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フィアット 525N イタリア 1929年
1910年に登場したフィアット タイプ 3は1919年にフィアット 510に変わりました。510は6気筒3.5L(46HP)エンジンを搭載し車体のサイズは大きいですが、小型車の501やその上級車505と同じようなデザインでした。1920年に追加されたスポーツ仕様の510Sは、ホイールベースを短縮したシャーシに53HPにパワーアップしたエンジンを搭載し最高速100km/hの性能でした。セダン、トルペード、ランドレーなどのボディ形式があり、1925年までに約14000台が生産されました。(実車画像→ フィアット 510 1919)
1926年にフィアット 510は512に発展し、1928年には当時の最上級車519の後継車となる525に発展しました。525は6気筒3.7L(68HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速97km/hの性能でした。525は1929年に改良型の525Nとなりました。525にもホイールベースを短縮し軽量化したスポーツ仕様の525S(68HP 最高速107km/h)と、さらにそれを高性能化した525SS(89HP 最高速120km/h)がありました。フィアットには必ずスポーツ仕様があるのはイタリアのお国柄でしょう。525Nは1929年にバチカン市国のローマ教皇に献上されました。(参照ページ→ イタリアのVIPカー) 525は1931年まで生産され、総生産台数は約4400台でした。後継車は524で、その後1934年に527、1938年に2800となりました。(実車画像→ フィアット 2800 1939)
ミニカーは1983年頃に発売されたソリド製です。このミニカーは元々は1967年に型番154でローマ教皇の教皇車(パパモビル)としてモデル化された物でした。それには教皇と運転手のフィギュアが乗っていました。(なお実際の525N 教皇車はこのようなオープンカーではなく密閉式ボディのリムジンだったようですが) この型番4154は型番154のフィギュアを外して通常の525Nとして再生産されたものでした。その為この525Nの後部座席は教皇用の特注仕様(着座位置を上げてある)のままで、ラジエータ上のマスコットも教皇車を示すマスコットのままとなっています。ドア開閉ギミック付きです。これ以外の525のミニカーはポリトーイの初期物(プラスチック製)の525S、ノレブの初期物(プラスチック製)、リオの525N 教皇車があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランチア ディラムダ イタリア 1929年
前述したランチア ラムダの成功で1929年にはアメリカ市場を指向した高級車としてディラムダが登場しました。ラムダの特徴であった前輪独立懸架サスペンションは踏襲していましたが、大型の豪華なボディを架装する為に従来のフレーム構造を採用していました。その為ラムダの斬新で軽快なデザインに比べると、ディラムダは古典的な高級車のデザインとなっていました。またエンジンもラムダと同じ狭角V型でしたが、アメリカ市場の嗜好に合わせてV型8気筒4L(100HP)エンジンが搭載され、4段変速で最高速125km/hの性能でした。
このディラムダという名前はエンジン気筒数などがラムダの2倍という意味で付けられた名前でした。当初はロングホイールベース(3475mm)仕様のみでしたが、1930年にショートホイールベース(3290mm)仕様が追加され、当時のカロッツェリアがセダンやトルペードの特注ボディを架装しました。1935年に生産中止となり総生産台数は約1600台でした。当時の保守的な高級車市場においてディラムダは先進的で個性的な車でしたが、高額であったことと1929年の世界大恐慌による不景気もあって商業的には失敗作となりました。
ミニカーは1978年に発売されたリオ製です。リオはクラシックカーを専門とするマニア向けのブランドで、当時のミニカーとしてはレベルの高い出来ばえでした。(その分値段も高かったですが) このディラムダも実車の雰囲気が良く再現されていて、フロントグリル/灯火類、室内などの細部もリアルに出来ています。特にこの車のヘッドライトは単純な円形ではなくランチアのエンブレムの形状になっているのですが、それがきちんと再現されています。(参照画像→ ランチア エンブレム) 立付けが良くスムーズに動作する前ドア開閉ギミック付です。リオはバリエーションでオープン仕様のトルペードと戦前の政治家ムッソリーニのフィギュアが付いたセダンもモデル化しています。これ以外のディラムダのミニカーはノレブがありました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ 6C 1750 GS イタリア 1930年
1925年にアルファ ロメオ 6C 1500が発表され1927年から生産されました、アルファ ロメオ P2 GPカーをベースとした高性能車で、P2のエンジンを1.5Lに変更してスーパーチャージャーを外したSOHC 6気筒1.5Lエンジン(44HP)エンジンを搭載していました。1928年にはエンジンをDOHC化したC6 スポーツが追加されました。さらにスーパーチャージャーを追加して76HPにパワーアップした高性能版が追加され、それらの高性能版は1928年のミッレ ミリアで優勝するなどレースで活躍しました。
1929年に排気量が1750ccに拡大されました。標準仕様のツーリスモはSOHC 1.75L(46HP)エンジンで、DOHC 1.75L(64HP)エンジンのSS(スーパー スポルト)、スーパーチャージャー 付 DOHC 1.75L(85HP)エンジンのGS(グラン スポルト)などの高性能版があり、6C 1750も1930年のミッレ ミリアで優勝するなどレースで活躍しました。ボディはコーチビルダーのザガートやトゥーリングが架装しました。特にザガート製の軽快なボディを持つスパイダーは一番よく知られています。この6C 1750は1960年代にアルファ ロメオ社が公式のレプリカを製作しているほど人気のある車でした。6C シリーズはその後も排気量を拡大して1933年に6C 1900、1934年に6C 2300(8C 2300の廉価版)、1938年に6C 2500が登場し、戦後も6C 2500/3000が生産されました。1930年には新型の8気筒エンジンを搭載したレーシングカー仕様の8C 2300が開発されました。
ミニカーは2005年に発売されたブルム製です。高性能版の6C 1750 GSをモデル化しています。ブルムは1982年に型番R077で8C 2300をモデル化していて、これは当時としてはまずまずの良い出来ばえでしたが、1980年代のミニカーでしたので細かい点ではやや雑なところがありました。ブルムのミニカーは2005年あたりから仕上げレベルが上がっており、この6C 1750は内装の仕上げやワイヤースポークホイールなどがリアルになり、かなり良い出来ばえに変わっていました。フロントグリルのアルファ ロメオのエンブレムや室内のメーター類などの細部もきちんと仕上げてあり、スペアタイヤのカバーも凝ってます。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ 6C 1750 イタリア 1932年
GPカー アルファ ロメオ P2の成功で勢いを得たアルファ ロメオは、小型車市場に進出して業績拡大をねらいました。当時のベストセラー小型車であったフィアッ ト 501と競合しないよう、上級車並の性能を持つ小型車としてアルファ ロメオ 6C がヴィットリオ ヤーノによって開発されました。1925年に発表された6CはSOHC 6気筒1500cc 44HPの高性能エンジンを搭載し、サスペンションやブレーキなども高度な仕様で絶大な人気となりました。1929年にエンジンが1750ccに拡大され、DOHC化したエンジンにスーパーチャージャーを付与した高性能版はツーリングカーレースで大活躍しました。
ミニカーは1966年に発売されたリオ製です。1932年式の6C 1750をモデル化しています。プロポーションが良くフロントグリル、ホイール、バンパーなどの細部がリアルに再現され、非常に素晴らしい出来ばえでした。ボンネットを取外すことができ、エンジンなどのメカも再現されています。なおこのボンネットは一見すると外れそうには見えないぐらい立て付けが良いので、これが外せることに気が付いたのは購入してから数年後のことでした。この当時のアルファ ロメオ セダンの量産ミニカーはこれぐらしかないので、貴重なミニカーです。
以下はフロントとリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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