ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

DUESENBERG J SEDAN 1931 USA

DUESENBERG J SEDAN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J SEDAN


SOLIDO 156 1/43 130mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.6m 全幅約1.85m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 6.9L 265HP 3段変速
性能: 最高速180km/h  データーベースでデューセンバーグのミニカー検索

デューセンバーグ J セダン アメリカ 1931年

 

 ドイツから移民してきたデューセンバーグ兄弟が、レーシングカーを作る目的で1914年に設立したのがデューセンバーグ社でした。当初は航空機用エンジンを製造し、ブガッティの航空機用エンジンの国産化を行いました。1920年に8気筒4.3Lエンジンを搭載し世界初の油圧ブレーキを備えた、自社初の市販車モデル Aを発売しました。(実車画像→ デューセンバーグ モデル A) デューセンバーグのレースカーは1923年のフランスGPでアメリカ車として初めてのGP優勝、1924年と1925年のインディで優勝などレースで大活躍しています。ただモデル Aは高価すぎて売れず、ビンテージ期で述べたエレット ローバン コードが経営する企業連合体 「コード帝国」に1926年に買収されました。

 

 コード傘下で1928年に発表されたモデル Jはデューセンバーグを一躍有名にしました。モデル Jはアメリカ最大、最速、最高品質を目指して開発され、値段も当時最高の超豪華車でした。サイズは全長約5.6m(リムジーン)、性能は当時レーシングカーしか採用していなかったDOHC方式8気筒6.9L(265HP)エンジンを搭載し最高速180km/hと高性能でした。ボディは有名なコーチビルダーが担当し華麗なデザインのボディが架装されました。ボディ形式としては4ドアセダン、2ドアクーペ、スパイダー、フェートン(4座オープンカー)、デュアル カウル フェートン (前席/後席にスクリーンが付いた4座オープンカーで、オープンカーとしては最も高級な形式)などがありました。デュアル カウル フェートンの後席のスクリーンはその下にあるハンドルで上下させることが出来ました。(実車画像→ デューセンバーグ モデル J デュアル カウル フェートン)

 デューセンバーグの最も高価なモデルは当時の価格が2万ドルであったことから「トゥエンティ グランド」と呼ばれていました。その価格は大衆車T型フォードの約40倍でしたので、この車を買えたのは当時のハリウッドの大スターや王侯貴族だけでした。

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたソリド製で、1960-1970年代に作られたソリドのクラシックカーシリーズ(AGE D'EOR シリーズ)の1台でした。デューセンバーグとしてはおとなしいオーソドックスなセダンをモデル化しています。このクラシックカーシリーズは大人のマニア向けでしたので、スケールモデル的でリアルな造形がされ、当時としては素晴らしい出来ばえでした。「デューセンバード」と呼ばれる鳥のマスコットの付いたフロントグリル、ボンネット内に再現されたリアルなエンジン、ドアが開閉するキャビンなど細かいところもよく再現されていました。ソリドはバリエーションでスパイダーもモデル化していました。これ以外のモデル Jのミニカーとしては、ビンテージ物ではドゥグー、リオ、マッチボックスなど、最近の物ではフランクリンミントの1/43と1/24、シグネチャーの1/32、ミニチャンプスなどがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)とボンネットを外したエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DUESENBERG J SEDAN 1
DUESENBERG J SEDAN 2

 以下は1967年に発売されたイタリアのドゥグー製のデューセンバーグ SJ タウンカー (1/43 型番13)の画像です。タウンカーとはこの車のように客席部分にだけ屋根があるフォーマル用途のボディ形式を意味します。SJはエンジンにスーパーチャージャーを追加して320HPにパワーアップしたモデルで、ボンネット右側面から排気管が出ていました。ドゥグーは大人のクラシックカー マニア向けのミニカーで、同時期のリオ同様に当時のミニカーとしてはリアルな造形で良く出来ていました。このデューセンバーグ SJもプロポーションが良く、灯火類やボンネット右横の排気管などの細部も良く仕上げてありました。(ヘッドライトがやや大きすぎますが) ドゥグーのミニカーには合成ゴムのタイヤに含まれる可塑剤(有機溶剤)がプラスチック製ホイールを溶かすという問題があり、このデューセンバーグ SJも程度が軽いながらホイールの一部が溶けています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ TOWNCAR 1
DUESENBERG SJ TOWNCAR 2

