ミニチュアカー ミュージアム

GIMMICK ミニカーのギミック

GM コルベット スティングレイ L88 (GM CHEVROLET CORVETTE STINGRAY L88)

フランクリンミント製ミニカー概要と実車概要

 久しぶりにギミックのページを追加します。今回紹介するのは、フランクリン ミント製のミニカーです。フランクリン ミント社はアメリカのフィラデルフィアにある国際企業で、民間造幣所としてコインやメダルの鋳造を手がけるとともに、コレクター向けの美術工芸品を開発しそれを通信販売しています。フランクリン ミント社がミニカー開発を始めたのは1980年代の前半で、私の知る限りで最初のミニカーは1/24サイズのメルセデス ベンツ 540Kで、このサイズのミニカーとして従来にない精密さが評判となり世界中でヒットしました。その後フランクリン ミント社は1/24や1/43のミニカーを定期的に開発するようになり、日本国内でも通信販売していました。(当時私も定期的に購入していました) 現在もミニカーを販売していますが、開発のペースは落ちているようです。

 

 フランクリン ミント製のミニカーは大人のコレクター向けでしたから、当時としてはかなり精密な出来映えでした。特にシャーシやボディ構造などのメカ的な部分の再現に注力していて、その為ボンネットを開くとそこに非常にリアルに再現されたエンジンが収まっているなどのマニア泣かせの作りになっていました。(当時完成品ミニカーでこの様に精密なものはほとんど無かった) そのフランクリン ミント社が今までにないリアルさを1/12サイズで追求したのが、今回紹介するコルベット スティングレイ L88で、究極のギミック搭載ミニカーといえます。

 

 ミニカーを紹介する前に、実車に付いて簡単に解説します。コルベットは1954年から現在まで続いているGMのスポーツカーで、アメリカ車では唯一の本格派のスポーツカーです。1967年式のコルベットは2代目で、鋭角的なデザインと特徴的なリトラクタブル ヘッドライトでスティングレイの名前で有名です。L88とは1967年に追加されたエンジン(V型8気筒7L 430HP)の形式名で、レーシングカーのエンジンをディチューンしたものでした。高オクタン価のレース用ガソリンを必要とする特殊なエンジンでしたが、GTカーのホモロゲーションを取るために、このエンジンを搭載した車が20台市販されたそうです。というわけでこのコルベット L88は非常に希少な車だった訳です。ミニカーは内部がよく見えてさらに実際に操作する必要があるのでコンバーチブル仕様となっていますが、実車にはクーペもあったようです。(実車の画像) (コルベット2代目の詳細が分かるYouTube動画)

 

1.外観とドア関係のギミック

 ミニカーのサイズは全長37cm全幅15cm重量2.2Kgと、置き場所に困るほどの大きさです。いつもはミニカーの4倍ほどもある大きな梱包箱のまま押し入れに保管してます。以下ミニカーの全容について順を追って説明していきます。(中身が濃いのでいくつかの部分に分けています) 
gm label

 まずは一般的な外観の紹介です。実車コルベットのボディはFRP(繊維強化プラスチック)製ですが、ミニカーのボディも実車と同じFRP製だと添付された説明書に書かれています。FRPの上に塗装してあるわけですが、確かに軽いので樹脂製であることは明らかです。このことだけでもこのミニカーが実にマニアックであることが分かると思います。実車のハードトップはボディに金具で固定しますが、ミニカーでは特に固定しているわけではなく単に載せてあるだけです。

 

 次にドアのギミックですが、ドアが開閉できるのは当たり前ながら、ドアの開閉を行うヒンジ部分の構造が実車に即した構造になっています。また左の画像にように、ドアのラッチ金具の上にはGMの検査証が貼付してあります。ドアの見所はサイド ウインドーの上下動です。ウインドーが上下するだけなら、これ以前にも色々とありましたが、ドアのハンドル操作でウインドーを上下させることが出来るのは多分これが初めてだと思います。また昔の車にあった換気用の三角窓も動作します。(実車は窓の下の小さなハンドルで操作するのですが、さすがにそこまでは出来ません) 

 
 
 
 
 
 
 

2.室内のギミック

 この車をクーペではなくあえて室内の細かいところまで見えてしまうコンバーチブルでモデル化したのは、フランクリン ミント社のリアリティへの挑戦だったと思います。その意気込みはシートの材質一つにも感じられます。実車の内装は革張りですが、なんとこのミニカーのシートも革張りであると説明書に書かれています。確かに触った感じが単なるプラスチック材ではなく、人工皮革らしき物を張ってあるようです。(ただ本物の革を使っていることはないとおもいます 腐りますから)

