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シトロエン H (アッシュ) バン フランス 1974年
商用車ながら自動車の歴史上この車を紹介しない訳にはいきません。1947年に登場した商用車 シトロエン Hはシトロエンらしい独創的なデザインで、名前のH(フランス式に発音すると'アッシュ'です)は型式名で、軽荷重用のHZと重荷重用のHY の2タイプがありました。シトロエン十八番の前輪駆動方式で、プラットフォーム型シャーシとトレーリングアーム方式リアサスペンションで、荷室の床は後輪をカバーするだけで完全に平らに出来ました。また車高も高いので、広大な荷室が確保できました。このデザインは後のキャブオーバー型商用車に多大な影響を与えました。
エンジンは当初トラクシオン アヴァン(7/11CV)用の4気筒1.6L/1.9L(58HP)が使われましたが、後に4気筒1.6L/1.9Lディーゼルエンジンも追加されました。標準的なボディーはバンとピックアップの2タイプでした。広大なスペースの荷室は様々なボディを自由に架装でき、各種貨物車をはじめ救急車、消防車、ポリス、レッカー車、ピックアップ トラック、移動販売車、マイクロバスなどたくさんのバリエーションがありました。 フランスでは「豚の鼻」の愛称で呼ばれていました。 1964年のマイナーチェンジで、2分割式のフロントウィンドーが一枚物に代わりフロントグリルのWシェブロンの意匠が変更されました。1974年に後ろ開きのドアが採用されました。1947年から1981年までの長期間生産され、総生産台数は約47万台でした。
ミニカーは1979年に発売されたトミカ ダンディの外国車シリーズです。ドアが後ろ開きになっているので、1974年以降の後期型をモデル化しています。プロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。両側スライドドアとテールゲートが開閉するギミック付きです。これ以外にもパトカーや各種販促品などバリエーションがたくさんあり、カドーのブランドでも販売されました。当時物ミニカーとしては、CIJ、JRD、ディンキー(仏)などのレアな当時物や、マッチボックスのYTFシリーズ、エリゴール、ノレブ(1/43、1/18)、ソリド(1/43、1/18)、ブッシュ(1/87)などたくさんモデル化されています。また変わり種としてルパン 3世の秘密兵器仕様のH トラックをポピーがモデル化していてこれも結構面白いです。(参照ページ→ シトロエン H ルパン 3世 ギミックのページ) 以下はフロント/リアの拡大画像とテールゲートの開閉動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ルノー 4 フルゴネット フランス 1975年
前述したルノー ジュバカトルの商用車仕様ドーフィノワーズ(DAUPHINOISE)の後継車として、ルノー 4 フルゴネットが1961年に登場しました。フランス語で小型トラックはカミオネット(CAMIONETTE)と総称され、その中で屋根の付いたものをフルゴネットと呼びます。フルゴネットは小型乗用車ベースで後部にボックス型の荷室を接続した商用車で、荷室が独立していないバンやパネルバンとは厳密には別物です。荷室は室内で運転席とつながっているので、ピックアップトラックに箱型の荷室を積んだ物とも異なります。(ただ日本では一般的に全てバンと呼びますが) なおフランス語で大型トラックの総称はカミオン(CAMION)で、屋根のついた物はフルゴンとなります。
ルノー 4 フルゴネットはセダンよりリアサスペンションが強化されていて、最大積載量は300kgでした。1975年にホイールベースを120㎜延長し全長を3.65mから3.85mとして、最大積載量を400kgに増やしたロングホイールベース仕様が追加されました。このロングホイールベース仕様はF6、標準仕様はF4と呼びました。フルゴネット以外の商用車としてピックアップ仕様もありました。外観やエンジンなどがセダンに準じて改良され、1990年代まで生産されました。
ミニカーはソリド製の当時物で1976年に発売されました。1975年に採用された黒いフロントグリルを持つロングホイールベース仕様のF6をモデル化しています。シンプルな作りですが、プロポーションが良くソリドらしい良い出来ばえでした。リアドアが開閉するギミックが付いています。これは「SOLIDO」のロゴが付いたものですが、郵便車/消防車などのバリエーションがありました。これ以外にもルノー 4 フルゴネットのミニカーは様々な仕様/カラーリングでたくさんモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアドア開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ルノー 30 TS フランス 1975年
第2次大戦後はフレガートとコロラールを除いて2Lクラス以下の小型車しか製造していなかったルノーから、1975年に久しぶりに登場した中型車がルノー 30でした。ルノー 16と同じようなハッチバック スタイルをこのクラスの車に採用したことが当時としては一風変わっていました。私も当時はこのスタイルに違和感を覚えたものでした。V型6気筒2.7L(131HP)エンジンを前輪にオーバーハングして縦置き搭載する前輪駆動方式はルノー 12と同じで、4段変速で最高速185km/hの性能でした。このエンジンはプジョー、ボルボと共同開発したいわゆるPRVエンジンで、プジョー 604、ボルボ 240/260シリーズにも搭載されました。
