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ロールス ロイス シルバー クラウド II イギリス 1959年
1955年にロールス ロイス シルバー ドーンはシルバー クラウド Iに、ベントレー R タイプはS1 タイプにモデルチェンジしました。これ以前のロールス ロイスとベントレーはホイールベースが異なるなどの明確な違いがありましたが、この世代で両車はグリルとエンブレムだけが異なるだけのほとんど同じ車になってしまいました。エンジンはシルバー レイス用の6気筒4.9Lが大幅に改良されて搭載され、シャーシは新設計で最高速は170km/hでした。ロールス ロイスとしては初めて最高速が100mp/h(160km/h)を越えた車となりました。
1959年に新設計されたV型8気筒6.2Lエンジンが搭載され、シルバー クラウドはII型となりました。この変更は従来の6気筒エンジンが排気量拡大の限界に達したことに加えて、V型8気筒エンジンが当たり前となりつつあったアメリカ市場をにらんだものでした。なお内外装に大きな変更はありませんでしたので、見た目はほとんど変わっていませんでした。
ミニカーは1960年に発売されたソリド製の当時物です。ソリドの初期物で60年以上も前に発売されたミニカーですので素朴な造形ですが、プロポーションが正確で実車の雰囲気が見事に再現された傑作ミニカーでした。(ただサイズは1/43より少し小さめです) 灯火類は塗装処理で室内はシートのみが簡単に再現され、ワイパーやマスコットなどの細かいパーツは付いていませんが、そのようなパーツが無くてもこのような魅力的なミニカーが成立することがこのミニカーを見れば分かっていただけるのではないでしょうか。ただ現在のスケールモデル的なミニカーしか知らない方は時代背景や価値観が違いますので、1960-70年代頃のビンテージミニカーの魅力を理解していただくのは難しいとは思いますが。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー レイス イギリス 1959年
ロールス ロイス シルバー ドーンには前述したように標準ボディが設定されていましたが、シルバー レイスはコーチビルダーが個別に専用ボディを架装する伝統的な高級車でした。日本の皇室も1957年に天皇陛下が使用される公用車として購入していました。シルバー レイスは排気量を4.6L、4.9Lと拡大していき、ロールス ロイスの最上級車として後継車のファントム Vが登場した1959年までに約1700台が生産されました。なお1977年にシルバー シャドウがシルバー シャドウ IIにモデルチェンジした際に、そのロングホイールベース版がシルバー レイス IIと名付けられ、名前が一時的に復活していました。
ミニカーは1959年頃に発売されたディンキー(英)の当時物で、シルバー レイスの最終版をモデル化しています。シルバー レイスは大型車ですので、ミニカーのサイズがあまり大きくならないよう標準的な縮尺の1/43ではなく1/48でモデル化されていました。1950年代のビンテージミニカーですから室内は再現されておらずボディの中身は空っぽですが、外観のフォルムは実車の雰囲気がよく再現されていてディンキー(英)の傑作のひとつでした。ちなみにミニカーで最初に室内を再現したメーカーは同時期のコーギーでした。1960年頃のコーギーのミニカーには、一体成型された樹脂製の内装/シートにステアリングホイールを備えた室内が再現されていました。(当時のコーギーのミニカーの実例→ コーギー 型番230 メルセデス ベンツ 220SE)
以下はフロント/リアの拡大画像です。フロントグリル上にはロールス ロイスのマスコットがサイズに合わせてそれらしく再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス ファントム V リムジン イギリス 1959年
王族や国家元首の公用車としてロールス ロイス シルバー レイスよりも大きな車の要望があり、生産中止となった戦前のファントム IIIの後継車としてファントム IVが1950年に登場しました。ファントム IVは18台(16台ともいわれる)だけ製作された特別な車でした。シルバー レイスより大きく重厚なリムジーン ボディ(車重2.5t)に、ロールス ロイス初の直列8気筒エンジン(5.7L 約170HP)を搭載し、最高速度160km/hの性能でした。ファントム IVの1号車はイギリス王室御料車で、それ以外も王侯などの公用車として使われ一般向けには販売されませんでした。
ロールス ロイス ファントム IVの後継車として1959年に一般向けのファントム Vが登場しました。シャーシの基本設計はシルバー クラウド IIと同じでしたが、ホイールベースとトレッドが拡大されていました。エンジンもシルバー クラウド IIと同じ新設計のV型8気筒6.2Lエンジンが搭載され、4段自動変速機とパワステが標準装備されていました。なおボディはまだ専門のコーチビルダーが架装していましたが、この頃には基本的なデザインはほぼ決まっていて、かつてのような自由度は無くなっていました。1962年のマイナーチェンジで4灯式ヘッドライトが採用されたことでフロント周りの雰囲気が一新された改良型に変わりました。