 

 非常に精密にできていても普通は見るだけのものですが、このミニカーではギミックとして触って楽しめるようにしてあります。実車で操作する部分のほとんどを、実際に触って動かすことが出来ます。子供向けのおもちゃなら、触る部分を大きくするなどしてありますが、このミニカーでは1/12サイズの大きさでそれを達成しています。特にメーターパネル上のスイッチまで操作することが出来るのは驚きです。(当然ながら注意して触らないと壊れますが、最低限度の強度は確保されてます)

 

 可動する部分を列記すると、シートバック(倒れる)、ハンドルのホーン ボタン(実際はコラム全体が前後に動きクラクション吹鳴)、ウインカーレバーの上下動(現在は硬くて壊れそうなので動かせませんが)、アクセル、ブレーキ(リアライト点灯)、クラッチの3ペダル、マニアル変速機のシフトレバー(前後に少し動く)、パーキング ブレーキ、サンバイザー、グローブボックス、灰皿(蓋の開閉)、ソフトトップを収納するカバーです。

 

 以下の簡易動画でそれらの動きを見ることができます。このミニカーは電池で動作する音声回路が組み込まれていて、ボディ下部のスピーカーからエンジン音やクラクション音がでます。ハンドルを押し込んだ時に鳴るクラクション音は本物ですが、アクセルを踏み込んだときのエンジン音は私の演出です。またグローブボックスの中にあるグローブ(手袋)とサングラス、灰皿の中のタバコの吸い殻も私が演出で追加した物ですので、実際のミニカーにはありません。

 
 
(クラクションを鳴らしている実際の動画)

3.インパネ関係のギミック

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メーター(クリックで拡大します)
各メーターの名称は簡易動画のなかで説明しています

 室内での最大の見所は、実車を忠実に再現したインパネ(インストルメント パネル:計器パネル)のリアルさです。 メーターパネルはレザー張り(多分)を再現したシボの付いた表面処理がされ、その上にクロームリングの付いた6連の円形メータがあります。ハンドルが邪魔になって画像では見づらいですが、メーターの文字盤の目盛りや指針がリアルに再現されています。

 

 また文字盤の上にはカバーガラス(透明プラ製)が付いていて、この部分が導光板となっていて、夜間照明を再現するようになっています。この夜間照明は実車とほぼ同じ位置(左下)にある、ライト スイッチを押すことで動作します。またヘッドライトとリアライトもこのライト スイッチに連動します。(2回押すことでロービームとハイビームの切り換えまで出来ます)

 

 なお実車のライト スイッチは押すのではなく、手前に引くプルスイッチですので、厳密にいうと違います。(このスイッチ操作は上述したYouTube動画で見ることができます)

igkey igkey
ライト スイッチ             イグニション スイッチ
 メーターパネルの右下にはイグニション スイッチがあります。この部分にはキーリングの付いたキーが差し込まれた状態になっています。実車ではキーをひねって始動するわけですが、ミニカーではこのキーの付いたスイッチを押すことで、エンジンの始動音が出ます。(エンジンが回るわけではないですが)

 どちらのスイッチも実車と同じではないですが、1/12で再現された豆粒ほどのスイッチを操作するには押すことぐらいしかできません。私は面倒なので指で押していますが、本来は指では無くて付属品のピンセットのような物で操作するよう英文説明書に書いてあります。(アメリカ人が不器用だとは言いませんが、あまりごつい指ではさわれません)

 

 動画のイグニション スイッチの動作をみてもらうと、もう一つ驚くことがあります。エンジンの始動音に合わせて、タコメーターの針がアイドル回転数を示すのです。メーター指針が動作するギミックは世界初です。タコメーターの内部には回転する円盤が組み込まれており、それを磁石を使って動かしているようです。

 

 以上 まことしやかにギミックの仕掛けを解説しましたが、タコメーターの針が動くのは私が画像処理で追加した演出です。現在の技術ならば、この程度まではやって欲しいという私の願いを込めて追加しました。というのもかつて私はこのギミックを1/43サイズのミニカーに組み込もうと思い、改造を試みたことがあるからです。最終的に小さすぎて作ることが出来なかったのですが、1/12サイズなら何とかなりそうな気がします。「インパネのギミック」の簡易動画で動作を見て下さい。

 
 
(ライトスイッチ操作の実際の動画)、(イグニション スイッチ操作の実際の動画)

