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AMC ランブラー クラシック 660 アメリカ 1963年
AMC(アメリカンモータース)社はナッシュ社がハドソン社を吸収合併して1954年に発足しました。AMCがBIG3(GM/フォード/クライスラー)に対抗するには、中型/小型車に特化するしかありませんでした。1950年代には数モデルあったフルサイズカーはアンバサダーだけとなり、それ以外はランブラーに統一されました。ランブラーにはコンパクトカー(小型車)のアメリカン、ミッドサイズカー(中型車)のクラシック、マリーンがありました。サブコンパクトカー(コンパクトカーより小さい小型車)のメトロポリタンは1962年に生産中止となりました。ランブラー車は経済的で信頼性が高いことからファミリーカーとして高い人気がありました。1961年頃は販売台数ではシボレー、フォードに次ぐ第3位でした。
ランブラー クラシックは1950年代のシックスとレベル(REBEL)の後継車として1961年に登場しました。標準エンジンは直列6気筒3.2L(79HP)でオプションでV型8気筒4.1Lがありました。デザインはオーソドックスなセダンスタイルで、当時流行りであったヘッドライト上のヒサシと小さなテールフィンが付いていました。2ドア/4ドアセダンとステーションワゴンがありました。1962年にフロント/リアの意匠が変更され、テールフィンがなくなりました。またオプションのV型8気筒エンジンがなくなり、V型8気筒エンジンを搭載するのは上級車のアンバサダーだけとなりました。(実車画像→ ランブラー クラシック 1961)
1963年にクラシックは2代目にモデルチェンジしました。ボディは全長が少し小さくなり、外観はさらにシンプルなデザインに変わりました。エンジンは6気筒3.2Lで、オプションでV型8気筒4.7Lがありました。グレードは下から550/660/770の3グレードがありました。1964年に6気筒3.8Lエンジンを搭載する2ドアハードトップ タイフーン(TYPHOON)が追加されました。1963年の米国カー オブ ザ イヤーを受賞するなど 高品質で経済的な車として地味ながら人気がありました。アメリカ車は高性能で派手な車ばかりが目立ちますが、実際にはこのような実用車が売れていたのです。1965年にクラシックは3代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ ランブラー クラシック 1965)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製です。1960年代の代表的なアメリカ車を1/43でモデル化した60年代シリーズの1台です。アメリカ車は派手な高性能車がモデル化されることが多いのですが、1960年代の代表的な車としてこのランブラー クラシックがモデル化されたのは、実車に人気があったことの証明です。またこのような実用車をモデル化したフランクリン ミントの車種選択も優れています。ミニカーの出来ばえはこのシリーズの特徴である少しレトロな作風ながら、ボンネット/4ドアの開閉ギミック付きで、室内などの細部も良く再現されていました。また床下部分のドライブトレーンやサスペンションなどもリアルに再現されていました。ただ残念なことに左側前ドアはダイキャスト材の品質が悪かったようで、経年劣化でヒビが入っています。ランブラー クラシックの量産ミニカーはこれとディンキー(香港)の当時物のワゴンしかありませんので、車種的に貴重なミニカーでした。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スチュードベーカー アヴァンティ アメリカ 1963年
スチュードベーカーは1959年に他社に先駆けてコンパクトカーのラークを登場させました。ラークは既存のフルサイズカーのホイールベースを短縮し前後のオーバーハングを減らすことで全長約4.4mのコンパクトカーに仕立てていました。(その為車幅は1.8mもありました) エンジンは6気筒2.7LとV型8気筒4.2L/4.7Lで、このサイズでV型8気筒エンジンを搭載した最初の車でした。2/4ドアセダン、2ドアクーペ、3ドアワゴンがあり、当初は好調な売れ行きでした。しかし1960年代になるとシボレー コルベア、フォード ファルコン、クライスラー ヴァリアントなどのコンパクトカーが登場し、スチュードベーカーは売上げが激減し同社はまたもや存亡の危機に陥りました。(実車画像→ スチュードベーカー ラーク 1961)