ミニカーは1962年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。ファントム Vのリムジンをモデル化しています。縮尺1/43では大きくなりすぎるので1/48でモデル化したのだと思いますが、それでも結構大きくて全長127㎜の堂々としたサイズのミニカーに仕上がっていました。品の良いツートンカラー、赤いシート、青い制服の運転手さんと、どこかの富豪の私有車といった雰囲気で、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。 (ロールス ロイスのミニカーはどのミニカーメーカーでも特別な対応をするようで、出来の悪い物はほとんどありませんが) 当時はドア開閉などのギミックがまだなかったのですが、これにはサイドウィンドーを上下させることができるギミックが付いていました。これ以外のファントム Vの当時物ミニカーはディンキー(英)の4灯式ヘッドライトとなった1962年式のリムジン、スポットオンのイギリス王室パレード用特別仕様御料車がありました。最近のものでは、オックスフォードの1/43と1/76、トゥルースケール(レジン製)などがあります。ファントム IVのミニカーはフランスのレックストイ(REXTOYS)がイギリス王室御料車など数種類と、ノレブがイギリス王室御料車をモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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トライアンフ ヘラルド クーペ イギリス 1959年
2輪車メーカーとして成功したトライアンフ社は1923年に4輪車に進出しました。第2次大戦前はモータースポーツで活躍するなどしてスポーティなブランドとして知られていましたが、1939年に一度倒産しています。その後1945年にスタンダード社がトライアンフ社を買い取り、トライアンフ スタンダード社となりました。
そのスタンダード社は、1903年に設立された自動車メーカーで、戦前はナイン、テン、トゥエルブなど小型車から中型車までを販売していました。名前どうりの堅実で地味な会社で、日本ではあまり知られていません。戦後のスタンダード車としては、中型車のバンガードが一番有名で、ディンキーやコーギーのミニカーがありました。戦後のトライアンフは小型車やスポーツカーを担当し、親会社のスタンダード社を上回る業績を上げていました。(実車画像→ スタンダード バンガード 1952)
スタンダードの戦前型のエイトやテンを刷新する小型車として、1959年に登場したのがヘラルドでした。ミケロッティのデザインによる軽快なボディーに、全輪独立懸架といった先進的な車でした。エンジンは4気筒948cc(35HP)、4段変速で最高速124km/hという性能でした。2ドア セダン、クーペ、コンバーチブル、ワゴンとボディ バリエーションが多く、エンジンも1.2L、1.3Lが追加され、1971年まで12年間も生産されました。
ミニカーは1961年に発売されたコーギー製の当時物です。ヘラルド クーペのモデル化で、ツートンカラーのカラーリングで実車の雰囲気が良く再現されていました。このミニカーの最大の見せ所はボンネットが前方に大きく開くことで、当時のミニカーとしてはエンジンが良く再現されていました。このボンネットは閉じた状態を保持する金具が付いた凝った構造で、その為閉じた状態は適度に保持され、開く場合は少し力を入れる必要があるといった節度感がある開閉動作でした。この構造は当時のコーギーのギミック設計レベルが高かったことを示しています。ヘラルド 2ドアセダンの当時物ミニカーはディンキーが型番189でモデル化していました。当時物以外のヘラルドのミニカーは、バンガーズ、カララマ、プレミアムXなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とボンネットを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード アングリア 105E イギリス 1959年
1959年にフォード アングリアは新型(105E型)にモデルチェンジしました。それまでのオーソドックスなデザインから、アメリカ車的な(スチュードベーカー風)フロント、クリフカット(リアウインドーが通常とは逆に傾いている)のルーフ、テールフィンなど個性的なデザインが採用されていました。このクリフカットは当時の流行で、シトロエン アミ 6、マツダ キャロルなどにも使われたデザインでした。新開発の4気筒1L(39HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速120km/hの性能でした。なお姉妹車のプリフェクトはエンジンが新型に切り替わりましたが、ボディはそのままで1961年まで生産されました。
1962年には上級車コルチナの1.2L(48HP)エンジンを搭載した高性能版のスーパーが追加されました。1968年に後継車エスコートに切り替わるまでに約130万台が生産され、ベストセラーの小型車として大成功しました。最近では2002年の映画「ハリー ポッターと秘密の部屋」の劇中車で「空飛ぶ車」として有名になりました。
ミニカーは2002年に発売されたバンガーズ製です。バンガーズはイギリスの老舗コーギーのブランドで、2000年頃から主に昔懐かしいイギリス車をモデル化しています。ラインストーンを使ったヘッドライトや塗装で表現したテールライトなどレトロな作風ながら、実車の雰囲気が良く再現されていました。またレトロなだけではなくエッチングパーツのワイパーやユーザーが取付けるフェンダーミラーが添付されているなど細部にこだわった部分もあります。アングリア 105E型の当時物ミニカーとしてはディンキー、スポットオン、ノレブ、マッチボックスなどがありました。また最近映画で有名になったことで、オックスフォードやイクソなどでもモデル化されました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)