ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

RENAULT REINASTELLA RM2 1934 FRANCE

RENAULT REINASTELLA RM2
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT REINASTELLA RM2


SOLIDO 4097 1/43 123mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.3m 全幅約1.9m エンジン 変速機: 8気筒 7.1L 130HP 3段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでルノー ステラ シリーズのミニカー検索

ルノー レナステラ RM2 フランス 1934年

 

 ルノーの最上級車であった40CVは、1928年にルノー初の8気筒エンジン(7.1L)を採用したレナステラ(RM型)に変わりました。レナステラはロールス ロイスやパッカードなどの高級車をライバルとするルノーの高級車ステラ シリーズの最初のモデルで、大統領専用車にもなりました。ラジエーターがフロントに移されたので、特徴であった「象の鼻」がなくなり、当時のアメリカ車によく似たラジエーターグリルを持つようになりました。なおステラ(STELLA)とはラテン語でSTAR(星)の意味で、ステラ シリーズにはフロントグリル上部に星形のマスコットが付いていました。

 

 1930年に8気筒4.2L(100HP)エンジンを搭載した廉価版のネルヴァステラ(NERVASTELLA)が登場しました。1933年にレナステラを軽量化してパワーアップしたスポーツ仕様のレナスポールが登場しました。レナステラは1933年頃に生産中止となり、総生産台数は数百台でした。後継車はネルヴァステラでした。なおレナスポールは左ハンドル仕様でこの車以前のルノーは全て右ハンドルでしたが、この時期から左ハンドルに移行していきました。(この時代以前のルノー車のミニカーをみると全て右ハンドルです) なお自動車以前の馬車では御者が右手でムチを扱いやすいように右側に座っていたので、その名残で初期の自動車はほとんどが右ハンドルでした。

 

 

 ミニカーは1970-1980年代に発売されたソリド製です。レナステラの後期型RM2の重厚なリムジーンをモデル化しています。現代的な観点で見ると特別にリアルという訳ではないですが、当時としては良い出来ばえのミニカーでした。ボディ側面の籐細工模様やルーフに貼った布で高級な雰囲気に仕立てています。(模様の付いていない仕様もありました) なおこの車はまだ右ハンドルです。これ以外のレナステラのミニカーは最近のノレブのリムジンや大統領車などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT REINASTELLA RM2 1
RENAULT REINASTELLA RM2 2

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RENAULT VIVASPORT CABRIOLET 1934 FRANCE

RENAULT VIVASPORT CABRIOLET
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT VIVASPORT CABRIOLET


DUBRAY 35 1/43 112mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m エンジン 変速機: 6気筒 3.6L 80HP 3段変速?
性能: 最高速135km/h  データーベースでルノー ヴィヴァ シリーズのミニカー検索

ルノー ヴィヴァスポール カブリオレ フランス 1934年

 

 1930年代前半のルノーのラインナップは、前述した8気筒エンジン搭載の最上級大型車のネルヴァステラ、その下に6気筒エンジン搭載の中型車でヴィヴァステラ(VIVASTELLA)/プリマステラ(PRIMASTELLA)、その下の4気筒エンジン搭載の小型車にヴィヴァカトル(VIVAQUATRE)/プリマカトル(PRIMAQUATRE)/モナカトル(MONAQUATRE)がありました。(QUATREとはフランス語で4の意味で4気筒エンジンを意味しています) 1929年に登場したヴィヴァステラは6気筒3.2L(52HP)エンジンを搭載した、全長約4.5m-4.9mの4ドアセダンの高級中型車でした。ラジエーターはまだエンジン後方に配置されていましたが、フロントグリルが付いていました。(実車画像→ ルノー ヴィヴァステラ 1930)

 

 1934年にエンジンが3.4L(85HP)に拡大され、1935年にはボディ全体が丸みを帯びた新型に変更されました。1933年に上級車として6気筒3.6L(80HP)エンジンを搭載したヴィヴァスポール(VIVASPORT)が登場しました。このスポール(SPORT)という名前は高性能の上級グレート車に付けた名前のようです。ヴィヴァスポールは1934年にはエンジンが4L(95HP)に拡大されました。2ドア/4ドアセダンやスタイリッシュな2ドアクーペ/カブリオレなどがありました。ヴィヴァスポールは1938年まで生産され総生産台数は約5000台でした。

 

 

