ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

FORD CONSUL CLASSIC (CONSUL 315) 1961 UK

FORD CONSUL CLASSIC (CONSUL 315)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD CONSUL CLASSIC (CONSUL 315)


CORGI 234 1/46 95mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.34m 全幅約1.66m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 60HP 4段変速
性能: 最高速135km/h  データーベースでフォード コンサルのミニカー検索

フォード コンサル クラシック (輸出名 コンサル 315) イギリス 1961年

 

 前述したフォード コンサルは1956年にMK IIに発展し1962年まで生産されました。コンサルの後継車としてコンサル クラシックが1961年に登場しました。コンサル クラシックはデザイン的には人気のあったアングリアとよく似ていて、4灯式ヘッドライトを採用してアメリカ車的な味付けをより一層強めた物でした。4気筒1.3L(55HP)/1.5L(60HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速135km/h(1.5L)の性能でした。4ドアと2ドアが有り、2ドアをベースにしてスポーティなルーフに変更したクーペ仕様はカプリ(輸出名 コンサル 335)という別名が付けられました。(実車画像→ フォード コンサル カプリ 1963)

 

 当初カプリは輸出仕様だけだったのですが、1962年からイギリスでも販売されました。カプリにはエンジンをチューンした高性能版のGTが1963年に追加されました。クラシックとカプリは1963年まで生産され、クラシックは約11万台、カプリは約2万台が生産されました。なお当時のフォードではこの生産台数は失敗作の範疇だったようです。あまりにアメリカ車的なデザインがイギリス一般大衆に受け入れられなかったのが原因でしょう。クラシックは1963年にコンサル コルセアにモデルチェンジしました。

 

 

 ミニカーは1961年に発売されたコーギーの当時物です。1960年代のミニカーですから、ライト類が塗装処理となっているなど素朴な作りです。それでも特徴的なルーフやフロントグリル/リアのテールフィンなどアメリカ車的な感じが良く再現されていました。ボンネットが開閉するギミック付きです。室内の造形についてはそれらしい物が付いているといったレベルでしたが、当時としてはこれが最新のレベルでした。これ以外の当時物ミニカーとしてはスポットオンとノレブ(プラスチック製)とディンキー(英)のカプリなどがありました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD CONSUL CLASSIC (CONSUL 315) 1
FORD CONSUL CLASSIC (CONSUL 315) 2

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FORD CONSUL CORTINA MK I 1962 UK

FORD CONSUL CORTINA MK I
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD CONSUL CORTINA MK I


POLITOYS 507 1/43 101㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.27m 全幅約1.59m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 48HP 4段変速
性能: 最高速124km/h  データーベースでフォード コルチナのミニカー検索

フォード コンサル コルチナ (コーティナ) MK I イギリス 1962年

 

 大ヒットしたBMCのミニに対抗してフォードが送り出したのが、1962年に登場したコルチナ(CORTINA)でした。革新的な技術を使ったBMC ミニとは異なり、コルチナはオーソドックスな構成の小型車でした。アングリア用を拡大した4気筒1.2L(48HP)エンジンを搭載する3ボックスセダンの後輪駆動車で、4段変速で最高速124km/hの性能でした。コルチナの当初の正式名称はコンサル コルチナでしたが、1964年のマイナーチェンジ後にコルチナに変わりました。なおCORTINAは最近はコーティナと表記するようですが、私は昔流のコルチナがしっくりきますので、当サイトではコルチナで統一しています。当初は2ドアだけでしたが、4ドアやエステート(ワゴン)が追加され、エンジンも1.5L(58HP)やそれを76HPにチューンした高性能版のGTが追加されました。

 

 コルチナの売りは大柄なボディ、ミニに比べて低価格なこと、エンジンやボディの多彩なバリエーションでした。ミニにもワゴン仕様(トラベラーなど)がありましたが、ミニのワゴンの全長は約3.3mで、4ドアで全長約4.28mのコルチナ エステートとは室内の広さで勝負になりませんでした。エステートの豪華仕様であるスーパー エステートにはオプションでサイドとリアゲートに木目調パネル(本物の木材ではない)が付きました。ボディに本物の木材を使用したウッディ ワゴンは、アメリカでは高級車として人気がありましたが、当時のイギリスでもこの手の飾りが同じように人気があったようです。コルチナの戦略は当たり、4年間で100万台を生産する大ヒット車となりました。(大衆車では良くあるパターンの勝ち方ですが) 1966年にコルチナ MK IIにモデルチェンジしました。