4.ライトのギミック

 インパネのギミックでライト スイッチによるインパネ照明を説明しましたが、ヘッドライトとリアライトも連動して点灯します。リトラクタブル ヘッドライトは2代目コルベットの外観上の最大の特徴で、リトラクタブル動作もこのミニカーの見所です。ヘッドライトのリトラクタブル動作のギミックは、1/43サイズのミニカーでもよく見られます。したがってリトラクタブル動作自体に目新しさはないですが、ライトが点灯する機能が付いている点では、やはりかなり凝ったギミックと言えます。(特にこのように回転するリトラクタブル動作では、ライトへの配線がかなり難しくなります) 簡易動画で動作を見て下さい。

 

 実車のヘッドライトのリトラクタブル動作はエンジンのバキュームを動力源としたアクチュエータで行っていました。電気モーターを使うよりも確実で安価であった為、この当時の車ではバキューム アクチュエータが多く使われていました。(昔はバキューム駆動のワイパーまであったのです) ミニカーではバキュームが使えないので、リトラクタブル動作は携帯機器向けの小型モーターが使われているようです。(リトラクタブル動作時にモーターの作動音が聞こえます) モーターを使ってこのような動作を実現するには回転位置の検出が必要で、このギミックは電気的にも機械的にも極めて高度な内容となっています。

 

 リアライトは実車同様ライト スイッチとブレーキの両方の操作で点灯します。リアライトが点灯するギミックも1/43サイズでたくさん実施例がありますので、さほど珍しいものではありません。ただブレーキと連動することや、夜間点灯状態でブレーキが踏まれるとさらに明るくなるといった実車同様の動作は、かなり凝ったギミックです。(電気回路的には簡単な仕掛けですが、確実に動作するよう実装するのは結構面倒です)

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ウインカー(カーソルを載せると点灯)

  ここまで灯火類に凝るのなら、ウインカーも点灯するようにして欲しかったです。フロント グリルの横にある小さなオレンジ色のウインカーが点滅したら、リアリティがさらにアップします。このミニカーが作られた1990年頃にはまだ小型LEDランプが一般的ではなかったので難しかったのでしょうが、現在なら比較的簡単に実現させることが出来ます。(改造してみたい気がしますが、この1台しかないのでやはり手が出せません) 

 

 ところで上述した小型モーターによるリトラクタブル動作の件は、嘘です。(信じた方 ごめんなさい) 小型モーターでこれを実現させるのは、現在でもかなり難しいはずです。従ってリトラクタブル動作は繊細で確実な人間の指による、手動操作となっています。(手で回す訳です) なおリトラクタブル動作時のモーター作動音は私が演出として追加しました。
 
 
(ブレーキによるリアライト点灯の実際の動画)
 

5.エンジン シャーシのギミック

 フランクリン ミント製のミニカーは1/24サイズが主流で、その大きさを生かしてシャーシやボディ構造などのメカ的な部分を正確に再現していることを売り物としていました。現在では1/18サイズで同様の精密さを売りにしたミニカーが多くありますが、2000年以前にはそのような大スケールミニカーはほとんどなかったのです。フランクリン ミントが1/12サイズで製作したこのコルベットは、当時の量産完成品ミニカーとしては多分一番精密に出来ていたと思われます。なお組み立てキットを含めると(一部完成品もある)、かの有名なポケールの超精密モデルがやはり一番ですが。。。
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エンジンルーム (クリックで拡大します)

 まずはエンジンルーム内のエンジンです。現在の車はボンネットを開いてもエンジンの細部はほとんど見えませんが、この時代の車はエンジン各部や補機類をつぶさに見ることができました。エンジンの外観は細部まで再現されていますが、あくまで見た目だけの再現です。補機のプーリやベルトなどは全て一体物として成形されていますので、プーリーや補記類は回転しません。またラジエータ ホースや各種の配管も全てプラスチック製で、ゴムや金属を使っている訳ではありません。

 

 従ってクランクシャフトが回る訳では無いのですが、冷却ファンだけは単独で回転するように出来ています。またエンジンの上に被さっているエア フィルター部分は取り外しが出来ます。エア フィルターの下には今ではほとんど見ることが無くなったキャブレターが付いています。このあたりの出来映えは現在のオートアートの1/18と同等か、1/12で大きい分だけ良く出来ています。
 
