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ヴォクスホール SRV コンセプト イギリス 1970年
ヴォクスホール SRVは1970年 ロンドン モーターショーで公開されたコンセプトカーでした。SRVとはStyling Research Vehicleの略で、純粋なスタイリング実験車で、ヴォクスホールのブランドイメージを高めることを目指したものでした。GMのデザイナーによるデザインで、当時としては独創的なアイデアが盛り込まれていました。外観は当時のルマン用レースカーを思わせるショートノーズ/ロングテールで、低い車高(約1m)ながら4人乗りの広い室内を実現しています。2ドアのように見えますが、実際は4ドアでリアドアは前開きでドアハンドルを無くして目立たないようにしていました。このリアドアを隠すデザインは最近では一般の車にも採用されるようになりました。
ノーズ先端の中央部はスポイラーになっていて、角度を可変して空力特性を変えられます。ヘッドライトはフロントウインド下の黒いルーバー部分の中に隠されていました。メーターの付いたインパネは運転席正面にはなく運転席ドアに組み込まれていて運転時に引き出すようになっていました。それ以外にも電動の車高調整機能を持つリアサスペンションなど未来的なアイデアが提案されていました。エンジンはミドシップ横置き搭載ですが、エンジンや変速機はモックアップなので走行はできませんでした。SRVが生産されることはありませんでしたが、提案されたアイデアのいくつかはその後実用化されています。
ミニカーは1974年頃に発売されたオートピレン製の当時物です。オートピレンのミニカーは当初はコーギーやディンキーのコピーでしたが、単なるコピーから徐々に脱却してオリジナルを開発するまでになりました。このヴォクスホール SRVはオートピレンのオリジナルで、当時のミニカーとしてはレベルの高い出来ばえでした。プロポーションが良くドア/リアパネルが開閉し、室内やエンジンなどもそこそこリアルに再現してあります。また当時は安っぽいプラスチック製ホイールのミニカーが多かったのですが、オートピレンのメタル製ホイールはリアルで見ばえが良いです。なおヴォクスホール SRVのミニカーはこれしかないようです。以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード カプリ MK I 3000GXL イギリス 1970年
1967年にヨーロッパ フォードが設立され、ドイツ フォードとイギリス フォードはモデルの共通化を進めていきました。その最初の取り組みは1968年に登場したイギリス フォードのエスコートで、1969年からドイツでも生産されました。(エスコートを左ハンドル化しただけでしたが) その後イギリスとドイツの製造工場で生産することを意図して開発され、同じボディに両フォードが独自のエンジンを搭載したフォード カプリが1969年に登場しました。
イギリス フォードでカプリという名前はコンサル クラシックのクーペ版に使われていましたが、この車は失敗作でした。1969年に登場したカプリはアメリカで大成功したマスタングのコンセプトをヨーロッパに適用したものでした。ロングノーズ ショートデッキのスポーティなスタイル、エンジンと内外装の豊富なオプション設定などマスタングと同じコンセプトが当たり、この車はアメリカ同様に大成功しました。イギリス版のエンジンは4気筒1.3L(52/64HP)、1.6L(64/82HP)、V型4気筒2L(92HP)、V型6気筒3L(128HP)など豊富なバリエーションがありました。3Lエンジン搭載車は4段変速(3段AT)で、最高速183km/hと高性能でした。 1974年にカプリ IIにモデルチェンジしました。(参照ページ→ ドイツ フォードのカプリ)
ミニカーは1973年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。1972年のマイナーチェンジで追加されたV型6気筒3Lエンジンを搭載し4灯式ヘッドライトを持つトップモデルの3000GXLをモデル化しています。ディンキーとしては初めての1/25の大スケールミニカーで、当時の定価5200円は同じディンキーの1/43サイズの3倍ほどの値段で高価でした。(ディンキー(英)は1970年代後半には1/35の中途半端なサイズで、出来の悪い安価な大スケールミニカーを作るようになりましたが) この1/25のカプリはサイズが大きくなったので、ワイパー、ドアミラー、室内インパネ、リアライトなどの造形がリアルになりましたが、それ以外は1/43をそのまま大きくしたような出来ばえでした。当時としては良く仕上げてあったのですが、これより先に発売されていたポリトーイの1/25の大スケールミニカーの初期物(オシ スカラベオなど)に比べるとやや物足りない出来ばえでした。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード コルチナ (コーティナ) MK III GXL イギリス 1970年
イギリス フォードのフォード コルチナ MK IIは1970年にモデルチェンジしてMK IIIとなりました。当時の流行だったコークボトルラインが採用され、小さなアメリカ車的なデザインとなりました。英独フォードの車種統一政策に従い、コルチナ MK IIIはドイツ フォードのタウナス TCと共通の設計となり、車体デザインや搭載エンジンに違いがあるものの両国でほぼ同じモデルが生産されました。2/4ドアセダンと5ドアエステートがありました。(実車画像→ フォード タウナス TC 1974)
