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フォード V8 パイロット イギリス 1950年
第2次世界大戦中のイギリス フォードはイギリス軍の要請に従い、軍用車両やそのエンジンの生産を行いました。ウイキペディアによればイギリス フォードはロールス ロイスの航空機用エンジンをロールスロイスと同等の品質で、ロールスロイスよりも効率的に生産したとのことです。(さすがはフォード式生産方式だと思います)
イギリス フォードの戦前のモデルとしては欧州向けに開発した4気筒1Lクラスのエンジンを搭載し「ベビー フォード」と呼ばれた小型車のY型(アングリアとその上級車のプリフェクト)と、アメリカ本国と同じV型8気筒エンジンを搭載した中型車V8の2種類がありました。第2次世界終了後すぐに戦前型V8の小改良版で自動車生産が再開されました。
戦前型V8を改良して1947年に登場したのが、V8 パイロットでした。V型8気筒3.6L(85HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速130km/hの性能でした。セダン以外にワゴンやピックアップもありました。戦前型そのままのボディ、前後ともリーフ式のサスペンションなど旧式の設計でしたが、1951年までに約22000台が生産されました。
ミニカーはマッチボックス傘下のディンキー製で、1991年頃に発売しされたものです。マッチボックスがディンキー ブランドを復活させてマニア向けとして作られたミニカーでした。ややレトロな作風なのはその為で、プロポーションがしっかりしていて実車の雰囲気がうまく再現されていて良い出来ばえでした。リアフェンダー左の燃料給油口やリアのナンバープレート、スペアタイヤカバー上の「V8 PILOT」ロゴなど細部も良く再現されていました。この1950年代前半のフォードのオーソドックスなセダンはあまりモデル化されていないので、車種的には貴重でした。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード コンサル イギリス 1951年
イギリス フォードの戦後の新型車であるコンサルは1951年に登場しました。アメリカで発表された1949年型フォードはフラッシュサーフェス(前後フェンダーがボディと一体化している)デザインを採用したことで大きな話題となりました。コンサルはこの1949年型フォードをベースとしていて、フラッシュサーフェスを採用したモノコック ボディ、前輪独立懸架サスペンション、OHVエンジンなど戦後のフォードの基本となった革新的な車でした。戦前型フォードのデザインと比べて見ると、画期的なデザインであったことがよく分かります。4気筒1.5L(41HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速116km/hの性能でした。
コンサルと同時期にボディを10cmほど長くして、6気筒2.3L(59HP)エンジンを搭載したゼファー(ZEPHYR)も登場しました。こちらは前述したV8 パイロットの後継車で、3段変速で最高速129km/hの性能でした。コンサル、ゼファーとも2ドアコンバーチブルが追加されました。コンサルは1956年にデザインを一新してMK IIに発展し1962年まで生産されました。なお1952年にはドイツ フォードからコンサルと同じような外観デザインとシャーシを持つタウナス 12Mが登場しました。(ただしエンジンは異なりますが) (実車画像→ フォード コンサル MK II 1960)
コンサル 初代のミニカーは1956年に発売されたコーギー製の当時物ぐらいしかなく、それは滅多にお目にかかれないレア物です。このミニカーの画像は海外のWEBオークションサイトに出品されていた当時物の画像を流用させてもらいました。1950年代のビンテージミニカーでしたので、素朴な作りで、室内はがらんどうになっています。それでもプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。
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フォード ポピュラー 103E型 イギリス 1953年
戦前型のフォードの小型車アングリア E04A型は小改良されて戦後も生産されました。(実車画像→フォード アングリア E04A) 1949年にフロントグリルのデザインを少し変えましたが、1953年の戦後型登場まで生産されました。アングリアの姉妹車プリフェクトも同様で、1949年にライトをフロントフェンダーに埋め込んで見た目を変えましたが、こちらも1953年まで生産されました。(実車画像→ フォード プリフェクト E493A 1953)
1953年にアングリア E04A型はフロント周りを変更して、名前をポピュラーに変更したポピュラー 103E型となりました。4気筒1.2L(30HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速100km/hの性能でした。フォードの最廉価モデルとして1959年まで生産されポピュラー 100E型にモデルチェンジしました。(実車画像→フォード ポピュラー 100E 1959)
ポピュラーの上級車としてアングリア 100E型とアングリアの4ドア版プリフェクト 100E型が1953年に登場しました。前述したコンサルのようなフラッシュサーフェス、モノコックボディ、前輪独立懸架を採用した進歩的な車でした。アングリアは4気筒1.2L(31HP)エンジンを搭載する2ドアセダン/3ドアバン/ワゴンで、プリフェクトは同じエンジンでほぼ同じサイズながら4ドアセダン/5ドアワゴンでした。(実車画像→ フォード アングリア 100E 1955) アングリア/プリフェクト 100E型は1959年まで生産され、アングリア 105E型/プリフェクト 107E型にモデルチェンジしました。(実車画像→ プリフェクト 107E 1960)