この状況を打開すべく1962年にアヴァンティが登場しました。上述したラークのシャーシを流用し、フロントグリルのない変わった顔つきのボディはFRP樹脂製で、1953年のコマンダーと同じレイモンド ローウィのデザインでした。V型8気筒4.7L(240HP)エンジンを搭載し、スーパーチャージャーで289HPにパワーアップした高性能版がありました。アヴァンティは先進的なデザインで注目されましたが、FRP製ボディの外注製作が遅れて販売に支障が生じました。スチュードベーカーはボディの内製化で対応しようとしましたが、結局1963年末に生産中止となり生産台数は約4600台でした。スチュードベーカー社は1966年に自動車生産から撤退し、その後は自動車部品メーカーとして1979年まで存続しました。
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製の1960年代シリーズの1台です。フランクリン ミントの1960年代シリーズは1960年代の代表的なアメリカ車12車種を1/43でモデル化していました。いずれもややレトロな作風ながらボンネット/ドアが開閉するなど細部までリアルな作りでした。このアヴァンティもプロポーションが良く、変わった顔つきのフロントなど実車の雰囲気がうまく再現され、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。ボンネット/ドアの開閉ギミック付きで、エンジンルーム内のV型8気筒エンジンや室内などの細部も結構リアルに再現されていました。これ以外のアヴァンティのミニカーは同じフランクリン ミントの1/24、シグネチャーの1/32、ブービー(BUBY)、BOS MODELS(レジン製)などがあります。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM ポンティアック ルマン GTO コンバーチブル アメリカ 1964年
GMグループ内でシボレーより車格が高いポンティアックはオールズモービルと同じ中級車でした。1950年代までのポンティアックの主なユーザーは女性が多く、平凡ながら品の良い車でした。主なモデルとしてはパスファインダー、チーフテン、スターチーフ、ボンネビルなどがありました。1960年代になるとテンペスト、ルマン、グランプリなどデザインが派手で高性能エンジンを搭載するモデルが追加され、ポンティアック ブランドはスポーティなイメージに変化していきました。
1964年に登場したポンティアック GTOはポンティアック ルマンに高性能なV型8気筒6.4L(325HP)エンジンを搭載したオプション仕様で、その高性能(最高速212km/h)で人気となりました。その後GTOは正式のモデル名となり、GM初のマッスルカーとしてポンティアックの人気車種になっていきました。このGTOの名前の由来は有名なフェラーリ 250 GTOにちなんだ物だそうです。1965年に縦型4灯式ヘッドライトを採用したデザインに変更され、1968年にGTO 2代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ ポンティアック GTO 1968 )
マッスルカーは単にエンジンが高性能なだけではなくマニュアル変速機が付き、サスペンション、タイヤなどもスポーツ仕様に変えられていました。また見た目もボンネットのエアスクープなどで違いを誇示していました。1960年代はこのような高性能を売り物にした車が多かったのですが、1970年代になると排ガス規制が厳しくなり、この類の車はだんだん消えていきました。
ミニカーは1990年頃に作られたフランクリン ミント製の1960年代シリーズの一つです。このシリーズは1960年代の代表的なアメリカ車12車種を1/43サイズでモデル化したもので、ドアやボンネットが開閉でき室内も良く作り込まれていました。このポンティアック GTOもメッキパーツのヘッドライトなどがレトロな作風ながら、直線的なデザインの実車イメージが再現され良く出来ていました。特徴的なフロントグリルとテールライト、室内、エンジンなどもリアルに再現されています。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きです。これ以外のGTO初代のミニカーは同じフランクリン ミントの1/24、ダンバリー ミントの1/24、マイストの1/18、デルプラドの世界の名車シリーズ、マッチボックスの1/43、ホットホイールの1/64などがあります。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード マーキュリー モントレー マローダー アメリカ 1964年