 

 

 コルチナには高性能なロータス コルチナがありました。コルチナをベースにしてレース用モデルの開発から生産までロータスが担当しました。ロータスがチューンした4気筒1.6L(106HP)DOHCエンジンを搭載し、最高速178km/hと高性能でした。ロータス コルチナはフォードの思惑どうりレースやラリーで活躍し、コルチナのスポーツイメージを高めました。ロータス コルチナは3年間で2800台ほどが生産されました。

 ミニカーは1965年に発売されたポリトーイ製 Mシリーズの当時物です。人気の高いスポーツカーを揃えていたMシリーズでモデル化されていたので、実車人気が高かったことがうかがえます。左ハンドルなので輸出仕様をモデル化しています。ポリトーイ流のかっこよく見えるデフォルメをせず素直にモデル化されていて、良い出来ばえでした。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。これ以外の当時物ミニカーとしてはディンキー(英)、コーギーのエステート、ノレブ、エリゴールなどがありました。当時物以外ではディテールカー、ソリド、ミニチャンプス、バンガーズ、オックスフォードなどたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD CONSUL CORTINA MK I 1
FORD CONSUL CORTINA MK I 2

 以下は1967年に発売されたディンキー(英)製のフォード コルチナ ラリー 1966年 (1/42 型番212)の画像です。ディンキー(英)は型番133でコルチナ MK Iをモデル化していましたが、これはそのバリエーションで1966年の東アフリカ サファリ ラリーで8位入賞したコルチナ GTをモデル化しているようです。(なおコルチナ GTは1964年のサファリ ラリーで優勝していますが、それのモデル化ではないようです) フロントの補助灯、屋根のスポットライト、ブラックアウトしたボンネットなど当時のミニカーとしてはかなり大幅な変更でラリー車の雰囲気を出していました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD CONSUL CORTINA MK I RALLY 1
FORD CONSUL CORTINA MK I RALLY 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD CONSUL CORTINA MK I RALLY 3
FORD CONSUL CORTINA MK I RALLY 4

 以下は1986年に発売されたエリゴール製のフォード コルチナ 1965年 (1/43 型番1102)の画像です。エリゴールのミニカーはノレブのプラスチック製ミニカーをベースにしているものが多いのですが、これもノレブの型番84をベースにしたダイキャスト製です。 フランス仕様なので、左ハンドルで黄色のヘッドライトになっています。ドアが開閉するギミック付きで、当時のミニカーとしては標準的な良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD CONSUL CORTINA MK I 3
FORD CONSUL CORTINA MK I 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD CONSUL CORTINA MK I 5
FORD CONSUL CORTINA MK I 6

 以下は1966年に発売されたコーギー製の当時物 フォード コルチナ ワゴン (1/47 型番440)の画像です。オプション設定された木目調パネルの付いたスーパー エステートをモデル化しています。バックドアが開閉するギミック付きで、コーギーお得意のフィギュア2体(ゴルファーととキャディの子供)とゴルフカートが付き、ちょっとしたジオラマ仕立ての楽しい物になっていました。この木目パネルはプラスチック製のパーツで、ボディは木目パネルを挟むように2分割で成型されています。その為木目パネルは塗装で表現するよりもリアルな仕上がりとなっていました。(ただその為に前フェンダー先端に少し隙間ができていますが)コーギーがここまで凝った作りをしたということは、実車の人気が高かったからでしょう。セダンはディンキーがモデル化していましたので、コーギーがエステートをモデル化したのは競合を避けたのでしょう。後にフィギュア無しの物も発売されました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD CONSUL CORTINA MK I WAGON 1
FORD CONSUL CORTINA MK I WAGON 2

 以下はフロント/リア(バックドア開閉)の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD CONSUL CORTINA MK I WAGON 3
FORD CONSUL CORTINA MK I WAGON 4

 以下は付属するフィギュアを配置した画像です。コーギーのミニカーに付いてくるフィギュアはおまけなのですが、いずれも綺麗に着色され良く出来ていたので、そのフィギュアだけでも楽しめる物でした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD CONSUL CORTINA MK I WAGON 5

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FORD ZEPHYR 6 MK III 1962 UK

FORD ZEPHYR 6 MK III
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD ZEPHYR 6 MK III


