ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

VOISIN C23 (17CV) 1934 FRANCE

VOISIN C23 (17CV)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOISIN C23 (17CV)


SOLIDO 144 1/43 108mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.48m 全幅約1.6m エンジン 変速機: スリーブバルブ式 6気筒 3L 85HP  オーバードライブ付2段変速(4段変速)
性能: 最高速130km/h  データーベースでヴォアザンのミニカー検索

ヴォアザン C23 (17CV) フランス 1934年

 

 ブガッティの創設者エットール ブガッティと並び称される鬼才ガブリエル ヴォアザン(Gabriel Voisin)は弟のシャルルとともに初期の航空機の開発を行いました。1907年に複葉機の初飛行を行い、その後ヴォアザン飛行機会社を設立し、第1次大戦中にはフランス軍向けに軍用機を生産しました。戦後は軍事産業からの転換を図り、まずは現在のツーバイフォー工法のようなプレハブ住宅の開発を行いましたが、既存の建築業界の反対にあって断念しました。そこで次に自動車の製作を行うことになりました。(ヴォアザンの航空機の画像→ ヴォワザン III 1911)

 

 最初に開発されたC1は1920年に登場しました。この車は4気筒4L(80HP)のスリーブバルブエンジンを搭載した高級車で、シトロエン社の創立者であったアンドレ シトロエンから製造権を購入したプロトタイプをベースにしていました。C1は洗練されたパワフルな車で富裕層に愛用されました。その後C1はC3となり1922年にC3のレース仕様車がストラスブール ツーリングカーレースで優勝しヴォアザンの名声が高まりました。(実車画像→ ヴォワザン C1 1920) その後1927年に6気筒2.4Lエンジン搭載のC11、1929年にフランス初のV型12気筒3.8L/4.8Lエンジン搭載のC17/C18、1931年に6気筒3Lエンジン搭載のC23など独創的な高級車が登場しました。1939年にヴォアザンは経営状態の悪化で自動車生産から撤退し航空機エンジン生産に転じました。

 当時ガブリエル ヴォアザンの下で働いていた技術者アンドレ ルフェーブルは後にシトロエンに入社し、第2次大戦後に偉大な名車シトロエン 2CVやDSの開発にかかわっています。シトロエン 2CVがなんとなく以下で説明しているC25 アエロディーヌに似ているのは、シトロエンのユニークなデザインにガブリエル ヴォアザンが影響していたと考えると納得できます。

 

 

 ミニカーは1966年に発売されたソリド製のヴォアザン C23(17CV)です。モデル化しているC23はスリーブバルブ式6気筒3L(85HP)エンジンを搭載したヴォアザンとしては後期のモデルでした。1960年代のソリドのクラシックカーのミニカーは20車種ほどありましたが、いずれもかなり良い出来ばえで当時の一級品でした。このミニカーも角ばったボディが良く再現されていて、ヴォアザン車に共通する特徴である独特のフロントグリルとその上のマスコット(鳥)も実に忠実に再現されています。前フェンダー上にある箱は据付式のトランクです。ドア開閉のギミック付で、室内もそこそこ良く再現されています。ヴォアザンのミニカーは最近までこのC23しかなかったのですが、2010年以降にミニチャンプスのC25とC27、スパーク(レジン製)のC25とC27、イクソのC25とC28などがモデル化されました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOISIN 17CV (C23) 1
VOISIN 17CV (C23) 2

 以下は2013年に発売されたイクソ製のヴォアザン C25 アエロディーヌ 1934 (1/43 型番MUS049)の画像です。C25はスリーブバルブ式6気筒3L(105HP)エンジンを搭載した4人乗りのファーストバックセダン(全長約4.9m 全幅約1.7m)で、オーバードライブ付2段変速(4段変速)で最高速130km/hの性能でした。アエロディーヌは流線形ボディを採用したモデルに付けられた名前で、ファーストバックのキャビンはヴォアザン流の個性的な流線形となっていました。この車のルーフは空圧アクチェーターで全体が後方にスライドするスライディングルーフになっていました。ルーフには丸い窓がいくつも設けられていますが、これはスライドしたルーフがリアウィンドーの上に被さった状態でも後方視界をある程度確保する為の窓です。実車は数台が製造されたようです。ミニカーは実車をかなり忠実にモデル化してあり良く出来ています。フロントグリルや室内などの細部は結構リアルで、特徴的なスライディングルーフもスライドはしませんが、その動作が想像できるリアルさです。(実車画像→ ヴォワザン C25 1934) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOISIN C25 AERODYNE 1
VOISIN C25 AERODYNE 2

