Sorry Japanese Only
コード L29 カブリオレ アメリカ 1929年
インディアナ州オーバンの馬車製造会社が1900年にオーバーン自動車を設立し自動車製造を始めました。同社は地元の自動車メーカーを買収するなどして1910年代には6気筒エンジン搭載車を販売しており、ある程度成功していました。しかし第一次大戦の物資不足の影響で工場が閉鎖されました。この会社の再建を托されたのが自動車ディーラーの優秀な販売員だったエレット ローバン コード(Errett Lobban Cord)でした。彼は在庫を一掃するなどして再建に成功し1926年に経営権を得ました。彼はその後の3年間でオーバン、コード、デューセンバーグの3つの自動車メーカーと航空機会社などを傘下に持つ一大企業連合体「コード帝国」を作り上げました。(並みの人物ではないすごい人だったようです)
彼は自身の名前を冠したコード社を1929年に設立し、最初の車としてコード L29を発表しました。L29は量産車としてはアメリカ初の前輪駆動車で、ライカミング社製直列8気筒4.9L(125HP)エンジンを搭載していました。L29は前輪駆動方式だけではなくボディデザインも斬新でしたが、これは「変わった車は売れる車」という持論を持つコード氏の意向だったようです。L29はセダン、フェートン、カブリオレ(クーペ)があり当時の同クラスの高級車と同等レベルの販売価格だったそうです。ただしエンジンのパワー不足で性能が芳しくなく、1929年に始まった世界恐慌のせいもあってあまり売れませんでした。1932年までに約4400台が生産されました。1935年にはコード車では一番有名な810/812が登場しました。
ミニカーは1979年に発売されたソリド製です。L29の2ドアカブリオレ(クーペ)をモデル化しています。1970年代のソリドのクラシックカーはシャープな造形で当時一級品の出来ばえでした。このL29もドライブシャフトがない前輪駆動の為全体的に低い車体や独特の形状のバンパーなど実車の雰囲気がうまく再現され良く出来ていました。ソリドは型番55でセダンもモデル化しています。これ以外のコード L29のミニカーはフランクリン ミントの1/43、ダンバリー ミントの1/16、マトリックス(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=215
フォード AA型 トラック ’カールスバーグ’ アメリカ 1932年
フォード T型の商用車(トラック)仕様としてTT型がありましたが、T型をモデルチェンジしたA型にも商用車仕様のAA型がありました。なお商用車仕様としてはA型の商用バンもありました。4気筒3.3Lエンジンなどの主要パーツはA型と共通でしたが、ホイールベースは大幅に延長され3.3mと4mの2タイプがありました。リアサスペンションは強化され、後輪駆動力を上げる為ギヤ比が変更されていたので、最高速はかなり遅くなっていました。ピックアップ、ダンプトラック、メールトラック、パネルトラック、救急車、消防車など様々なタイプのカスタムボディが架装されました。1932年にA型がB型にモデルチェンジし、AA型もBB型にモデルチェンジしました。
A型とAA型はアルゼンチン、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、日本など世界中のフォードの工場で生産されました。また当時のソ連の国営企業GAZとの合弁会社でもライセンス生産されました。ソ連版のA型はGAZ-A、AA型はGAZ-AA(後期型はGAZ-MM)と呼ばれ、軍用車などの派生車がたくさん作られました。
ミニカーは1993年に発売されたマッチボックス製のフォード AA型 トラック 'カールスバーグ'の画像です。この型番Y****のシリーズは1990年代に発売されたマニア向けのYシリーズで、クラシックな商用車などがモデル化されていました。このAA型はフロントグリルの中央に縦バーが付いていますが、これはイギリスで製造したAA型に特有な形状だそうですので、欧州仕様のAA型をモデル化しています。全長5mほどの中型ボックストラックで、実車画像と見比べると実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ています。なおサイドに表示された「CARLS BERG PILSNER (カールスバーグ ピルスナー)」はデンマークの有名なビール会社です。この類の商用車ミニカーは鮮やかなカラーリングや車体に表示された商品ロゴが楽しいのですが、マニア向けですのでその辺は抜かりなく綺麗に仕上げてあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=214
当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2024 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.