SPOT-ON 270 1/42 111㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.58m 全幅約1.76m エンジン 変速機: 6気筒 2.55L 98HP 4段変速 3段自動変速
性能: 最高速150km/h  データーベースでフォード ゼファー/ゾディアックのミニカー検索

フォード ゼファー 6 MK III イギリス 1962年

 

 フォード UKの6気筒エンジンを搭載する高級車ゼファー/ゾディアック MK IIは1962年にモデルチェンジしてMK IIIとなりました。MK IIIから4気筒1.7L(68HP)エンジンを搭載するゼファー 4が追加され、この車はコンサル MK IIの後継車となりました。6気筒エンジンを搭載するゼファー 6は先代のMK IIの6気筒2.55Lエンジンを98HPまでパワーアップして、最高速は150km/hに向上していました。ボディは大型のフロントグリルやテールフィンなど、アメリカ車的なデザインを取り入れていました。

 

 ゼファーの上級車のゾディアック MK IIIもゼファー MK IIIとほぼ同じデザインでしたが、4灯式ヘッドライトを採用して外観を差別化し、全長を少しだけ長くしてCピラーにウィンドーが追加されていました。ゾディアックはフォード UKの最上級車でしたので内装は豪華に仕立てられ、エンジンは109HPまでパワーアップされ最高速は160km/hでした。1966年にゼファー/ゾディアック MK IIIは新型のV型6気筒エンジンを搭載したMK IVにモデルチェンジしました。(実車画像→ ゾディアック MK III 1962) 

 

 

 ミニカーは1964年に発売されたスポットオン製の当時物です。6気筒エンジンを搭載したゼファー 6 MK IIIをモデル化しています。イギリスのスポットオンはバスなどの大型車もすべて縮尺1/42で統一していたことで知られるミニカーブランドで、当時としてはレベルの高いミニカーを作っていました。このゼファーも特徴的なフロントグリルの造形がリアルで実車の雰囲気がうまく再現され、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付きです。スポットオンのミニカーにはドライバーのフィギュアが付いている物が多いのですが、これにも女性ドライバーと犬(プードル?)のフィギュアが付いていました。当時のミニカーに付いてくるフィギュアは結構よく出来ていて楽しいおまけでした。これ以外のゼファー/ゾディアック MK IIIのミニカーはマッチボックスの当時物 ゼファー 6、オックスフォードのゼファー 6、バンガード(VANGUARDS)のゼファー 6、ネオ(レジン製)のゾディアック ワゴンなどがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。リアバンパーの左端が欠損しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD ZEPHYR (MK III) 6 1
FORD ZEPHYR (MK III) 6 2

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FORD TRANSIT MK I POLICE ACCIDENT UNIT 1965 UK

FORD TRANSIT MK I POLICE ACCIDENT UNIT
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD TRANSIT MK I POLICE ACCIDENT UNIT


DINKY(UK) 287 1/40? 122mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.9m 全幅約1.9m エンジン 変速機: V型4気筒 2L 86HP 4段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでフォード トランジットのミニカー検索

フォード トランジット MK I 交通事故処理車 イギリス 1965年

 

 フォードの商用車 テームズ 400Eの後継車として1965年にトランジット MK I が登場しました。 テームズ 400Eは当時のライバルであったベッドフォード CAなどに対して積載量で劣っていた為、ボディを大きくしベッドフォード CAに似た短いノーズを持つデザインに変わりました。ホイールベースの異なるロングとショートのボディがあり、ピックアップトラックやミニバスもありました。トランジットはドイツとイギリスの両フォードに共通するモデルでした。(実車画像→ フォード テームズ 400Eベッドフォード CA)

 

 当初のエンジンはフォード製 V型4気筒1.7L/2Lとパーキンス製 4気筒1.6Lディーゼルで、サイズが大きいディーゼルはノーズを前方に延ばして搭載していました。このロングノーズ版には緊急車両用としてV型6気筒3Lエンジンを搭載した高性能モデルもありました。1978年のマイナーチェンジで、フロントのデザインが大幅に変更され、MK IIとなりました。当サイトのデータベースでは車名に世代を意味するMK *を付けています。1965年のモデルをMK I、1978年モデルをMK II、1986年モデルをMK III、1991年モデルをMK IV、1994年モデルをMK Vとしています。(MK Iはマイナーチェンジでフロントのデザインが2回変更されているようで、この変更はa b cを付けて区別しています)