コルチナ MK IIIの標準グレードは4気筒1.5L(57HP)/1.6L(68HP)エンジン、上級グレード車には4気筒1.6L(86HP)/2.0L(98HP)エンジンが搭載され、4段変速(3段AT)で、最高速166km/h(2L)の性能でした。同時期にカプリが登場したことでコルチナにはロータスやツインカムといった高性能版の設定がなくなりました。1973年のマイナーチェンジで上級グレードには角形ヘッドライトが採用されて、ドイツ フォードのタウナス TCとのデザインの共通化が進展しました。MK IIIはMK II同様に好評でベストセラーカーとして成功しました。1976年にコルチナはMK IVに、タウナスはMK III(TC2)にモデルチェンジしました。(実車画像→ フォード コルチナ MK IV 1976) (実車画像→ フォード タウナス TC2 1976)
ミニカーは1970年に発売されたコーギーの当時物です。コルチナ MK IIIの2ドアセダンの上級グレード GXLをモデル化しています。上級グレードをモデル化しているので丸形4灯式ヘッドライトとなっていますが、標準は丸形2灯式ヘッドライトでした。プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。見た目が良くないスピードホイールが使われているのが残念ですが、それ以外はラインストーンのヘッドライトなどコーギーらしい味のある秀作ミニカーでした。さらにコーギーお得意のおまけとして、グラハム ヒル(Graham Hill 1968年 F1チャンピオン)の良くできたフィギュアが付いていました。ドア開閉ギミック付きです。これ以外のコルチナ MK IIIのミニカーはオックスフォードの1/76、コーギー系列のバンガーズなどがあります。 以下はフロント(フィギュア配置)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード カプリ MK I ドラッグスター ”THE SANTA POD Glow-Worm” イギリス 1970?年
ドラッグレース(DRAG RACE)とは停止状態からスタートし一定の距離を走り抜けるまでの時間を競うモータースポーツです。単純に速さを競うレースで、元々はアメリカの若者が夜間に行っていた路上レースに端を発するようです。レースに使用するマシンをドラッグスター(又はドラッグカー、ホットロッドなど)と呼び、バイク、乗用車、トラック、セミトレーラーのトラクターヘッドまで多種多様な外観の車(中身は全くの別物)が使われます。走行する距離は特に決められていませんが、1/4マイル(約402m)で行われることが多く、日本では400mのレースをゼロヨンと呼んでいます。(参照ページ→ ドラッグレースの動画)
ミニカーは1971年に発売されたコーギー製の当時物で、前述した型番303のカプリの型を流用して作られました。車名のSANTA PODとはレースが行われるレース場の名前で、Glow-Wormとは「発光する芋虫?」との意でこの車の愛称のようです。モデルとなった実車は実在し外観はある程度忠実にモデル化していますが、内部構造などはコーギーが見た目重視で創作した部分があるようです。実車はボディを持ち上げて内部を見ることができますが、ミニカーもフロントバンパーを押すとスプリングでボディ全体が跳ね上がるギミックが付いています。内部はV型8気筒エンジンを搭載したシャーシが再現されていて、ドライバーも乗っています。ホイールはコーギーの初期のフリーホイール「Whizzwheels」ですが、外観はドラッグスター風になっています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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モーリス マリーナ クーペ イギリス 1971年
モーリス マリーナはBMCのADO15からADO17シリーズまで続いた前輪駆動車の流れから外れた後輪駆動車で、1971年に登場しました。中型車オックスフォードの後継車として、フォードやヴォクスホールなどのアメリカ系ブランドのオーソドックスな後輪駆動車に対抗する車でした。画像はクーペですが、4ドア セダン、5ドア ワゴン、2ドア バンもありました。4気筒1.3L(60HP)/1.8L(82HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速153km/h(1.8L)の性能でした。
マリーナは旧式のサスペンションで操縦性に難があり、見た目もあまりぱっとしないのですが、このクラスにはこの手のオーソドックスな車を好むユーザーが多かったようで、商業的には成功しました。1975年にMK IIに発展し、1980年にジュジアーロがデザインした角張ったデザインのボディに一新し、アイタル(Ital)と改名しました。 アイタルは1984年まで生産され、この車がモーリス ブランドの最後の車となりました。(参照画像→ モーリス アイタル)
ミニカーは1971年に発売されたコーギー製の当時物です。1/43サイズのビンテージ物のコーギーとしては最後の頃のミニカーでした。当時の流行りだったスピードホイールがやや安っぽいですが、実車の雰囲気はまずまずうまく再現されていました。ラインストーンのヘッドライトや室内の造形はコーギー流の作風でした。ボンネットとドアが開閉するギミック付きで、エンジンもそこそこ再現されています。マリーナの当時物ミニカーはこれしかありませんが、当時物以外ではバンガーズとオックスフォードが4ドアセダンをモデル化しています。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)