 次にボディをひっくり返してサスペンション関係を見てみます。ミニカーにはひっくり返した状態を保持する為の支持台が付属していて、サスペンションなどをじっくり見ることが出来るようになっています。前輪のダブルウィッシュボーン式サスペンションは上下のアームやコイル スプリング、ステアリングのリンクなどがかなり正確に再現されているようです。(実車を見たわけではないので、断定しませんが) サスペンションの上下のストロークはほんのわずかでかなり硬いですが、ほぼ実車と同様に可動します。(レーシングカーであった実車もハードだったはず)

 

 ステアリング機構も実車同様に可動します。ステアリング軸とステアリング リンクはラック&ピニオンのギヤ式になっています。(実車のラック&ピニオンとはだいぶ違いますが) サスペンションのアームやリンクなど強度が必要なパーツは全て金属製でしっかり出来ています。金属で作ると頑丈なだけではなく、やはりリアリティのレベルが違います。最近の1/18はこのような部分もプラスチック製なので、壊れやすく質感的なリアルさも今ひとつです。
front suspention
前輪サスペンション
front suspention
後輪サスペンション
 後輪はトレーリングアーム式サスペンションで、2代目コルベットから採用された横置きに配置されたリーフスプリングがよく分かります。この後輪サスペンションも前輪同様に硬いですが、実際に可動します。後輪にはさらにギミックがあります。変速機から出たプロペラ シャフトとその接続先のデフから後輪に接続されたドライブシャフトが実際に回転します。またドライブシャフトの途中にあるユニバーサル ジョイント部分もリアルに動作します。このようなギミックが付いたミニカーはこれが初めてのはずです。実車のメカに興味のない方には何が面白いのか分からないと思いますが、メカ好きの人にはたまらないギミックです。

 

 ホイールは脱着が出来ます。実車のホイールはレース車用のセンターロック式のホイールで、この当時のロックナットにはスピナー(羽根)が付いている物が多いのですが、このL88ではスピナーが無いようです。ミニカーもロックナットを緩めることで、ホイールを外すことが出来ます。ホイールを外すとレース用のごついベンチレーテド ディスクブレーキがあり、その奥にはサスペンションのコイル スプリングが見えます。

 

 後輪の後方にはスペアタイヤ収納部のような形状の部分があります。これは電池ボックスでライトと効果音用の電源として単4電池3本を収納しています。電池ボックスの蓋にはスピーカーが付いていて、効果音はここからでています。なおシャーシとは関係ないのですが、動画には燃料タンクの注入口の開閉ギミックの動作も含めてあります。
 
 
 

6.付属品と説明書

このミニカーには以下のような付属品が付いています。
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付属品

 右側にあるのはハードトップで、プラスチック製です。中央にあるのは、室内の可動部やスイッチを操作する為の操作棒(英文では「MODEL TOOL」とのこと)で、操作する部分に合わせて先端部分をねじ式で交換するようになっています。実際にはこの棒を使って操作するのはかえって面倒なので、ほとんど使いません。

 

 左側の上にあるのは単4乾電池で、ミニカーに必要な電池が3本付いていました。(もちろんもう使えませんが) 電池の下にある白い物は、GLOVESと書いてあり、白い手袋です。ミニカーを触る際にはこの手袋を使用して下さいということです。なお私はこれも面倒なので、素手で触っていますが、本当はいけないのだそうですが。。。

 
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保持台
 この黒い蓋のような物は、ミニカーをひっくり返した状態で載せるための台です。電池交換をしたり、シャーシ部分をじっくり見るためにはミニカーをひっくり返す必要がありますが、このミニカーは大きくて重量がある為、この様な専用の台が無いとひっくり返した状態で固定しておくことができません。

 

 こんな付属品が付いてくるミニカーはまずありません。ギミックを楽しむために必要な付属品まで準備してあることも、このミニカーのギミックの一つといって良いでしょう。そんな訳で、私はこのミニカーを究極のギミックが付いたミニカーだと考えています。

 
 ギミックの操作方法などを解説した立派な取り扱い説明書も付いています。大きさは90X165mmと小さな手帳ぐらいのサイズで、20ページほどの冊子です。梱包箱には大きなパンフレットも入っていました。操作説明書を分かり易く図解した印刷物で、A2サイズほどの大きさです。この様なしっかりした説明書がついたミニカーも珍しいと思います。
manual1manual2
取り扱い説明書(上が表紙 下はコクピットを説明したページ)
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操作説明パンフレット
 
 
 