 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ TOWNCAR 3
DUESENBERG SJ TOWNCAR 4

 以下は1987年に発売されたフランクリン ミント製の デューセンバーグ J デュアル カウル フェートン (1/24 型番KD09)です。映画俳優ゲイリー クーパーが購入した、コーチビルダー ダーハム(DERHAM)社が架装したデュアル カウル フェートンをモデル化しています。フランクリン ミントの1/24は現在のオートアートなどの大スケールミニカーの先駆けで、シャーシ/エンジン/サスペンションなどのメカ部分が金属製パーツ主体で再現されドアやボンネットが全て可動する、当時としては最も精密なミニカーでした。(なお当時フランクリン ミントのミニカーは国内では同社の通信販売でしか購入できませんでした) このデューセンバーグもプロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。4ドアが開閉しリアシート手前のカウルの下にウインドー開閉用ハンドルが再現されているなど室内は細部まで良く再現されていました。またボンネットを開くとエンジンがリアルに再現されていました。さらにステアリングホイールと連動した前輪操舵ギミック付きでした。当時の価格は18000円(2024年現在では約30000円相当)と安いものではなかったのですが、その価格に見合った素晴らしい出来ばえでした。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 1
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 2

 以下はフロント(マスコット拡大 前輪操舵動作)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DUAL COWL PHAETON 3
DUESENBERG J DUAL COWL PHAETON 4

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と床下部分の画像です。床下のドライブトレーンやサスペンションがそこそこリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 5
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 6

 以下はソリド製のデューセンバーグ J デュアル カウル フェートン (1/43 型番CS2)の画像です。上記のソリド製 セダンのバリエーションで、ソリドのファンクラブ限定品として1988年に発売されました。限定品なのでケース台座にシリアル番号が表示されていて、値段は通常品の約2倍(定価5000円)と高価でした。キャビン部分がデュアル カウル フェートンに変更されリアに荷物棚が追加されています。ボンネットは取り外せないように変更されたので、エンジンは再現していません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 7
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 8

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 9
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 10

 以下は1971年頃に発売されたリオ製のデューセンバーグ SJ トルペード フェートン 1934 (1/43 型番45)の画像です。これもデュアル カウル フェートンをモデル化していますが、上記のフランクリン ミントのデュアル カウル フェートンよりキャビンが小さくスポーティなデザインで、アメリカのコーチビルダーのブルン(BRUNN)が架装しました。ミニカーはこのスポーティなボディがうまく再現されていて、とても良く出来ていました。ボンネットの上部を取り外すことができ、特徴的な排気管の付いたエンジンが再現されていました。(なお実車のボンネットはこのように上部だけが外れることはありません) またシャーシなどの下回りのメカがリアルに再現されていたのも、リオのクラシックカーの特長でした。幌を収納した色違いのバリエーション(型番46)もありました。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ TORPEDO 1
DUESENBERG SJ TORPEDO 2

 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。フロントグリル上に付いたデューセンバードのマスコットは鳥のオブジェで「デューセンバード」と呼ばれています。
DUESENBERG SJ TORPEDO 3
DUESENBERG SJ TORPEDO 4

 以下はボンネット右側面の画像とボンネットを取り外したエンジンルームの画像とボディ下回りの画像です。エンジンの排気管がボンネット側面から取り出されている構造がリアルに再現されていました。さらにこの排気管は床下の排気管に接続されています。床下にはシャーシ、エンジン/変速機、ドライブシャフト、サスペンションもリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ TORPEDO 5
DUESENBERG SJ TORPEDO 6

