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クーパー T51 F1 イギリス 1959年
クーパーの歴史は自動車修理工場を営んでいたクーパー父子が、1946年にレーシングカーを製作したことから始まりました。最初に開発されたクーパー 500はオートバイの単気筒500㏄エンジンをミドシップ搭載したF3マシンでした。この車はF2クラスに匹敵する性能があり好評でした。エンジンをミドシップ搭載したことで操縦性が優れていたのですが、ミドシップ搭載したのは単に後輪をチェーン駆動するのに最適だったからだそうです。戦前にはアウトウニオンがV型16気筒エンジンをミドシップ搭載していましたが、当時のハイパワーエンジン主体のマシンではエンジンをミドシップ搭載することの真価がわからなかったのでした。(実車画像→ クーパー 500 F3)
クーパー 500は1950年にF3マシンとしてFIAに認証されましたが、F3クラスではクーパーが圧倒的に強くレースが成立しなかったようです。1952年にはブリストルの6気筒2Lエンジンをフロントに搭載したF2マシン クーパー T20が登場しました。(この時はまだミドシップ方式の優位性に気づいていなかったようです) クーパー T20はF2規格で行われた1952-53年グランプリのプライベーター用マシンとして使われました。(実車画像→ クーパー T20)
1957年にクライマックス製 DOHC 4気筒2Lエンジンをミドシップ搭載したクーパー T43が登場し、クーパーはワークスとしてF1に参戦しました。デビュー戦の1957年モナコGPでは6位で、1958年のアルゼンチン GPでS.モスがドライバして初優勝しました。これはリアエンジン車によるF1初勝利でした。T43はサスペンションを改良したT45に変わり、1959年にエンジンを2.5Lに拡大したT51が登場しました。1959年シーズンのクーパーは9戦中5勝して、初のコンストラクターズ選手権を獲得し、J.ブラバムがドライバー選手権を獲得しました。1960年にT51を改良したT53が登場しました。(実車画像→ クーパー T43)
ミニカーは1997年に発売されたブルム製です。1959年モナコGP 優勝車(ドライバー J.ブラバム)をモデル化しています。1970年代に発売されたブルムの初期物はややアバウトな出来ばえの物が多かったのですが、1990年代になると細部の仕上げが良くなりレベルの高い出来ばえに変わりました。(ウインドーの取り付けが少し浮いていますが、少し押さえてやれば治ります) クーパー初期のF3/F2マシンはテクノ、ソリド、ディンキー、ポリトーイなどの老舗ブランドが揃って当時物を発売していたことから、当時のクーパーの人気がうかがえます。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ハインケル トロージャン 200 バブルカー イギリス 1960年
1920年代にオートバイ用の単気筒や2気筒エンジン、タイヤ、ホイールを流用した簡素な4輪車/3輪車が作られました。(代表的な車種はモーガンなど) これらはサイクルカーと呼ばれ、そのほとんどは第2次大戦後には消滅しました。ただイギリスにおいては大戦後も3輪車に対する免許制度や税制上の優遇が残されていたので、3輪車に対する需要が残りました。
ドイツの航空機メーカーであったハインケル(HEINKEL)社は、戦後民生用のスクータを生産するようになり、その発展型としてBMWのイセッタを真似たカビーネを1956年に発売しました。カビーネはイセッタと良く似ていましたが、ヘッドライトの取付やリアのエンジンカバー部分の形状が違っていました。またカビーネはイセッタのように前面ドアとステアリングホイールが連動する構造ではなく、これはイセッタのパテントを避けたものでした。スクーター用の4サイクル空冷単気筒174cc(3輪仕様)/198cc(4輪仕様)エンジンを搭載し4段変速で最高速90km/hの性能でした。1958年まで製造されました。 イギリスのトロージャン社がハインケル カビーネの製造ライセンスを供与されて1960年から製造したのが、トロージャン 200 バブルカーでした。(バブルカーとはキャビンがバブル(泡)のような形状の超小型車の意) ほとんどが4サイクル空冷単気筒198cc(10HP)エンジンを搭載する3輪仕様で右ハンドル仕様もあったようです。1966年まで製造され、総生産台数は約6千台でした。
ミニカーは1962年に発売されたコーギー製の当時物ですた。1960年代のビンテージ物ミニカーなので素朴な作りですが、バブルカーと称された個性的なボディをうまく再現していました。ステアリングホイールと室内を再現してあるのは当時のミニカーとしては進んだ仕上げで、小さいながらも良い出来ばえでした。当時物ミニカーになっているので、実車にはある程度の人気があったのでしょう。なおミニカーの底板にはトロージャン(TROJAN)ではなくHEINKELと書かれています。トロージャンの当時物ミニカーはこれしかありませんが、当時物以外ではヘルパの1/87、オックスフォードの1/76と1/18があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オースチン FX4 タクシー イギリス 1960年
初代のロンドンタクシー オースチン FX3の後を引き継いだのがFX4で、1958年に登場しました。FX3同様のセパレートフレーム構造ながら、コーチビルダーのカーボディーズ社が担当したボディは近代的になりました。ドアが付いた運転席の左側は依然として荷物スペースでしたが、暖房や照明が付けられて室内の乗り心地は向上しました。初期のFX4DはBMC製の4気筒2.2L(54HP)ディーゼルエンジンを搭載し、3段オートマティックで最高速95km/hの性能でした。
1961年にオースチンの2.2Lガソリンエンジンとマニアル ミッションを搭載したFX4Gが追加されましたが、経済的なディーゼルエンジンのFX4Dが主流でした。オースチンはFX4のライセンスをカーボディーズ社に譲渡し、1982年からはカーボディーズ社のブランドで改良されたFX4Rに発展しました。FX4Rにはローバー製の2.2Lディーゼルエンジンが採用され、5段変速機やパワステなどの最新装備が搭載されていました。