1960年代前半のマーキュリーのフルサイズカーにはモントレー、モンテクレア、パークレーン、S-55がありました。S-55のSはSPECIALの意味でこの車は1962年から1963年と1966年から1967年の各2年間だけ生産された特別仕様の高性能車で、1957年のターンパイククルーザーの後継車でもありました。標準でV型8気筒6.4L/6.7L(385-405HP)エンジン、オプションのレース仕様ではV型8気筒7L(425HP)エンジンを搭載していました。S55とは別にモントレーの2ドアハードトップクーペに高性能エンジンを搭載したスポーツ パッケージとしてモントレー マローダーが1963年に設定され、1964年には4ドアハードトップにも設定されました。
1963年式のモントレーのセダンは逆傾斜したリアウィンドーが特徴だったのですが、マローダーはNASCAR(アメリカで人気のあるストックカーレース)へ参戦することを目的としていたので、空力特性を良くする為余計な飾りがないシンプルなハードトップクーペでした。(実車画像→ マーキュリー モントレー セダン 1963) エンジンはS-55と同じ高性能エンジンを搭載していました。レース仕様がNASCARで活躍したことで、マローダーはマッスルカーとして人気がありました。 1969年にマローダ 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーはヤトミン製で2007年頃に発売されました。1950-1970年代のアメリカ車をモデル化したシリーズの1台でした。このシリーズは定価1400円ほどの安価なミニカーでしたのであまり細かいところまでは仕上げられていませんが、実車の雰囲気は良く再現されていました。このモントレー マローダーもフロント/リアの造形がそこそこリアルで、シンプルで伸びやかなスタイルのマローダーがうまく再現されていました。昔のアメリカのフルサイズカーはサイズが大きいのですが、特にリアは今ではとても考えられないほど長いです。現代的な観点では無駄の塊のようなデザインなのですが、無駄があるからこそ成立するこの車のようなデザインも捨てがたいです。これ以外のモントレー マローダーのミニカーは同じヤトミンの1/18、アーテルの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード マスタング I コンバーチブル アメリカ 1964年
1964年に登場したフォード マスタングは大規模な市場調査結果から企画された小型スポーティカーでした。既存のコンパクトカー ファルコン(初代 1963年型)をベースにしており、その外観をスポーティに変えたものでした。(実車画像→ フォード ファルコン 1963) マスタングは2ドア車だけでしたが、2年間で100万台も売れるほどの大成功を収めました。低価格ながら個性的なデザインが、財布の軽い若者と大きな車が苦手な女性に支持されたのが大ヒットの要因でした。
また単なる低価格車ではなく各種の内外装オプション設定でカスタマイズができ、エンジンも6気筒2.8L(101HP)/3.3L(120HP)から高性能なV型8気筒4.3L(164HP)/4.7L(200-270HP)までありました。このフルチョイス システムと呼ばれる豊富なオプション設定もマスタングが成功した要因でした。ボディバリエーションとしては、ハードトップとコンバーチブル、1965年に追加されたファーストバックがありました。1967年にボディが大型化され前後の意匠が変更されました。1969年にもボディが大型化されフロントの意匠が大きく変更され、ファーストバックに高性能版のマッハ Iが追加されました。
ミニカーはミニチャンプス製で、2003年頃に発売されたフォード100周年記念モデル 12台セットのひとつでした。フォードの特注品だったこともあり、このマスタング コンバーチブルは1/43サイズではベストといえるほど非常に素晴らしい出来ばえでした。プロポーションが抜群で実車のイメージが見事に再現され、細部の仕上げも1/43量産ミニカーでは限界と思われるところまでリアルに仕上げてありました。特に前フェンダー、ステアリングホイールのセンターに再現されたマスタングのロゴは拡大画像でないと良く見えないほどの緻密さです。2005年には色違いが単体でも発売されました。初代マスタングのミニカーは非常にたくさんあります。当時物ではテクノ、コーギー、ディンキーなどがあり、当時物以外ではフランクリン ミント、ダンバリー ミント、マッチボックス、ミニチャンプス、シュコー、グリーンライト、M2マシーン、ジョニーライトニングなどがあります。その一部ですが、当サイトのマスタングのページでまとめて紹介しています。以下はフロント(マスタングのロゴ拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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