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ベルリエ ストラデール トラック フランス 1965年
ベルリエは自動車創世期に設立された自動車メーカーでした。第1次世界大戦中は、軍用トラックを生産していました。大戦後に乗用車生産を再開し、1920年代には4気筒の小型車から6気筒の大型車まで数モデルを販売していました。1929年のアメリカ株価大暴落による金融危機で景気が悪くなり、自動車の販売は低迷します。その影響で1930年代になると、ベルリエの乗用車は1934年に発売した11CVドーフィンだけになりました。この車もすぐに生産中止となり、その後のベルリエはトラック(後にバス追加)だけを生産するようになりました。
ベルリエのトラックはほとんどが大型(一部中型)で、それををベースにしたバスもありました。1949年に登場したボンネット式トラックのGLシリーズは、そのトラクタ仕様のTL、全輪駆動仕様(3軸2駆動軸の6X4、3軸3駆動軸の6X6など)のGBなど派生車が多くあり、1970年代まで生産されました。(実車画像→ ベルリエ GLシリーズ) 1957年にはV型12気筒30L(600HP)ディーゼルエンジンを搭載した全長13mの当時世界最大のトラック T100が登場しました。(実車画像→ ベルリエT100) ベルリエは1967年にシトロエン傘下となり、1974年にはルノーに売却されて同じトラック製造のサビエムと合併しルノー トラックスとなりました。
1965年に登場したベルリエ ストラデールは、トラックとしてはスタイリッシュなでユニークなデザインを採用していました。STRADAIRとはイタリア語のSTRADA(道路)とフランス語のAIR(空気)を組合わせた造語で、エアクッションとリーフスプリングを組み合わせた凝ったサスペンションを採用していることからつけられた名前のようです。このサスペンションは同様のサスペンションを採用していたシトロエン DSの影響を受けているように思います。なおエアクッションを使ったサスペンションは、荷重変化の大きいトラックに適したサスペンションで、現在のトラックでは主流となっています。
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。ストラデールの長尺平ボディトラックをモデル化しています。ディンキー(仏)らしいスケールモデル的なリアルな造形で、特徴的なボディだけではなく、車体下部のシャーシ、エンジン、サスペンションなどのメカ部分も良く再現されています。また昔のミニカーですから、このトラックの機能を再現した凝ったギミックが付いていました。これ以外のストラデールのミニカーは、ソリド(ベレム)の当時物、最近の物ではイクソやノレブ CIJの物があります。ベルリエの商用車は、ボンネットタイプのトラックのGL、TL、GBや、世界最大のトラック T100などを、ディンキー、ソリド、ノレブ、ブレキナなどがたくさんモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン 2CV フランス 1966年
1948年に発表されたシトロエン 2CV Aは当初その奇抜な外観を揶揄されましたが、合理的なフランス人は徐々に2CVの外観に慣れてその経済性と実用性を理解するようになりました。1951年には生産台数が1万台を超え、2CVは数年で広く普及していきました。名前のCVとは馬力という意味ですが、エンジン馬力ではなくフランスの課税馬力の単位です。実際には初期型は空冷2気筒375cc(9HP)エンジンを搭載し、1955年からは空冷2気筒425cc(12HP)エンジンを搭載し4段変速で最高速75km/hの性能でした。1963年には圧縮比を上げて18HPにパワーアップし最高速は80km/hとなりました。
最高速は遅いですが、エンジンは総軽合金製、シンクロメッシュ付き変速機、前輪駆動方式と高度なメカが採用されていました。また前輪と後輪が関連して水平を保つユニークなサスペンションによる快適な乗り心地など自動車本来の機能はとても高度な車でした。平面ガラスの窓、キャンバストップの屋根、最低限の計器、ハンモック式シートなど内外装は素っ気ないですが、そのシンプルさが1970-1980年代になると他車にはない魅力となりました。
1970年のマイナーチェンジでエンジンを435㏄(24HP)に拡大した2CV 4と新設計の602cc(29HP)エンジンの2CV 6の2タイプとなりました。(602ccエンジンは税制上は3CVとなりましたが、名前は2CV 6でした) この1970年のマイナーチェンジでフロントグリルが変更され、フロントフェンダーにウインカーが追加されテールライトが大型化されるなど外観が少しだけ目新しくなりました。その後も内外装のマイナーチェンジ、限定モデルのチャールストンやドーリーの追加などで時代に応じてアップデートを続けました。 さらに後ろを箱形の荷室にした商用バン、ジープタイプのメアリ、エンジンを前後に積んだ4WD車4X4サハラなどの派生車種も追加されました。最終的には排ガス規制や安全基準に対応できなくなり、1988年に40年間の長きにわたる生産が終了しました。
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(仏)の当時物で、1966年式をモデル化しています。ディンキーの最初の2CVは1950年に発売された型番24t(後に535に変更)で、その後1962年に型番558、さらに1967年にこの型番500が発売され、それぞれは実車の変更点(フロントグリル、リアクオータパネルのウインカー、リアクオータパネルのウィンドー、後ろ開きの前ドアなど)をきちんと再現しています。これは1966年式ですので、1965年に変更された後ろ開きの前ドアとリアクオーターパネルのウィンドーが再現されています。ヘッドライトにフランス車らしい黄色のラインストーンが使われ、ボンネット開閉ギミック付きで、空冷水平対向2気筒エンジンが再現されています。これ以外の当時物ミニカーとしては、ポリスティルの1/25、ビテス、ノレブ、ソリド、オートピレンなどがありました。当時物以外ではノレブの1/43と1/18、ソリドの1/43と1/18、ヘルパの1/87、オックスフォードの1/76、ミニチャンプス、ビテス、イクソなどたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアのk拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン DS 19 パラス フランス 1966年