7.最近の精密ミニカーとの比較

 以上 コルベット L88のミニカーを紹介しましたが、最後に同じようなサイズで発売されている最近の精密なミニカーと比較してみたいと思います。現在量販されているミニカーの中で、精密さの観点から上位にランク付けされるのはCMCEXOTOのミニカーです。どんな物かはそれぞれのWEBサイトを見てもらうとおおよそのことが分かりますが、これらは1/18サイズで定価がだいたい3-5万円ぐらいと、かなり高級なミニカー(というよりも自動車精密模型)です。

 

 このクラスの自動車模型は、かなり細かく分けられたパーツを実車と同じように組立てることで構成されています。(例えばワイヤスポーク ホイールは実際にスポークを一本づつ組付けています) したがって外部からあまり見えない部分もきちんと再現されています。(ただメカに詳しくないと、あまり面白いというものではないと思いますが) この種の模型は熟練した作業者がハンドメイドで生産するしかなく、大量生産されることはありません。また高価ですので、気安く買える物でもありません。

 

 もう少し一般向けのミニカーとしては、オートアート、京商、ミニチャンプス、ノレブなどがあります。(なかでもオートアートは出来映えに定評があります) これらのミニカーは1/18サイズで定価がだいたい1-2万円程度です。上記のCMCやEXOTOに比べると精密さのランクが落ちますが、普通のマニアなら十分満足できるレベルで、このあたりが現在の1/18サイズミニカーでは売れ筋となっています。

cmc model
CMCのミニカー
autoart model
AUTO ARTのミニカー
 

 今回紹介したコルベット L88は1/12サイズで、当時の販売価格は約6万円で最近まで同じような価格で販売されていました。フランクリンミントのミニカーは必ず世界限定**点販売とうたっていますが、この限定数量ははロットあたりの生産数のことです。実際には長年にわたり何ロットも生産していますので、このコルベットも少なくとも1万台以上は作っているはずです。(たかだか数百台程度の限定生産で、この値段で売りだせる訳はありませんから)

 

 コルベット L88は価格的にはCMCクラスですが、精密さのレベルではそこまで精密なわけではありません。実際にサスペンションの仕上がりを見ると、オートアートなどよりは格段に精密ですが、パーツが細かく分割されたCMCあたりにはかないません。この違いをある程度定量的に見るには、部品点数で比較することができます。標準的な出来の1/18サイズのCMCは部品点数が1000~2000点ぐらいで、オートアートは200~400点ぐらいで、コルベット L88は約500点です。コルベット L88の値段が高めになっている理由は、まずはスケールが1/12と大きめなことと、その大きさに見合った強度を得る為にダイキャストパーツが多くはるかに頑丈にできているからです。もう一つの理由は単なる精密さとは異なるギミックにコストが掛かっているからです。

 
 ミニカーの範疇から少し外れますが、最近発売されている週刊GT-Rなどの組立キット形式の大型ミニカー(自動車模型)についても少し言及します。 週刊GT-Rは1/8サイズで部品点数は約500点程で、トータルの購入金額は約18万円(1790円X100号)にもなります。
GT-R model
週刊GT-R

 購入金額とサイズを考えるとずいぶんと部品点数が少ないと思いませんか。つまり、このミニカーはサイズを考慮するとあまり精密なわけではありませんし、前述した量販ミニカーに比べると値段もかなり高いです。

 

 これには理由があります。まず精密さの点ですが、これは素人が組み立てることを前提としているからです。多少なりとも精密なモデルを作ったことがある方は分かると思いますが、そのようなモデルは誰もが簡単に組み立てられる訳ではありません。上述したCMCクラスのミニカーは素人が組立てることはまず無理でしょう。つまり素人が組立てることを前提としているので、そこそこの精密さにしか出来ないわけです。

 

 次に価格ですが、まずはサイズが1/8ですから、材料的にも1/18サイズの数倍程度のコストは掛かるでしょう。次に部品単位でバラバラに解説書までつけて送料込みで販売しているのですから、完成品単体だけを売るよりはコストが高くなるでしょう。さらにこれも素人を対象にするということで、ユーザーサポートに手間が掛かることが想定されます。(組立てに失敗した人のことを考量して、部品も余分に確保していると思われます) それでもこの値段が安いとは思いませんが、好きな人は買うでしょう。

 

 以上 精密なミニカーの比較と言うことで長々と書きましたが、世の中にはCMCのような大スケールで実車を正確にスケールダウンした自動車模型から、トミカサイズの安価なおもちゃに近いミニカーまで色々とあります。ミニカーが自動車模型であることから、「精密さ」を求めるマニアが多いですが、それだけがミニカーの楽しみではないことを最後に付け加えておきます。

 
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