにパワーアップした高性能版の911Sと、210HPにパワーアップしたレース用の911Rが追加されました。その後エンジンは1969年に2.2L、1971年に2.4L、1973年に2.7Lと拡大されました。1973年に北米の安全基準に対応する為に、大型のバンパーが採用され外観が大幅に変わりました。これはビッグバンパーと呼ばれ、1975年に登場した930 ターボの特徴でもありました。なおビッグバンパーを持つ911 初代(930型ではないターボの付かないモデル)は1977年まで製造されました。
ミニカーは1987年頃に発売されたビテスの初期物です。約35年前に発売された昔のミニカーですがプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。室内などの細部もそこそこ良く再現されていました。購入者が後付するワイパーとエンブレムなどのデカールが付属品として付いていましたので、それらを使えば細かいところの見ばえが良くなります。(このミニカーにはそれらを使っていませんが) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 904 GTS ドイツ 1964年
レーシングカー ポルシェ 718の後継車として904が1964年に登場しました。GT2クラスのホモロゲーション取得のため、100台以上が生産されました。バックボーンフレームにFRP製ボディを載せる構造のGTカーで、サーキットまで自走していく程度の実用性がありました。標準のエンジンはDOHC 空冷水平対向4気筒2L(180/155HP)で、ワークス用の904/6は911用の6気筒2L(210HP)、904/8は804F1用をベースとした8気筒2Lでした。
904のデビュー戦は1964年セブリング 12hで、クラス優勝(総合9位) しています。その後タルガ フロリオ優勝、ルマン クラス優勝などで活躍し、国際マニュファクチャラーズ選手権 GT2クラス チャンピオンを獲得し、1964年の第2回日本GPでもクラス優勝しています。(ドライバーは式場壮吉) 1965年にはプロトタイプクラスの904/6 904/8が主力となり、タルガ フロリオ GTクラス優勝、ルマン プロトタイプクラス優勝などで活躍し、GT2クラス チャンピオンを連続して獲得しました。後継車は1966年に登場した906でした。
ミニカーは2001年頃に発売されたビテス製です。倒産する直前のビテス絶頂期のもので、精密に再現されたエンジン/サスペンションが見えるようにリアカウルを外して配置したディスプレイケースに収められていました。ワイパーやリアカウル上の排気グリルにエッチングパーツを使うなどレベルの高い仕上げで、とても良く出来ていました。ビテスはルマン仕様などバリエーションを数種類出しています。これ以外の904のミニカーはポリトーイの当時物、ミニチャンプス、シュコー、スパーク(レジン製)などがあります。最近の新興ブランドのミニカー(主にレジン製)を「精密」と表現していることがありますが、私はこのミニカーのように内部構造を細かいパーツで再現していることを「精密」だと考えます。したがって外観はリアルながら内部メカを全く再現していないミニカーが「精密」であるとは思いません。なお「精密」と「出来の良し悪し」とはまた別の評価基準で、「精密」=「出来が良い」という訳でもありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 911 タルガ ドイツ 1965年
ポルシェ 911 タルガは356 カブリオレの後継車として1965年に登場しました。横転時の安全面からロールバーの役目を果たすBピラーが残されていましたが、トップとリアウインドーを取り外すことでオープンカーと同等になるものでした。このタルガという名前はイタリアの公道レース「タルガ フロリオ」に由来しています。なおBピラーが残らない完全なカブリオレも1983年に911 2代目(930型)で復活しました。
ミニカーは1968年に発売されたメルクリン製の当時物です。鉄道模型の老舗であったドイツのメルクリン社は戦前から1970年代まで1/43のミニカーを発売していました。同社の鉄道模型と同様にミニカーも高品質で、この911 タルガはプロポーションがリアルで当時としては良い出来ばえでした。ホイールは走らせることを重視したフリーホイールなのですが、外観は1966年に追加された高性能版の911Sが履いていた軽合金ホイールに似せていますので、あまり違和感はありません。