ミニカーは1997年頃に発売されたコーギー製で、ポピュラー 103E型をモデル化しています。主に1950-1960年代のイギリス車をモデル化したコーギーのクラシックス シリーズの1台で、このシリーズは1960年代のコーギーのようなレトロな作風が特徴でした。このフォード ポピュラーも作風はレトロでしたが、プロポーションはしっかりしていて、縦長のフロントグリルなど実車のイメージが良く再現されていました。1990年代は欧米メーカーによる中国でのミニカー生産が本格化した時期で、これも底板にMADE IN CHINAと表示されていました。最近の中国製ミニカーはどのブランドも作風がほとんど同じですが、これはまだコーギー風の味わいが残っていました。ポピュラー 103E型はオックスフォードとバンガーズがモデル化していますが、バンガーズはコーギーのブランドですから、このコーギー製と同じ物です。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード ゾディアック MK II イギリス 1956年
1950年代前半のイギリス フォードのラインナップは前述したポピュラー、プリフェクト、アングリア、その上級車で1951年に登場したコンサル、最上級車として1951年に登場した6気筒2.3L(68HP)エンジンを搭載するゼファー(ZEPHYER)の5モデルでした。コンサルは4気筒1.5L(41HP)エンジンを搭載するファミリーセダンで、ゼファーはV型8気筒エンジンを搭載していたV8 パイロットを後継する高級車でした。1953年にゼファーに豪華仕様のゾディアックが追加されました。ゾディアックは内外装が豪華に仕立てられ、エンジンは71HPにチューンアップされていました。(実車画像→ フォード ゾディアック MK I 1956)
1956年にゼファー/ゾディアックはデザインを一新してMK IIにモデルチェンジしました。6気筒エンジンは2.55L(86HP)に拡大されてゼファー/ゾディアックで共通となり、3段変速で最高速142km/hの性能でした。ゼファー/ゾディアックはボディは同じでしたが、前後のデザインを少し変えて差別化されていました。セダン、2ドアコンバーチブル、5ドアエステートの設定がありました。1962年まで生産され、ゼファー MK III/ゾディアック MK IIIにモデルチェンジしました。
ミニカーは1990年頃に発売されたコーギー製です。主に1950-1960年代のイギリス車をモデル化したコーギーのクラシックス シリーズの1台で、比較的安価(定価2500円)でしたのであまり凝ったつくりではありません。それでもプロポーションはしっかりしていて、実車の雰囲気が良く再現されていました。このツートンカラー仕様はゾディアックにしかなかった仕様で実車に即していました。なおコーギーはゼファー MK IIも型番D710でモデル化していました。箱には「MADE IN GREAT BRITAIN」と記載されているので、イギリスで製造した最後の頃のミニカーだと思います。(現在はほとんどが中国製です) ゼファー MK IIの当時物ミニカーはコーギーのエステート、ゾディアック MK IIの当時物ミニカーはスポットオンがありました。当時物以外ではコーギーの別ブランドのバンガーズがゼファーとゾディアックをモデル化していますが、これをベースにして仕上げレベルを上げた物です。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード アングリア 105E イギリス 1959年
1959年にフォード アングリアは新型(105E型)にモデルチェンジしました。それまでのオーソドックスなデザインから、アメリカ車的な(スチュードベーカー風)フロント、クリフカット(リアウインドーが通常とは逆に傾いている)のルーフ、テールフィンなど個性的なデザインが採用されていました。このクリフカットは当時の流行で、シトロエン アミ 6、マツダ キャロルなどにも使われたデザインでした。新開発の4気筒1L(39HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速120km/hの性能でした。なお姉妹車のプリフェクトはエンジンが新型に切り替わりましたが、ボディはそのままで1961年まで生産されました。
1962年には上級車コルチナの1.2L(48HP)エンジンを搭載した高性能版のスーパーが追加されました。1968年に後継車エスコートに切り替わるまでに約130万台が生産され、ベストセラーの小型車として大成功しました。最近では2002年の映画「ハリー ポッターと秘密の部屋」の劇中車で「空飛ぶ車」として有名になりました。
ミニカーは2002年に発売されたバンガーズ製です。バンガーズはイギリスの老舗コーギーのブランドで、2000年頃から主に昔懐かしいイギリス車をモデル化しています。このアングリア 105はラインストーンを使ったヘッドライトや塗装で表現したテールライトなどレトロな作風ながら、実車の雰囲気が良く再現されていました。またレトロなだけではなくエッチングパーツのワイパーやユーザーが取付けるフェンダーミラーが添付されているなど細部にこだわった部分もありました。アングリア 105E型の当時物ミニカーとしてはディンキー、スポットオン、ノレブ、マッチボックスなどがありました。当時物以外では前述した映画で有名になったことで、オックスフォードやイクソなどでもモデル化されました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)