 以下は2006年に発売されたシグネチャー製のデューセンバーグ J フェートン 1934 (1/32 型番32110)の画像です。これも上記と同じコーチビルダー ブルンが架装した車のモデル化ですが、こちらはスーパーチャージャー付のSJではなくJです。(ボンネット横の排気管がありません) 上記SJと良く似たデザインですが、リアに外付けのトランクを背負っています。黒と緑の派手なツートンカラーは実車に準じたカラーリングです。(実車画像→ デューセンバーグ J フェートン 1934) シグネチャーのクラシックカーのシリーズは縮尺が1/32で1/43より一回り大きいかったです。サイズが大きい(全長153㎜)のですが、細部の仕上げは上記のリオ製と同じようなレベルとなっていました。(サイズを無視すればリオ製並みの良い出来ばえであると言えます) シグネチャーのクラシックカー シリーズの特長はサイズと出来ばえのわりに安価なことで(当時の定価は2000-25000円ほど)、細かなパーツが多いクラシックカーを1/32という組付けが容易なサイズとしたことで組付けコストを低減して低価格を実現していました。ボンネットと前ドアが開閉するギミック付きで前輪操舵ギミック(ステアリングホイールとは連動しない)も付いていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 1
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 3
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 4

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と前輪操舵ギミックの画像です。ボンネットが実車同様に開くのは良いのですが、エンジンの出来ばえは1/32サイズとしてはやや物足らないレベルです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 5
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 6

 以下は1979年に発売されたダイヤペット製のデューセンバーグ J デュアル カウル フェートン (1/27 型番G124)の画像です。ダイヤペットのクラシックカーのシリーズで1/27と中途半端なサイズでしたが、ダイヤペットとしては初のクラシックカーのモデル化で意欲的なミニカーでした。ダイヤペット初のクラシックカーながらなかなかの良い出来ばえで、サイズが大きいので少し凝ったギミックが付いていました。4ドアが開閉しリアカウルが上下します。ボンエットを取り外すとエンジンが再現されていて、さらに運転席のハンドブレーキ風のレバーを操作することでライトが点灯します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 11
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 12

 以下はフロント(ヘッドライト点灯)/ボンネットを外した状態のエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。ヘッドライトを点灯させる為の単3電池2本を収納する電池ボックスが底下部分にありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 13
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 14

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DUESENBERG J SPIDER 1931 USA

DUESENBERG J SPIDER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J SPIDER


SOLIDO 35 1/43 130mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.6m 全幅約1.85m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 6.9L 265HP 3段変速
性能: 最高速186km/h  データーベースでデューセンバーグのミニカー検索

デューセンバーグ J スパイダー アメリカ 1931年

 

 デューセンバーグは1926年にコードに買収されました。コード傘下で1928年に発表したモデル Jはデューセンバーグを一躍有名にしました。モデル Jはアメリカ最大、最速、最高品質を目指して開発されました。当時はレーシングカーしか採用していなかったDOHC方式の8気筒6.9L(265HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速180km/hと高性能でした。ボディは有名なコーチビルダーが担当し華麗なデザインのボディが架装されました。ボディ形式としては4ドアセダン、2ドアクーペ、スパイダー、フェートン(4座オープンカー)、デュアル カウル フェートン (前席/後席にスクリーンが付いた4座オープンカーで、オープンカーとしては最も高級な形式)などがありました。

 

 1932年にはスーパーチャージャーでエンジンを320HPにパワーアップし最高速208km/hとした高性能版のSJが追加されました。SJのスーパーチャージャーはエンジンの横に配置されていたので、排気管の取り回しが変更されボンネット右側面から排気管が出ていました。SJの最高速は209㎞/hで、当時の乗用車では最速でした。SJのスパイダーにはホイールベースを短縮したさらに高性能なSSJが2台だけ製造されました。この2台は映画俳優のゲイリー クーパーとクラーク ゲーブルがレースで使用していたそうです。(実車画像→ デューセンバーグ SSJ 1935 )

 

 