実車同様にトップを外すことができドアが開きますので、そこそこ再現された室内も良く見えます。特筆すべきはドアのサイドウインドーを上下させることが出来るギミックが付いていることです。ただここまで作りこんでおきながら、ドアの三角窓がフロントウィンドーと一体成型されているので、開いたドアには三角窓が付いていない点はご愛敬です。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 912 ドイツ 1965年
高性能な本格派スポーツカーとなったポルシェ 911は、当然ながら先代の356に比べて高価格になってしまいました。当時のアメリカでは$7500ぐらいで、これは同時代のフォード マスタング 初代のベーシックモデルの3台分の価格でした。そこで廉価版として356C用の4気筒1.6L(90HP)エンジンを搭載して、室内を簡素化した912が1965年に設定されました。 価格は911の2/3で、最高速185km/h、0-400加速 18秒台と356C並みの性能でした。ポルシェのエントリーモデルとして約3万台が1969年まで生産されました。
ミニカーは1967年に発売されたポリトーイ製の当時物で、ポリトーイ初期のMシリーズです。外観が同じなのに911ではなくあえて912をモデル化した理由が不明ですが、何故か同時期のメーベトイも911ではなく912をモデル化しています。キャビン部分が大きめでプロポーションが今ひとつなので、Mシリーズとしてはやや不人気のモデルでした。(ポリトーイ流の作風で、個人的には好きなミニカーなのですが) フロントトランク/ドア/リアボンネットが開閉するギミック付きです。 これ以外の912のミニカーはブレキナ(1/87)、トミカ リミッテド(1/64)、シュコー、スパーク(レジン製)などがあります。1960年代後半に東名高速道路が開通したことで、912が高速道用パトカーとして採用されましたが、そのパトカーをブレキナとトミカ リミッテドがモデル化していました。
以下はフロント/フロントトランク開閉の画像とリア/リアボンエットを開いたエンジンルームと室内の画像です。フロントトランクにはスぺタイヤとスーツケースが再現されています。またエンジンルーム内には当時物としてはそこそこリアルにエンジンが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 906 ドイツ 1966年
1966年にグループ4 スポーツカーを対象とした国際スポーツカー選手権が新設されました。これに対応して2L以下クラスのタイトル獲得の為、ポルシェが初めて純粋のレーシングカーとして開発したのが906でした。鋼管スペースフレームにFRP製ボディの構造で、丸みのあるルーフとガルウイング式ドアを特徴とするデザインでした。
エンジンは904用をチューンした空冷水平対向6気筒2L(210HP)で、ワークス用エンジンとしてその燃料噴射仕様(220HP)と804F1用を改良したDOHC 空冷水平対向8気筒2.2L(260HP)がありました。なお904の6気筒仕様が906と呼ばれていたので、当初の906はカレラ6と呼ばれていました。後に904の6気筒仕様を904/6、カレラ6を906と呼ぶことになりました。
デビュー戦は1966年デイトナで、プロトタイプクラスで優勝しています。その後ワークスの主力は燃料噴射エンジン搭載車となり、タルガ フロリオで総合優勝、ルマンでクラス優勝するなど大活躍して、スポーツカー選手権チャンピオンとなりました。日本GPにもプライベーターが906で参戦していました。
ミニカーは1967年に発売されたコーギー製の当時物です。当時のミニカーは子供向けのおもちゃでしたが、プロポーションが良くフロント左右の特徴的なスポイラーが再現されているなど、当時物ミニカーとしては実車がうまく再現されていました。ドライバーのフィギュアとリアカウルを開くと見えるそこそこリアルに再現された6気筒エンジンも楽しいギミックでした。これ以外にもディンキー(仏)、ソリド、マーキュリー、ガマなど当時の主要ブランドが906をモデル化していたことが、当時の906の人気の高さを示しています。当時物以外ではエブロ、ミニチャンプス、スパークなどでたくさんモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)