 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOISIN C25 AERODYNE 3
VOISIN C25 AERODYNE 4

 以下は2011年に発売されたスパーク製のヴォアザン C27 アエロスポルト 1934 (1/43 型番S2706)の画像です。上述したC25のバリエーションとしてC26とC27が1934年に発表されました。C26は1台だけ作られたC25のホイールベース拡張版で、C27はホイールベースを短縮したスポーティ版で2台作られました。その1台がこのC27 アエロスポルトで、C25 アエロディーヌのクーペ仕様のような車です。5角形のサイドウィンドーに円弧を描いたキャビンといった変わったデザインで、アエロディーヌ同様に屋根は後方にスライドして、オープントップ状態になります。スリーブバルブ式直列6気筒3L(105HP)エンジンを搭載し、オーバードライブ付2段変速(4段変速)で最高速150km/hの性能でした。もう1台のC26はフィゴーニ製のオープンカーでした。C26はたった2台しか作られていませんが、ベースとなったC25も数十台しか作られていないようです。このような希少な車がレストアされて現存しているのは、ヴォアザンの独特なキャラクター故のことでしょう。このミニカーも実車を忠実にモデル化していて良く出来ています。特にフロントグリル上の繊細で良く出来たマスコット、5角形のサイドウィンドー、幾何学模様の内装やシートの造形など実にリアルに再現されています。ただしレジン製ミニカーの欠点である経年劣化がひどく、箱に入れたままで保管していたのですが、購入して数年でボディ下部全周に付いているモールなどが剥がれてきました。(直そうとして触るとさらに悪化するので直すこともできません いくら細部がリアルでも、その状態を長期的に維持できないレジン製ミニカーはあまり買わないほうが良いです。(実車画像→ヴォワザン C27 1934) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOISIN C27 AEROSPORT 1
VOISIN C27 AEROSPORT 2

 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。フロントグリル上の鳥のマスコットは非常に繊細に出来ていますが、ほんの少しでも触ると破損します。私の保有する物もこの画像撮影後に不注意で触ってしまい跡形もなく壊れました。少し触ったぐらいで簡単に壊れるような構造になっているのは設計者の怠慢と技量不足です。(上記のイクソ製はもっと強度のある設計になっています) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOISIN C27 AEROSPORT 3
VOISIN C27 AEROSPOR 4

 以下は2003年に発売されたフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」シリーズのNo.26 ヴォアザン C28 アンバサダー 1936 (1/43 型番S2706)の画像です。C28は上記C25の発展型でガブリエル ヴォアザンが設計した最後のモデルでした。スリーブバルブ式6気筒3.3L(125HP)エンジンを搭載し、オーバードライブ付2段変速(4段変速)で最高速155km/hの性能でした。2ドア/4ドアセダンとリムジン(全長約4.9m 全幅約1.7m)があり約60台が製造されたようです。アンバサダーはその中でもロングホイールベースのシャーシで製作された特注品のリムジンに付けられた名前でしたが、後に標準のシャーシのモデルにも付けられたようです。ミニカーはそのロングホイールベース版のリムジンをモデル化しているようです。「VOITURES CLASSIQUES」シリーズのクラシックカーはイクソ製で雑誌付きの安価なミニカーながらいずれも良い出来ばえでした。このC28 アンバサダーもフロントグリルとその上のマスコット、室内などの造形もそこそこリアルでなかなかの良い出来ばえです。イクソは同じ型を使った色違い(黒)を型番MUS041で発売しています。(実車画像→ヴォワザン C28 1936) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOISIN C28 AMBASSADE 1
VOISIN C28 AMBASSADE 2

 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOISIN C28 AMBASSADE 3
VOISIN C28 AMBASSADE 4