 ミニカーは1976年に発売されたソリド製です。前述したソリドのJ セダンのバリエーションで、ボディ後半を変更して2シーター スパイダーをモデル化しています。巨大なボディに小さな2シーターのキャビンという贅沢なスペース配置は、当時のアメリカ製高級車のスタイルでした。前述したソリドのJ セダンと同様にプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現され良く出来ていました。室内はインパネが紙シールで再現され、ボンネットを取り外すとエンジンが再現されています。これ以外のデューセンバーグ J スパイダー(クーペ)のミニカーは、リオ、シグネチャーの1/32、デルプラドのSSJ、ミニチャンプスのコンバーチブル クーペ、イクソのSSJ、マトリックス(レジン製)のSJなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを外したエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DUESENBERG J SPIDER 1
DUESENBERG J SPIDER 2

 以下は1990年代に発売された上記ソリド製のバリエーションで、幌を収納した状態のデューセンバーグ J スパイダー(1/43 型番4164)の画像です。上記の発売から10年以上後になって発売されたので、コストダウンでボンネットが固定されエンジンの再現がなくなりました。また幌が付いていなくて室内の造形も少し簡素化されていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J SPIDER 3
DUESENBERG J SPIDER 4

 以下は2002年に発売されたデルプラド製のミニカー付雑誌 カーコレクション シリーズのデューセンバーグ SSJ スパイダー (1/43 No.66)の画像です。ミニカーの箱にはSSJではなくJと書かれていましたが、ボンネット右側面から排気管が出ているので、スーパーチャージャーを追加してパワーアップしたSJのショートホイールベース版であるSSJをモデル化しています。メーカーは不明ですが、このシリーズの製造を手掛けていた中国のメーカーです。プロポーションが良くフロントグリルや室内のインパネなど結構細かいところまで良く仕上げてありました。このカーコレクション シリーズのミニカーとしては出来の良い部類でした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SSJ SPIDER 1
DUESENBERG SSJ SPIDER 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SSJ SPIDER 3
DUESENBERG SSJ SPIDER 4

 以下は2007年に発売されたイクソ製のデューセンバーグ SSJ スパイダー (1/43 型番MUS006)の画像です。イクソの型番MUS***は1/43のダイキャスト製クラシックカーのシリーズで、いずれも良く出来ています。これもボンネット右側面から排気管が出ているSJのショートホイールベース版であるSSJをモデル化しています。派手な赤と黒のツートンのカラーリングが実車のイメージに良く似合っていました。デューセンバーグのマスコットが付いたフロントグリル、ワイヤースポークホイール、リアのスぺアタイヤ カバー、ナンバープレートなどがリアルで、とても良く出来ていました。また室内のインパネも良く再現されていて、インパネの上に付いている丸い物はバックミラーのようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SSJ SPIDER 5
DUESENBERG SSJ SPIDER 6

 以下はフロント(マスコット部拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SSJ SPIDER 7
DUESENBERG SSJ SPIDER 8

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DUESENBERG J CONVERTIBLE VICTORIA 1933 USA

DUESENBERG J CONVERTIBLE VICTORIA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J CONVERTIBLE VICTORIA


FRANKLIN MINT RU77 1/24 252㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約1.85m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 6.9L 265HP 3段変速
性能: 最高速186km/h  データーベースでデューセンバーグのミニカー検索

デューセンバーグ J コンバーチブル ビクトリア アメリカ 1933年

 

 デューセンバーグが1928年に発表したモデル Jはデューセンバーグを一躍有名にしました。モデル Jはアメリカ最大、最速、最高品質を目指して開発され、値段も当時最高の超豪華車でした。その価格は大衆車T型フォードの約40倍でしたので、この車を買えたのは当時のハリウッドの大スターや王侯貴族だけでした。サイズは全長約5.6m(リムジーン)、性能はDOHC方式8気筒6.9L(265HP)エンジンを搭載し最高速180km/hでした。ボディは有名なコーチビルダーが担当し華麗なデザインのボディが架装されました。ボディ形式としては4ドアセダン、2ドアクーペ、スパイダー、フェートン(4座オープンカー)、デュアル カウル フェートン (前席/後席にスクリーンが付いた4座オープンカーで、オープンカーとしては最も高級な形式)などがありました。最も高価なモデルは当時の価格が2万ドルであったことから「トゥエンティ グランド」と呼ばれていました。

 