 ミニカーは1970年代に発売されたフランスのデュブレイ(DUBRAY)製です。デュブレイはフランスのプラスチック製ミニカーの老舗ブランドで、フランス車のクラシックカーを1/43でモデル化していました。これはヴィヴァスポールの2ドア4座カブリオレをモデル化しています。1970年代のミニカーとしてはリアルな造形で、実車の雰囲気がうまく再現されていて良い出来ばえです。プラスチック製ですが塗装されていますので、ボディには塗装による艶があります。プラスチック製ミニカーで問題となる経年変化がほとんどみられないので、ABS樹脂のような耐久性のある材質が使われているようです。これ以外のヴィヴァスポールのミニカーはユニバーサルホビー、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT VIVASPORT 1
RENAULT VIVASPORT 2

 上記のヴィヴァスポールの上級車として1934年に6気筒4.1L(95HP)エンジンを搭載したさらに上級なヴィヴァ グラン スポール(当初の名前はヴィヴァステラ グラン スポール)が登場しました。この車も4ドアセダン以外に派手な2ドアクーペ/カブリオレがありました。1937年のマイナーチェンジでアメリカ車風の派手なフロントグリルが採用され、ヘッドライドがフェンダーと一体化しました。1939年の生産中止までに約1万台ぐらいしか生産されていないので、当時としてはかなり高級な車だったのでしょう。ヴィヴァ グラン スポールは戦前の最後に登場した6気筒エンジン搭載車で、戦後のルノーでは1975年のルノー 30まで6気筒エンジン搭載車が登場しませんでした。

 以下は2008年頃に発売されたユニバーサルホビー製のヴィヴァ グラン スポール カブリオレ(ACX2) 1935 (1/43 型番7711421913)の画像です。もともとはフランスのミニカー付き雑誌「RENAULT COLLECTION」のNo.73として作られたものです。同じ型を使ったと思われる物がノレブとノスタルジー(NOSTALGIE)からも発売されていますので、設計はノレブが担当したと思われます。1930年代のフランスのスポーティな高級車の洒落た雰囲気がうまく再現されています。フロントグリル/灯火類/室内などの細部もリアルに再現されていて良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT VIVA GRAND SPORT CABRIOLET TYPE ACX2 1
RENAULT VIVA GRAND SPORT CABRIOLET TYPE ACX2 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT VIVA GRAND SPORT CABRIOLET TYPE ACX2 1
RENAULT VIVA GRAND SPORT CABRIOLET TYPE ACX2 2

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RENAULT CELTAQUATRE 1934 FRANCE

RENAULT CELTAQUATRE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT CELTAQUATRE


NOREV 519153 1/43 105mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 29HP 3段変速
性能: 最高速99km/h  データーベースでルノー カトル シリーズのミニカー検索

ルノー セルタカトル フランス 1934年

 

 1930年代前半のルノーのラインナップは、前述した8気筒エンジン搭載の最上級大型車のネルヴァステラ、その下に6気筒エンジン搭載の中型車でヴィヴァステラ(VIVASTELLA)/プリマステラ(PRIMASTELLA)、その下の4気筒エンジン搭載の小型車にヴィヴァカトル(VIVAQUATRE)/プリマカトル(PRIMAQUATRE)/モナカトル(MONAQUATRE)がありました。(QUATREとはフランス語で4の意味で4気筒エンジンを意味しています) 1931年に登場したモナカトルは4気筒1.3L(25HP)エンジンを搭載した全長約3.9mの小型車で、2ドア/4ドアセダンと2ドアクーペ/カブリオレがありました。1932年にエンジンが1.5L(30HP)に拡大され、ボディも丸みを帯びたデザインに変わりました。それと同時期にモナカトルより上級のプリマカトルとヴィヴァカトルが登場しました。(実車画像→ ルノー モナカトル 1931) 

 

 モナカトルの後継車として1934年にセルタカトルが登場しました。セルタカトルは4気筒1.5L(34HP)エンジンを搭載した小型車で、当時のルノーでは一番安いモデルでした。ボディは当時流行った流線型を取り入れていましたが、同時期のライバルであったシトロエン 7CVに較べると今ひとつ古くさい感じがします。中身も独立でない前輪サスペンションやフレーム構造など技術的にはライバルから遅れていましたが、値段が安いことでそこそこ成功したようです。1937年に後継車のジュバカトルが登場し、1939年まで生産されました。総生産台数は約4.4万台でした。

 

 

 ミニカーは2005年に発売されたノレブ製です。プロポーションが良く、フロントグリルと灯火類、ワイパー、リアの荷物棚などの細部までよく作りこんでいます。特にフランス車の特徴である黄色のヘッドライトが付いたフロント周りの造形は、実車の雰囲気がうまく再現されています。セルタカトルの量産ミニカーはノレブ製しかないようです。なお同じフランスのビンテージ ミニカーメーカー CIJのプリマカトル(1/20 ブリキ製玩具)の復刻版を、ノレブがNOREV CIJブランドで発売しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT CELTAQUATRE 1
RENAULT CELTAQUATRE 2