 

 

 ミニカーは1967年に発売されたディンキー製の当時物で、ロングボディの交通事故処理車をモデル化しています。ディンキーらしいがっちりした作りで、当時のミニカーとして良くできていました。交通事故処理のポリス仕様なので警察官のフィギュアが乗っていて、ルーフには青色灯とスポットライトが付いています。右側スライドドア、左側ドア、バックドアが開閉し、車内には車線規制用の3角コーンと標識が積まれています。それらを取り出して並べると交通事故処理の簡単なジオラマが出来上がります。ディンキーはフロントが変更されたMK IIも含めてバン、救急車、ポリスカーなど十数種類をモデル化していました。(MK Iには縮尺の異なる2タイプがあります) トランジットのミニカーはたくさんあり、特にブレキナはMK Iのマイナーチェンジを作り分けていて、様々なタイプを約40種類もモデル化しています。(なおドイツではイギリス版のMK IをMK IIと呼ぶのでブレキナのミニカーの車名表示はMK IIとなっています) 以下はフロント/リア(バックドア開閉)の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD TRANSIT MK I POLICE ACCIDENT UNIT 1
FORD TRANSIT MK I POLICE ACCIDENT UNIT 2

 以下は左側ドアとバックドアから3角コーンと標識を取り出して並べた画像とルーフ上のスポットライトの回転/伸縮動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD TRANSIT MK I POLICE ACCIDENT UNIT 3
FORD TRANSIT MK I POLICE ACCIDENT UNIT 4

 以下で当時のイギリスの商用車のミニカーが検索できます。
データーベースでフォード テームズのミニカー検索  データーベースでベッドフォード CAのミニカー検索
データーベースでBMC J2のミニカー検索  データーベースでコマーのミニカー検索

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FORD D800 TRUCK 1965 UK

FORD D800 TRUCK
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD D800 TRUCK


TEKNO 914 1/43 130mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.5m 全幅約2.2m エンジン 変速機: 6気筒 6L ディーゼル 128HP など 4段変速?
性能: 最高速 不詳   データーベースでフォード D800のミニカー検索

フォード D800 トラック イギリス 1965年

 

 イギリス フォードの商用車は1930年代のフォード Y型の商用バン仕様(E83W)から始まりました。この商用車はフォードソン(FORDSON)のブランド名で展開されました。フォードソンはフォードの農業用トラクターのブランドとして知られていますが、イギリス フォードの商用車のブランドとしても使われました。1937年には5t積みの大型トラック フォードソン 7Vが登場しました。(実車画像→ フォード Y型 商用バン仕様(E83W)) (実車画像→ フォードソン 7V)

 1949年に大型トラック 7Vを後継するフォードソン テームズ ET6/7が登場、1954年に小型車アングリアをベースにした小型商用バンの300Eが登場しました。1957年にE83Wを後継するキャブオーバー型商用バンのテームズ 400Eと、大型トラック ET6/7を後継するテームズ トレーダーが登場しました。なお1957年に商用車のフォードソン ブランドはなくなりフォードに戻りました。1965年にテームズ 400Eはトランジットに、テームズ トレーダーはDシリーズに変わりました。(実車画像→ フォード 300E) (実車画像→ フォードソン テームズ トレーダー)

 

 キャブオーバー式商用車はエンジン整備の為にキャブを傾けて(チルトして)開く必要がありますが、Dシリーズはカウンターウエイトを使う方法でほぼ片手でキャブの開閉ができました。このようにDシリーズは、ライバルのGM系列のベッドフォード TK(1959年登場)などに比べて近代的な構造のキャブオーバー式トラックでした。エンジンは4/6気筒のガソリン/ディーゼルで、1967年にV型8気筒7.7Lディーゼルを積むイギリス フォード最大の大型トラック D1000が追加されました。Dシリーズは1981年に後継のカーゴ(CARGO)シリーズに切り替わりました。(実車画像→ フォード カーゴ CF7000 1986)

 

 