ルノー 30の登場から半年ほど遅れてルノー 20が登場しました。ルノー 20はルノー 30に4気筒エンジンを搭載した廉価版でルノー 16の後継車といった位置づけでした。4気筒1.6L(96HP)エンジンを搭載し最高速160km/hの性能でした。ルノー 30と外観上で差別化する為ヘッドライトが角形2灯式となっていました。後に4気筒2L(109HP)エンジンや、ルノーの乗用車では初のディーゼルエンジン 4気筒2.1L(64HP)が追加されました。ルノー 20/30は1984年まで生産され、総生産台数は20が約62万台で30が15万台でした。後継車はルノー 25でした。
ミニカーは1975年に発売されたソリドの当時物です。中級グレードのTLをモデル化しています。(ルノー 30のグレードは下からL、TL、GTLでした) ソリドらしい肉厚の薄いシャープな造形で、メタリック塗装が良く似合っていて、実車の雰囲気がうまく再現されていました。前ドアが開くギミック付きで、ソリドのドア開閉ギミックは閉じた状態の立て付けが良いのが特長でした。(開閉部の隙間が小さいので一見すると開くように見えません) ルノー 20/30の当時物ミニカーはこのソリドの別ブランドのべレムの30、ノレブの20/30がありました。当時物以外ではノレブの当時物をリファインした再販品とノレブの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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プジョー 604 フランス 1975年
プジョーの最上級車として戦後初の6気筒エンジンを搭載したプジョー 604が1975年に登場しました。設計は504を踏襲し、504同様に全輪独立懸架サスペンションによる優れた操縦性と乗り心地を有していました。ボディはごくオーソドックスな3ボックス4ドアセダンでしたが、、ピニンファリーナのデザインなので落ち着いた上品なデザインでした。プジョー、ルノー、ボルボが共同開発したV型6気筒2.7L(136HP)エンジンを搭載し、5段変速で最高速178km/hの性能でした。
1977年にV型6気筒エンジンに燃料噴射仕様が設定され、4気筒2.3L(80HP)ターボディーゼルエンジンが追加されました。1979年に北米向けにV型6気筒2.8L(155HP)エンジンが追加され、1983年にターボディーゼルが2.5L(95HP)に拡大されました。1980年に8人乗りのリムジンが設定されました。また604をベースにしたリムジーンがフランス大統領車として使われました。604はプジョーにとって高級車市場への足がかりとなったモデルで、1985年まで生産されました。総生産台数は約15万台でした。後継車は1989年に登場した605でした。
ミニカーは1976年に発売されたソリド製の当時物です。直線で構成されたピニンファリーナ デザインが正確に再現され、濃茶や濃緑など落ち着いたカラーリングが施されたこのミニカーは実車の雰囲気をうまく再現していました。全体的にとても良い出来ばえで、1970年代のソリドの2桁型番(10シリーズ)の傑作品の一つでした。前ドアが開閉しフロントバンパーのナンバープレート部分を押すとボンネット先端部が少し持ち上がるギミック付きです。(変わったギミックですが、この604のボンネットは開閉部の隙間がほとんどないので、ボンネットを開けやすくする為の仕掛けです) これ以外の604のミニカーはソリドの別ブランドのべレム、ノレブ初期のプラスチック製とそれのダイキャスト版とそれをリニューアルして2002年頃に発売した物などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー シムカ 1308GT フランス 1975年
1975年にシムカ 1300/1500の後継車として1307/1308/1309が登場しました。クライスラー欧州が開発した最初の車で、1100と同じ横置きエンジンの前輪駆動方式を採用し、1307は1.3L、1308は1.4L(85HP)、1309は1.6Lエンジンを搭載していました。クライスラー 180と違ってデザイン的にはフランス車的なハッチバックスタイルで、イギリスではクライスラー アルパインという名前で販売されました。時流に乗った設計で1976年のヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞し、クライスラーの欧州戦略車としてそこそこのヒットとなりました。
米国クライスラーの経営危機でクライスラー欧州は1978年にPSAグループ(プジョー/シトロエン)に売却され、ブランド名がタルボ(英語ではタルボット)に変わりました。1979年に1307/1308/1309はマイナーチェンジされてフロントがスラントノーズにかわり、その際にタルボ 1510と名前を変えました。1980年に1510のノッチバックセダン仕様として、タルボ ソラーラが登場しました。タルボ 1510はフランスでは1982年まで、そのイギリス版は1985年まで生産されました。(実車画像→ タルボ 1510 、タルボ ソラーラ )
ミニカーは1976年に発売されたソリド製の当時物です。1308の最上級車1308GTをモデル化しています。ソリドのシャープな造形が実車の雰囲気をうまく再現していて良い出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付きで、室内もそこそこ良く再現されていました。特にインパネとシートの色を変えてあることで室内がそれらしく見えます。これ以外の1308の当時物ミニカーはディンキー(スペイン)、それと同じ型を使ったオートピレン、メーベトイ、ノレブ初期のプラスチック製とそれのダイキャスト版などがありました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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