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FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 1934 ITALY

FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO


MERCURY 70 1/43 82mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.5m エンジン 変速機: 4気筒 1L 36HP 4段変速
性能: 最高速110km/h  データーベースでフィアット 508Sのミニカー検索

フィアット 508S バリッラ コッパ ド オーロ イタリア 1934年

 

 この当時のフィアット車には必ずスポーツ仕様がありましたが、大衆車 508 バリッラにも2シーター スパイダーの508Sが1934年に追加されました。カロッツエリア ギアのデザインで、リアのトランクに付いた小さなテールフィンが特徴でした。4気筒1Lエンジンはサイドバルブからオーバーヘッドバルブに変更されて36HPにパワーアップされ、790kgと軽量なボディゆえに4段変速で最高速110km/hの性能でした。操縦性も優れていて、当時の軽量スポーツカーとしては抜群の性能でした。508Sには様々なバリエーションがありましたが、高性能版はコッパ ド オーロ(伊語で金杯の意)とも呼ばれました。

 

 フィアット 508Sのレース仕様はミッレ ミリアなどのレースで活躍し、イギリスのブルックランズ マウンティン サーキットでは平均速度89km/hで1000マイルを走破しており、軽量ながら耐久性にも優れていたようです。1935年にレースでの空力特性を改善する為に流線形のクーペボディを載せた508CS ベルリネッタ ミッレ ミリア クーペが開発されましたが、ボディが重くなり競争力が低下しました。508 バリッラはドイツのNSUやフランスのシムカでも生産され、シムカ版の508S スパイダー(シムカ フィアット 6CV)が1937年ルマンの1.1Lクラスで優勝しています。508Sはわずか1000台ほどしか生産されませんでしたが、高く評価されています。(実車画像→ フィアット 508CS ベルリネッタ ミッレ ミリア クーペ)

 

 

 ミニカーはマーキュリー製で1960年代に発売されました。実際に製作したのはZISS-MODELL(チィス モデル)のブランドで知られるMINI-AUTO社で、マーキュリーにOEMしていたようです。実車の雰囲気がうまく再現され、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。ボンネット取外しとドア/トランクが開閉するギミック付きで、エンジンやトランク内のスペアタイヤも再現されています。これ以外の508Sのミニカーはドゥグー、ポリスティルの1/16、スターラインの508CSなどがあります。  以下はフロント/ボンネットを外したエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 1
FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 2

 以下は1960年代に発売されたドゥグー製のフィアット 508S バリッラ コッパ ド オーロ 1937 (1/43 型番17)の画像です。フェンダーなどが軽量化されたレーシング仕様をモデル化しています。迫力のあるボディがうまく再現されていて、小さなサイクルフェンダーもリアルに出来ています。小さいながらもドア/ボンネットが開閉できるギミック付で、エンジンもリアルに再現されています。繊細なパーツが多いのでボディの大半はプラスチック製です。50年以上も昔に作られたミニカーとは思えないほど実に素晴らしいドゥグーの傑作ミニカーでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 3
FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 4

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 5
FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 6

 以下はイタリアで発刊されたミニカー付雑誌「FIAT STORY」のNo.10として発売されたフィアット 508S (1/43) の画像です。メーカーはノレブで2008年にオークションで入手しました。ノレブらしいそつのない良い出来ばえで、最近のミニカーですのでフロントグリル、ボディ同色のホイール、インパネなどがそこそこリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 5
FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 7
FIAT 508S BALILLA COPPA D'ORO 8

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LANCIA ASTURA CABRIOLET PININFARINA 1934 ITALY

LANCIA ASTURA CABRIOLET PININFARINA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA ASTURA CABRIOLET PININFARINA


ALTAYA 16 1/43 124mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.3m 全幅約1.64m エンジン 変速機: V型8気筒 3L 82HP 4段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでランチア アルテナ/アスツゥーラのミニカー検索

ランチア アスツゥーラ カブリオレ ピニンファリーナ イタリア 1934年

 