1955年に登場したシトロエン DS 19は4気筒1.9L(75HP)エンジンを搭載し、クラッチ操作を油圧で自動化した4段変速機を介して最高速は140km/hの性能でした。全長4.8mの大型車ながら車重1.2tと軽量なため、あまり高性能ではないエンジンでも十分な走行性能を得ていました。当時のフランスの2Lクラスのライバルはルノー フレガートとアメリカ車風のシムカ ベデットぐらいで、どちらもシトロエン DSとは勝負にならず、このクラスはシトロエン DSの独占状態となりました。
1965年にはエンジンが4気筒1985cc(90HP)に変更され、内外装を高級にしたDS 19 パラスが追加されました。 バンパーの位置でボディを一周するサイドプロテクションモールがパラスの外観上の特徴で、補助灯とバンパーのオーバーライダーが追加されていました。室内は遮音材が追加され床はカーペットで覆われ、オプションで革張りシートが用意されていました。さらに上級の仕様としてはコーチビルダー シャプロンが特注で製作するリムジーン仕様のDS プレステージもありました。前席と後席の間にガラス製の間仕切り(パーティション)があってエアコンが装着され、公用車やハイヤーとして使われました。
ミニカーは1995年に発売されたビテス製で、シトロエン DS 19 パラス(1966年式)をモデル化しています。前述したビテスのシトロエン DS 19(型番691)にサイドプロテクションモール、フロントの補助灯、バンパーのオーバーライダーが追加されマフラー形状が変更され、豪華仕様のパラスに仕立ててあります。カラーリングもパラスらしい高級な感じになっていて当時のミニカーとしてはとても良い出来ばえでした。ビテスは実車同様にパーティションを設けたリムジーン仕様のプレステージもモデル化しています。ビテス以外ではリオやノレブもDS 19 パラスをモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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パナール 24BT フランス 1966年
1964年にパナール 17の後継車としてパナール 24が登場しました。パナール ディナ Xから使われてきた空冷水平対向2気筒850㏄(50HP)エンジンを搭載する前輪駆動車という基本構造は17のままでしたが、ホイールベースを短縮し全く新しい2ドアボディを載せたものでした。ボディのデザインはPL17のイメージを継承していましたが、フロントの造形などに明らかにシトロエンの影響が感じられました。最初に登場したのはクーペボディで4座(2+2座)の24Cで、それに60HPにパワーアップしたエンジンを搭載した高性能版24CT(Tはティグルの意)が追加されました。
1965年にホイールベースを延長した5座セダンの24B(Bはベルリンの意)とその高性能版の24BTが追加されました。パナール 24はシトロエン グループ内ではアミ 6とID 19の間を埋めるスペシャリティーカーという扱いで、4ドア仕様が計画されましたが実現しませんでした。パナール 24は自動車創生期の名門がシトロエン傘下で最後に咲かせた高性能ツーリングカーでしたが、1967年に生産中止となりパナールの名前も消えました。総生産台数は約2.9万台でした。
ミニカーは1966年に発売されたソリド製の当時物です。ロングホイールベース仕様で高性能版の24BTをモデル化しています。ソリドらしいシャープな造形で実車の雰囲気がうまく再現され、室内などの細部も良く再現され素晴らしい出来ばえでした。ソリド初期の傑作品の一つだと思います。ボンネット、ドア、トランクの開閉ギミック付で、トランク内にはスーツケースが備えてあり、エンジンルーム内にはエンジンが結構リアルに再現されていました。(ただし残念なことに金属製のエンジン部分は錆びてしまっていますが) これ以外のパナール 24の当時物ミニカーはディンキー(仏)の24CT、ノレブ初期のプラスチック製の24CT/24BCTがありました。当時物以外ではソリドの新製品の24CT、ノレブの新製品の24CTなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン ディアーヌ フランス 1967年
発表されてから20年近く経過し旧態化した2CVの代替として、1967年に投入されたのが、ディアーヌでした。エンジンなどのメカは2CVと同じながら、ライトをフェンダーに埋め込んだり、リアにハッチゲートを付けるなどボディを少し近代的にリファインしたものでした。室内は2CVより高級な仕上げとなっていたそうです。また同じメカですから性能的には2CVとたいして変わりはありませんでした。
この車は性能的にも外観的にも2CVとたいして変わらないので、中途半端な感じがしますが、当時のフランス人も同じように考えていたようです。結局2CVは売れ続けて、ディアーヌは2CVよりも早く1983年に生産中止となりました。
ミニカーは1968年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。ディンキー(仏)らしい生真面目な作りで、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されています。ボンネットとテールゲートの開閉ギミックが付いています。エンジンルームにはスペアタイヤとエンジンが再現されていて、テールゲートを開くと2個のトランクが積んであるという楽しいおまけ付きです。 ディアーヌの当時物ミニカーとしてはポリトーイ、メーベトイ、ノレブなどがありました。当時物以外では、ノレブの1/43と1/18、イクソ、ビテスなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/テールゲート開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)