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PEUGEOT 601 COACH FUSELE 1934 FRANCE

PEUGEOT 601 COACH FUSELE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 601 COACH FUSELE


SOLIDO 4148 1/43 117mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m 全幅約1.6m エンジン 変速機: 6気筒 2.1L 60HP 3段変速
性能: 最高速108km/h  

プジョー 601 コーチ FUSELE フランス 1934年

 

 プジョーの新しい命名法(3桁の数字)で登場した201から始まる初代01シリーズには、1932年に登場した201より少し大きいサイズの301(4気筒1.5L(34HP)エンジン搭載)、1934年に登場した中型車の401(4気筒1.7L(44HP)エンジン搭載)、1934年に登場した大型車の601(6気筒2.1L(60HP)エンジン搭載)の4モデルがありました。この01シリーズには201で採用された前輪独立懸架サスペンション、油圧ダンパー、シンクロメッシュ式変速機などの先進技術が採用されていました。1934年にはシリーズ全体で3万台以上を生産していました。

 

 601は戦前のプジョーとしては最後の6気筒エンジン搭載車でした。長短2タイプのホイールベースがあり、4ドアセダン/リムジン、2ドアクーペ/カブリオレなどがありました。カブリオレには電動で収納できるハードトップを備えたエクリプスというモデルもありました。(401にも同じ仕様のエクリプスがありました) この601は2ドア4座セダンで、名前の「FUSELE」とはフランス語で「先細り/流線型」の意ですから、細長い流線型のボディ形状のことを示していると思われます。601は1935年までの1年半に約4000台が生産されました。

 

 

 ミニカーは2005年に発売されたソリド製です。ソリドの型番4000-4100番台のシリーズはビンテージ期のクラシックカーをモデル化していたのですが、これはその4100シリーズとしては最近の物(といっても15年以上前ですが)となります。ソリドらしいシャープな造形で、実車の雰囲気が良く再現されています。当時の定価は2100円と安価ながら、フロントグリルや灯火類はリアルで、室内もそこそこ良く再現され、空/青のツートンカラーも綺麗でとても良い出来ばえです。 601の量産ミニカーはこれしかないようですので、その点でも貴重なミニカーです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PEUGEOT 601 COACH FUSELE 1
PEUGEOT 601 COACH FUSELE 2

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CITROEN 22CV 1934 FRANCE

CITROEN 22CV
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CITROEN 22CV


NOREV 型番不明 1/43 109mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m エンジン 変速機: V型8気筒 3.8L 99HP 変速機不詳
性能: 最高速140km/h (カタログ記載値)  データーベースでシトロエン 22CVのミニカー検索

シトロエン 22CV フランス 1934年

 

 1934年にシトロエンの名前を不動のものとし、自動車の歴史を大きく変えた画期的な車トラクシオン アヴァン(7/11CV)が発表されました。トラクシオン アヴァンとはフランス語で前輪駆動のことですが、この方式を最初に実用化しそれを低重心のモノコック構造ボディと組み合わせることで全く新しいタイプの車として完成させたことから、7/11CVは前輪駆動車の元祖という意味でトラクシオン アヴァンと呼ばれています。

 

 そのトラクシオン アヴァンの最上級(プレステージ)モデルとして企画されていた22CVは1934年のパリ サロンに展示されました。後述する11CV ファミリアーレと同じロングホイールベース版で室内が広く、大型のヘッドライトが埋め込まれたフロントは高級車らしい堂々としたデザインでした。エンジンは11CV用の4気筒エンジンを2つ繋げたV型8気筒3.8L(99HP)エンジンを採用する予定でした。しかしエンジンの開発がうまくいかずシトロエン社の財政事情が悪化したので、製品カタログまで準備されていながら発売中止となった幻の車でした。

 

 

 22CVの実車は発売されませんでしたが、ノレブ製のミニカーではクーペやファミリアーレまでもがモデル化されています。ミニカーはオークションで入手したので発売時期が分からないのですが、たぶん1992年頃に発売されたようです。埋め込み式ヘッドライトのフロントなどの細部がリアルで、高級車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ています。(フロントグリルのダブル シェブロンが良く見えないのが惜しいですが) 底板部分は金属製ですがボディは軽いのでプラスチック製のようです。ノレブは2000年以降にクーペやファミリアーレなどもモデル化していますが、これはそれより前にモデル化されていますので、シトロエン社の何らかの記念モデルとして作られたものではないかと思います。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN 22CV 1
CITROEN 22CV 2

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