 ビンテージ期の傑作車ランチア ラムダの後継車として1931年にアルテナ(ARTENA)が登場しました。アルテナのセダンはランチアが自社製標準ボディを設定していましたが、それ以外のボディ(クーペ、コンバーチブルなど)は従来通りカロッツェリアが特注ボディを架装していました。その為ボディはラムダの特徴であったモノコック構造ではなくフレーム構造を採用していました。V型2L(55HP)エンジンを搭載し4段変速で最高速115km/hの性能でした。1942年まで生産され総生産台数は約5500台でした。(実車画像→ ランチア アルテナ 1931)

 

 1931年にランチアの最上級車ディラムダの後継者としてアスツゥーラが登場しました。アスツゥーラはアルテナと同じプラットフォームでしたが、ホイールベースが延長されV型8気筒2.6L(72HP)エンジンを搭載していました。エンジンは1933年には3L(82HP)に拡大され、短いホイールベース版が追加されました。アスツゥーラはV型8気筒エンジンながら排気量は3Lと控えめで、スポーティな高級車として名だたるカロッツェリアが豪華なボディを架装していました。1939年まで生産され、総生産台数は約2900台でした。ランチアは車名にギリシャ文字を使っていましたが、この頃からアルテナとアスツゥーラなどローマ帝国時代の地名を使うようになりました。

 

 

 ミニカーは2006年頃に発売されたフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」のNo.16として作られた物でイクソ製です。ピニンファリーナがデザインしたコンバーチブルをモデル化しています。品の良いスポーティなデザインに青/空色のツートンカラーが良く似合っています。プロポーションが良く、室内もそこそこ良く再現されていて雑誌付きミニカーの標準的なレベル以上の良い出来ばえでした。これはオークションで入手した物ですが、2010年に色違いがイクソの型番MUS029(黄/金 ツートンカラー)でも発売されました。これ以外のアスツゥーラのミニカーはソリド、ミニチャンプス、スターラインなどがあります。アルテナのミニカーはKESS MODEL(レジン製)があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA ASTURA CABRIOLET PININFARINA 1
LANCIA ASTURA CABRIOLET PININFARINA 2

 以下は1999年に発売されたソリド製のランチア アスツゥーラ 1935 (1/43 型番4169)の画像です。カロッツェリアのスタビリメンティ ファリーナ(STABILIMENTI FARINA ピニンファリーナの創立者バッティスタ ファリーナの兄の会社)製のクーペをモデル化しています。古典的なスポーツカースタイルで高級車らしい黒と銀の塗り分けとなっています。ソリドの型番41**シリーズは安価(当時約2000円)でしたのであまり細かいパーツは付かないシンプルな作りでしたが、クラシックカーの基本的な部分はきちんと押さえて作ってありました。このアスツゥーラもソリドらしいシャープな造形で、灯火類や室内などの細部もそこそこリアルに再現されていて良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA ASTURA 3
LANCIA ASTURA 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA ASTURA 5
LANCIA ASTURA 6

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PACKARD TWELVE LE BARON 1934 USA

PACKARD TWELVE LE BARON
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PACKARD TWELVE LE BARON


ALTAYA VOITURES CLASSIQUES (IXO) 28 1/43 127㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.25m 全幅約1.88m エンジン 変速機: V型12気筒 7.3L 160HP 3段変速
性能: 最高速144km/h   データーベースでパッカードのミニカー検索

パッカード トゥエルブ ルバロン アメリカ 1934年

 

 前述したパッカード ツイン シックス(量産車初のV型12気筒6.9Lエンジン搭載)の後継車として、V型12気筒エンジンの排気量を7.3L(160HP)に拡大したトゥエルブが1933年に登場しました。パッカードの最上級車トゥエルブは極めて高価な車で、この当時はまだコーチビルダーがボディを架装していました。標準のホイールベース仕様には2ドアロードスター/クーペ、4ドアセダン/フェートンなど、ロングホイールベース仕様にはリムジーンなど様々な特注ボディが架装されました。

 