 この車は往年のハリウッドの名女優グレタ ガルボ(Greta Garb もう知らない人が多いでしょうが)が所有していたとされる、デューセンバーグ J コンバーチブル ビクトリアです。全長が6mを越える長い車で少し奇抜なデザインですが、最も優美なデューセンバーグとも言われていました。極端に低いウインドシールドと大きな2ドアを持ち、リアには巨大なトランクと2本のスペアタイヤを背負っていました。幌を立てると後席に乗車しているオーナーの姿はほとんど見えないようになっていました。ボディを架装したのはフランスのコーチビルダー ダリンでした。

 

 

 ミニカーは1990年頃に発売されてフランクリン ミント製の1/24です。当時フランクリン ミントのミニカーは国内では同社の通信販売でしか購入できませんでした。フランクリン ミントの1/24は現在のオートアートなどの大スケールミニカーの先駆けで、シャーシ/エンジン/サスペンションなどのメカ部分が金属製パーツ主体で再現されドアやボンネットが全て可動する、当時としては最も精密なミニカーでした。このデューセンバーグ Jもプロポーションが良く、実車の変わったデザインがうまく再現されていて、とても良い出来ばえでした。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、ステアリングホイールと連動した前輪操舵ギミックも付いていました。床下部分のドライブトレーン/サスペンションなどもリアルに再現されていました。当時の価格は29500円とかなり高価でしたが、その価格に見合った素晴らしい出来ばえでした。以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DUESENBERG J VICTORIA 1
DUESENBERG J VICTORIA 2

 以下はボンネットを開いたエンジン部分の画像と床下のシャーシ/サスペンションなどのメカ部分の画像です。エンジンはかなりリアルに再現されていて、手前右下にステアリングホイールに直結されたステアリングシャフトが見えますが、このシャフトは先端についたギヤで実際に前輪を操舵します。(実車と同じギア駆動ではないですが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J VICTORIA 3
DUESENBERG J VICTORIA 4

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DUESENBERG SJ FISH TAIL 1933 USA

DUESENBERG SJ FISH TAIL
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ FISH TAIL


RIO 86 1/43 142mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6.1m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 6.9L スーパーチャージャー 320HP 3段変速
性能: 最高速250km/h  データーベースでデューセンバーグのミニカー検索

デューセンバーグ SJ フィッシュ テール アメリカ 1933年

 

 前述したようにデューセンバーグ Jは1929年から始まった世界大恐慌の時代に成功しており、当時のユーザーはまだ不況とは無関係だったようです。このようなユーザーに向けてさらに高級な車が1932年に発表されました。スーパーチャージャーを追加して320HPにパワーアップし最高速250km/hに性能を向上させたモデル SJでした。スーパーチャージャーの追加で排気管がボンネット右側面から張り出すようになり迫力のある外観となっていました。

 ただデューセンバーグが輝いていたのはほんの数年でした。1932年にデューセンバーグ創始者のフレッドが、自分が開発したSJでの自動車事故で死亡しました。これと呼応するかのようにデューセンバーグを有するコード帝国もコード L29の販売不振から崩壊し始め、1937年にデューセンバーグ社は倒産しました。

 

 前述したデューセンバーグ J ビクトリアは全長の長い車でしたが、このミニカーがモデル化しているデューセンバーグ SJも同じくらい長い車でした。ボディはアメリカのコーチビルダー ウェイマン(WEYMANN)が架装していて、そのリアの形状からFISH TAIL(魚のしっぽ)と名付けられていました。2座のオープンボディでテール部分にはトランクらしきものがありますが、ほとんどがデッドスペース?で現在では考えられない贅沢なスペースの使い方でした。現在のような実用性重視で合理的に設計された車とは全くの別物で、このような無駄に思える虚飾を追及していることがこの類の車の魅力なのです。

 

 

 ミニカーは1993年に発売されたリオ製です。1970年代に発売されたリオ製のデューセンバーグ SJのバリエーションで、ボディ後半の型を大幅に変更してこの特徴的なボディを再現していました。ボディ全体を上から見ると、車というよりもボートのような形状をしています。ボンネットの上部を取り外すことができ、ボンネット右側面から出る排気管を持つスーパーチャージャー付エンジンもそこそこリアルに再現されていました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DUESENBERG SJ FISHTAIL 1
DUESENBERG SJ FISHTAIL 2