 ミニカーはデンマークのテクノ製でブランド表記がTEKNOからKIRKに変わった1970年頃に発売されました。フォード D800 ダンプ トラックをモデル化したテクノの傑作ミニカーでした。50年以上も前に作られた昔のミニカーですが、私の知る限りでは、1/43サイズではこれが一番精巧で凝ったギミックを持つ商用車ミニカーであると思います。(単なるスケールモデル的な精巧さだけなら、現在のヘルパやブッシュの1/87の商用車の方が優れていますが) プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されています。ギミックを付けるとプロポーションが崩れると言われることがありますが、技術力のあるメーカーではそんなことはありません。このミニカーのプロポーションとギミックの出来ばえを見れば、それは技術力の低いメーカーの言い訳に過ぎないことが分かります。

 テクノはこれよりホイールベースが長いトラックもモデル化していて、荷台に企業ロゴを印刷した販促プロモーション用モデルのバリエーションも多くありました。同時期にコーギーも同じようなフォードのトラックを数種類(カートランスポーターなど)モデル化していますが、それはD800ではなく、アメリカ フォードのHシリーズでした。それ以外のD800のミニカーはディンキー(ダンプカーや道路清掃車など) やマッチボックスの当時物もありました。(最近のものはないようです) Dシリーズより以前のトラック、テームズ トレーダーやテームズ ET6はディンキー(英)やスポットオンの当時物などがありました。 以下はフロント/キャブのドア開閉ギミック動作の画像と、キャブのチルト動作の画像です。半開きのサイドウィンドーと内張付きのドアはスムーズに開閉し、室内も良く再現されています。キャブのチルト動作は実車同様ににキャブ全体が前ヒンジで開き、エンジンや補器類が再現されています。エンジンが左に45度傾けて搭載されていることまでわかります。なお荷台やエンジンなどが白い軟質プラスチックで再現されていて、あまり色合いがリアルでないのは、玩具としての安全上の配慮でしょう。(軟質プラスチックは乱暴に扱っても壊れにくいことから採用されています)

FORD D800 TRUCK 1
FORD D800 TRUCK 2

 以下は荷台の拡大画像と荷台のダンプ動作の画像です。荷台後部の後あおりが開閉します。荷台をダンプさせるには、荷台左前にあるレバーを前方にスライドさせて荷台のロックを外してから車体を後退させれば、後車軸の回転と連動して荷台がダンプします。(画像では撮影の都合で後退させていませんが) このギミックは非常に良く考えられた仕組みで、子供が雑に扱っても壊れないよう頑丈な金属パーツが使われています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD D800 TRUCK 3
FORD D800 TRUCK 4

 以下は前輪操舵ギミックの画像と床下部分の画像です。前輪操舵ギミックは当時のテクノのミニカーのほとんどに付いていました。車体下部にはシャーシ、エンジン、サスペンション、ドライブトレーンなどのメカ部分が良く再現されていて、前輪は車体を傾けることで操舵できます。(操舵メカはさすがに実車と同じというわけではありませんが、頑丈な金属パーツでしっかり作られていて、普通の扱いではまず壊れません) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD D800 TRUCK 5
FORD D800 TRUCK 6

 以下は1971年に発売されたディンキー(英)製の当時物 フォード D800 ジョンソン 道路清掃車 (1/43 型番451)の画像です。D800をベースにしたイギリスのジョンソン スイパー(Johnston Sweepers)社の道路清掃車(ロードスイーパー)をモデル化しています。縮尺1/43で全長140㎜X全幅54㎜の少し大きなミニカーになっています。ディンキー(英)らしいがっちりとした作りで、ごみを貯めるタンクなどがリアルでとても良く出来ていました。このミニカーはドアが開閉し道路清掃車ゆえの面白いギミックが付いていました。タンクの上にあるゴミを吸引するホースが可動し、タンクの下にある道路上のごみを掻き上げるブラシ(タンク左下にある丸いブラシとボディ底面にあるブラシ)が実車同様に回転します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD D800 ROADSWEEPER 1
FORD D800 ROADSWEEPER 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD D800 ROADSWEEPER 3
FORD D800 ROADSWEEPER 4

 以下は吸入ホースの可動/床下のブラシを駆動する構造の画像です。路上の大きなごみはタンク上から延びる吸入ホースで吸い取るようで、そのホースの吸入口を移動させる操作ができます。またミニカーを押して走らせると後輪の回転を金属ベルトで伝達して2つのブラシを回転させる構造になっています。(耐久性のある丈夫な金属ベルトを使っているのは、玩具としては凝った構造です) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD D800 ROADSWEEPER 5
FORD D800 ROADSWEEPER 6

データーベースでフォードソンのミニカー検索
データーベースでフォード テームズのミニカー検索

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