 このパッカード トゥエルブ ルバロンはコーチビルダー ルバロン(LE BARON)社が架装した豪華な二人乗りのボートテール型ロードスターで、このタイプは僅か数台しか作られなかったそうです。この車の初代のオーナーは有名な映画スターのクラーク ゲーブルだったそうです。(実車画像→ パッカード トゥエルブ ルバロン クラーク ゲーブル パーソナルカー) 1935年にエンジンが7.7Lに拡大され175HPにパワーアップし、ギヤボックスはシンクロ付になり、1937年にブレーキが油圧式となりました。トゥエルブは1940年に生産中止となり、総生産台数は約5000台でした。

 

 

 ミニカーは2006年頃に発売されたフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」シリーズのNo.28でイクソ製です。ほとんど同じで色違いの青がイクソのカタログモデルでは型番MUS043で2012年に発売されました。実車諸元の画像参照リンク先に載っている実車を忠実にモデル化しています。出来ばえはこのシリーズのイクソ製の標準的なものですが、特にこのパッカードはフロントグリルまわりの造形が良くできています。グリルの外枠とセンターラインが車体と同じカラーに塗られたフロントグリルがきちんと再現され、グリルの上に付いているマスコットもはっきりと形が分かるように再現されています。(かなりオーバースケールですが) このパッカードのマスコットは差し出した両手で車輪を掲げている女神の姿で「Goddess of Speed(スピードの女神)」と呼ばれている有名な物です。これ以外のパッカード トゥエルブのミニカーはフランクリンミントの1/24と1/43、アンソンの1/18や1/24、GREAT LIGHTNING(レジン製)などがあります。以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PACKARD TWELVE LE BARON 1
PACKARD TWELVE LE BARON 2

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PACKARD TWELVE CONVERTIBLE 1934 USA

PACKARD TWELVE CONVERTIBLE
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PACKARD TWELVE CONVERTIBLE


FRANKLIN MINT RB75 1/43 132mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.6m 全幅約1.9m エンジン 変速機: V型12気筒 7.3L 160HP 3段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでパッカードのミニカー検索

パッカード トゥエルブ コンバーチブル アメリカ 1934年

 

 1920-1930年代のパッカードはGM キャディラックと双璧をなす高級車ブランドでした。前述したツイン シックス(量産車初のV型12気筒6.9Lエンジン搭載)の後継車として、V型12気筒エンジンの排気量を7.3L(160HP)に拡大したトゥエルブが1933年に登場しました。パッカードの最上級車トゥエルブは極めて高価な車で、この当時はまだコーチビルダーがボディを架装していました。標準のホイールベース仕様には2ドアロードスター/クーペ、4ドアセダン/フェートンなど、ロングホイールベース仕様にはリムジーンなど様々な特注ボディが架装されました。なお一番人気があって高価だったのは、前述したルバロン ロードスターだったそうです。

 

 こちらは4ドアのコンバーチブルで、正式にはデュアル カウル フェートン(前席/後席にスクリーンが付いた4座オープン)と呼ばれる形式です。室内の前席背後のパーティション部分に後席用ウインドーを上下させるハンドルが付いているのがその証です。当時の高級車の最新機器として、1934年のパッカードにはダッシュボード組込み式ラジオがオプション設定されていました。1935年にエンジンが7.7Lに拡大され175HPにパワーアップし、ギヤボックスはシンクロ付になり、1937年にブレーキは油圧式となりました。トゥエルブは1940年に生産中止となり、総生産台数は約5000台でした。

 

 

 ミニカーはフランクリン ミント製で、1990年頃に発売されました。同社の1/43サイズの1920-1930年代のクラシックカーは約十数種類あり、キャディラックやパッカードなどの高級車をモデル化していました。いずれもドアが開閉しボンネットを外すとエンジンが再現され、シャーシなどの下回りもそこそこ再現されていました。このパッカードもヘッドライトなどが少しレトロな作風ですが、実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ています。4ドアが開閉しボンネット内にはエンジンが再現されています。フランクリン ミントは1/24でも同じ車をモデル化していました。これ以外のパッカード トゥエルブのミニカーは前述したイクソのルバロン、アンソンの1/18や1/24、GREAT LIGHTNING(レジン製)などがあります。以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PACKARD TWELVE CONVERTIBLE 1
PACKARD TWELVE CONVERTIBLE 2

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