 以下はボンネットを外したエンジン部分と俯瞰/下回りシャーシの画像です。(なお実車のボンネットがこんな具合に開いたのではありませんが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ FISHTAIL 3
DUESENBERG SJ FISHTAIL 4

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DUESENBERG SJ TORPEDO SEDAN ’TWENTY GRAND’ 1933 USA

DUESENBERG SJ TORPEDO SEDAN ’TWENTY GRAND’
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ TORPEDO SEDAN ’TWENTY GRAND’


FRANKLIN MINT PW73 1/24 237㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.7m エンジン 変速機: 8気筒DOHC 6.9L 320HP 3段変速
性能: 最高速208km/h  データーベースでデューセンバーグのミニカー検索

デューセンバーグ SJ トルペード セダン ’トゥエンティ グランド’ アメリカ 1933年

 

 前述したようにデューセンバーグが輝いていたのはほんの数年でした。1932年にデューセンバーグ創始者のフレッドが、自分が開発したSJの自動車事故で死亡しています。これと呼応するかのようにデューセンバーグを有するコード帝国もL29の販売不振から崩壊し始め、1937年にデューセンバーグ社は倒産しました。

 

 この車は1933年のシカゴ万国博覧会に出品された、デューセンバーグとして一番豪華であった特別な車でした。当時の価格が2万ドル(現在に換算するとたぶん4000万円ぐらい)であったことからこの車は「トゥエンティ グランド」という名前で呼ばれました。またトルペード セダンとは、革張り風のファブリックで覆った屋根でフェートン(4座オープンカー)のように見せかけていることを意味します。室内には4つの肘掛け付シートがあり、ウォールナットのパネルを使った豪華な内装となっていました。モデル Jは約480台が製造されその中でSJは約40台、そのほとんどはロードスターやデュアルカウルフェートンで、この車のようなセダンはたったの数台だけでした。

 

 

 ミニカーはフランクリン ミント製の1/24で、1991年頃に通信販売で購入しました。(当時フランクリン ミントのミニカーは同社の通信販売のみで販売されていました) フランクリン ミントの1/24は現在のオートアートなどの大スケールミニカーの先駆けで、シャーシ/エンジン/サスペンションなどのメカ部分が金属製パーツ主体で再現されドアやボンネットが全て可動する、当時としては最も精密なミニカーでした。このSJ トルペードは実車に即したカラーリングでプロポーションが良く、ボンネット/4ドア/トランクが開閉し、さらに前輪を操舵できるギミックが付いていました。室内も良く再現されていて、特に室内の木目パネルはデカールを張ったプラスチックではなく本物の木目パネルが使われていて、フランクリン ミントならではのリアリティの追求がされていました。(ここまで凝った仕上げのミニカーはこれぐらいしか知りません)

 細部のディテール再現が優れているだけではなく、実車が持つ周囲を圧倒する重厚な雰囲気も見事に再現していました。当時の価格は25000円とかなり高価でしたが、その価格に見合った素晴らしい出来ばえでした。これ以外のSJ セダン (デューセンバーグ トゥエンティ グランド)のミニカーは、GREAT LIGHTNING(レジン製)があります。以下はフロント(マスコット拡大)/前輪操舵動作の画像とリア/荷物ラック/トランク開閉の画像です。荷物ラックはトランクに収納できなかった荷物を載せたのでしょう。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DUESENBERG SJ TWENTY GRAND 1
DUESENBERG SJ TWENTY GRAND 2

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と床下部分の画像です。エンジンルーム左側手前右下にステアリングホイールに直結されたステアリングシャフトが見えますが、前述したフランクリン ミント製のデューセンバーグ コンバーチブル ビクトリアと同じくこのトゥエンティ グランドもこのステアリングシャフトを介して前輪の操舵を行います。このような可動部の作りが頑丈で、簡単には壊れないのもフランクリン ミントの良いところ(基本設計)でした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ TWENTY GRAND 3
DUESENBERG SJ TWENTY GRAND 4

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