その後カーボディーズ社はタクシー総合管理会社LTI(ロンドン タクシー インターナショナル)社の一員となり、LTIからは1985年にFX4S、FX4Qが登場しました。1989年には日産製の2.7L(86HP)ディーゼルエンジンを搭載しサスペンションを改良した最終型のフェアウェイが登場しました。フェアウェイは約55000台が生産され1997年に生産中止となり、後継車のTX1が登場しました。(実車画像→ LTI TX1) TX1は2002年にTX2に発展し2007年にはその後継車のTX4が登場しました。(有名なFX4の名前と合わせる為に、TX3は意図的に飛ばされたようです) (実車画像→ LTI TX4) 2018年には最新型のTX5が登場しました。
ミニカーは1960年に発売されたコーギー製の当時物ですが、画像のミニカーはそのビンテージ物ではなく、1971年に再生産された物なのでホイールがフリーホイール仕様になっていました。元々は1960年代に作られたミニカーでしたので素朴な出来ばえですが、1960年代のミニカーとしては良く出来ていました。このレトロな感じがFX4の雰囲気に良く合っています。コーギーは最近でもイギリスを象徴する車としてFX4を1/36や1/32でモデル化していて、各種の記念品やセット物が非常にたくさんあります。約40年間も生産された有名なロンドンタクシー FX4のミニカーは新旧たくさんあります。コーギー以外ではディンキー、スポットオン、ポリトーイの1/25、ミニチャンプスの1/18、トミカ、イクソ、オックスフォードなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー MK II 3.8 イギリス 1960年
1959年にジャガー MK Iの改良版のMK IIが登場しました。ボディ全体のフォルムはほとんど同じでしたが、キャビン部分が設計変更されて窓枠部分が細くなりウインドー面積が広がり開放的で近代的なキャビンとなりました。フロントグリル形状とヘッドライトなど灯火類の配置も変更されました。また先代の6気筒2.5L/3.4Lエンジンに加えて、MK IXに搭載されていた6気筒3.8Lエンジン(220HP)が追加され、リアトレッドの拡大などで操縦安定性が改良されました。パワーステアリングや3速自動変速機の設定もありました。
1960年にジャガーは業績の悪化したディムラーを吸収合併しました。1962年にはMK IIのフロントグリルなどを変え内装を豪華にしたディムラー版の2.5 V8 サルーンが登場しました。ディムラー版はディムラー製のV型8気筒2.5L(140HP)エンジンを搭載し、自動変速機仕様のみで最高速183km/hの性能でした。1963年にはMK IIの発展型のS タイプが登場しました。(実車画像→ ジャガー S タイプ)
1960年代中頃になると売り上げが低迷したため、値段を下げるべく1967年にコストダウンを主体としたモデルチェンジが行われました。このモデルチェンジでMK IIは3.8Lエンジンが外されて名前が240/340に変わり、ディムラー版は250に変わり、1969年まで生産されました。1968年に実質的な後継車であるXJ6が登場しました。
ミニカーは1996年頃に発売されたビテス製です。3.8Lエンジン搭載のMK II 3.8をモデル化しています。プロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。またフロントグリル上のジャガーのマスコットや室内の木目パネルのインパネなど細かいところも良く再現されていて、かなり良い出来ばえでした。ビテスはバリエーションで3.4L仕様、ラリー仕様、ディムラー版の2.5 V8など20車種以上をモデル化していました。MK IIの当時物ミニカーはディンキー(英)、マッチボックスがありました。当時物以外では、コーギー、バンガーズ、マイスト、ミニチャンプス、オックスフォードの1/43と1/76、シュコーの1/87などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランドローバー シリーズ II 88 イギリス 1960年
ランドローバーは、1958年にシリーズ IIに変わりました。基本的なデザインはシリーズ Iと変わりませんが、サイドパネル上端に丸みが付き特徴的な横一線のウエストラインを持つデザインとなりました。(このウエストラインは最新のディフェンダーまで継承されています) シリーズ IIでエンジンは4気筒2.3L(72HP)に変更されました。1961年にはディーゼルエンジンも4気筒2.3L(62HP)に変更されました。2.3Lガソリンエンジンはディーゼルエンジンが主流となった1980年代中頃まで使われました。
ショートホイールベース 88インチのステーションワゴン仕様は7人乗りで、前列が3人掛けのベンチシートで後は2人掛けシートが対面式に配置されていました。ロングホイールベース 109インチのステーションワゴン仕様は10人乗りで、前列と2列目が3人掛けのベンチシートで、その後ろに2人掛けシートが対面式に配置されていました。さらにオプションで3人掛けシートが対面式に配置された12人乗りもあったそうです。(参照サイト→ランドローバーの歴史) なおこの12人乗りは税制上バスとみなされて税金が安かったそうで、ディフェンダーにも2002年までバスの設定があったそうです。
ミニカーはビテス製で、1989年頃に購入しました。シリーズ IIで一番良く知られているホイールベース 88インチのハードトップ仕様をモデルしています。ビテス初期のモデルですが、フロントの造形など結構リアルで当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。画像では分かり難いですが、左ハンドルの輸出仕様で後席は対面シートになっています。ビテスにはバリエーションが約10種類ほどありました。シリーズ IIの当時物ミニカーとしてはスポットオン、コーギー、ディンキーなどで色々な仕様がありました。当時物以外ではバンガーズ、オックスフォード、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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